やはり俺が死後の世界で過ごすのは間違っている   作:璃羅

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今年最後の投稿です。

では、どうぞ!


第7話 彼らの作戦が始まる

七話

 

 

 

はーい。先ほど、ガルデモから逃走してきた八幡だよ。いまだにドキがムネムネしてる。ここまで人と接してるのは久しぶりで、どこか戸惑う。俺は、この世界にいて良いのだろうか。

 

とかなんとか、しんみりした気持ちで俺は散歩していた。しかし、ガルデモは凄かったな…!これはファンになったかも知れん。そのうちライブも聞きたいものだ。

 

「比企谷さん」

「いぃっ!!」

 

なんだなんだ⁉︎ぼっちは人の気配に敏感なはずなのに気配を感じなかった!突然声を掛けられたぞ!誰だ!

 

「作戦本部にお集まりください」

「なんだ、遊佐か…」

「む…なにか?」

 

遊佐でした。気配を消して動けるとは、忍者か何かなのか?あと、突然話しかけるのやめてもらって良いですか?心臓が持たないんですが…。ちょっと満足げな顔してない?おれが何かしましたか。

 

「それは比企谷さんが気付けば良いのでは?」

「だから、なんで考えてることわかるの?」

 

あと、なんかムッとしてない?ちょっと雰囲気がそういう風に感じる。なんか勘に触ること言っちゃったか?

 

「いきましょう。比企谷さん」

「あ、ああ。え?一緒に行くの?」

「行きますが?比企谷さんが最後だったので。他のメンバーには既に通達済みです」

 

オーケー、オーケー。勘違いはしませんよ?

 

「んじゃ、さっさと行くか」

「はい」

 

——————————————————————

 

ー対天使作戦本部またの名を校長室ー

 

「「カミモホトケモテンシモナシ」」

 

合言葉を言って中へと入る。そこには既に幹部の連中たちが全員集まっていた。本当に最後かよ…。

 

「ようやく来たわね。ガルデモとの顔合わせはどうだったかしら?比企谷くん?」

「おかげさまでな…」

「あら、私はあなたの為を思ってやったことよ?ああでもしないと逃げるでしょう?」

 

なんでわかるんですか…?怖いよー。

 

「さて、電気消して。ブリーフィングを始めるわよ」

 

その一声によって、電気が消え、校長室のカーテンが閉じられ暗闇に閉ざされる。暗くなったと思ったら仲村の横にあるスクリーンに映像が映し出される。カッコイイと思ってしまった…。

 

「高松くん、報告を」

「はい。新人も入って来たことで、弾薬が不足して来ていると報告が上がってきています」

「ふむ…そういえば野田くんは?」

 

高松(メガネ)が報告をする。弾薬とかよくよく考えたら何処で補給してんだろうな。まあ、関係ないから聞かないけど。確かに野田がいないな。仲村からの召集なのにいないとは…どうしたんだ?考え事をしてたら話が進んでた。

 

「そろそろ補給しに行く必要があるわね。よし、なら今から『オペレーション ギルド降下作戦を行うわ!」

「来たーー!」

「oh…絶望へのcarnival…」

 

テンションの差がありすぎませんか?大山はテンションが上がっているようだが、TK?でいいんだっけか?は、低くなっている。あと、言ってる意味が分からない。

ていうかギルドってあれか?ゲームとかで作るグループの。あれってなんであるんだろうな。ゲームでもぼっちな俺にはしんどい以外の何者でもない。なんだよ、ノルマとか。めんどい上に、ゲームでも人間関係に縛られるとかやってらんないと思いました。

 

「どうした?音無?」

「あ、ああ。高いところは苦手だな、と」

「高い所?違うわ、ギルドがあるのは地下よ」

「地下か…。地下ァ⁉︎」

 

地下とかあんのか(白目)。この世界の学校は一体どうなってんのか。音無の反応はよく分かるわ。なんで学校に地下があるんだよ…。

 

「ええ。学校のいたるところから一応入れるようになっているわ。さて、遊佐さん。ギルドに繋いで」

「はい」

 

遊佐が返事をすると、スクリーンのSSSのマークの下に通話中の文字が出る。

 

『おう。ゆりっぺか。何の用だ?』

「これからそちらに銃弾の補充に向かう。トラップの解除を」

『いつもより早くねぇか?』

「新人も入ったし、いろいろあったのよ」

『オーケー。了解だ。待ってるぜ』

 

プツンーー

 

「さて、向かいましょうか。遊佐さんは待機ね。」

 

遊佐が待機なら俺も待機か。やったね!補給とか重そうだし、面倒そうだし楽でいいわ〜。頑張りたまえ。実行部隊の人たちファイトー!いっぱぁーつ!

