この素晴らしい世界にイレギュラーを!   作:JAIL

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今日、ふざけて8:00まで曲聞きながら小説書いてたんだ。
昼に出掛けるから9:00にタイマーセットで寝てて、気付けば11:00・・・危なかった・・・
今スッゴイ眠い・・・三┏ ( 睡魔 )┛三┏ ( ˘ω˘ )┛


この素晴らしい世界に商才無しの店主を!

ガチャッ!とドアを開ける音が鳴る。

 

「あっ!カズマさんにリュウヤさん!来てくれたんですね!」

「おう!ウィズ!約束通り来たぜ!」

「へぇ~結構品揃えいいな」

 

俺達は今、ウィズというアンデッドのリッチーのこの女性が経営してる魔道具店にいる。

正直このウィズという女性が魔王軍幹部ということに驚きだった。

何せあちらの警戒心が全く無いんだ。

何故俺達がここにいるのか・・・理由は前日まで遡る。

俺達はとある墓場のゾンビメーカー討伐の依頼で墓地を訪れたんだが、その時アクアが魔法陣の中心にいるウィズを見つけその魔法陣を破壊しようとしたのだ。止めたけどね。

その時聞いたのだが、時折ここを訪れて供養出来ていない霊魂を送っているという。

そういうのはアークプリーストと役目だろうと思ったのだが、どうやら、この街のプリーストは金儲けが優先の奴がほとんどらしい。

本人を見たが目を背けた・・・

その時に知り合いになって店の住所が書かれた紙を貰い、今日来た訳だ。

 

「何で私までこんな所に・・・」

 

後ろでアクアがブツブツ言ってるが放っといて商品を見よう。

 

ふとウィズを見ると何故かフィーリィを見ている。

 

「ウィズ、どした?」

「あ、いえ・・・なんか知り合いの方に雰囲気が似ている気がして・・・」

 

フィーリィが?なんでよ?

俺は気に止めず商品を見始める。

品揃えはいいな・・・けど・・・

 

「なぁ・・・ここの店の商品、高くないか?」

 

うん、高値なんだよな・・・

1つの小さな青いポーションを取り、値段を見る。

軽く10万越えとか・・・ここ初心者の街だぞ?

 

「そうですかねぇ?このポーションは水属性の魔法の威力を一定時間上げるポーションで王都ではその位しますよ?」

 

いやここ王都じゃないし、初心者の街だから・・・

色々と見て回って、あるブレスレットを見つけた。

色のベースはシルバーで赤と黒の細いラインが1本ずつある。

値段は・・・50万エリスか・・・

 

「なぁこれはどんな効果を持ってるんだ?」

「そのブレスレットですか?それは魔力の出力を抑えつつ、威力はそのままを維持できるブレスレットなんですよ。

けど何故か売れないんですよね・・・」

 

でしょうね・・・金額が金額だし・・・けど俺、デュラハン撃退の時の報酬あまり使ってないな・・・よし・・・

 

「ウィズ、これ買うわ」

「あっはい!では50万エリスになります!」

「ん?竜弥、何か買ったのか?」

「あぁこれだ」

 

俺は早速手首に着けて皆に見せる。

 

「ブレスレットですか、結構合いますね」

「はい、私もそう思います」

 

めぐみんとゆんゆんに褒められる、けどちぃと照れるな・・・

 

「へぇ~竜弥さんはそんな趣味があるんですねぇ~?」

「シノア・・・お前の場合、文章のみを見ると俺が変な性癖を持ってると勘違いされる」

「はい?文章?」

「あ・・・いやこっちの話だ気にするな」

 

メタ発言、ダメ、絶対。

 

「お前らは何か買わないのか?」

「私は今日はいいです」

「そ、そうですね・・・私も今の所必要な・・・物はありません・・・ね・・・」

「私はこれを買っておくわ」

 

シノアとフィーリィは買わずにレイシャは十字架のペンダントを買っていた。

というか・・・なんか今日のフィーリィ、落ち着きが無い・・・本当にどうした?

