魔法少女育成計画YREGROF   作:水甲

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14話 ラストゲーム

夢を見ていた。

 

ある部屋に俺と二人の女性が何か話していた。

 

「えぇ、N市で何人もの魔法少女が死ぬわ」

 

「………の魔法で見えたのね。上は?」

 

「元凶である人物を始末しろって、その元凶の方は調べがついてるけど……」

 

「N市には確か危険な魔法少女がいるのよね。彼女は?」

 

「そいつもこっちの判断でいいらしい」

 

「それじゃ」

 

「あぁ、馴染みの街だから俺が行く。最初は…………を頼む」

 

「分かったわ」

 

「それじゃ……」

 

俺はそう言って、自分の頭を殴るのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………全部思い出したな」

 

目が覚めて一番に気がついたのは、自分の記憶が全部取り戻してあることだった。

 

「魔法少女は残り6人」

 

昨日の夜、ファヴから魔法少女が予定していた人数まで減ったが、魔法のアイテムのせいで更に半分に減らすということになった。

 

おまけにたまが行方不明だということ。

 

ファヴもたまの居場所を突き止めていないとのこと

 

「死んでないなら大丈夫かな?」

 

そう呟くけど、誰も答えてくれない。

 

そしてファヴからというよりクラムベリーから宣戦布告を受けた。

 

それは俺との決着だった。

 

「ゲームの進行を早めたお礼として絶望を教えてくれるか。いい度胸だな」

 

指定された場所は山にあるコテージだった。

 

「今日で全部終わる……」

 

俺は変身して王結寺へ向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

王結寺の本堂に入ると中にはスイムスイムとアリスの二人がいた。

 

「お待たせ」

 

「一人で行くかと思った」

 

アリスがそう言うけど、確かに最初はそうしたかった。

 

「貴方達は私が巻き込んだから、決着は私一人でつけようと思ってって言おうとしたけど、貴方達二人が私の留守の間に狙われたら嫌だからね」

 

「……ヴェリテ」

 

「何?スイムスイム」

 

「私の事、スイムって言って」

 

突然変なことを言い出してきた。

 

そういえば確かにハードゴアアリスの事をアリスって呼んでいるのに、スイムスイムのことだけはそのままだ。

 

「それじゃスイム」

 

「うん」

 

「これが終わったら、お前の夢を叶えるために私も頑張るからね」

 

「約束?」

 

「えぇ、約束」

 

「破らないでね」

 

スイムはそう言って、指切りをしてきた。

 

前から思っていたけど、スイムって見た目と違って幼い感じがする。

 

もしかしたら私が思っている以上に幼い子なんだろうか。

 

「アリス」

 

「何?」

 

「あなたは私の事を人殺しじゃないって言ってくれた。色んなことをした私を信じてくれてありがとうね」

 

「ううん、ヴェリテ。貴方はあの時私のために怒ってくれた。その時の貴方を見て人を殺すような人じゃないって思ったし、目も違った」

 

アリスの過去がどんなものか知らないけど、でも彼女が言う人殺しの目って言うのが気になった。

 

もしかしたらそういう情況になったことがあるのかもしれない。

 

全部終わったら彼女の事を知らないと……

 

私の力になってくれたんだ。

 

今度は私が彼女の力になってあげなきゃ、

 

「それじゃ行きましょうか」

 

私たちはクラムベリーが待つコテージへと向かうのであった。

 

だけどその前に私はある人物に連絡を入れるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

クラムベリー

 

「さて彼女たちが山に入りましたね。そろそろ来る頃でしょう」

 

コテージの中、クラムベリーはリップルとスノーホワイトに告げると、スノーホワイトは

 

「ヴェリテを倒せば……こんな殺し合いが終わるんだよね」

 

「えぇ、全ては彼女が初めたことです。彼女は貴方のことを騙し、魔法少女が死ぬ度に笑っていたのでしょう」

 

「…………」

 

クラムベリーの洗脳めいた言葉を黙って聞き続けるスノーホワイト。

 

だけどリップルだけは別の事を考えているのであった。

 

「さぁ魔女に聞かせましょう。レクイエムを」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヴェリテ

 

山に入り、奥へと進んでいくと指定されたコテージにたどり着いた私達。

 

そこに待っていたのはクラムベリーだけじゃなかった。

 

「………スノーホワイト、リップル」

 

「ヴェリテ……」

 

「悪いが私はお前を許さない」

 

リップルは刀を構え、私に向かってきた。だけどリップルの前にアリスが立ちはだかった。

 

「ヴェリテを守る」

 

「ちっ、邪魔をするな!!」

 

リップルはアリスの右腕を斬りつけるが、アリスは腕のことを気にせずリップルに蹴りを喰らわした。

 

「ちっ」

 

「貴方には私を倒せない」

 

アリスの右腕が見る見るうちに治っていくのを見たリップル。

 

少し驚いていたが、すぐに笑みを浮かべていた。

 

「再生の魔法か……それだったらいくらでもお前を止めることが出来る」

 

 

 

 

 

 

 

 

「リップルの相手がアリスなら、スイムの相手がスノーホワイトになるのかしら?」

 

「いいえ、スイムスイムの相手は私です。貴方の相手はスノーホワイトです」

 

「私と決着を着けるんじゃないのかしら?」

 

「決着?違います。あなたに絶望を味わってもらうために、この場所に呼んだんです」

 

クラムベリーがそう告げた瞬間、スノーホワイトが私を思いっきり殴ってきた。

 

殴られた私は吹っ飛ばされたが、何とか受け身を取った。

 

「ヴェリテ、ずっと私達の事騙してたんだよね」

 

「………本当に厄介な相手ね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ラストゲームが始まりました。

そして次回もしかしたら以外な展開に……

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