この素晴らしい世界にイレギュラーを!   作:JAIL

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最近ハマってるのは東京喰種carnavalとGODEATERリザレクション
vitaでアクション系の東京喰種のゲームが出てほしい・・・
だってコマンド系嫌いだから・・・


Despair

今日は和真の提案で、全員で一つのクエストを行こうということになった。

3人の退院から1週間が経ったがその退院の3日後、俺達は特訓の日々が続いていた。

シノアは人型の強化。

ゆんゆんも新しい魔法を探したり、レイシャも、より強い弓と矢を買って威力向上と射る精度の向上を図っていた。

フィーリィはより効率良く回復等の援護が出来るように。

アクアは、和真の出した算数や道徳の宿題で頭を良くし(今思うとカンストしてるから意味が無かったと和真が頭を抱えてた)。

ダクネスは防御力を高める為に筋トレを。

俺はゆんゆんに魔法を教わったり、ダクネスと剣の稽古を・・・時折和真とも剣を交えた・・・弱かった・・・

途中、めぐみんから爆裂魔法撃ちたいからリュウヤも来てくれって頼まれたけどね・・・なんで俺・・・?

既に全員のレベルは30を超えている。

そして今に至るという訳だ。

俺はあるクエストを見付ける。

 

《ノーマルゴーレム5体以上の討伐》

 

報酬は1体につき10万エリス・・・雪精の時と同じ金額か・・・

俺は皆を呼び、このクエストを見せる。

 

「なぁゆんゆん、ノーマルゴーレムってことは他にもゴーレムはいるってことか?」

「はいそうなりますね。

基本ゴーレムの身体は無属性の岩や煉瓦で出来ているので打撃系の攻撃が有効です。

ですが属性持ちとなると話は変わります。

アイスゴーレムやウッドゴーレムなら弱点は火属性、フレイムゴーレムなら水属性等となっています。

このクエストのゴーレムはノーマル・・・つまり無属性のゴーレムなので属性の心配はありませんね」

 

よし!信頼出来る[ゆんペディア]御本人が言ってるんだ。

問題無いだろう。

俺は依頼書を剥がし受付に渡し、皆でクエストに出た。

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

 

草木の無い荒野に着く。

目の前では何体ものゴーレムが歩いたり、座って休んだりなどしている。

[ゆんペディア]によるとゴーレムは聴覚が無いので小石を1体に当ててこちらにおびき寄せてから討伐すれば囲まれる心配はないとの事。

俺は早速近くにいる、寝ているゴーレムに石を投げる。

コツンと音がして頭部の空洞から2つの赤い光が浮かぶ。

起きた証拠だ。

 

「俺と竜弥、シノアとダクネスで前衛を担当する!レイシャ、ゆんゆんは魔法と矢で援護、アクアとフィーリィは俺達が怪我をした時に回復してもらうからレイシャとゆんゆんの後ろに控えて、めぐみんは爆裂魔法を撃つ準備を」

 

和真の指示に皆が頷く。

俺は早速【銃製】と【剣製】で右手には剣を、左手にはハンドガンを発現させる。

ゴーレム一体が近付いてきた。

俺は構わずに魔弾を撃つ。

魔弾は直撃するがゴーレムの身体をちょっと削る程度だ。

・・・やはり硬いな・・・

 

「【レガーレヴァスタアリア】!」

 

何処からか来た黄色いリボンがゴーレムに巻き付く。

ゆんゆんが魔法で拘束したらしく、俺にウィンクする。

俺は隙を逃さずにゴーレムの頭に乗って隙間に魔弾を撃ち込んだ。

頭部はガラガラと崩れ、ゴーレムは完全に活動を停止した。

 

「ナイスフォロー」

「い・・・いえ・・・お役に立てて嬉しいです」

 

ゆんゆんが頬を染めて恐縮気味に言う。

ゆんゆんって結構魔法の使い方上手いよな・・・

 

「【エクスプロージョン】!」

 

遠くで爆発が起こる。

あ・・・めぐみんだ・・・

その証拠にめぐみんは地面に伏している。

だが討伐出来たのは一体だけ・・・そしてそれに気付いたのか、周りのゴーレムが起き出す・・・ヤバくね!?

