ISなんかどうでも良いから女の子とキャッキャウフフしたい。 作:大塚ガキ男
情報を見てみたら、いつの間にか色んな方々に読んでもらっていたようで、驚きました。ご指摘、ご感想を下さった皆様。そして、この作品を読んで下さっている皆様。本当にありがとうございます!!これからも、この作品が愛されるように精進していくつもりです!!これからも応援よろしくお願いします!!
UA10000&お気に入り500件突破記念!!【光也と一夏の遊び】
「【今から、出会った二人の女の子に全力で甘える】って遊びしようぜ。一夏ちゃん」
「高校生にそんな提案されるのは流石に予想外なんだけど。頭大丈夫か光也」
「大丈夫だ」
「問題はあるけどな」
「(´・ω・`)・・・・・・。兎に角、一夏ちゃんは強制参加だから覚悟しとけ」
「俺と光也の二人だけだよな?」
「じゃあ箒ちゃんも誘っとく?ーーお〜い、箒ちy」
「馬鹿、こんな遊びに箒を誘うな!」
口を押さえられた光也は一夏の手のひら越しにモゴモゴ言葉を発し、その犯行は未然に防ぐ事に成功。光也は一夏の手のひらから抜け出してから、何事も無かったかのように話を続けた。
「ジャンケンで負けた方が二人の女性に甘える。ただし、甘えるのは今日が終わる迄。これから先ずっと甘える訳にはいかねェしな。・・・んで、ルールとしてはこんな感じか」
「俺思ったんだけど」
「何だい、一夏ちゃん」
「この遊びをするメリットって無いよな?」
「・・・・・・一夏ちゃん、現在の自分の状況を理解出来てるか?」
「オルコットさんとの決闘が決まった翌日で、本来なら打倒オルコットさんと銘打って猛特訓しなくちゃいけないんだけどな。何で俺はこんな遊びをしなくちゃいけないんだろうな」
「おいおい、心外だぜ。一夏ちゃんの言い草だと、まるでコレが遊びみたいじゃないか」
「いや、遊びって光也の口から聞いたんだけど」
「遊びって表現は、一夏ちゃんが取り組み易いようにと言い換えただけの、オレなりの配慮だ」
「え?じゃあ、もしかしてコレは・・・」
「あぁ。れっきとした特訓の一環だぜ」
「・・・流石だぜ!光也!」
「よせやい、照れるだろうが。・・・・・・さて、一夏ちゃんにこの遊びの意味を理解してもらえた所で、ジャンケンタイムだ」
「なぁ、コレが俺の特訓の一環なら、ジャンケンする必要無いだろ。何で光也は自分からリスク背負いに行ってんだ?光也ってド級のMだったのか?」
「オレもジャンケンする必要性?それはだな」
「うわ、ドMの辺りは否定しないのかよ」
「仮に、一夏ちゃんがオレに『女の子に甘えてこい』っていきなり言われて、はい分かりましたと納得出来るか?」
「・・・・・・出来ない」
「だろ?だから、ジャンケンで負けた方ーー即ちバツゲームという形にすれば、ジャンケンに負けて女の子に甘える事になっても『まぁ、バツゲームだから仕方無いか』と一夏ちゃんが納得出来るって訳よ」
「・・・・・・でも、ジャンケンって運だよな?だとしたら万が一にも、光也が負ける可能性はある訳だけど」
