温かい目で読んで頂けたら嬉しいです。
ちなみに八幡と小町です。
比企谷小町。15歳。
4月から高校生で現在春休み中。家族構成は母と父、それにお兄ちゃん。とっても仲良しな家族です!
友達もそこそこいたりするけどお兄ちゃんと遊ぶことが多いので友達とはそんなに遊ばないかな。
好きな人? いないよ! 強いて言うならお兄ちゃんが好き!あ、小町的にポイント高い!
嫌いな人はうーん......お父さんかな?でもお金くれたり、小町やお兄ちゃんをちゃんと見てくれてるから嫌いじゃないね。 じゃあ嫌いな人はいません!
最近の楽しみはお兄ちゃんが沢山の女の子にモテてきたのでその為に色々とアドバイスをしたりすること。きっと雪乃さんか結衣さん、どちらかが私の義姉ちゃんになると思ってる。
最近の不安なことはお兄ちゃんが家にいない時が多くて、一緒に遊んだり、話したりする時間がないこと。家に帰っても親は仕事でいないし、お兄ちゃんもデートに誘われていることが多いので、小町は一人ぼっちです。
正直、兄が私から離れてしまうのが怖いです。
× × ×
「お兄ちゃん」
「なんだ、小町」
「明日暇?」
「暇じゃな」
「デート?」
言いかけたところでズバッと我が妹小町は核心についてきた。ご飯食べ終わって、リビングでくつろいでるといきなり小町が隣に座ってきて、見つめてくるから気になってはいたが......。
「まあ......そうだ」
「ふーん.....雪乃さん? 結衣さん?」
「明日は由比ヶ浜だ」
「明日はってことは前回は?」
「雪ノ下だ......」
あいつら毎週のように誘ってくるからそろそろ俺の財布も精神も限界に近付いてきた。だって、デートが終わるといつも悲しそうに抱きついてくるし、由比ヶ浜に至ってはこないだ唇を近づけてきた。流石にあの時は何とか回避できたが明日はできるかどうか......。
「ちなみにもうどちらかに告白とかされたりしたの?」
「いや。流石にあの二人が俺なんかに告白するはずない......と思いたい」
「お兄ちゃん......そろそろ覚悟を決めなよ」
「そうは言ってもなあ」
あの二人のどちらかを選ぶなんて考えもしなかったし。告白なんて俺なんかにしてくるはずなんてないと思ってたけど、今の状況を見るからにちゃんと向き合わなければならないようだ。
「明日の結衣さんのデートは何時から?」
「明日は夕方に待ち合わせだ。
午前中用事あるから夜、映画見た後
二人でご飯食べに行くことになってる」
「お兄ちゃんが考えたの?」
「いや全部由比ヶ浜」
「やっぱりお兄ちゃんだね......」
小町は呆れるように小さくため息を吐いた。いやその辺はほら.....俺だからね?
