食戟のソーマ 創作伝   作:幸村 聖臥

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好き

えりなは、仙左衛門と新戸の導きで急ぎ空港に向かっていた。

 

えりな「緋沙子間に合いそうかしら?」

 

新戸「ぎりぎりですね」

 

すると、新戸の携帯に着信が入る。

 

新戸「はい。ええ・・・ええ・・・わかりました」

 

えりな「緋沙子誰からかしら?」

 

新戸「すいません。高速には上がらず国道から空港に向かってください」

 

仙左衛門「何かあったのか?」

 

新戸「今、一ノ瀬から連絡があって高速はで事故渋滞が起きてるから国道を利用して、上がれそうであれば高速に上がれと」

 

仙左衛門「さようか。 間に合いそうか」

 

運転手「ええ、幸い今日は道も混んでないようなのでそれにさっき私のタブレットの方にも同じ内容のデータが送られて来たので、それどおりに目的地に向かっております」

 

新戸「とにかく急いでください」

 

【空港】

 

アリス「もう、えりなったら何してるのよ」

 

黒木場「お嬢、あまり騒がない方が・・・」

 

アリス「分かってるわよ」

 

田所「えりなさん来ないね」

 

タクミ「さっき一ノ瀬が連絡して向かってるとは聞いてるが」

 

創真「いいんだよ。あいつも忙しい身だし無理しなくたって」

 

空港内に創真の搭乗便のアナウンスが流れる。

 

創真「さてとそろそろ行くわ」

 

水戸「本当に行っちまうのか?」

 

葉山「幸平、お前としばらく戦えないのは残念だが力つけて帰ってこい」

 

タクミ「俺も忘れるなよ」

 

一色「創真君、君の検討を祈ってるよ」

 

創真「みんなありがとな」

 

すると空港に見覚えのある二人の姿があった。

 

司「幸平」

 

そう、かつての1席・司と2席の竜胆だ。

 

創真「司先輩に竜胆先輩」

 

竜胆「留学とは、やっぱりお前はおもしれえな幸平」

 

創真「先輩たちは、今どうしてるんすか」

 

竜胆「私たちは造反者。処分が決まるまで謹慎中さ」

 

司「でも、俺はお前と戦えてよかったと思っている。学園を仮に去ったとしても、またお前と勝負したい」

 

創真「先輩」

 

司がスッと右手を差し出し、握手を求めた。

 

創真「司先輩、俺成長して日本一の料理人になるっす」

 

創真は、出発のため保安検査場に向かおうとした。その時・・・

 

「幸平くん」

 

遠くから聞きなれた声が聞こえる。創真が振り返るとえりなが頬を真っ赤に息を切らしながら走ってきた。

 

創真「薙切!」

 

えりな「よかった。間に合って」

 

創真「別に無理に来なくても良かったのに。お前忙しい立場だろ?」

 

えりな「そんなの関係ない。私もあなたと一緒に行きたい」

 

創真「なっ! 何言ってんだよ。お前十傑の1席であり、薙切家の令嬢だろ。そんな勝手が通りわけが・・・」

 

新戸「幸平創真、えりな様の決心は本物だ。私からも頼む」

 

創真「新戸。まさかお前までくるとはな」

 

仙左衛門「幸平創真」

 

創真「薙切のじっちゃん」

 

仙左衛門「どうかえりなの願いを聞き入れてやってはもらえぬだろか?」

 

創真「でも、いいんすか? 俺なんかと一緒じゃじっちゃんの家に迷惑じゃ?」

 

えりな「どうして、どうしてなの? あなたは私と一緒じゃ嫌なの? 私が令嬢だからお荷物だから嫌なの?」

 

創真「別にそんなこと一言も・・・」

 

えりな「仕方ないじゃない。あなたのことを考えれば考えるほど胸が苦しくなるんですもの」

 

すると、創真はえりなのもとに歩み寄り頭に手をのせた。

 

創真「俺だって同じさ。なんかわかんないけど胸の中がもやもやした。ずっとそばにいるようで遠くて、遠いようで近くてを繰り返してよ。平気な訳ないじゃん」

 

えりな「そんなあなただから好きになったのよ。私を薙切の娘ではなく。薙切えりなとして見てくれたあなただから」

 

えりなの眼には嬉しさと寂しさが入り混じった涙がこぼれ落ちていた。

 

和希「創真、もういいんじゃないか?」

 

創真「和希」

 

和希「素直に自分のやりたいようにやっても、いつものお前らしくな」

 

創真「本当にお前は少しムカつくぜ」

 

すると、創真はえりなグッと抱き寄せていった。

 

創真「薙切、いやえりな一緒に来てくれないか?」

 

 

 

 


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