GATE くうかんポケモン 彼の地にて、時空を越えて戦えり 作:00G
そして投稿遅れまして申し訳ありません。
この小説携帯を利用しながら書いているのですが、前の携帯が壊れて新しく買い換えました。
そうしたら、前の携帯に書きためていた小説全て消え去り、書いていた内容を思い出しながら仕事が休みの間に書き直していたので遅れました。
次回からはまともな内容にするので、今回は短いですが読んでくれたら嬉しいです。
『パルキアが日本に来る』
銀座事件から4ヶ月以上経ち、気温がめっきり寒くなった冬の銀座ーーというか全世界ーーではある一つの話題で盛り上がっていた。
それが上記に記したパルキアが日本にやって来るというものだった。
未だに特地のはっきりとした情報が入ってこない状況で、パルキアが日本に来るという報道がされた時の日本は久方ぶりに盛り上がった。
ネットでの反応も大いに盛り上がり、『パルキア来たあああ』や『そんな危険な動物を呼ぶなや』など喜ぶ声やそれとは逆に否定する声が飛び交う。
良くも悪くも話題としては最高のネタであろう。
また特地の住民も重要参考人として呼ばれるということも報道されており、どんな人が来るのかと期待と妄想を膨らませていた。
パルキアとは違い割と受け入れられているのが実に人間らしい。
さて、この通り世間の声はテレビなどを通して全世界へと発信されており、日々国会前で張り込みながら新しい情報を追い求めている者たちがいる。
情報を発信し、情報を求める者たち……マスコミである。
マスゴミなどと不名誉な名前で呼ばれてしまっているが、情報を集めて発信するのが彼らの仕事なので酷く言ってはいけない。
まあたまに限度を超えてしまう輩がいるのも事実なので否定出来ないのが残念である。
まあ今は限度を知らない動画投稿者たちの方が厄介な存在になっているが。
さてパルキアが日本に来るという話に戻るが、問題が1つある。
国会にパルキアが入ることができるのか、ということである。
4メートルと少しの巨躯を持つパルキアが国会の扉を潜ることはできない。
ならばテレビ中継でという案が上がったが、パルキアは『久しぶりに元の世界の空間の様子を見たいから日本に戻る』と言ってテレビ中継を拒否し、『空間の切れ目から顔を出せば良いだろ』と平猫を通して提案された。
流石にそれはやめてと、狭間陸将と柳田二尉に懇願されたがパルキアは無慈悲にこれを拒否。
言うことを聞かなかったことをとやかく指摘されそうだと狭間陸将たちは思ったが、別にパルキアは自衛隊の指揮下に置かれているわけではないので強くは言えない。
実際に、『こちらの意思とは無関係に、不当に束縛するようであれば容赦はしない』と脅しもされている。
自衛隊とパルキアはあくまで協力関係。
決してパルキアは自衛隊の
パルキアのことで頭を抱えているのはなにも自衛隊だけではない。
日本の政府。そして今現在胃をキリキリと痛めているピニャ・コ・ラーダである。
日本の政府は特地で門の確保に10万人以上の敵勢力への損害を一方的な虐殺ではないかということ、炎龍なる生物に襲撃され一般市民の尊い犠牲が出たこと、銀座とイタリカでのパルキアの戦闘介入と過剰なまでの虐殺を野党からずっと指摘され続けている。
さらにアメリカ、ロシア、中国といった大国から『共同で特地を調査しようではないか』と特地進出の意図が見える提案をされ続け、しかもパルキアの生体サンプルも欲しいと要求されている。
その影響からか、3国以外の諸外国からも同じような要求が日本へと送られる。
断れば特地の土地・資源、パルキアを独占する気か、と言われ各国から叩かれ現総理大臣の本位慎三は頭を悩ませる毎日を送っているのだ。
そして、ピニャはというとイタリカ防衛後に交わした協定直後に知らなかったとはいえ部下が伊丹をボコして連れてくるという協定破りを行ったせいでパルキアからの報復を恐れ、しかも伊丹が国会(レレイの通訳により元老院と伝えられた)に呼ばれているということを知り、なんとか取り繕おうと日本に行くことを宣言した。
行動力がある……ように見えるが、実際のところパルキアからの報復を恐れていたときは小鹿のようにプルプルと震え、いざアルヌス駐屯地にやって来た時は帝国と自衛隊の圧倒的戦力の差をまざまざと見せつけられたりともうそこそこ(胃の)限界が来ている。
これからもっと(胃の)限界が来るようになるのだが、今のピニャには当然わかる訳がない。
さて、色々と問題続きなのだが、今のところなにも問題ない場所といったらアルヌス駐屯地に住まう住民たちだろう。
当初のアルヌス駐屯地はコダ村からの避難民たちがほとんどで、後に人伝にアルヌス駐屯地のことを聞いた者たちが集まって今の状態になっている。
コダ村からの避難民たちはパルキアによる炎龍撃退の件でアルヌス駐屯地を闊歩するパルキアを何ら不自然なく受け入れているが、やはりアルヌス駐屯地の評判を聞いてやってきた者たちはパルキアという見知らぬ竜への恐怖心を露にした。
そもそも竜自体が特地においては危険な存在なのである。
いくら騎乗兵が操るワイバーン型の竜とはいえ、竜が持つ牙、爪、尻尾はただの人にとっては驚異であり、生きる災厄とも言われる古代龍にもなればさらに危険度は増す。
最初はアルヌス駐屯地にやって来てもパルキアの姿を見た途端に逃げ出す者たちが大勢いた。
しかし、次第にパルキアが積極的に人を襲ってこないことに気づいていったため、ゆっくりとアルヌス駐屯地に住まう住民が増えていった。
今ではアルヌス駐屯地を歩くパルキアは名物となっている。
子どもたちを尻尾に乗せて歩き回っていることも名物の一因を担っている理由だろう。
レレイに至っては、パルキアに隠れてパルキアのエネルギー弾を習得しようとしている。
そもそもあれは念に似た力を集約させて放つものであるため、適正がないと思うように使えない……どころか感じとることすら出来なければ一向に使えるようにはならないのだ。
パルキアはレレイに適正がないことを感じ取っており、レレイに諦めるよう平猫を通じて伝えている。
探求心、好奇心の塊のレレイはその事実を伝えられた瞬間、少女がしてはいけない顔になっていた。
みーんな大変なのだ。
自衛隊然り、日本政府然り、ピニャ然り、パルキア然り苦労しているのだ。
だが、これからもっと困難と苦労がやって来ることをまだ誰も知らない。
取り敢えずは、参考人招致が過ぎ去ってからだろう。