「でもお兄ちゃんなんだかんだ言う割にはいつも楽しそうだよね」
「そうか?」
「うん、だっていつもデートの待ち合わせ時間より早くつくために早めに出るじゃん」
「まあそりゃあな、少しでも早く行かないとあいつら駅とかで待たせるとナンパされたりするからな」
「まあ雪乃さんも結衣さんも可愛いし美人だからねー」
「こないだも俺が少し遅れたら雪ノ下が変な男に絡まれてたからな」
「え!?それで......どうしたの?」
「とりあえず彼氏のフリして、雪ノ下の手を引っ張って逃げた」
あの時は流石に冷や汗かいたがまあ雪ノ下も「助けるためだから仕方ないわ......」と言ってたし仕方がない。何故かその後のデートでずっと手を握ってなさいと言われたが。
「お兄ちゃん......そんなスマートなことができるようになったんだね。小町は嬉しいよ」
一方で小町はニコニコ笑いながら、俺の武勇伝を褒めてくれていた。まあ成長したよ? お兄ちゃん。
「まあそういうことがあるから早めに行かなきゃならないってわけだ」
「なるほどー、お兄ちゃんも大変だね」
「ああ、さてもういい時間だしそろそろ寝ようぜ」
「そうだね......」
立ち上がった際に小町の顔を見ると、何故か少し不安げな表情だった。
「どうした?」
「あ、ううん。なんでもない、明日のデート楽しんできてね」
「ああ、じゃあおやすみ」
「おやすみ」
不安そうな表情は消え、再び笑顔に戻った小町の顔を見て、俺はそのまま自室へと戻った。
「お兄ちゃんの......ばか」
× × ×
寒い! 寒い! 寒すぎる! 12月に入ってからの気温の大幅な変化は身体がついていかないため、なかなか適応することが難しい。
それにしても待ち合わせ時間にも関わらず、由比ヶ浜は一向に来る気配がない。連絡も来てないのでどうしたものか......。
「お兄ちゃーん」
ほらどこかのお兄ちゃん呼ばれてるぞ。お兄ちゃんは妹に優しくしないと駄目だぞ、嫌われてからでは遅いんだ。ソースは俺。
てか声のする方見るとどうみてもあれは小町にしか見えないのは気のせいかな......?
「お兄ちゃん、どこ......?」
キョロキョロ周りを見渡して探してる様子の我が妹の姿はもう可愛さ越えてラブリースイートにキュートでその上ハピネスしててフレッシュな......段々意味わかんなくなってきてるぞ、これ。まあ不安そうに周りをきょろきょろと見てるし、声をかけてやろう。
「小町」
「あ、いたいた、よかったー見つかって」
「どうした?こんなとこきて」
「結衣さんから電話があって、今日は来れないって」
え、まじか。俺のとこには電話一本すら来てないぞ。まあそしたらやることは一つしかない。
「んじゃ帰るか」
予定ないなら帰るに限る。俺はそのまま帰ろうとすると、急に小町が手を握って来た。
「なんだ?」
「お兄ちゃん暇になったよね?」
嫌な予感が......。
「いや帰って俺は」
「帰ってもいいけど録画全部消去して、しばらくご飯抜きで会話もしないけどいい?」
「よし行こう!どこにでも行こう、どこに行きたいんだ?」
残念なことにそれを人質代わりにされてしまえばこちらは何も言えない。
「とりあえず結衣さんのデートコースと同じでいいよ!」
「そうか?じゃ映画行くか」
「うん!」
まあ妹と映画なんて千葉の兄妹なら普通だよな、そう思いつつ歩くと手を握られる感覚がした。
「何してんの?」
「いやーデートだからさ、それっぽいことしたくなるじゃん」
そんな可愛い笑顔で言われたら何も言えないし、それに不思議と悪い気分ではない、つかむしろいい。
「じゃあ行くか」
「うん!」
× × ×
「この映画を見るの?」
「ああ、何か前から見たかったんだと」
由比ヶ浜の勧めで見る予定の映画はそれはもうリア充が好みそうな恋愛映画だ、何でも原作は100万部を超えるほど売れてるらしく中高生を対象に大人気だとか。
「お兄ちゃんこういうの嫌いじゃないっけ?」
「ああ、嫌いだ。けど他に面白そうな映画はやってなさそうだしな」
「なるほど、お兄ちゃんも成長したね」
「まあそれなりにな、ほら行くぞ」
すでにチケットは発券してあるのでそのまま劇場内に入る。席は丁度真ん中の後列で見やすい位置なのだが、周りはカップルだらけでどうにも気まずい。
「な、なんか...楽しみだね」
全然楽しそうじゃないぞ、小町。めっちゃ顔赤くして、そっぽ向いてるじゃねえか。
「あ、始まるよ!」
「あ、ああ」
無心無心、映画に集中。
「......お兄ちゃん」
「ん?」
その瞬間、小町がぎゅっと手を握って来て肩にもたれかかってきた。
いやそんな妹相手にそんな動揺する必要なんてないんだけれど......ないんだけれどさ!
