この素晴らしい世界にイレギュラーを!   作:JAIL

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さぁ・・・皆さんが作ってくれた魔法が出ますぜ・・・?


Darkness to steal up

「な・・・なぁアンタ・・・俺のパーティに「すんません間に合ってます」・・・そ・・・そうか・・・気が変わったらいつでもいいぜ!」

 

最近こんなのばっかりだ・・・

俺がギルド内で1人でいると誰かしらパーティに入らないかと誘ってくる。

デュラハンを撃退した事で俺の名は広まり、こんな有様になった・・・。

クエストはよさそうなのが無いし・・・今日は休むか・・・仕方ない、手に入れた家の本で暇つぶしをしよう。

俺はクエストを諦め、家に帰ろうとした。

 

「ちょっといいかしら?」

 

・・・またか・・・

声がした方を向くとそこには長い赤髪を一つに纏め、後ろには弓を背負い、青いシャツに黒いズボン、白のコート・・・研究者が着ているものと言えば分かりやすいか・・・?

それを着た、大人っぽい色香を持った女性。

その右後ろには垂れ目に長い黒髪をそのまま垂らし六角形の髪留めをして、赤とベージュのローブを着た、身の丈ほどの杖を持つホワホワとした女性(彩香に激似だ・・・)。肩には黒い小鳥が乗ってる。

その逆には赤い目・・・紅魔族で先端に紫色の細長い八面体が付いた、白く小さなステッキを持ち、黒いシャツにピンク色の短いスカートで上着に黒のローブ、ブラウンヘアーの女性がソワソワして立っていた。

 

「すんません・・・パーティの誘いは間に合って「あぁ違うの、逆に入れてほしいのよ」・・・は?」

 

以外だ・・・まさかこの時期に加入に来るとは・・・ん?加入?

 

「何で加入を?」

「この貼紙・・・貴方のパーティ募集の貼紙じゃないの?」

 

赤い髪の女性はピラっとある紙を見せる。

あの駄目神!まだ外してねぇのかよ!!!!

俺はバッ!とその紙を取り上げ、クシャクシャに丸める。

 

「その様子だともう募集は無いみたいね・・・」

 

少し表情を曇らせ帰ろうとする。

 

「いや・・・その貼紙、俺のパーティメンバーが貼ったままで忘れてたんだよ・・・まぁ入りたいなら家まで来てくれ。俺はリーダーじゃないから加入の有無もここでは判断出来ない」

「あら?そうだったの?てっきり強い貴方がリーダーだとばかり・・・なら行かせてもらえるかしら?私達の紹介なら行きがてらするから」

 

へぇ・・・さり気なく相手を持ち上げ、気分を良くして加入しやすくする・・・

方法が上手いな・・・けど実力の方は見て見なきゃな・・・

俺は承諾し、家に案内することにした。

途中でギルドカードを見せてくれる。

赤い髪の女性はレイシャでアーチャー、彩香に激似の女性はフィーリィでアークプリースト、赤目の女性はゆんゆんでアークウィザードらしい。

フィーリィの肩に乗ってる鳥は相棒だとか・・・

そうこうしてる内に家に着いた。

 

「こんな大きな家を持ってるなんて・・・貴方・・・まさか貴族の子?」

「いや違う・・・これは報酬で貰ったやつなんだ」

 

俺は玄関を開け、和真を呼ぶと御本人が2階から降りてくる。

一瞬驚いていたが、何かを察して俺の両肩に手を乗せた。

 

「竜弥・・・すまん・・・」

「?どうした急に・・・?」

「欲求不満なんだろ・・・?だからこんなに女性を連れ込ん「お前勘違いだからな!?欲求不満じゃねぇからな!?」あっそうだったのか」

 

・・・なんだろうこのデジャヴ・・・

和真が2階の待合室に3人を座らせる。

 

「え~っと・・・俺がこのパーティのリーダー、サトウカズマです。そっちの赤い髪の方から紹介をしてもらえます?」

 

レイシャ、フィーリィ、ゆんゆんの順に自己紹介をする。

他のメンバーも話し声が聞こえたのか、それぞれの部屋から待合室に集まって来た。

・・・なんかめぐみんが目を逸らしてる・・・

 

「え~っと・・・こいつらが俺の今現在のパーティメンバーです。水色の髪をした奴がアクア、金髪の女騎士がダクネス、制服を着たのがシノアで、この赤い目をし「こんな所に居たのね!?めぐみん!さぁ!この私と勝負よ!」」

 

めぐみんの知り合いなんだ・・・?

