魔法少女育成計画YREGROF   作:水甲

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13話 渦巻く陰謀

ヴェリテ

 

カラミティ・メアリを誘い出すためにデパートに入り込んだ私とトップスピード。

 

「本当に悪いわね。こんなことに付き合ってもらって……」

 

「いいって、正直あんたがやろうとしていること知れたからね」

 

「本当にありがとう。そしてごめんね」

 

「お礼をいうのは早いし、謝るのはおかしいからな。あんたは………」

 

トップスピードが言いかけた瞬間、デパートの入口から爆発音が聞こえた。

 

「リップルが誘導に成功したのか!?」

 

「それじゃ手はず通り……」

 

「あぁ」

 

私たちはカラミティ・メアリに立ち向かうために動き出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

デパートの入り口にたどり着くとそこには怒り狂い、銃を乱射しているカラミティ・メアリがいた。

 

「リップルは逃げられたのね……それじゃここにいるわよ!!カラミティ・メアリ!」

 

大声で叫ぶとカラミティ・メアリはこっちを見た。

 

「見つけた!!」

 

見つかった瞬間、銃を放ち続けるカラミティ・メアリ。私は身を隠しながら接近していく。

 

「隠れて近づいてくる気か!それなら!」

 

カラミティ・メアリは袋から何かを取り出した。それは爆弾だった。

 

カラミティ・メアリが爆弾を全て放り投げると同時に物凄い爆発が起きた。

 

「つぅ、本気でここを潰す気ね」

 

今の爆発で建物が崩れそうだった。

 

このまま身を隠していれば潰されてしまう。

 

だけどもうそろそろ……

 

するとデパートの吹き抜けになっていた天井が爆発した。

 

「なんだ!?」

 

上を見上げるとそこには箒にまたがったトップスピードの姿があった。

 

「今だ!!ヴェリテ!!」

 

トップスピードの声を聞き、一気に接近した。

 

カラミティ・メアリは上から降ってくる瓦礫や硝子の破片を銃で撃ち落としていく。

 

「無数の瓦礫や硝子に夢中になっていると……隙だらけになるわね」

 

「なっ!?」

 

私は手刀でカラミティ・メアリの両手を切り落とし、蹴りで喉を潰し、両指で鼓膜を突き破り、残った右目も潰しながら、そのまま頭を砕いた。

 

「………ここまでするつもりはなかったけど、あんたは人を傷つけすぎたのよ。これはその罰……」

 

私は尻餅をつくとそこにトップスピードがやってきた。

 

「終わったのか?」

 

「えぇ、なんとか……」

 

「そっか、姐さんは……」

 

「彼女は人を傷つけすぎた。後悔の一つでもあっても良かったんだけどね。無理だったわ」

 

「……そっか、なぁ、ヴェリテ」

 

「何?」

 

「あんたは後悔してないのか?」

 

「…………しているわよ。友達を裏切ったりしたし……」

 

「許してくれると思うか?」

 

「いいえ、きっと許してくれないわね。突き放しちゃったし……トップスピード、始めましょうか」

 

「あぁ」

 

私は立ち上がり、トップスピードに近寄るのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リップル

 

何とかデパートに誘い込み、しばらく身を潜めていた私。

 

するとデパートの中から爆発音が聞こえ、しばらくすると音がやみ静かになった。

 

「終わったのか?」

 

私は様子を見に、デパートに入った。

 

 

 

デパートに入り、真っ先に目に写ったのは……

 

「……………」

 

ヴェリテに胸を貫かれたトップスピードの姿だった。

 

ヴェリテは不気味な笑みで私の方を見た。

 

「あら、ようやく来たのね」

 

「……ヴェリテ、カラミティ・メアリはともかくどうしてトップスピードを!」

 

「どうして、決まっているでしょ。私は魔法少女を脱落させないといけないの。でももう彼女で終わり………」

 

私は叫びながら、ヴェリテに手裏剣を投げたが、ヴェリテは手裏剣を全て受け止めた。

 

「悪いけどもう私の計画は終わり………良かったわね。生き残れて……」

 

「ヴェリテェェェェェェ!!」

 

ヴェリテに向かっていく私。だけどそこに黒いドレスの少女と白いスク水の少女が立ちはだかった。

 

「アリス、スイムスイム。避難は?」

 

「終わった」

 

「ヴェリテは?」

 

「これで終わりよ。リップル、もし仇を取りたければいつでも来なさい」

 

ヴェリテたちはそう言い残し、姿を消した。

 

残った私は倒れたトップスピードに近寄り、身体を揺するが冷たくなっていた。

 

「………許さない」

 

「なら、手を組みませんか?」

 

突然周りに声が響いた。周りを見渡すが誰もいない

 

「誰だ!!」

 

「私は森の音楽家クラムベリー。現状残っているのは行方をくらました犬以外6人。うち二人は魔女に付きました。そして私とあなた、そしてもう一人に今から声をかけます。3人でヴェリテを殺しませんか?」

 

「ヴェリテを………」

 

「そうすればそこに倒れた彼女の仇だけではなく、他の魔法少女の仇を取ることが出来ます」

 

「………分かった。協力する」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スノーホワイト

 

「…………」

 

ヴェリテがラ・ピュセルを………そうちゃんを殺した犯人。

 

そしてあの時言われた冷たい一言

 

「怯えるしか出来ないの?」

 

「いいえ、もっと出来ますよ」

 

私の呟き、誰かが答えた。周りを見渡すが誰もいない。

 

「誰?」

 

「森の音楽家クラムベリー、現状残っているのは行方不明のたまという魔法少女以外6人です。その6人の内二人はヴェリテに協力をしています」

 

「………協力?どうして?ヴェリテは人殺しだよ」

 

「さぁ、私にはわかりません。ですが仇を取りたくないですか?」

 

「仇を……」

 

「きっとラ・ピュセルもそれを望んでいるはずです」

 

「そうちゃんが……‥…」

 

「協力しませんか?スノーホワイト」

 

「………はい」

 

 




次回からまほいく最終章です。

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