この素晴らしい世界にイレギュラーを!   作:JAIL

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1日置きの方がかなり執筆が楽になった。
裁判は短くなってしまったので本日は2本出せます!
※複数出す際は全て22:00以内に出すのを予定してます。
そして次は番外編!
応募して下さった魔法を幾つか出したいと思います!


この素晴らしい世界に理不尽な裁判を!

尋問を終えた翌日

和真は被告人が尋問を受ける所に立っていた。

和真は不安からか、過呼吸になっている。

そして────────

 

「おう【PAUSE】オン

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【PAUSE】オフ────うえぇ【自主規制】!!!!!!!!」

 

うん・・・吐きました・・・

 

「これより、国家転覆罪に問われている被告人、佐藤和真の裁判を始める!告発人はアレクセイ・バーネス・アルダープ!」

 

告発人は丸々太った金髪の中年男。

アルダープは俺達の女性陣を舐め回すように、ダクネスには驚いた表情で見ていた。

 

「なぁダクネス」

「ん?どうした?」

「なんであいつ、お前を見る目だけ違うんだ?」

「あ・・・あぁいや・・・多分知り合いと間違えてるんじゃないか?」

 

ダクネスはさっきからアルダープと目を合わせようとはしていない。

疑問に思いながらも裁判は始まった。

証言台にクリスが立つ。

どうやらあの件(パンツ脱がし)で呼ばれたらしい。

 

「ありがとうございます!!!!」

 

クリスの証言は数秒で終わった。

次に呼ばれたのは御剣響夜とそのパーティメンバーの2人の女の子。

女の子は目撃者として呼ばれたとか・・・

 

「では貴方はその魔剣を奪われたと」

「あぁはい・・・ですが勝負を仕掛けたのは僕なんで問題はな「ありがとうございます!!!!」えっ!?ちょっ!?まだ話さ【割愛】

 

御剣が証言台から出る時に2人の女の子がシノアを見つけた。

 

「あら~?誰かと思ったら私達を裏切ったシノアじゃない~?」

 

緑髪の子がこれ見よがしにシノアを挑発する。

 

「あっ本当だ!にしても残念よね~?新しいパーティメンバーのリーダーが魔王軍の関係者なんてね~!」

 

2人の発言に見ている者達がザワつく。

シノアを見ると2人から視線を反らし、膝に置いた手が強く握られ、震えていた。

俺は何も言わずにその手を握り、シノアを安心させる。

俺の意図に気付いたのかシノアは弱々しく『大丈夫です』と意味を込めて微笑んだ。

ったく・・・そんなんで大丈夫って言われても説得力ねぇっての・・・

ここで発言権が許される。

俺はすかさず手を挙げた。

裁判官が発言を許可し、俺は立ち上がる。

 

「和真のパーティメンバーの一条竜弥です。検察にお聞きしたいことが一つあります」

「・・・何でしょう?」

 

俺は疑問に思った事を告げる。

 

「先程の証言に何の意味が?」

「・・・?どういう事ですか?」

 

セナが仰っている意味が分からないと言うような顔で俺を見る。

 

「確かに佐藤和真は盗賊のクリスから下着を剥いだ事は事実です・・・ですが何故その発言が魔王軍関係者の疑いや国家転覆罪と繋がるのでしょう?そして同様に御剣響夜の魔剣強奪に関しても、彼は自ら命令権を賭けて戦いを挑みました。ですが彼は佐藤和真に敗れました。そして佐藤和真は命令権を行使し、魔剣の所有権は佐藤和真に渡りました。この両方が2つの罪に関わるとは思えません。この2つ、窃盗と強奪は国家転覆罪や魔王軍関係者と関係無く、言い方は悪いですが治安の悪い地方では頻繁なのでは?」

 

まぁ・・・これらはリルムの言ってた事をそのまんま言ってるだけだけどな・・・

痛い所を突かれたのか検察のセナは顔を顰める。

 

「・・・魔王軍が魔剣等の武器を集めて襲撃してくる可能性もあると思います」

「ではもう一つ、なぜ強大な力を持つ魔王がわざわざ初心者の街を襲う必要があるのでしょう?考えても見て下さい。初心者の街ということは、まだその者達には力を使いこなす者は少ないと考えられます。私がもし魔王軍の関係者なら、より強い冒険者が集まる街を襲い、有能な冒険者を倒せば自分の安全は確かです。そして私達は今回の被告人である領主とは初対面です。もし彼に何かしらをされて恨みを持っているのなら話は別ですがその様な事は一切ない為、彼をの生活を脅かす真似は出来そうにありません。これらを踏まえてもう1度佐藤和真が国家転覆罪と魔王軍関係者であることを証明してください」

 

・・・多分これでチェックメイト出来る筈だ・・・

それに傍観者達にも俺の意見に共感するようなザワツキがある。

向こうも必死に理由を考えているのか言葉を発せないみたいだ・・・よし・・・なら・・・!