本人も諦めたのかハァ・・・と溜息をつき、ジト目でゆんゆんを見る。

 

「これは自称、私のライバル・・・ゆんゆんではありませんか?何しに来たのですか?帰ってもらえますか?」

「ちょっ!?今来たばかりなのにそんな扱い酷くない!?」

 

・・・めぐみん、相手してあげよう・・・ゆんゆんって子・・・涙目だから・・・

 

「なんだ、ゆんゆんはめぐみんと知り合いだったのか・・・なら丁度いい。

竜弥、シノア、めぐみんでこいつらの力量見てきてもらえるか?」

「俺はいいけど・・・何で2人まで?」

「この3人、完全に後衛なんだよ。なら遊撃出来るシノアとお前、ゆんゆんと知り合いのめぐみんなら問題ないと思ってな」

「・・・そうだな・・・俺はいいぞ?」

「私もいいですよ?それでめぐみんさんはどうします?」

 

シノアがチラッとめぐみんを見る。

これ、断る手段無くしたな・・・

めぐみんもそれを感じたのか、諦めて同行することになった。

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

 

翌日

 

ギルドに着き、やりやすい適当なクエストを探す。

ゴブリンの討伐か・・・これでいこう。

皆も確認して受付嬢に渡す。

 

「はいゴブリンの討伐ですね?・・・ってどうしました?」

「ん?あぁ・・・どうも最近パーティの誘いが多くってな・・・」

 

俺が周りを見渡すと皆が視線を逸らす。

・・・酷いよ・・・

 

「あ~多分話し掛けて自分のパーティに入れようとタイミング図っているんだと思います。なにせデュラハンを1人で撃退したんですから・・・」

 

受付嬢は苦笑気味に答える。

 

あ~・・・面倒い・・・

 

この視線に不快感を感じつつ俺は門前を集合場所に指定し、それぞれ準備をしに各自宅へ帰って行った。

 

 

数分後

加入希望の3人と指名された俺を含める3人が街の門前に集まる。

 

「んじゃチーム分けだけど・・・シノアとめぐみん、ゆんゆんをAチーム、俺とレイシャ、フィーリィはBチームっていう分け方でいいか?」

 

それぞれがチームメンバーを見て、頷くのを確認し、目的の森の前まで歩く。

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

 

森の前に着いた。

 

「今回の目標はゴブリン、数は・・・5~10位で。シノアとめぐみん、俺である程度君達の力量が分かったらここに戻る・・・ってことで!質問は?」

「あの~・・・気を付けることは何か?」

 

フィーリィが手を挙げ、質問する。

他に・・・か・・・そうだな・・・

 

「生きてここに帰って来い」

「「「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・えっそれだけ!?」」」」」

 

いや全員でハモらないでよ・・・

 

そして俺達は森に入り、チームで別れて俺達は右に、シノアのチームは左に別れて行った。

 

少しして目の前にゴブリンが現れる。

 

「んじゃ俺が先行するからレイシャは援護を、フィーリィは回復、まぁ出来るなら俺達を魔法で強化してくれ」

「ええ」

「はい、分かりました」

 

さてと・・・行きますか・・・とは言ってもただ普通にやるんじゃつまらないな・・・よし!作った魔法でも試してみますか!

 

「【ブリンク】!」

 

俺は剣を抜き、ワープ系魔法の【ブリンク】を使ってゴブリンの後ろに回る。

足を狙って剣を振ろうとしたがゴブリンが先に倒れる。

倒れたゴブリンを見ると矢が刺さっていた。

周りにいるゴブリンも次々と屠られていく。

的が動いてるのによく射抜けるな・・・

関心してる俺に眩暈が襲う。

ヤバい・・・!そういえばこの【ブリンク】ってやつ・・・反動で眩暈が来るやつだった・・・!

 

「【イメージボディ】!」

 

フィーリィが魔法を放つとそこら中に俺とレイシャ、フィーリィの分身が現れる。

フィーリィすげぇ!

ゴブリンは慌てて俺達を襲うが狙うもの全てが偽者の為、ますます混乱してる。

レイシャが連続で矢を放つ。

ゴブリンの中の一体が何かの袋をレイシャの足元に投げる。

袋は破裂して黄色の煙を出した。

マズイ・・・あれは麻痺毒!

