投稿を始めてから14日・・・正直思ってもいなかった・・・
皆さんありがとうございます!
まぁ今回の竜弥、暴走するけど一応ハッピーエンドにはしてるからそれまで耐えてくれ・・・竜弥・・・
誰かの悲鳴が聞こえる・・・
この声はめぐみんだ・・・
・・・なんでそんな顔で俺を見てるんだ?
・・・そうだ・・・思い出した・・・俺は飛竜に腹を貫かれたんだ・・・
めぐみんが俺を抱きしめて大粒の涙を流してる。
ダクネスも和真も皆もだ・・・
・・・早く・・・逃げろ・・・!
ドラゴンがまた迫ってくる────
なんで逃げない!?
このままじゃ全滅するぞ・・・!!!!
俺はもう動けない・・・
・・・またか・・・また俺は・・・死ぬのか・・・
ふざけるな・・・!!!!
死ぬだと・・・?
勝手に決めつけてどうする・・・!!!!
なんでもいい・・・俺に力を・・・あいつを・・・飛竜を倒せる程の力を寄越せ・・・!!!!
魂でもなんでも売ってやる・・・!!!!
俺はまだ死ねないんだ・・・・・・!!!!
こいつらを残して・・・・・・死ねない・・・
死んでたまるかぁ!!!!!!!!!!!!!!!!
【魔法生成機】所有者──[イチジョウリュウヤ]
バイタル及ビ、身体状態、脈拍、血液量スキャン開始───
スキャン完了。
オールレッド────
所有者ノ瀕死ヲ確認
【魔法生成機】ノ非正規隠シシステム[パンドラ]ノ条件クリア
セーフティーロック────解除
通称────
────【終わりのセラフ】────
通常起動シマス────
◇◆◇◆◇◆
竜弥の身体が黒いオーラに包まれ、風が舞う。
めぐみんが異変に気付き、竜弥の身体から腕を離す。
「リ・・・リュウヤ・・・?」
風は段々強くなって、竜弥の身体が浮かび上がり、直立する。
目からは血が流れ落ちる。
瞳の色は変わらないが眼球が赤く変わっていく・・・
「・・・!まずい・・・皆!下がって!!!!」
アクアの呼び掛けに皆が対応する。
なんだ・・・!?何が起こってるんだ・・・!?
風の強さがまた増していく────
「だからエリスに言っといたのに・・・!!!!」
「アクア!お前・・・あれが何か知ってるのか・・・!?」
「知ってるも何も修理しようとしてた神器よ!エリスに頼んであれを選んだ奴がいたら他のを選ばせてって言っておいたのに・・・!」
異変が起こっている竜弥をよく見ると腹に空いた穴が塞がっている・・・
「調整中って・・・傷が塞がってるけど・・・あれは違うのか・・・!?」
「馬鹿!そんなのなら使わせないわよ!あれは【魔法生成機】に登載されてしまった非正規の隠しシステム、名前は[パンドラ]、通称【終わりのセラフ】・・・ある神に勝手に入れられたシステムなの!!!!」
「けど・・・傷が塞がったのなら発動してよか」
「カズマ・・・それはこれから起こることを見てから言いなさい・・・正直言って、あれは転生者でも触れてはいけないレベルよ・・・?」
竜弥が動き出す────
竜弥の右腕は少しづつ上がり天に掲げるようにして止まる。
真上に魔法陣が浮かび上がり中から鎖が何重にも巻き付いた黒と金色の柄が現れる。
竜弥が柄を握る。
魔法陣が上へと上昇し刃が緑、峰が黒といった独得の色をした刀身が現れる。
竜弥の目がドラゴンを捉えた。
────まずい・・・!!!!
本能がそう呼び掛ける────
「シノアとレイシャ!!!!今すぐ飛竜から離れろ!!!!」
「「!?」」
シノアとレイシャが異変に気付き、飛竜から遠ざかると同時に竜弥が刀を振り下ろす。
ドス黒く、凄まじい斬撃が飛竜を襲い、土煙が舞う。
暫くして土煙が止むと地面が直線状に深く抉られ、左翼を失った飛竜がいた。
飛竜は激痛がするのか悲鳴を上げ、のたうち回る。
「ぐっ・・・ガアアァァァァァアアアッッッ!!!!!!!!」
竜弥が叫び、左肩から羽根のない枝分かれした巨大な翼の様な物が生える。
嘘だろ・・・あれが・・・竜弥・・・なのか?