「おいおい、オレが何年間一夏ちゃんと親友やってると思ってんだよ。一夏ちゃんがジャンケンで何を出すかなんて分かるに決まってんだろ」
「言ったな?」
「余裕余裕。負けたら女の子に滅茶苦茶甘えてやるぜ。負けたら、の話だけどな!」
「絶対勝ってやるからな・・・!」
「ほら、今のオレの安い挑発に乗っただろ?こういう時の一夏ちゃんは、大抵パーを出すんだ」
「・・・・・・残念、外れだ」
「何だよォ今の間は」
「兎に角、ジャンケンしようぜ。放課後だとは言え、時間は限られているんだし」
「おっけい。負ける準備は出来たか?イケメン不能野郎」
「ちょ、お前!まだそれ引っ張るか!?」
「ジャーンケーン」
「「ポン」」
出されたのは、グーとチョキ。光也がグーで、一夏がチョキーーではなかった。
「・・・・・・アレ?勝ったぞ?」
「う、嘘だろ・・・」
勝ったのは、一夏だった。自分で出したグーを見ながら、他人事のように言っている。
「よし、今日の訓練終わり!お疲れ一夏ちゃん!」
「させるか!」
椅子から立ち上がり、脱兎の如く教室から走り去ろうとした光也の腰に巻かれたベルトを掴み、強引に座らせる。「ぐぇっ」と光也の口から変な声が漏れた。
「ジャンケンで負けた方が、女子二人に甘えるんだよな?」
「そんな話だったっけか?我等が担任織斑千冬ちゃんの胸が何カップか予想する話だったような。やっぱ、スーツだから幾分着痩せしてると思うんだよな。あ、今度オフの日に一夏ちゃんの家に遊びに行くわ。もしかしたら普段着の千冬ちゃんに逢えるかも知れねェし。その時に目視で分からなかったら直接聞こう。世間話の途中で『やっぱり、味噌汁にはネギがベストだと思うんだよね。ーーそうそう、千冬ちゃんの胸って何カップ?』って聞けば話の流れでサラッと答えてもらえる気が痛い痛い痛い痛い!オレの腕は雑巾じゃねェから!絞らないで!」
「『負けたら女の子に滅茶苦茶甘える』って言ったよな?」
「言ってたか?」
「言ったよな?」
「はいはい言いましたよ!バッチリ言いましたァ!」
「やれよ?」
「ふざけんな!オレに甘えん坊将軍になれってか!?」
「いや、自分で言い出したんだからやれよ。おい」
「サー!やらせていただきます!サー!」
「ちゃんと甘えろよ?」
姉譲りの眼光で睨まれては、光也も素直に従う他無い。背筋を伸ばし、教官に対するような態度で返事をした。そして、一夏にバレないように、僅かにニヤけた。
(馬鹿だ、やっぱお前は大馬鹿だぜ!一夏ちゃん!確かに、ジャンケンで負けた方は二人の女の子に甘えなきゃいけない!だがそれは、『出会った二人の女の子』だ!オレが何を考えているか一夏ちゃんには分かるか!?そう、出会わなければ良いんだ!バツゲームが始まった瞬間に猛ダッシュで寮に戻り、鍵を締める。そうして日付が変わるのを待っていれば、バツゲームは無効になる!!この作戦に唯一欠点があるとすれば、夕飯が食べられない事くらいだな!ヌゥァーッハッハッハッハ!!)