これはいくらなんでも......。
小町の方を見れないので俺は反対側の席の方に視線を変えると見覚えがある女性がため息をつきながら映画を見ていた。先生、こういうの見るんすね......。
× × ×
「まあまあ面白かったね」
「ああ、確かにまあまあだ」
まさか最後にヒロインが生き返るとか最近の恋愛映画どうなってるんだ。
とりあえず映画も終わり、次の予定のご飯を食べに俺達は事前に予約していたお店へと向かっている。由比ヶ浜と行く予定だったが、このまま家帰って作るのも面倒くさいしな。
「お兄ちゃんと二人で外食なんて久しぶりだね」
「そういやそうだな、いつ以来だ?」
「うーん......中学の時にサイゼいった時が最後かな?」
「そんなに経つのか」
考えて見ればあんまり二人で出掛けることがここ最近少なくなったしな、スキンシップが足らなくなってるのはよくないな、うん。そんなことを考えつつ、お店に到着した俺達は入口で名前を店員に伝えて、席へと案内される。
「小町こういうところ来たことないからなんか凄く場違い感あるよ」
「大丈夫だ、俺も感じてる」
だって学生が入るようなお店じゃないだろここ。値段がリーズナブルだから決めたけどBARみたいな雰囲気を漂わせるこの店の外観と内装はどうにも緊張するし、お客さんもサラリーマンとかOLとかスーツ姿のお客さんが多い。もう少しリサーチするべきだったな......ある意味相手が小町でよかったよ。
「とりあえず何、食べる?」
「あ、うーん......じゃあこれで」
「わかった」
近くにいた店員を呼んで、注文を伝えた。店員はニコニコと笑顔で対応してくれて、こちらも気持ちがいい。なんか心が安らぐ気持ちになるよ。
「お兄ちゃん、こういうところよく行くの?」
「いや行かないけど」
「ほうほう、てことは結衣さんの為にわざわざ選んだと?」
「まあそうだな......」
「お兄ちゃんもやりますな」
そりゃあ全部由比ヶ浜に任せきりなのは申し訳無さすぎる。プランは決めてもらうが事前準備とかはせめて俺がやりたい。
「雪乃さんともこういうところ行くの?」
「いや雪ノ下とは家で過ごすことが多いな、ご飯とかもあいつが作ってくれるから」
「へえ......てかこないだ泊まってたんでしょ?」
「あ、ああ」
正確に言うなら仕方なく泊まっのだ。雪ノ下のマンションに行くと、ご飯食べてその後も雪ノ下と会話して過ごすことが多いのだが帰る時間はいつも遅くなる。俺としては構わないのだが雪ノ下が「遅いから泊まりなさい、いい?」とほぼ無理矢理泊まることを強要してくるので仕方なく泊まったのだ。ちなみにベットが一つしかないので二人で寝ることになり、俺が全然寝れなかったので次からは何としてでも帰る。
「そっか......どちらかといえば雪乃さんのほうが少しはリードしてるのかな」
「何の話だ?」
「あ、ううん。こっちの話」
こっちってどっちだよ。
「そっかぁ......もうお兄ちゃんは大切な人がいるんだね......」
「まあ......意味の捉え方は色々だろうがその通りだな」
「そうだよね......」
目の前の小町は急に寂しそうな表情で下を向いてぽつりと呟いていた。
どうした?なんか変な事言ったか?