竜弥が飛竜に迫る。
飛竜も尾を振り回して応戦するが竜弥はその速度を超え、飛竜を切り刻んでいく。
あの飛竜が一方的に蹂躙されていく────
「カズマ・・・あの【終わりのセラフ】はね・・・自分の限界を強制的に超えさせて爆発的な力を発揮させるの・・・そして自分が敵だと判断した対象を跡形もなくなるほど切り刻む・・・当然邪魔をすればその人も殺されるわ・・・そしてそれは所有者の命が尽きるまで続くの・・・」
「そんな・・・!止める方法は・・・あるのか・・・?」
「あるにはあるの・・・けどリスクが・・・」
「私が行きます」
シノアが名乗りを上げた。
「・・・シノア、あれは貴女の【死鎌童子】の最大威力を軽く上回るのよ?下手に気を抜いたら・・・」
「私も行こう」
ダクネスがシノアに歩み寄る。
「リュウヤがああなった以上、複数人で止めた方がリスクも減ると思う」
「そうね、なら私も弓で援護するわ」
「わ・・・私も行きます!」
シノア、ダクネス、レイシャ、ゆんゆんが竜弥を見る。
「待ちなさい、行くのはいいけどあの飛竜をリュウヤが倒してからの方が無駄な被害は減らせると思う。
ゆんゆんはカズマに【ドレインタッチ】をしてから行ったほうがいいわ。
それとシノア、今のリュウヤを止めるなら解除ワードが必要よ。今からそれを教えるから。いい?一文字でも間違えたら終わりだからちゃんと覚えなさい」
アクアの提案に4人が頷き、竜弥と飛竜の交戦を見守った。
◇◆◇◆◇◆
────不思議だ・・・。
さっきまであった痛みが全く無い・・・
それにさっき魔法生成機から何か聞こえてたような気がする・・・。
・・・まぁいいか・・・それよりもなんだろう・・・目の前の飛竜の存在が妙に気に入らない・・・
俺は一体どうしたのだろうか・・・?
────・・・の・・・・・・を・・・・・・せ────
頭の中で誰かが俺に話し掛ける。
誰なんだ・・・?
────・・・ろせ────
・・・ダメだ・・・上手く聞き取れない・・・
・・・・・・・・・め・・・・・・えの・・・・・・・・・・・・を・・・・・・せ────
けどなんだ・・・?この声に従えば上手くいく・・・そんな確信が持てる・・・・・・
・・・・・・目の・・・えの・・・・・・ゅうを・・・・・・せ────
───分かった・・・だからもっとクリアに言ってくれ・・・
目の前の飛竜を殺せ────
・・・あぁそうだな・・・殺そう・・・
不思議とあいつの動きが遅く見える。
遅い────
遅すぎる────
この程度か?
俺は次々に飛竜の身体を斬り刻んでいく。
そして確かに感じた────
────楽しい────と
「ハハハハハハハハハハハハ!!!!!!!!」
気付けば無意識に笑っていた。
飛竜は自分の危険を感じ取ったのか引き返していく。
────逃げられるとでも?