女の子に甘えるのは、光也のプライドが許さなかった。光也は甘えるよりも、甘えてほしい派なのだ。光也の理想の男性像の一つに『包容力のある男性』というのがある。包容力がある即ち、女性が甘えてくる男性。女性に自分から甘えにいくようでは、男としてはまだまだだーー光也はそう考えている。
「じゃあ、今からスタートな」
一夏がそう告げる。幸いにも、先程迄居た箒もいつの間にか居なくなっており、教室内には馬鹿二人以外には誰も居なかった。つまり、安全圏である教室を出た瞬間からスタートという形になる。
光也はゴクリと喉を鳴らした。作戦を成功させる為のコツは、走り出す瞬間を一夏に悟られない事だ。
コツ、コツ。一歩ずつ慎重に歩を進める。数歩後ろにはしっかりと一夏が付いてきており、光也の痴態をその目に収めようというオーラをバンバン感じる。ドアが近付く。
「ーーオラァァァァァァ!!」「あ、光也!?お前!!」
『廊下を走るな』と何度か千冬に叱られた思い出を故意的に忘れ去り、全力疾走でドアを潜る。光也が本気で走れば、一夏は追い付けない。
ドアを潜り、階段へ向かって方向転換しようとした所で動きを止められた。誰かにぶつかったような感じではなく、受け止められたような感覚。光也が弾き飛ばされる事も無く、相手を弾き飛ばす事も無い。走っている男子高校生をホールドで受け止められるのだから、相手は只者ではないだろう。
光也が状況を理解した今でも、身体は相手と密着したままだった。はて、自分は誰にぶつかったのかと疑問に思いながら相手を見てみる。見えない。力を入れても、顔が何やら柔らかいモノから離れられず、光也の視界は殆ど真っ暗だ。
「さぁ、みっくん!存分に束さんに甘えて良いよ!!」
「「ぇぇぇぇぇぇええええええ!?」」
一人は姿を視認して、もう一人は相手の声でその正体に気付きーー二人して絶叫。無理も無い。光也がぶつかった相手は本来ならここに居る筈が無い、世界中が血眼になって探している超重要人物。ISの生みの親である、篠ノ之束その人なのだから。
「何で束さんがここに居るんですか!?」
「みっくんと箒ちゃんとちーちゃんといっくんの動向は常に監視してるから、これくらい造作も無い事なんだよ!」
「説明になってるようでなってないですよ!」
「まぁまぁ、落ち着けよ一夏ちゃん。束姉に常識は通用しないんだぜ」
「いや、束さんの胸に顔を埋めながら言われても・・・・・・」
「後頭部を押さえられてるから抵抗出来ないんだよ!」
「こうされるのは嫌かな?」
「全ッッ然嫌じゃないです!最高ッス!!」
「素直だね〜。みっくんは良い子だね〜」
「ワーイ。タバネオネーサァーンhshs」
顔いっぱいに広がる柔らかい感触とか良い匂いとか耳に入ってくる優しい声色だとか、色んな情報を首から上で集中的に受け取り過ぎた光也は駄目になりそうだった。胸に顔を埋めているため、光也と束の背丈の関係上、束よりも背が高い光也の腰と膝が曲がっている状態だ。本能のままに力を抜けばそのまま地面に崩れ堕ちそうだ。
(コレはアカンやつや!肺に入る空気が甘いし身動ぎする度に柔らかいし視界が真っ暗だから余計に神経が敏感になってるし血流が下半身に集まり始めてるしーーアカンやつや!!)
包容力のある男性を目指している人間とは思えないこの状況。しかも、光也の背中には親友からの視線が突き刺さっている。Mではないが、光也は興奮した。Mではないが。
「い、一夏ちゃん?コレって何時迄続くんですかね?」
「うーん・・・・・・束さんが決めちゃって下さい」
「分かった。バイバーイ、いっくん」
「え!?何で歩き出してるんですかねェ!?何も見えないから怖い!オレはどこに連れてかれんの!?」
「束さんのお・う・ち♪」
「艶のあるエロボイスいただきましたァァァァァ!」
胸に光也の頭を抱いたまま歩き始める束。引き摺られる光也。一夏は苦笑いながらそれを見送ったのだった。
「お前は全く・・・・・・どうしてこう、手間を掛けさせる。私が困っているのを見て楽しんでいるのか?」
「い、いや、それはアレですよ。好きな子程意地悪したくなっちゃう的なアレですよ。オレってば千冬ちゃんの事大好きですし」
場所は変わり、寮長ーーつまりは千冬の部屋。危うく人参型ロケットに詰め込まれそうになっていた光也を、『偶然』人参型ロケットを見付けた千冬が助け出し、束にアイアンクローを極めて帰らせて、現在に至る。千冬に叱られて正座を強いられている光也だが。その心中はやはり『喜』一色だった。
「大体、何故アイツが学園に這入り込んでいる。どうせお前絡みだろう」
「そ、それは・・・・・・」
「視線を逸らすな」