 

「くっ・・・!」

 

レイシャの身体が痺れ始め、矢と弓を落とし、座り込んでしまう。

俺は抜いた剣でゴブリンの首を後ろから撥ねた。

 

「無事か?」

「えぇ・・・油断したわ・・・まさかゴブリンが麻痺袋を持ってたなんて・・・」

「レイシャさん、ちょっと失礼しますね・・・【アムリタ】」

 

フィーリィがレイシャに魔法を掛ける。

患部が青白くボンヤリと輝き、光は吸収された。

レイシャが腕を動かす。

問題無いみたいだな・・・

 

「凄いわね・・・全然何とも無いわ・・・」

「えへへ~回復系の魔法は得意なんですよ~」

 

ほぅ・・・どっかの駄目神とは大違いだ。

俺は辺りをみる。

周りには10体位のゴブリンの死体のみだ。

結構連携はいいな・・・

 

「さてと・・・ノルマは達成したから向こうの奴等と合流するか」

「えぇ」

「分かりました」

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

 

「あれ?竜弥さん、まさか森の中で合流するとは・・・」

「おぉ!お前ら、どうだった?」

「ゆんゆんさんは複数の魔法を撃って援護してくれました。

結構腕がいいですよ?」

 

ほぅ・・・こっちも人材的には当たりか・・・

褒められたのが恥ずかしいのか、ゆんゆんは頬を染め、モジモジしてる・・・うわ・・・可愛い・・・

その俺の横を魔弾が物凄い勢いで通過す・・・おわぁっ!?

 

「す・・・すみません・・・!あちらの物陰が動いたので・・・」

 

俺はフィーリィが指差した方向を見る。

リスが走ってるのが見えた。

リスとモンスターを見間違えたのか・・・フィーリィがまたアワアワする。

 

「ご・・・ごめんなさい・・・咄嗟の事だったので・・・」

「いや・・・危機管理が出来たのはいい事だ・・・よーし・・・んじゃ帰え」

 

ろう────そう言おうとした直後だった。

 

「グオオオォォォォォォオオオ!!!!」

 

奥から2つの咆哮が森中に木霊する。

 

「全員・・・警戒態勢」

 

俺の言葉で緊張が走る。

上から何かが来た。

・・・って・・・その方向って・・・フィーリィが魔弾撃った方かよ・・・

その何かは俺達の10m前に降り立つ。

 

「サンダーグリフォンとアイスグリフォン!?そんな!?」

 

どうもゆんゆんの表情からかなり珍しい事のようだ・・・

2匹がそれぞれの属性のブレスを撃ってくる。

 

「全員!散開しろ!」

 

俺の声掛けで間隔を空けて攻撃態勢を取る。

なんでこんな時に・・・!

 

「【剣製:リュウノツガイ】」

 

俺は【剣製】でモンスターハンターで使われる火属性の双剣を作り出す。

アイスグリフォンが尾を使って薙ぎ払いをしてくる。

俺は紙一重で躱し、アイスグリフォンの背中に飛び乗って頭部に移動し、両目に双剣を突き刺す。

 

「────────!!!!!!!!!!」

 

声にならない悲鳴のような咆哮が木霊する。

一時的にグリフォンから離脱して、もう一方のグリフォンを見た。

あっちは苦戦しているのか・・・

視線をアイスグリフォンに戻すとグリフォンがブレスを吐く準備に入っていた・・・ヤバ!!!!

 

「リュウヤさん!離れて下さい!」

 

後ろからゆんゆんの声がして振り向かずに遠のく。

 

「【全反撃(フルカウンター)】!」

 

ゆんゆんの魔法でブレスはグリフォンにはね返され、頭部が凍る。

 

「リュウヤさん!今です!」

「おう!【グラスプ・ハート】!!!!」

 

俺の右掌に幻覚の心臓が現れ、俺はそれを握り潰した。

アイスグリフォンは吐血し、白目を向いて息絶えた。

 

【グラスプ・ハート】

俺が作った魔法で心臓を潰して相手を即死にさせる魔法だ・・・まぁ見た目はグロいけど・・・ちっちゃい子は見ちゃダメだよ?

・・・にしてもゆんゆんの魔法すげぇな・・・ブレス跳ね返すとか・・・

 

「お見事」

「い・・・いえ・・・勝手な事しちゃいました・・・?」

「いや、いい判断だ。正直言って次はどうするか迷ってたからな」

 

俺はふとサンダーグリフォンを見る。

レイシャ、シノア、フィーリィでなんとかして────

 

「きゃあぁぁぁああっ!?」

 

無かったよ・・・

レイシャが稲妻をモロに食らって飛ばされてる。

俺は走って空中でレイシャをお姫様抱っこで抱き留めた。

 

「ふぅ・・・間に合った・・・大丈夫か?」

「え・・・えぇ・・・大丈夫・・・」

 

おい、何故にモジモジしとる?

