この素晴らしい世界にイレギュラーを!   作:JAIL

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ちょいこの回は短め・・・


この素晴らしい世界に幽霊屋敷を!

シノアとクエストに行った翌日、めぐみんが軽いクエストに行きたいと言ったので俺も軽い運動にと手頃な依頼は無いかと掲示板を見ている。

すると複数ある依頼に埋れていた、とある依頼に目が止まった。

 

屋敷の除霊依頼

報酬:除霊した後の屋敷

 

これ、アクアならいけるんじゃないか?

 

「リュウヤ」

 

めぐみんが「デュラハンの時みたいに無理をするな」と言いたそうな目で訴える。

恐らく難易度がまぁまぁ高いクエストを選んだと思ったのだろう。

俺は依頼書を見せ、誤解を解いた。

 

「確かアクアは上級職のアークプリーストでしたね。ならこれでもいけるでしょう」

 

これから季節は冬に入る。

 

暖かい拠点を持つべく、俺は依頼書を掲示板から剥がした。

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

 

「ここがその屋敷・・・」

 

俺達は屋敷の前まで来ていた。

そこで言える事がある。

デカい・・・屋敷と言うよりは豪邸にも見えなくはない・・・これが報酬とは・・・かなり儲かった。

横ではアクアが除霊の準備をしているのか両手を突き出して目を閉じ、どんな悪霊がいるのか確かめながら、俺達に自分の実力を誇示したいかのように説明している。

あ・・・皆先に行った・・・説明聞かんでいいのかい諸君・・・

俺も仕方なく、集中しているアクアを引っ張り屋敷の中に入る。

全員がリビングに集合してそれぞれの部屋を決める事にした。

男性は2階、女性は1階ということになり俺は2階の書斎を選んだ。俺は2階に上がり、早速中を確認する。

右の壁1面にビッシリと本が敷き詰められていた。

かなりあるな・・・

試しに1冊引っ張り出し、読んでみる。

 

【モンスターの生態】

 

パラパラと捲って一通り見た。

 

まぁ知らない魔物やモンスターばっかりだったけどな・・・。

ガチャッとドアが開き、和真が入ってくる。

 

「へぇ・・・こっちもなかなかだな」

 

聞くと和真の部屋は俺の部屋と似てて、本棚がなく、代わりにバルコニーがあるらしい。

 

「あああああああああああああ!!!!」

 

下からアクアの悲鳴が聞こえる

俺と和真は走り出す。

途中でめぐみん、ダクネス、シノアと合流しアクアの部屋に入ると、座り込んで泣いているアクアがいた。

 

「どうした!?」

 

てか何で酒瓶なんか抱いて泣いてんだ?

 

「・・・何があった?お前は酒瓶なんて抱いて何してんだ?酔っ払って奇声を上げたとか言ったら、クリエイト・ウォーターで水ぶっかけて酔いを醒ましてやるぞ?」

 

和真はそう言って、アクアに右手を向ける。

 

「ち、違うの!聞いて!この空になった酒瓶は、私が飲んだ訳じゃないの!これは、大事に取っておいた凄く高いお酒なのよ。お風呂から上がったらゆっくりちびちび大事に飲もうと楽しみにしてたの!それが、私が部屋に帰ってきたら、空になってたのよ!」

 

すんげぇどうでもいいことで俺達は焦ったんだな・・・

 

「そうか、じゃあ俺は風呂に入って寝るからお休み。また明日」

「んじゃ俺も風呂入って寝るか、和真、風呂はどこにある?」

「風呂なら左行って奥だ。一緒に行くか?」

「それじゃあ私も疲れているので先に寝させてもらいますね」

「うむ・・・それじゃあ私も・・・」

「それでは私も失礼しますね~」

 

俺達5人はアクアの話など気にせず、それぞれ自分の部屋や風呂に行くことにした

 

「えぇっ!?ちょ、ちょっと待って!ねえ、皆・・・ねえってばぁ!」

 

おかしいなぁ~・・・幻聴が聞こえる。

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

 

風呂場に着いて俺達はザブンと風呂に浸かる。

 

「ふぃ~暖まるぅ~・・・にしてもよくこんな旨い依頼取られなかったな?」

「多分依頼が少ない時に貼られた後、沢山の依頼が来たからそういう依頼に被さってて気づかなかったんだろ。

にしても広いな~・・・」

 

この屋敷は風呂も広く5人入っても足を伸ばせるのでは?と思うほどだ。

 

「そういえばシノアって子・・・戦闘力はどうだった?」

「かなりの実力者だ。近接ではあの大鎌で一気に4体のモンスターの首を取ったり、遠距離では、魔力を刀身にまとわせてから人型を出す技で死角から奇襲等・・・汎用性も優れてる」