「どうかしたのか?」
「あ、ううん。全然! あ、ほら料理来たから食べよう!」
「あ、ああ」
どうやら気のせいのようだ、よかったよかった。
「......寂しいな」
× × ×
「あー美味しかったし楽しかった! たまにはこういうのもいいよね」
「たまにはな」
こんなの頻繁にやってたら財布があっという間に天に召されてしまう。てか何故全て俺が払うことに......。
食事を終えた後、とくにやることもないので帰ることにした俺達は横に並びながら帰り道を歩いている。夜なので気温がさらに下がり、コート着ていても身ぶるいするほどの寒さだった。
「ねえ、お兄ちゃん」
「なんだ」
「お兄ちゃんはさー、もし雪乃さんか結衣さんと付き合うことになったらもう片方はどうするつもりなの?」
顔を覗くようにこちらを見ながら小町は聞いて来た。やっぱその質問来たか。そりゃあ全く考えてこなかったわけじゃないので答えは一応考えてある。
「俺としてはこれからも部活には来て欲しいし、今まで通りでいて欲しいと思ってる。俺のわがままかもしれんが三人揃ってこその奉仕部だと思ってるし」
「そっか、ちゃんと考えてるんだね」
「まあな......」
実際うまくいくとは限らない。でも行動なければ物事は進展しないことを俺は知ってる。だからこそどちらかを選んだとしても俺はこれまで通りにしていく努力をするつもりだ。
そんな考えをしてると、横の小町が急に俺の方を向いて口を開いた。
「もう......小町はいらないかな?」
「は?」
「お兄ちゃんのことを支える人がいるならお兄ちゃんはもう小町がそばに居なくても平気だよね......」
急に発した妹の言葉にとにかく驚きを隠せなかった。
「いきなり何を言ってんだ? 俺は小町がいないと」
「嘘だよ、彼女が出来ればきっとお兄ちゃんは私から離れるもん、小町よりも彼女さんのほうが大切になるもん!」
そう言って小町は一気に走り出した。
「小町!おい!」
声と同時に走り出した小町を追いかける。一生懸命走っているのだろうがすぐに追いついて小町の腕を掴んだ。
「一体どうしたんだ?」
「だって......私は......妹だからお兄ちゃんの大切な人には......」
何やら呟いているようだが声が小さく聞き取れない。しかし目から涙が溢れているのが見えている。
「あれ? ヒッキーに......小町ちゃん?」
「なんだ、由比ヶ浜。今取り込み......由比ヶ浜?」
振り返るとどこかに買い物に行って来たのかレジ袋を片手に持って、ベージュのダッフルコートに紺色のスカートを着こなした由比ヶ浜が目の前に立っていた。
「お前......今日これないって......」
「え? 私は小町ちゃんからヒッキーが今日はこれないって聞いてたけど......」
どういうことだ? 小町の方に視線を変えるとすでに泣き止んではいたがこちらの方に顔を向けず呆然としている様子だった。
「小町、どういうことなんだ? なんか話が違ってるんだが......」
「あの......その......ごめんなさい......」
青ざめた顔で謝る妹の様子がおかしい。さっきのことと言い、何があったんだ?
「由比ヶ浜、悪い。色々手違いがあったみたいだ。また今度埋め合わせするから」
「あ、うん......わかった」
「悪い、じゃあまた」
言い終えると俺は小町の腕を掴んで歩き出した。行き先は家......ではなく近くの公園だ。
家にはお袋や親父もいるからこんな状態で妹を帰らせたら二度と家の敷居を跨ぐことは許されないだろう。そう考えてるうちに公園が見えた。さすがに夜遅いので誰もいないようで中に入ると近くのベンチへ行き、小町を座らせる。
「ちょっと待ってろ」
「うん......」
さっきよりかは顔に生気が戻って着てるが落ち込んでる様子だった。自販機、自販と......あった。自販機の方へ行き、MAXコーヒーのボタンを押す。やっぱ寒い時はこれだよな。
「ほら」
小町にMAXコーヒーを差し出すと無言で受け取った。俺は静かに小町の横に座って、語りかけた。
「なんで由比ヶ浜に俺がこれないって嘘をついたんだ?」
「......だもん」
「なんだ? 聞こえないぞ」
「....お兄ちゃんと一緒にいたかったんだもん!」
声を大きくして叫んだ妹の言葉。一緒にいたかったんだもんか......。
「お兄ちゃんが......お兄ちゃんが雪乃さんや結衣さんと仲良くしてるのは嬉しいし、お兄ちゃんがどちらかと付き合って幸せになってくれたらいいと思ってた......でも......やっぱり小町にはお兄ちゃんがいないと駄目だよぉ......」
言うと、小町は再び涙を流して俺の胸に顔を押し付ける。苦しそうな嗚咽も聞こえてきて、やりきれない気持ちになる。俺は小町の頭に手を置いて、そっと撫でる。
「悪かったな......ここのところずっとあいつらにかかりっきりで小町とこうやって話すこともなかったからな......俺も同じだよ。俺だって小町が必要だ」
小町は一旦俺から離れると涙で拭いて、俺の顔を見つめた。
「本当に?」
「ああ、本当だ。なんせ俺ほど妹が好きな兄はいないんだ。小町がそばにいない人生なんかあり得ないな」
得意げに俺は語って見せたが言い終えると目の前の小町からため息をする音が聞こえた。
「小町的には......ちょっと重いかな」
え? そんなに? 凄くカッコよく言ったつもりなのにそんな否定されるの?