 

気が付けばシノアが【死鎌童子】でサンダーグリフォンの首を撥ねていた。

怖ぇ・・・

ふと視線を感じてそっちを見る。

視線の正体はめぐみんだった。

めぐみんはレイシャを抱いたままの俺に近付いて・・・

俺の脛を蹴ってきた!?

 

「痛えぇぇぇぇぇえええ!?!?!?」

 

咄嗟にレイシャを落として脛を抱えてしまう。

 

「何!?俺、何かした!?」

「知りません。ただイラッと来たんで」

 

何その理不尽な理由!?

その時、レイシャがめぐみんに歩み寄り、耳元でボソボソと何か言うとめぐみんは顔を赤くして何かしらを否定していた。

まぁ一応これでゴブリンと2体のグリフォンは討伐できた・・・

 

「まぁ・・・なんとか勝てたな」

「にしても何でこの2匹が・・・」

 

確かに・・・グリフォンが出るなんて聞いてない・・・

イレギュラー・・・とでも言うべきか・・・?

フィーリィがアイスグリフォンをマジマジと見てる。

そこにゆんゆんが近付く。

 

「あーーーーーーっ!!!!!!!!」

 

突然のゆんゆんの大声にまた警戒態勢を取ってしまった。

 

「どうした!?」

「リュウヤさん!見て下さい!」

 

ゆんゆんに手招きされ俺はアイスグリフォンに近付く。

足にキランと輝く何かが着いていた。

 

「何だこれ?」

「これは【再生回復のリング】っていう超レアアイテムなんですよ!王都でも100万エリス以上はするかと・・・」

 

マジですか!?・・・ってちょっと待て・・・?こんなのグリフォンに着いてたか・・・?

せっかくなので頂いちゃいましょうと言われグリフォンからリングを外し、ポケットに入れ、俺達は帰還することにした。

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

 

ギルドに着く。

俺は討伐を終えた事を伝えるのと報酬を貰いに受付嬢にカードを渡す。

 

「ゴブリン討伐お疲れ様です。・・・ってあれ?サンダーグリフォンとアイスグリフォンが討伐されてますね?」

「あぁ、帰る時に現れてな・・・想定外だった」

「そうですか・・・でも何で・・・」

「・・・?何かあるのか・・・?」

「あぁいえそう言うモンスターがこういった所まで来るのは珍しいのでつい・・・」

「そっか・・・」

「あっ!追加報酬出しておきますね!えっと・・・ゴブリン一体に付き5000エリス・・・クエストクリア報酬が3万エリス・・・グリフォン2体の追加報酬で50万エリスづつなので合計108万エリスですね」

 

受付嬢がご確認下さいと報酬の乗ったトレーを出す。

1・・・10・・・100・・・1000・・・10000・・・おしOKだな・・・

俺は礼を言ってメンバーがいるテーブルに向かう。

 

「幾らになりました~?」

「合計で108万エリスだ、んで山分けするから1人18万エリスだな」

「あら、結構いったのね」

「まぁグリフォン2体で追加されたからな」

「あの~」

 

ゆんゆんがおずおずと手を上げる。

 

「どした?」

「あ、はい・・・今回のクエストで加入が決まるんですよね?・・・えっと・・・私達は・・・」

 

・・・まぁ言っちゃうと俺はリーダーの和真に報告する必要があるからな・・・でもあいつは恐らく加入を受け入れるだろう・・・不純な理由があるのかは分からんが・・・

 

「まぁ戦力に関しては申し分無い、後は和真の判断だ・・・まぁ加入は出来ると思うから大丈夫だ」

 

俺は自信を込めて言った為か、3人の表情がパアッ!と輝く。

 

家に帰ってクエストの結果を言うと和真は即加入を判断してくれた。

 

こうして男子2人、女子6人、計8人のパーティが結成された。

・・・なんか和真がニヤニヤしてるけど・・・まぁいいか・・・




ご応募して下さった皆さん!
ありがとうございました!
さてこれを機に物語は急展開を迎えるかも!?
明日は・・・まぁ諸事情があって、男性方にはお待ちかねなあの回なんだよね・・・・・・
でも言っておこう・・・過度な期待はなさらぬように!
ああいったのはちょい苦手だから今まで以上に駄文になる可能性が高いです・・・(男性としてどうかとは思うが・・・)
まぁ暖かい目で見て下さい・・・
それと明日は通常の話ともう2本、登場人物紹介と年末年始特別編をお送りします!

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