 

「皆!分かれてそれぞれで討伐してくれ!」

 

カズマの声に皆が頷き、それぞれで討伐を始める。

俺は剣と銃を消して、十八番になった【銃剣製】で神機を作る。

・・・ちょっと〈あれ〉やってみるか・・・

俺は神機が地面と水平になるように持ち、柄を引っ張る。

刀身が短くなり、黒い大きな顎が出てきた。

まぁ捕食モードを使った訳だ。

顎は伸びてゴーレムの腕を喰い千切って戻ってくる。

神機は腕を取り込み、銃弾に変換した。

・・・本当・・・質量保存の法則とかどうなってんだか・・・

そんなツッコミは頭から捨てて銃モードに変える。

・・・魔弾じゃないから反動が怖いけど・・・撃ってみるか・・・

カチッとトリガーを押す。

ダダダダダダダダダダダダダダダダ!!!!

うおっ!?反動がデカい!

複数がゴーレムに被弾するが、一つの弾丸が和真の横スレスレを通る。

 

「危ねぇよ!?」

「すまん!」

 

俺の横ではレイシャが頭部の隙間、目を目掛け【二ーベルンヴァラスティ】と光属性を付与する魔法を掛けて矢を2本放つ。

多分、新しい魔法の性能を確かめてるんだろう。

その2本は寸分違いなく、ゴーレムの目を突き刺した。怖い・・・

てかレイシャにスナイパーやらせたら絶対向いてるだろ・・・

だがゴーレムは動き続け、レイシャに襲い掛かる。

そのゴーレムを目掛けて人型が接近し、ブレード状の腕でゴーレムを斬り裂いた。

少し離れた所でシノアがガッツポーズをしていた。

さぁて・・・俺もひと暴れしますか!

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

 

1時間掛かって5体討伐できた。

 

「ふぅ~終わった終わった~」

 

和真は余程疲れたのか大の字になって地面に横になる。

 

「シノアも少しは人型のコントロール付いたんじゃねぇのか?」

「そうですね、以前よりは断然マシにはなってますね」

 

皆が談笑して帰る支度を始める中、フィーリィが隆起してる小さな岩山の上に立っている。

 

「フィーリィ!どうした?何かあった」

 

か────と言い切る前にフィーリィが叫んだ。

 

「皆さん!ドラゴンがいます!飛竜です!」

 

フィーリィがそう言ってこっちに逃げてくる。

岩山の奥から翼をはためかせた赤い飛竜が現れた。

嘘だろ・・・何でまた・・・!?

それに今迄翼の音なんてしなかった・・・!こいつ何処から・・・!?

俺の思考を他所に和真が指示を出す。

 

「皆!顔を攻撃しつつ離れよう!」

 

和真の意図は分かった。

恐らく目付近を狙わせようとしてるんだ。

目眩しをしつつ離れて退散・・・これが和真の考えなのだろう。

だが飛竜は俺達に近付く。

その飛竜は尾が刺又状になっている。

あれに貫かれると思うとゾッとしてしまう。

 

「ここは私の爆裂魔法で・・・」

「めぐみん・・・もう既に撃ってるだろ・・・」

「いえリュウヤが【ドレインタッチ】をしてくれればもう1発は撃てますよ?」

 

いや・・・まぁそうだけどさぁ・・・

 

「めぐみん・・・やっぱり危ないから下がっていてくれ・・・」

「・・・はい・・・分かりました・・・」

 

めぐみんは大人しく下がってくれた。

俺は飛竜に向かって駆ける。

神機の中の銃弾はまだ残ってる。

俺はそれを全て撃った。

だが飛竜の鱗が硬いせいで決定打にならない。

飛竜が尾を振ってきた。

あまりの速さに追い付けず装甲でガードしたが数メートルは吹き飛ばされてしまう。

後ろから矢と人型が飛竜に襲い掛かる。

矢は当たるが硬い鱗によって弾かれ、人型も喰い千切られてしまう。

マズイな・・・

飛竜が火のブレスを吐いてきた。

皆がギリギリで避ける。

どうするか・・・矢もダメ、人型もダメ・・・なら打撃はどうだ?・・・やってみるか・・・

俺はある事を思い付き、皆に下がってろと言って駆け出す。

 

飛竜が炎ブレスを吐いてきた!