「遊撃手か・・・俺も魔法剣士で行きたいけど特典を持ってないから、遊撃が出来るお前とシノアを頼るしかないな・・・」

「そうか・・・けど人型はどうもまだ未完成らしくって、すぐに消えたり変な方向に行ったりとかするから・・・その点は様子を見た方がいい」

「分かった・・・まぁこれで拠点は確保出来た。後は食料の買い溜めをすれば、冬を越す準備は万端だ」

「薪とかなら俺が魔法で取ってくるがどうする?」

「なら竜弥は薪や食器を頼む、俺は食料とか必要な物を買ってくるから。・・・無理するなよ?」

 

俺はしないと約束し、俺達は冬を越す準備の分担を決め、風呂を上がった。

 

 

夜になり皆が眠りにつく。

 

 

・・・眠れん・・・てか俺、慣れた寝具じゃないとあんまり寝られないんだよな・・・

中学のスキー教室の時も初日から眠れなくて目の下に隈ができ、結局滑れたのは1回だけだった・・・くそぅ・・・

 

カタ・・・

 

何かの音が鳴った。

・・・風でなにか揺れたか?

窓を見ても開いてない。

椅子の上に1体のアンティーク人形の目がこっちを向いている。

こっち見んな。

・・・てか何でこういうのに限って目がリアルなんだよぉ・・・

 

・・・寝よう

 

カタン・・・カタン・・・カタタタタ・・・・・・ゴッ!!!!

 

人形が動き、何かにぶつかる。

 

・・・フッフッフッ、幽霊屋敷と聞いて何の策もなく寝てると思うてか・・・!馬鹿め!

既に対策は施した!

 

魔法名【フィルターフィールド】

見た目は透明なシールドで囲まれた四角い空間だ。

だがこの空間は設定で許可した人や物以外は通さないという優れものなのだ。

・・・空気を遮断すれば窒息死するのでご注意を・・・

まぁ今弾く設定では【無理矢理近付こうとしている対象】としてるから問題ない・・・と思う。

 

・・・てか除霊終わってなかったんだ。

 

俺は様子を見る為に廊下に出る。

向こうから和真とめぐみん、シノアが泣きながら大勢の浮遊する人形を連れて走って来る。

怖っ!!

 

「「「竜弥~(さん)!助け・・・べっ!?」」」

 

3人が俺に近付いて見えない壁にぶち当たる。

 

あ・・・設定直すの忘れてた・・・

 

俺は再度【フィルターフィールド】の設定を変え、3人をフィールド内に入れる。勿論人形はお断り。

 

「た・・・助かった・・・」

「この結界・・・かなり便利ですね・・・いつの間にこんな魔法を作ったんですか?」

「ちょい前にな・・・ってどうしたシノア?」

 

俺の目の前には顔を青くしてガタガタ震えてるシノアがいる。

 

「な・・・なんでしょう・・・?」

「まさか・・・こわ「ここ、こここわくありませんよ!?わわわ私がこ、ここ、怖がるなんて・・・だっ・・・第一怖がってる様にみ見えますか!?」あっ・・・ハイソウデスネ・・・」

 

なんだろう・・・つっこむと後がヤバくなりそうだ・・・

 

・・・ピキッ

 

ん?ちょい待ち・・・?今聞いてはならん音が聞こえたんだが・・・気の・・・せい・・・

 

・・・ビキビキッ!

 

俺の見間違えで無ければ【フィルターフィールド】が罅割れていくのが見える。

・・・あ~そういえばこれ、魔力の枯渇を防ぐ為に俺の魔力残量が10分の1にまで減ったら壊れる仕組みにしてたんだっけ・・・

・・・ってことは──

 

バキャァッ!

 

【フィルターフィールド】が割れて、人形が近付いてキタアアァァァアア!?!?!?

 

「「「「ギャアアァァァアアア!!!!????」」」」

 

その後俺達はアクア、ダクネスと合流して逃げ回り、一晩掛けて漸く除霊は終わった。

 

眠い・・・

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

 

翌朝

全員が1階のリビングのソファーに座っている。

皆の目には隈ができ、グッタリとしている。

シノアなんか全身真っ白で目が死んで魂が若干出てる・・・逝くなよ~?

 

「・・・酷ぇ目に遭った・・・けどこれでこの屋敷は正式に俺達のなんだよな?」

「あぁ・・・けど、当分人形は見たくない」

 

・・・ごもっともで




明日は応募して下さった魔法で番外編!
一応使い回しも考えておりますが複数あれば番外編も面白くなりそうです。

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