 

「では最後に・・・和真!」

 

俺の呼び掛けに和真が反応する。

 

「和真!お前は魔王軍の関係者か!?あのコロナタイトは意図して領主の家に送ったか!?」

 

俺は裁判長の前にある嘘発見機をチラ見して和真を見る。

和真は俺の意図を察して叫んだ────

 

「違う!俺は魔王軍関係者じゃない!あのコロナタイトもワザと送ってもいない!ただの冒険者だ!!!!」

 

嘘発見機のベルが鳴ることは無かった。

勝った────!!!!

 

「これではサトウカズマの嫌疑は薄すぎます。検察側もこれ以上の意見は出ないようですね。サトウカズマの嫌疑は不十分・・・よって────」

「おい裁判長。奴は魔王軍関係者だ。即刻死刑にしろ」

 

遂にアルダープが動き出した・・・

 

「ですが彼の証言に嘘発見機は反応し」

「もう一度言う。奴は魔王軍関係者だ即刻死刑にしろ。この私に恥をかかせる気か?」

「アルダープ殿、先程も言いましたが嘘発見機には「ん?」」

 

検察官はアルダープに睨まれ、口を閉じてしまう。

 

「そう・・・ですね・・・彼は魔王軍関係者・・・即刻死刑すべきでしょう・・・」

 

はぁ!?何でヒョイヒョイと意見変えてんだよ!?おかしいだろうが!?

 

「ちょっと待て!?嘘発見機も反応しなかった!何で死刑の判断になるんだ!」

「えっ・・・いや・・・それは・・・」

 

うわ~この人、検察なのに権力に負けとるわ・・・

傍観席も横暴な裁判にザワメキが酷くなりつつある。

遂に裁判長がキレて木槌を投げ、ダストに直撃した。

 

「裁判長・・・これを」

 

ダクネスが席を立ち、紋章の付いた丸いペンダントを裁判長に見せる。

何だ・・・?あれ・・・

 

「そ・・・それは・・・!まさか!?あ、あなたは・・・ダスティネス家の!?」

 

裁判長も目を見開いてその紋章の付いたペンダントを見る。

あの反応からして貴族なのか・・・?

 

「この裁判、申し訳ないが私に預からせてくれないだろうか?裁判自体を白紙にしろと言っているのではない。時間を貰えれば、この男が魔王軍の者ではないという事を証明してみせる。そして、あなたの屋敷も弁償させよう」

 

ダクネスが見せる紋章を見たまま、固まってしまう裁判長とセナ。

ちょっと待て、何だこの状況!?

ダクネスってマジで貴族の娘なの!?

そんな中、領主だけが抗議の声を上げる。

 

「で・・・ですが・・・いくら、あなたの頼みでも!」

「アルダープ。被害者である貴方に借りを作る事になるな?私にできる事なら何でも一つ、言う事を聞こう。訴えを取り下げてくれと言う訳ではない。ただ、待ってほしい」

 

ダクネスがアルダープに告げると、領主はゴクリと唾を飲み込む。

 

「何でも・・・・・・な、何でも・・・・・・!?」

「そう、何でもだ」

 

その言葉に、領主は目をギラつかせ、ダクネスを舐める様に見る。

そして、領主はニヤリと笑った。

あれは間違いなく禄でもない事を考えてる気がする・・・

 

「いいでしょう、他ならぬあなたの頼みだ。その男の猶予を与えましょう」

 

こうして和真の死罪は免れた。

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

 

「なんだよ・・・バラさなくても良かったろ」

「いや・・・こうする他には無かった。リュウヤ・・・済まない。お前の弁護を無駄にしてしまった・・・」

 

ダクネスがそう言って俺に頭を下げる。

 

「気にすんなって・・・でも何か考えはあるのか?」

「一応はな・・・だがアルダープも狡猾だ・・・油断は出来ない」

 

確かに・・・権力を盾にあそこまでやるんだもんな・・・ったく・・・

 

交渉の結果、俺達に命じられた課題は2つ。

1つ目は和真が、魔王軍関係者ではないと証明する事。

そして二つ目の課題は、領主の屋敷の弁償だ。

1つ目は魔王軍と戦って何かその時に遺品でも取れれば証拠になる。

問題は領主の屋敷弁償・・・

額にして12億って・・・ハァ先が遠い・・・

俺達はダクネスと別れ、家に帰った。

 

「お前・・・いつからダクネスが貴族の奴だって分かって・・・ってデストロイヤーの時か・・・?」

「まぁな・・・初めは驚いた・・・まさかあのドMクルセイダーが貴族の娘とはな・・・」

「だからダクネスのやつ、裁判の時に目を反らしてたのか・・・」

 

俺達はとにかく弁償代を作るべく、これからのクエストに挑むのだった・・・




さぁ次は番外編!
どんな感じになったかお楽しみに!
ご感想、誤字脱字報告お待ちしております!
魔法募集もまだまだやっておりますのでそちらも宜しくお願いします!

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