この素晴らしい世界にイレギュラーを!   作:JAIL

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1期分のprologue見たら主人公視点と三人称視点がかなりごっちゃになってた・・・
時間がある時に直します・・・
それとこの回で皆さんの応募して下さった魔法を出します!


イレギュラー、再び

めぐみんは昨日から爆裂魔法を撃ちに行ってる。

運搬は和真。

そして俺は今、ゆんゆん、レイシャ、シノアと共に雪山に来ている。

理由はまぁ・・・屋敷の弁償代の確保だ。

標的はアイスグリフォン数体。

まぁ大丈夫だろと思い、4人で行く事にした。

和真、アクア、めぐみん、フィーリィは今日は休み。

ダクネスは裁判以来、帰って来てない。

 

「にしても寒ぃな~・・・【ウォーム】」

 

一応ベージュのフード付きロングコートは着てるけどそれでも寒い・・・

俺は自分を暖める自作魔法【ウォーム】を使い、身体を暖める。

あ~暖けぇ~・・・

 

「うわ~竜弥さん狡いですよ・・・自分だけ暖まるって・・・」

 

シノアがジト目で俺を見るけど寒いのだから仕方が無い・・・

 

「寒いの苦手なんだよ・・・っと標的が見えた」

 

目の前にはアイスグリフォンが3体喧嘩してた。

 

「ゆんゆんは拘束魔法で、レイシャは目を潰して足止めを頼むわ。シノアは俺と前衛な」

「「「了解」」」

 

俺は【剣製】で蛇尾丸を作り、シノアとは別の方向から攻める。

ゆんゆんの拘束魔法【レガーレ】とレイシャの矢による目潰しが決まり、3体に隙が出来る。

 

「【死鎌童子・双刃業火(そうじんごうか)】!」

 

シノアが鎌を振ると両腕がブレード状で火を纏った人型がアイスグリフォンに襲い掛かる。

人型は一気に2体討伐した。

って何だ今の!?

俺もゆんゆんの放った拘束魔法で動けない隙を逃さずにアイスグリフォンの首を撥ね、討伐する。

 

「シノア・・・何あれ?」

「ちょっと試しに撃った技です。どうもこの【死鎌童子】・・・属性付きの人型も作れるみたいなので使ってみました」

 

へぇ~・・・すげぇな・・・

ってことは【双刃業火】の所を【双刃雷電(そうじんらいでん)】とかにしたら両腕がブレード状で雷属性の人型が出るって事だよな?

試しに色々撃ってみたいと言われ、どんどん討伐していった。

 

「【死鎌童子・双刃幻影(げんえい)】!」

 

シノアの鎌から両腕がブレード状で紫色の人型が放たれる。

アイスグリフォンはブレスで破壊しようとしたが目の前で人型は消え、後ろからアイスグリフォンを討伐する。

なるほど・・・幻影を見せて後ろから強襲か・・・

 

「【死鎌童子・双刃雷電】!!!!」

 

次は緑色の人型。

アイスグリフォンは電気を浴びてショック死。

白目剥いて嘴から泡出とる・・・

怖っ・・・!

 

「・・・あの子、あんなに活発だっけ?」

 

レイシャが横から俺に聞く。

 

「・・・多分御剣ん所で暴れてなかった分、こっちて発散してんだろ・・・」

 

にしてもさ・・・返り血浴びて笑いながら戦ってらっしゃいますよシノアさん・・・

 

「【死鎌童子・双刃輝煌(きこう)】!!!!」

 

次は光属性か・・・

アイスグリフォンが眩しくて目を閉じてる隙に人型が首を飛ばす。

 

「ふぅ・・・♪あれ?どうしました?」

「「「いや・・・別に・・・」」」

 

言えない・・・シノアが狂戦士(バーサーカー)みたいだったとは・・・

ゆんゆんが討伐数を確認している。

合計で6体いったとか・・・

 

「ん~少なくとも討伐数2桁はいきたいな・・・」

「確かアイスグリフォンって1体につき、50万エリスだったわよね?なら一旦はこれでいいんじゃない?」

「いや・・・弁償額12億だぞ?今、6体だから少なくとも300万・・・弁償額はこの40倍もあるからな・・・少し急ぎ目に軽くしたい・・・」

 