あっそうだ、この際だからウィズにあのスキルを持ってるか聞いてみるか。

 

「なぁウィズ、アンタ魔力を回復させるスキルとか持ってるか?」

「魔力を回復させるスキルですか?それなら「ちょっと待ちなさい!」ひっ!?」

 

窓際の椅子に座っていたアクアが立ち上がり、俺達に近寄る。

 

「リュウヤ?こいつはリッチーっていってジメジメした所を好む・・・言わばナメクジみたいな奴らなのよ?」

「お前・・・いくらなんでも・・・」

「いいから!私の言う事を聞いてればこのウジウジしたリッチーの「もういい、こっちで勝手に聞く」ちょっ!リュウヤぁ・・・」

 

何というか・・・アクアってたまに(?)面倒い所がある。

ん~・・・若干(?)構ってちゃんに見えるんだよな・・・

 

「んでウィズ、その魔法って何なんだ?」

「えっと・・・その・・・【ドレインタッチ】という魔法でして・・・相手に触れ、魔力を吸い取るんです」

「それ、今から教えられるか?」

「は・・・はい!では手を出して頂けますか?」

 

俺はウィズに言われた通り、手を出した。

ウィズは俺が出した手を握手するような形で握る。

うん、ちょいとドキッとしたよ?

 

「ではいきます【ドレインタッチ】」

 

うおっ!?なんか、身体の中から何かが吸い取られてる感じがする・・・!

ちょっと吸い取られた所でウィズが手を離した。

 

「これが【ドレインタッチ】という魔法です。やり過ぎると相手が魔力切れになるので注意して下さいね?では早速スキルを取得してみて下さい」

 

よし、んじゃやってみますか・・・

ん?魔法生成でやればいいだろって?まぁ1回くらいは正規ルートでこうやって習得してみたくもあったし・・・いい機会だと思ったからな。

俺はギルドカードの魔法習得項目を操作し、スキルを習得する。

・・・?なんか魔法生成とは違う感じだ・・・何というか身体の中がボワーンとする・・・

 

「では先程私がリュウヤさんにしたように、リュウヤさんが私に【ドレインタッチ】をしてみて下さい」

 

ウィズが右手を差し出したので俺も右手を出して握手する。

 

「【ドレインタッチ】」

 

・・・おぉっ!?なんか入ってくる感じがする・・・!?スゲェ!これが【ドレインタッチ】!

 

「成功ですね!おめでとうございます」

「おっ!竜弥、【ドレインタッチ】習得したのか!暇な時でいいから俺にも教えてくれよ?」

「おう!結構使えそうだからな、今度教えるよ」

 

その後、ウィズの店を出て、俺達は帰って行った。

 

夕飯を済ませ、寝る準備に入る。

 

「ふぁ・・・眠ぃ・・・」

 

俺は布団に入った途端、疲れていたのか直ぐに寝てしまった。

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

 

なんかいい香りがする・・・

なんだろう・・・この香り・・・なんか落ち着く・・・

 

「すぅ・・・すぅ・・・」

 

・・・ん?なんか今聞こえた気が・・・・・・きのせいか・・・

俺は少し寝返りをする。

コツン・・・

・・・なんか額に当たった・・・

俺は不審に思い、少し目を開ける。

目の前にはレイシャが今日買ったペンダントがあった・・・

・・・・・・なんだ・・・レイシャか・・・おどかすな・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・ん?

レイシャが・・・?いる・・・・・・?

 

「うおおおぉぉぉぉおおお!?!?!?」

 

俺は勢い余ってベッドの柱に頭をぶつける。痛いっ!

 

「ん・・・・・・?何よ・・・煩いじゃない」

「煩いじゃねぇ!!!!何でお前がここにいんだよ!?!?!?」

 

レイシャがキョロキョロして俺を見る。

 

「・・・・・・夜這い?」

 

ズザザザッ!!!!

かなりの速度で遠ざかり、ベッドから落ちる。

何!?本当に何考えてんのアンタ!?