 

「【全反撃(フルカウンター)】!」

 

魔法でブレスを跳ね返して顔に直撃させ、視界を奪う。

 

「【レガーレ】!」

 

拘束魔法のリボンで動きを制限して飛竜の身体を駆け上がり、頭部に着いた瞬間に真上に飛び上がる。

再度【剣製】で刀身がブーストハンマーになった神機を出現させる。

そのまま自然落下しながらブーストハンマーのジェットで加速し、飛竜にキツイ1発をお見舞いした。

ゴッ!と音が響き、飛竜はドシン!と音を立てながら地に伏せた。

ふぅ・・・上手くいった・・・

 

「流石だな竜弥」

「まぁ上手くいったから良かったよ・・・さて・・・クエストも終わったんだ・・・さっさと帰ろうぜ?」

「竜弥さん!後ろ!」

「は?」

 

ドッ────

 

何かが後ろから俺の身体を貫く。

気付けば飛竜は起き上がり、俺の腹からは飛竜の刺又状の尾が貫いていた。

腹を貫かれた俺は振り回され、刺又の尾が外れたのか地面に投げ出される。

 

「リュウヤ!」

 

全員が駆け寄る。

 

「フィーリィ!回復を!急げ!」

 

和真の声掛けにフィーリィが反応し回復魔法を掛けるがパァン!と光が弾け消える。

 

「そんな・・・!」

「どうなってんだこれ・・・!なんで回復魔法が弾かれた!?」

「お・・・恐らくあの刺又状の尾には回復魔法封じの魔法が付与されているんだと思います・・・」

 

フィーリィが顔を青くして答える。

この間にも竜弥の身体からはドクドクと血が流れ、竜弥の顔も白くなり始めている。

 

「リュウヤさん!しっかりして下さい!」

 

ゆんゆんが竜弥の手を握るも竜弥は何の反応も見せない。

 

「グオオオォォォオオオオ!!!!!!!!」

 

ドラゴンが咆哮をする。

よく見るとシノアとレイシャが激昴の表情を浮かべ、ドラゴンがこっちに来るのを抑えていた。

 

「和真さん!飛竜は私達が引き受けます!そちらは竜弥さんの回復を!」

 

・・・出来ればもうやっている・・・けど無理だ・・・フィーリィは言ってた・・・回復魔法封じの魔法があの尾には付与されている・・・と

 

「か・・・・・・ず・・・ま・・・」

「!どうした!」

「わ・・・りぃ・・・・・・ドジった・・・・・・」

「分かった・・・分かったからもう喋るな!!!!」

 

竜弥が血だらけの手を上げる。

俺は無意識にその手を掴んでいた。

 

「もう1回回復魔法を掛けてみる!だから・・・!!!!」

 

────だがもう遅かった。

竜弥の手は俺の手をスルッと抜け、パチャッ・・・と音を立てて赤い水溜りに落ちた。

 

「リュウヤ・・・・・・?」

 

めぐみんが竜弥の身体を揺する。

竜弥は目を閉じて動かない────

俺はまだ大丈夫と微かな希望を持って手に触れた。

 

────だがその希望は叶わなかった。

 

「い・・・いや・・・」

 

めぐみんが青ざめる────

 

「いやあああぁぁぁぁぁああああ!!!!!!!!!!」

 

俺達は仲間を1人失った────




イレギュラー=死亡フラグ
そしてそれを竜弥が見事に回収しました。

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