それもそうだけど・・・とレイシャが渋る。

ガサッ!と音がしてそちらを見ると物陰から集団のゴブリンが現れた。

 

「リュウヤさん。ちょっと撃ってみたい魔法があるので下がってもらえますか?」

 

ゆんゆんにそう言われ、俺は下がることにする。

ゆんゆんは掌をゴブリン達に向けて魔法名を唱えた。

 

「【ラプチャー・ラプチャー】」

 

掌から炎色の光球が現れてゴブリン達に飛んでいく。

ゴブリン達のちょっと手前で着弾し、破裂した。

その破裂がゴブリン達を襲う。

そして、バラまかれた光の破片が再度爆発を起こし、ゴブリン達は全滅した。

 

「・・・何?今の・・・?」

「【ラプチャー・ラプチャー】っていう魔法ですよ。あれは二段階式の遠距離爆発系の魔法なんです」

 

ゆんゆんってさ・・・普段オドオドしてる割に、こういった所ではかなりエゲツナイよな・・・

ゆんゆんを敵に回すのだけは止めておこう・・・

 

「今日はもう終わりにする?」

「そうですね・・・今日は止めた方がいいと思います・・・もう雲行きも悪いですし・・・」

 

ゆんゆんにそう言われ、そういえばと俺も空を見る。

あちゃ~・・・真っ黒だ・・・

豪雪でも来たら帰りづらくなるか・・・

 

「しゃーねぇ・・・今日はお」

 

わりだな────と言おうとした時だった。

向こうから龍の影が現れる。

 

「ちっ・・・何か気やがった・・・」

「アイスドラゴンですね・・・アイスグリフォンより凶暴で俊敏性が高いです」

 

グリフォンの1つ上って訳ね。

 

「さっきの陣形で討伐するか」

 

俺の言葉に3人が頷く。

最初に仕掛けたのはレイシャだ。

レイシャは矢を2本、同時に射って足を狙う。

だがドラゴンの目の前で矢は消え、後ろから突き刺さる。

前に言ってた【無矢】ってやつか・・・

俺とシノアが前に出る。

 

「【死鎌童子・双刃業火】!!!!」

 

シノアが鎌を振ると火を纏った人型がアイスドラゴンに迫り、戦闘をしている。

対等になるまでの魔力強度とコントロールを保ててるみたいだ。

 

「竜弥さん!お願いします!」

「おっけ~!」

 

俺はドラゴンの背後に位置取りをする。

蛇尾丸を振って刃節を伸ばし、ドラゴンの翼を胴体から切り離した。

いや~蛇尾丸って便利だよね~地面立って空とかにいる離れた敵も刃節伸ばせば届くんだから。

飛ぶ手段を失ったアイスドラゴンは地面に落ちた。

そこをゆんゆんが拘束するもグググッ・・・と身体を起こそうとする。

チッ・・・タフな野郎だ・・・

俺は魔力の消費に応じて様々なものを操る自作魔法の【支配者の魔法(ルーラーマジック)】で総魔力の半分を使ってドラゴンの周りの重力を操り、地面に押し付ける。

そこをシノアがトドメに首を狩った。

結構いいチームプレーしてんじゃねぇかな?

 

「ふぅ・・・まさかまた乱入(イレギュラー)があるとはな・・・」

「ですね・・・」

 

こうして俺達は無事にクエストを進めていった。

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

 

「ねぇ・・・マジでやんの?」

「・・・言い出しっぺが率先してやらないでどうするのよ・・・?」

 

俺の目の前では3人が野営の準備をしていた。

事の発端はクエストに行く前、俺が冗談半分で「1回野営とかやってみたいんだよね~」と言ったのが始まりだった。

当初の予定では、「面倒」、「疲れる」等の批判を受け、「冗談だって~」と言って、日帰りで帰る予定だった・・・

 

なのに・・・

 

「面白そうね」、「私も賛成で~す!」、「じゃあ必要な物を揃えましょう!」と賛成され、必要な物は俺の作った魔法【異次元空間】に仕舞わされてしまった・・・

 

「貴方が言い出したんでしょ・・・『野営とかやってみたい』って・・・」

「いや・・・うん・・・言ったけどさぁ・・・マジでやるとは思わなかった・・・」

「あれ?竜弥さん、何してるんですか?こっちはもう準備出来てますよ?」

 

あ~・・・もうやる気満々ですね・・・この方達・・・

わーったよ!やりますよ!やればいいんでしょうが!