「私だけを見ろって事ですね。やっぱり千冬ちゃんはツンデーー先程のご無礼、失礼致しました」
「気を付けろよ」
真顔で指を鳴らし始めたのを見た光也はすかさず十点満点の綺麗な土下座を決め込む。下げた頭を、ストッキングに包まれた千冬の足が踏んだ。
「もう良い、説教は終わりにしてやる。だから、何故あの状況になったのかを話せ」
「あー、怒りません?」
「怒らない」
「メッチャ良い笑顔じゃないですかァー」
「話せ」
「はい」
土下座から正座に直り、事の顛末を千冬に語る。それはもう、隅々迄。下手にぼかしや嘘を入れると、バレた時に怖いからだ。美人に叱られるのは嬉しいが、命が関わるとなると、答えは変わってくる。
説明終了。俯きながら話していた光也だが、千冬の顔色を窺う為に顔を上げる。そこには、怒っているのか呆れているのか分からない、どちらとも取れる微妙な顔をした千冬が。
「怒ってます?」
「怒ってはないぞ。だが・・・光也、お前は本当に馬鹿だな」
「あ、プライベートだから名前呼びになってる。嬉しいなァ」
「何?ブリュンヒルデと一対一でタイマンを張りたいだと?そうかそうか」
「うあああああごめんなさいいいいいいいいい」
「・・・・・・」
千冬に引かれた気がしたので、咳払いをしつつ光也は話を強引に変える事にした。
「まぁ、すみませんでした織斑先生」
「お前が先程言ったように、今はプライベートだ。敬語は使わなくて良い」
「・・・分かった。千冬ちゃん」
「うむ」
「で?結局お前は一人にしか甘えられていない訳か」
「そうなるよなァ。まぁ、こうして千冬ちゃんに怒られちゃった訳だし。これで終わりにしますよ」
「いや、それは許さない」
「はい?」
「い、いやーー許されないな。曲がりにも、アレは罰なのだろう?それをキチンと受けなくてどうする」
「だ、だけど、千冬ちゃん。アレはイケメンハンサムボーイ一夏ちゃんだから許される罰であって、オレが女の子に甘えたら普通に犯罪なのでは?って千冬ちゃんに叱られている最中に気付いたんだけど」
「確かに、生徒にやるのは犯罪的だ。お前は下心を隠さないからな」
「だから、このバツゲームは終わりにした方が・・・・・・」
「確かに、生徒にやるのは犯罪的だ」
「だから終わりにーー」
「確かに、生徒にやるのは犯罪的だ」
「・・・千冬ちゃん?」
「確かに、生徒にやるのは犯罪的だ」
四回も言われては、光也も流石に千冬の思惑に気付く。光也はポンと手のひらを叩きながら言う。
「千冬ちゃんが言うように、生徒じゃなければギリギリ犯罪にはならないんじゃないか!?」
「そ、そうだ。生徒じゃなければ、問題は小さくて済むぞ。合意の上なら誰にも気付かれないし、例え周囲にバレたとしてもホームシックだとか適当に理由を付ければ良いのだからな!」
正しいのか正しく無いのか分からない事を言いながら頬をほんの少しだけ赤く染め、光也に同調する千冬。目が合い、それから数瞬程見つめ合ってから照れ臭そうに微笑みを浮かべる。これから始まる二人の甘いひと時ーー
「よし、山田先生に甘えに行こう!」
「死に晒せぇぇぇぇぇぇぇぇええええええええええええッッッッ!!!!」
大好きな千冬ちゃんをオチに使ってしまった事を少し後悔。酉年なだけにトリを飾らせてしまった訳ですね。初スベりいただきます。
まぁ、でも、下げたら上げないとですね!
ラブアンドパージやってて思った事。
「どうして、束ちゃんと千冬ちゃんが攻略対象じゃないんだあああああああああああ!?!?」
どのキャラが好き?
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一夏ちゃん
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箒ちゃん
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セシリアちゃん
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鈴ちゃん
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シャルちゃん
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ラウラちゃん
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千冬ちゃん
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束ちゃん
-
蘭ちゃん
-
弾ちゃん
-
光也