魔法少女育成計画YREGROF   作:水甲

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2話 初めまして先輩

初めての魔法少女活動から次の日、端末で通っていた学校を調べて、何とかたどり着いた。

 

記憶が無いから自分が誰と仲がいいのかわからないから、机に突っ伏していようとしたら、誰かが声をかけてきた。

 

顔をあげるとクラスメイトの男だった。

 

「どうしたんだ?眞琴、どこか具合でも悪いのか?」

 

「いや、そういう訳じゃないけど……俺は君と仲良かったっけ?」

 

そう言うと声をかけてきた男は呆れた顔をしていた。

 

「いや、何言ってるんだよ?小学校からの付き合いだろ」

 

なるほど、どうやら本当に中がいいやつみたいだな。

 

というかこれから大変だから事情を話すべきだろうな

 

「悪いんだけど、ちょっと話したいことがあるんだ」

 

「あ、あぁ」

 

俺と彼は授業が始まる前に、人気のない場所に向かった。

 

 

 

 

とりあえずは校舎裏まで来て、早速事情を説明した。

 

「えっ!?記憶喪失!?」

 

「そうみたいなんだ。何だか机の角に頭をぶつけたみたいで……覚えてるのは自分の名前くらいなんだ」

 

「そうだったのか……でも病院とか行かなくていいのか?」

 

確かに病院とか行く必要はあるけど、正直そこまで記憶喪失のことを大事ではないと思っている。

 

「とりあえずは徐々に思い出すと思うから……ただ協力してほしいことがあるんだ」

 

「協力?」

 

「自分の交友関係とか知る限りでいいから教えてほしんだ。他の人には悟られたくないから……」

 

「それぐらいだったら、まずは俺は岸辺颯太。眞琴とは小学校から一緒で……あとは小雪もそれぐらいの付き合いだったな」

 

「小雪?」

 

「別のクラスにいるんだけど、後で小雪にも説明するよ」

 

「助かるよ。颯太」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それからすぐに教室に戻り、授業を受けた。

 

そして昼休み、また校舎裏に来て、颯太が小雪って子を連れてきた。

 

「そうちゃんから聞いたけど、本当に大丈夫なの?」

 

小雪は心配そうにしていた。

 

というか説明してくれたんだ。正直助かるな

 

「何とかな。それで君が小雪なのか?」

 

「うん、姫河小雪」

 

「呼び方は小雪で合ってるのかな?颯太もだけど」

 

そう聞くと二人は頷いた。

 

呼び方ひとつ間違えれば他の人にも感づかれる可能性がある。

 

あれ?何で俺は記憶が無いことを他の人達に知られたくないんだろう?

 

………心配かけられるからか?

 

そういうことにしておこう

 

それから二人のおかげで自分の交友関係とかを教えてもらえた。

 

二人は何か困ったことがあったら助けてくれるって言ってくれた。

 

本当にいい友達を持ったな前の俺は……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして学校が終わり、家に戻ると早速魔法少女に変身して活動を開始した。

 

昨日みたいに強盗とかはそう簡単に現れないから、地道な人助けをしていた。

 

「そういえば私の他に魔法少女がいるんだっけ?」

 

「そうポン」

 

呼びもしないのに出てきたよ。このマスコットは……

 

「連絡とか取り合えるのか?」

 

「やってみるポン」

 

「それじゃ家に帰ってから……」

 

他の魔法少女と連絡を取るために一旦帰宅することになった。

 

 

帰宅して早速ファヴの説明を受けながら、魔法の国と呼ばれるチャットルームに入った。

 

チャットルームに入ると既に何人かいた。

 

『初めまして、ヴェリテです』

 

自己紹介をすると竜騎士みたいな子が早速返してくれた。

 

『ファヴから聞いてるよ。新しい魔法少女なんだよね。私はラ・ピュセル』

 

ラ・ピュセルが名前を教えてくれた瞬間、他の子たちも話に入ってきた。

 

『よっ、俺はトップスピード、それでこっちの忍者はリップル』

 

『……よろしく』

 

魔女の格好のやつがトップスピードで忍者はリップル。

 

『ねむりんで~す。よろしく~』

 

『私は森の音楽家クラムベリー』

 

パジャマのやつがねむりんで、バイオリンを持っているのがクラムベリーか。

 

『来て早々悪いんだけど、君の教育係となったから明日にでも会わないか?』

 

ラ・ピュセルがそう言うけど、そういうのは早いに越したことないし、今日でもいいかと聞くと、ラ・ピュセルはすぐに返事をくれて、場所を指定してきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

指定してきた場所は鉄塔の上だった。

 

そこにはチャットでも見た竜騎士ラ・ピュセルがいた。

 

「初めまして先輩。ヴェリテです」

 

「ラ・ピュセルでいいよ。ヴェリテ。とりあえず今日はこの街で行動する時に必要な知識だ」

 

行動するのに知識なんているのか?

 

ファヴからは他の人には魔法少女の姿は視認できないみたいとか………見られても薄っすらしか記憶に残らないみたいだし……

 

ラ・ピュセルはこの街に厄介な魔法少女がいると話してくれた。

 

少しでも気に入らないことがあると攻撃してくるカラミティ・メアリ。

 

五人組の魔法少女のリーダーも縄張りで動いていると怒られるらしい。

 

「なるほどね。縄張りがあるんだったら、動きやすいかもしれない」

 

「というと」

 

「面倒な厄介事は回避するのに越したことはないからね」

 

「何だかヴェリテはすごい子だね」

 

何だか褒められたな。

 

そうだ、この人先輩なら何か知ってるのかもしれない。

 

「ラ・ピュセル。聞きたいことがあるんだけど」

 

「何だい?」

 

「記憶喪失を治す薬的なものと買って、手に入ったりしないかな?」

 

私がそう聞くと何故かラ・ピュセルは固まっていた。

 

あれ?もしかして聞いちゃいけないことだった?

 

「な、なぁ、ヴェリテは記憶が無いのか?」

 

「うん、記憶が無いって知ってるのはファヴとラ・ピュセル。あとは学校で話した二人くらいかな?」

 

「あ~やっぱりか」

 

ラ・ピュセルはため息をつき、変身を解除した。

 

ラ・ピュセルが変身解除した姿は颯太だった。

 

私も変身を解除し、眞琴の姿に戻った。

 

「まさか眞琴も魔法少女だったなんて……」

 

「こっちもびっくりだよ。事情を説明した友達がまさかの先輩だったなんてな」

 

「今回は事情を知ってるから変身解除したけど、これからは他の魔法少女には内緒にしておこうな。男の子が魔法少女とか色々と言われるだろうし……」

 

「そうだな」

 

こうして友達であり、先輩でもあるラ・ピュセルとの初めての邂逅を終えたのだった。

 

というかこれで小雪も魔法少女になったら面白そうだな

 

 

 




小雪と颯太は別クラスでいいのかわかりませんでしたが、別クラスにしました。

割と本編と違う展開に……なるのかな?

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