 

「フフッ・・・冗談よ」

 

いや・・・お前の冗談、一歩間違えれば洒落にならない・・・

 

「まぁ実際には気になる事が2つあってね・・・ここに来たの」

「?なんだ?」

「貴方・・・今日のフィーリィ・・・おかしいと感じなかった?」

「ん~・・・普段フワッとしてる感じがあるから若干はな・・・今日はなんかたどたどしい感じはあった」

 

なんかな・・・妙に視線が泳いでるというか・・・落ち着きが無かった。

 

「やっぱり・・・気付いてたのね・・・聞いてみたのよ・・・本人に・・・」

「なんて言ってたんだよ?」

「ウィズの店に行く途中に、別れた彼氏を見てしまった・・・って言ってた」

「・・・重い話持ってくるの止めません?俺関係無いっしょ?てかそういうの普通異性の俺に話す事か?」

「・・・そうね・・・関係無いといいんだけどねぇ・・・」

 

なんだろう・・・こいつの言い方・・・なんか引っ掛かるんだよな・・・

 

「んで2つ目は?」

「・・・貴方よ」

 

は?俺?

 

「貴方、かなり強力な魔法持っているのね・・・今迄の戦闘を見てそう実感したわ」

 

・・・やべ・・・こいつには魔法生成の事話してないんだった・・・てか今知ってる奴って・・・和真、めぐみん、アクア、ダクネス辺りか?

 

「それでね・・・言いたくないならいいんだけど・・・貴方────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

────勇者候補じゃないの?」

 

は?何言い出すんだ?急に・・・

 

「調べたのよ・・・貴方の魔法、あらゆる魔法書を見てね・・・でも無いのよ。貴方の使ってる魔法・・・」

 

・・・しまった・・・!盲点だった!

レイシャはハァと溜息をつく。

 

「言いたくない事があるのは誰にでもあるわ・・・けどね?これだけは言わせて?

貴方の持つ魔法は下手をすればこの国・・・いや世界の常識すらもひっくり返しかねない魔法なの・・・『力を持つ者は同等の責任も持つ者だ』・・・私が読んでた本の一節でね・・・貴方はその力を持つ者に位置する者と私は思ってるの」

「・・・」

 

レイシャの「無茶はしないで」そう言いたそうな真剣な目を見てしまうと何も言い返せなくなっていた。

レイシャの目が柔らかいものに変わり、一冊の本をベッドの上に置く。

 

「じゃ私はもう寝るわね?」

 

それだけを言ってレイシャは俺の部屋を出た。

 

「・・・何なんだよ・・・」

 

俺は本を拾う。

その中に栞の様な物が挟まっていた。

俺はその栞のページを見てある項目に目を疑った。

 

〔勇者候補について〕

 

俺は気になってしまい、読み進める。

 

〔勇者候補とは生まれ持ち、又は出会った時に、必ずステータスや武器、高度召喚魔法等、他者より飛び抜けている物や能力を持った者をいう。

調べによると殆どが見知らぬ国や村出身で、その村を調べようにも情報が全く無い。

勇者候補肯定派では[我々の願いが具現化した存在、所謂『精霊等ではないか』]との意見が上がる。

逆に勇者候補否定派では[魔王軍から派遣され、紛れて殲滅を企む『悪魔ではないか』]との意見が上がる。

この本の1部を書いた私としては、この世界を見ている神が魔王軍に恐れる人を救うべく、他の世界から訪れた者に神託を与えたのではないかと推測する。

空想が過ぎるとも言われかねないが証拠が無い以上、こういった考えになるのも普通ではないかと思えてしまう。

さらに──〕

 

パタン・・・と俺は全てを読み切る前に本を閉じた。

そして背表紙の端にはこの本を書いた何人もの名前が刻まれていた。

そして俺はその中の1人の名前に覚えがあった。

 

【レイモンド・ベルクタス】

 

レイモンド・・・レイモンドギルド長・・・あの人が書いた書籍か・・・

だから聞いたのか・・・

 

『君は何者なんだ?』と・・・

 

今からあの質問をしたのも頷ける。

 

答えを知りたかったんだ────

 

あの人は恐れていたのではないか?

 

このまま魔王軍と戦争を続ければ圧倒的な力を持つ魔王軍に人類は敗北する。

 

そんな時に[勇者候補]といった、そういった存在が現れればどうなる?

誰でも藁にすがる思いで助けを求める筈だ。

 

「あいつ・・・何でこんな本を・・・」

 

俺は1人呟くが、その答えを知る者は既にいなかった。




さぁて疑問が色々浮上してきたねぇ~
勇者候補の説明って捏造に入るのかな・・・?
入るならタグ増やした方がいいかな?
ヤバい・・・もう寝るわ・・・
感想・誤字・脱字等・・・待ってます・・・

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