「でも......私もお兄ちゃんがそばにいない人生は嫌。だから......もう少し小町のそばにいてくれる?」
上目遣いで聞いてくる愛する妹の顔を見て、自信満々に答える。
「当たり前だ。もう少しどころか一生そばにいてやるからな」
そう言ってもう一度頭を撫でる。撫で始めると小町はニコッと笑って息が止まるほどにギュッと抱きしめてきた。
「ありがと......小町的に超超ポイント高いよ」
「そうか......まあこうやって兄妹の仲を深めるのも八幡的にも超超ポイント高いな」
言い終えて少し離れてお互いの顔を見合わすと思わず笑ってしまった。確かに雪ノ下や由比ヶ浜も大切な人だ。でもそれ以上に目の前にいる俺の家族の一員で誰よりも愛してきた我が妹はずっと大切な人だ。
× × ×
「うーす」
「そろそろそのだらしない挨拶はどうにかならないのかしら?」
「これが俺のいつもの挨拶なんだよ、それに俺がいきなりこんにちはとか言いだしたら気持ち悪いだろ」
「そうね、言葉を発することすら許されないわね」
そろそろ入るなり罵倒から入るのやめてくれないですかねぇ......。授業終わって1日のストレスから解放されても奉仕部に行くとまたストレス溜め込んでる気がしてならない。
「由比ヶ浜さんは?」
「ああ、なんか三浦達と話してから来るから遅れるんだと」
「そう......なら今、聞いとこうかしら」
「聞いとくって何をだ?」
言うと、雪ノ下は携帯を取り出して、慣れてない手つきで操作し始めた。
「昨日は由比ヶ浜さんではなくて小町さんとデートだったようね」
「まあ色々あってな......」
「そう、一つ聞きたいのだけれどあなたは家に帰ってからどうしたの?」
「どうしたって......すぐにお風呂はいって寝たぞ、疲れてたから。それがどうかしたのか?」
「......ではあなたは日頃から妹とこのように寝る習慣があるのかしら?」
雪ノ下は携帯をこちらに向けて、その画面をまじまじと見せつけてきた。画面には俺のベットで寝ている俺と隣で小町が俺の頬にキスしてて密着している様子が映し出されていた。
「い、いや待て! これは昨日、小町が一緒に寝たいって言うから......」
「言い訳は見苦しいわよ。いくらあなたが極度の妹好きでもここまでさせるのは流石にどうかと思うけど」
「だから違うって......」
小町ちゃん? 僕、こんなことしたなんて何も聞いてないよ? ねえ?
「あ、そうそう。この画像は由比ヶ浜さんと一色さんにも送ったからそろそろ来るんじゃないかしら」
雪ノ下が言い終えるとちょうど廊下の方からこちらに向かって来る騒がしい音が聞こえて来る......。
「お兄ちゃん、ごめんね! でも小町はお兄ちゃんことだーいすきだから許してね!」
うん......俺も好きだけど......好きだけどね?
こうして俺は妹との付き合い方はなかなか難しいと認識を改めることになった。