俺は飛竜の頭に飛び乗り、目玉に刀を突き刺した後、俺は飛び上がり一時的に飛竜から遠ざかる。
「────────!!!!!!!!!!!!」
声にならない悲鳴が響く。
────煩いな・・・
また声が頭の中に響く。
確かに煩いな・・・
────首を撥ねれば黙るだろう・・・
・・・そうだな・・・
俺は自然落下しながら刀で首を両断する。
首を失った飛竜は力無く倒れた。
◇◆◇◆◇◆
「たお・・・した・・・?」
俺は目を疑った。
そりゃあそうだろう・・・今まで8人で苦労していた飛竜を1人で竜弥は討伐したんだ。
夢・・・では無いはずだ・・・
「和真さん、行ってきます」
シノアの声に現実に戻される。
レイシャが目眩しにと煙玉の付いた矢を放つ。
竜弥が煙に包まれる。
「シノア!今の内に!」
「はい!」
シノアが【死鎌童子】に魔力を纏わせて竜弥に駆ける。
シノアが人型を正面から放ち、後方に回らせる。
「フッ!」
シノアが竜弥を斬り付ける。
ギィン!と金属がぶつかり合う音が響く。
煙が晴れた。
竜弥は僅かしかない鎬でシノアの鎌の切っ先を受け止めていた。
だが受け止められるのは想定内
本命は後方の人型だ。
人型は右腕を刀に変形させ縦斬りに、怪我を負わせないように刃は潰して竜弥へと斬り掛る───
だが失敗に終わった。
竜弥は身体を横にずらして人型の刀は空を斬った。
そのまま竜弥は刀を横に振る。
思い切りではないがかなりの威力だ。
「前後からの攻撃すら諸共しませんか・・・ゆんゆんさん!」
「はい!【レガーレ】!」
ゆんゆんが拘束魔法を使い、竜弥を拘束する。
「シノアさん!今です!」
「はい!」
シノアが竜弥に近付く。
だがゆんゆんの魔法が少しづつ解かれていっている。
すんでのところで竜弥に拘束を解かれてしまった。
「ガアアアァァァァァアアアッッ!!!!」
竜弥が刀を乱暴に振り回す。
シノアも対応するが鎌が刀に弾かれて、シノアの手から離れてしまった。
それでも竜弥はシノアを斬ろうとしている。
ギィン!
竜弥の刀がダクネスの剣によって受け止められる。
「リュウヤ・・・お前の剣はこんなものではない筈だ・・・!ゆんゆん!シノア!一斉に行け!」
ダクネスの声に反応し、ゆんゆんが再び【レガーレ】を使い、竜弥を拘束すると同時にシノアが近付き、竜弥の服の上から【魔法生成機】を握り、解除ワードを言った────
「【All functions forced stop】」
竜弥の身体がピタッと止まり、刀は消え、枝のような翼がボロボロと崩れ落ちた。
全ての翼が崩れ落ちると竜弥の目は何時もの目になり、竜弥自身も倒れた。
「竜弥!」
「竜弥さん!」
「「「リュウヤ!」」」
「「リュウヤさん!」」
俺はすぐに駆け寄り、竜弥の身体を起こす。
「う・・・・・・・・・ん・・・・・・・・・?」
竜弥が目を開けた。
皆が安堵の表情を浮かべる。
「俺・・・一体・・・?」
「リュウヤァ!!!!」
めぐみんが俺に泣き付いてきた。
「リュウヤァ・・・凄く心配したんですよ・・・!?死んでしまったと思って・・・・・・怖くなったんですよ!?」
あ~・・・やっちまったな・・・心配掛けちまったか・・・
「ごめんな・・・皆・・・」
俺はもう大丈夫と言うようにめぐみんの頭を撫でた。
俺は1人で立ち上がろうとしたが体力の消耗でフラついてしまい、結局、ダクネスにおぶられて全員で帰ることとなった。
・・・恥ずかしい・・・
◇◆◇◆◇◆
ギルドに着き、報酬を貰う。
今回の報酬は
ゴーレム一体につき10万エリス
飛竜の討伐で200万エリス
クエストクリアで50万エリス
合計で300万エリスとなった。
俺は山分けしようと言ったが俺以外の全員が「半分は竜弥に」と聞かず、半分の150万エリスは俺の物になった。
明日はお休みだな竜弥は特にと和真が言ってギルドで食事を済ませ、帰ることとなった。
だが今でも分からない・・・
なぜ俺達は飛竜に気付けなかった?
そもそもなぜあんな所に・・・?
グリフォンの時もそうだった。
何かに監視され、殺すタイミングを見てるとしか思えない・・・
今日やグリフォンの時の起こった謎は深まるばかりだった────
まぁ・・・うん・・・終わりのセラフ出しました。
そしてそれも非正規・・・
正規は正規でシステムは用意してるので御安心下さい。
感想、誤字脱字お待ちしております。
↑これ毎回書こうとしてるのにすぐに忘れるんだよな・・・