俺は諦めて他の準備に取り掛かった・・・

簡易的なテントを張り、火を焚く。

食料はジャイアント・トードの肉。

これを枝に刺して焚き火の周りで焼く事にした。

夜になって空に星が輝いている。

 

「なんかワクワクしますね~!」

「感じも出てるし、またやってみたいわね」

「そうですね!」

 

もうこの御三方・・・サバイバル精神バリバリですわ・・・着いて行けねぇよ!

言ったよ!?

確かに野営してみたいって言いましたよ!?

けどいきなり過ぎません!?

もっと予定とか立てて行きたかったよ!

肉が焼けて食べ始める・・・美味い。

それに気になる事が一つある・・・

 

「なぁ・・・」

「「「?」」」

 

俺が声を掛けて、皆の視線が俺に向く。

 

「風呂とかどうすんの?」

 

俺の発言にキョトンとしてる・・・?

え?何?俺なんか不味い事言った?

 

「リュウヤ、それはね?」

「ん?」

 

レイシャに提案があるのかと思い、俺は耳を傾ける。

 

「お風呂が無ければ作ればいいのよ」

 

何だよその、『パンがなければケーキを食べればいいのよ』的な発言は!?

2人は「おお~!」と言ってパチパチと拍手を送っていた。

3人に『作って下さい』と視線で言われ、焚き火をもう1つ増やし、その上に持ってきた大きな樽を置いて水を入れ、温める。

まぁ、五右衛門風呂の完成って訳だ。

その五右衛門風呂を視界遮断の機能を付けた【フィルターフィールド】で風呂を覆い、順番に風呂に入った。

勿論俺は最後でした・・・

寝ることになって3人を先にテントの中で寝かせる。

俺はコートを着たまま岩の近くに丸太を置いてその上に座る。

まぁ星座鑑賞もしたかったし、まぁ結果オーライだ。

 

「牡牛座にオリオン・・・大いぬ座・・・あっ双子座見っけた・・・お金といい、星座といい・・・大半が日本と変わんねぇのな・・・」

 

異世界特有のお金の数え方があったり、言語の違いや新しい星座でも見られるのかなと思ってはいたが・・・まぁやりやすいし、見られる分・・・まだマシか・・・

 

「あの・・・竜弥さん」

 

呼ばれたので振り向くと毛布を抱きしめたシノアが立っていた。

どうも寝れないらしい。

俺は丸太の空いている所をポンポンと叩いて座るように促す。

シノアは何も言わず、俺の右横に座った。

 

「・・・綺麗ですね・・・」

「日本と変わらねぇのが残念だけどな・・・」

「竜弥さん、星座に詳しいんですか?」

「ちょっと中学の奴の影響でな」

 

中学で知り合った女子にやってみてと誘われ、実際にやったら面白くて、学校の本やパソコンなんかを使って星座を調べてたりしていく度に色んな星座を覚えていた。

2人で静かに星座を見る。

 

「竜弥さん・・・裁判の時・・・ありがとうございます・・・」

 

俺はシノアが裁判の時、裏切り者呼ばわりされていた事を思い出していた。

 

「気にすんな・・・お前はもう俺達のパーティメンバーなんだ・・・あいつらの言うことは無視していい位だ」

「アハハ・・・そうですね・・・」

 

シノアがそう言ってまた静かになる。

 

「一つ聞きたい事があったんです・・・」

「?何だ?」

「竜弥さん・・・何で貴方は怪我を負ったのにも関わらず私達を守ろうとかしてくれるんですか?」

 

まぁ今迄の行動で気になるのも当然だろうな・・・

俺は隠す必要は無いなと思い、前世での暮らしを隠すこと無くシノアに言った。

シノアは俺の言った事が信じられないかのように唖然としていた。

 

「そんな事が・・・」

「まぁ暴力は俺が受けてたけど彩香が無事なだけ良かったよ・・・」

「・・・」

 

シノアはどう声を掛ければいいのだろうかと言うような顔で俺を見る。

 

