食戟のソーマ 創作伝   作:幸村 聖臥

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勝利を収めた旧遠月軍。しかし、薊はあくまでのえりなの支配を目論む。しかし、えりなの祖父・仙左衛門が薊を糾弾する。


行きつく先、新たなる船出

薊「今さら何を言い出すか思えば、あなたは追放された身ですよ。いくら、足掻こうと無意味ですよ」

 

シャペル「さてそれはどうですかな薊総帥」

 

創真「シャペル先生!」

 

薊「あなたも私に逆らうのかシャペル」

 

シャペル「私は、初めからあなたの味方をしたつもりはない。それにこの食戟を以て十傑は総入れ替えとなる」

 

薊「そんな口約束を受理するとでも事務局から何まで今は私の意のままだ。十傑は私を支持している」

 

和希「そんなことだろうと思ったぜ」

 

薊「負け惜しみか?」

 

創真「和希?」

 

和希「シャペル先生、やはり・・・」

 

シャペル「そのようだな。出てきなさい」

 

控室の通路から一人の少女が顔をだした。綺麗な青色の髪の女の子だ。

 

創真「シャペル先生、その子は?」

 

シャペル「おや、知らないのか幸平くんたちも」

 

和希「俺の妹だよ」

 

アリス「妹!」

 

遥「一ノ瀬遥です」

 

薊「そんな小娘がなんだっていうんだ」

 

和希「おい、俺の妹を小娘とは、舐めた口きくじゃねえか」

 

遥「兄さん、それより例のことをお話ししても?」

 

和希「ああ」

 

遥「薙切薊、あなたは法人法違反及び教育違反に基づき遠月学園総帥を解任および料理業界の追放を通告します。なお、彼に同調した学生たちにも厳正な処分を課す」

 

薊「何だと!」

 

城一朗「どうやらやりすぎだったみたいだなお前も」

 

薊「そんなありえない。私以上の力を持つ者など今の料理業界には・・・」

 

和希「そりゃあアンタは知らねえだろ。俺のことも知らなかったぐらいなんだからな」

 

城一朗「和希くん、その説明は俺がしてもいいだろうか?」

 

和希「かみませんよ。むしろ城一朗さんから言っていただいた方が信憑性があるので」

 

城一朗「中村、神宮寺鋼って名前に聞き覚えがないか?」

 

薊「神宮寺・・・ま、まさか?」

 

城一朗「俺の一期上の先輩の遠月学園第一席だ。そして、和希くんはその息子だ」

 

全員(嘘だろ・・・)

 

薊「でも、名字が・・・」

 

和希「親父は探求心の塊でね。お兄さん、つまり俺の叔父が神宮寺家の総帥として料理協会の会長を務めてんだよ」

 

薊「な、何だと」

 

遥「私と兄さんは伯父様の指示で遠月の内偵を行うべく転入、潜入を行ったのよ」

 

創真「どおりでいきなりで変だと思ったぜ」

 

和希「悪かったな。黙ってて」

 

創真「お前は、いいけど・・・親父、知ってるなら息子にぐらい教えろよ」

 

城一朗「バカヤローそれじゃバレる可能性があるだろうが」

 

仙左衛門「生徒の心を弄び、卑劣な行為で逆らうものを追い込もうとした所業を神宮寺会長が見逃すはずがなかろう。お主の負けじゃ」

 

薊は、何も言えずにその場に膝真づいた。そして、和希直属のSPが薊を連行していった。

 

葉山「何は、ともあれこれで一件落着だな」

 

アリス「そのようね」

 

和希「遥、ごめんな中等部のお前に無理させて」

 

遥「いえ、しかし兄さんはこの学園に残るのですか?」

 

和希「ああ、そのつもりだ」

 

遥「分かりました。その趣旨は私からお父様と伯父様に」

 

和希「ああ、頼んだ」

 

創真「なあ和希、お前は遠月に残るのか?」

 

和希「お前と高みを目指すのも悪くないと思ってな」

 

葉山「おいおい、新手のライバル出現か?」

 

アリス「名家の生まれだからって手加減はしないわよ」

 

田所「でも、ライバルは多い方がいいと思う」

 

えりな「そうね。私たちで切り開きましょう。新しい遠月の歴史を」

 

一色「その心行きに僕も賛成だよ」

 

創真「一色先輩」

 

一色「ただここから重大問題だよ。現在は総帥も十傑も暫定的に不在だ」

 

創真「うーんと、それはつまり」

 

和希「俺たちが主導のもと新たな組織を構築する必要があるが、現時点でその効力を持つのは薙切の直系で現十傑のえりなさんを中心に行う必要があるということよ」

 

えりな「わ、私が?」

 

アリス「当たり前でしょ。アンタは仮にも十傑なんだから」

 

一色「薙切君」

 

えりな「はい?」

 

一色「君は、もう一人じゃないんだよ。一人だと思わず僕や創真くんを含めたみんなでこの急場を乗り切ろう」

 

えりなは、不思議な感覚からかしばらく固まってしまった。しかし、彼女の緊張を解すように創真がえりなの肩に手をのせる。

 

創真「変えようぜ。俺たちで遠月の未来を」

 

えりな「うん」

 

 

 




遂に決着。中枢美食機関は崩壊し、次回はいよいよ新体制発足

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