「・・・ごめんなさい・・・」

「え?」

「いえ・・・最初は御剣さんみたいに自己満足かなって思っちゃってたんです・・・でも今の・・・竜弥さんの言った事で今迄の行動が一致したんです・・・なのに・・・私・・・そんな事も知らないで偉そうにあんな事を・・・」

 

シノアの言ってるのはメグと喧嘩した時の発言だろうな・・・

 

『自分の命を軽く見るな』

 

か・・・言ってしまうと俺は自分の命を軽く見た事は全くない。

 

「だから・・・謝らせて下さい・・・竜弥さん・・・貴方の事情を知らずに自分勝手な事を言って・・・すみませんでした・・・」

シノアが俺に身体を向け、深々と頭を下げて謝罪する。

 

「・・・もう過ぎた事だろ?ぶり返すのは嫌いだ」

「ですが・・・!私は「ていっ!」あてっ!?」

 

俺はシノアの額にデコピンをして言葉を遮る。

 

「辛気臭いのは止めようや、お前の発言で今日みたいな連携も出来たんだしさ」

「・・・」

 

シノアは納得がいかないのか・・・顔を俯かせる。

参ったな・・・どうすっか・・・

 

「なら・・・約束してくれ」

「え・・・?」

「俺は皆を守る。だからお前は俺を守ってくれ。俺の身が危険な時は俺と背中合わせで戦うこと!な?」

 

俺は拳をシノアの前に出す。

シノアはキョトンとしたがクスッと笑った。

 

「仕方ありませんね・・・でもそれがいいですね」

 

シノアと俺の拳がコツンと軽く当たった。

今日、俺はシノアと距離が縮んだ気がした。

 

「話は変わるんですけど・・・竜弥さんてどこら辺に住んでたんですか?」

「俺?秋宮」

「えっ!?意外と近いですね!私、梅宮ですよ?」

「あっ!?隣の市なの!?」

「秋宮ですか・・・秋宮のきな粉餅とかとか美味しいですよね~!」

「だよなぁ~!・・・梅宮つったら・・・何だ?」

「あぁ・・・梅宮って若干、田舎寄りなんであんまり何が有名とか分かりませんよね・・・因みに私も知りません」

「おい梅宮市民・・・しっかりせぇや・・・」

 

仕方ないじゃないですか~とシノアが拗ねてプイッと顔を反らす。

俺達は眠くなるまでずっと話し込んでいた。

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

 

「ん・・・・・・っ・・・・・・れ?」

 

強い日差しと誰かの足が目に入る。

・・・・・・・・・って足?

眠い目を擦って視界が安定する。

目の前にはニヤニヤしてるレイシャと顔を赤くして口元を両手で隠したゆんゆんがいた。

 

「やべ・・・寝ちまってたか・・・」

「あら?いいのよ?もっとゆっくり2人で寝てれば良かったのに」

 

そうは言ってもな・・・・・・・・・って・・・・・・え?2人で?

俺が右横を見ると俺の肩に頭を預けて寝てるシノア・・・・・・が・・・・・・い・・・・・・る?

 

「ん・・・・・・あ・・・・・・・・・朝ですか・・・・・・へ?」

 

寝起きのシノアと目が合った・・・

お互いに顔が真っ赤になる。

まさか・・・・・・!?

 

「ゴメンなさいね?2人きりで仲良く寝てたのに・・・邪魔しちゃったかしら?」

「うおおぉぉぉおおっっっ!?!?!?!?」

「ひゃああぁぁぁああっっっ!?!?!?」

 

俺とシノアは物凄い早さで立ち上がって距離を取った。

 

「待て!?2人とも!これには訳があって!」

「そ・・・そうです!やましいことなんか!」

「あら?私は何をしてたのかは聞いてないんだけど?」

 

レイシャはニヤニヤを崩さない。

ゆんゆんなんかは耳まで真っ赤にしてる・・・

 

「「即刻忘れろおおおぉぉぉぉぉおおお!!!!」」

 

こうして初めての野営で俺とシノアの恥ずかしい黒歴史が刻まれてしまった・・・




どうでしたか?
頑張って場面に合うように魔法を使わせてみました!
少しの間は1日置き、まぁ詳しく言うと偶数日に投稿しますのでお楽しみに!
感想、誤字脱字、魔法応募等お待ちしております!

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