 

「あ、比企谷くんもギルドに行くわよ」

 

は?

 

「は?え?なんで?」

「あなたも一度くらいはギルドを見ていた方がいいでしょ?顔合わせは大事よ」

 

ちょいちょいちょーい!what?ええー…

 

「諦めて下さい、比企谷さん。プッ」

「諦めろ…」

「ククク…。諦めろよ。比企谷。プッ」

 

遊佐、音無、日向の順番に声を掛けてくる。う、うぜぇ。

 

「◯ね。日向」

「なんで俺だけなんだよ⁉︎why!」

「日向、お前そのwhyってのつまんねーよ。一発芸舐めてんの?」

「辛辣すぎませんか⁉︎あと、一発芸じゃありませんから!口癖ですから!」

「お前らー!さっさと行くぞー!」

 

あぁ…仕事したくないよ…。

 

——————————————————————

 

ー体育館ー

 

はーい…。戦線に加入して初っ端から仕事が舞い込んだ比企谷でーす…。現在私たちは体育館へきていまーす…。さて、ここに一体何があるのかを当てるのが最初のクエスチョンです!正解者にはクリスタルはちまんくんをプレゼント!はぁ…。

脳内でテンションを上げることを試みるもただ、ただ虚しさが胸をよぎるだけ…

 

「ほら、行くよ比企谷君〜!」

 

大山が呼ぶ声がする。その方向を見てみると、壇上の下にあるパイプ椅子を片すところにみなさん入って行くではありませんか!そんなとこに入口があるのね。

 

「では、ご武運を」

「いや、ちょっとお腹の具合が…」

「ご武運を」

「いや、「ご武運を」…はい」

 

遊佐からの激励?を受け俺も戦線の連中に続く。本当に地下にあるようだ。この目で見るまで信じられなかったよぉ!

 

俺が中に入ると仲村がようやく来たかみたいな顔して待っていた。

 

「ようやく来たのね」

 

言われちゃった☆すいません。

 

「ここから地下へ進むわよ」

「おい、誰かいるぞ!」

 

ドスを持ったふしまき?ふじまき?だったかが止める。え、こんな暗いとこに誰かいるのか?そいつとか、引きこもりかよw

 

懐中電灯による明かりが暗がりにいる誰かを照らしていくとそこにいたのは——。

 

「ふっ、待っていたぞ」

 

なんだ。ハルバートの野田じゃん。

 

「なんだ、野田かよ」

「こんなところにいたのか…」

「私の招集を無視して、よくもぬけぬけと」

 

みんなの対応が凄い冷たい。や、俺もだけど。仲村の冷たい視線に野田はビビったかのように目を逸らしていた。

 

「で、こんなとこで何してんだ?」

 

話が進まなそうなので、声をかける。おい、初めてここにいることに気づいたみたいな顔はやめろ。傷つくわ〜。

 

「音無。お前に用がある!」

「俺?」

「俺は断じて貴様など認めなグブァ!」

 

野田が音無に向かって何か言おうとしたら横からハンマーがふってきた。何を言ってるかわからねーかもしれないが俺も何を言っているかわからない。そんなものの片鱗を見てしまったぜ…。

 

「総員、警戒態勢!」

 

全員が銃を構える。あれ?俺持ってないですけど?1人だけ何も構えてないのは悲しいな。あ、音無も構えてないっぽい。

 

「くそっ、トラップ解除されたんじゃねーのかよ!」

「ギルドの連中は俺たちを殺す気か!」

 

まじかよ!俺が加入したのを気に入らない奴らが仕掛けたのか⁉︎自意識過剰でしたね。

 

「いえ、ギルドの独断でトラップが再起動したのよ」

「なに?一体なぜ!」

「——天使よ」

 

まじかよ(二度目)。ここにあの生徒会長が来てんのか…。正直、この戦線に加入してしまった後ろめたさというのはまだ俺の中で存在している。なるべくなら会いたくないな…。

 

「どうする?ゆりっぺ!」

「………」

「一度戻ればいいじゃないか」

 

返事をしない仲村に、音無が意見を言う。いいぞ!音無!俺はその意見を支持する!それに賛成だ!

 

「いえ。このまま進軍するわ」

「ほんきか⁉︎」

 

ええ!こんなトラップだらけの危険なところにいられるか!俺は帰るぞ!

 

「そもそも、入口はもう塞がれているわ。だから進むしかなのよ」

「なら、無線で呼べば…!」

「それも無理。ここは地下よ。無線は飛ばないわ」

 

俺がここにいる意味がまじで存在しない件について。これなら来ない方がよかったじゃないですかやだー!助けてー!小町ー!

 

「それじゃ、進軍開始よ!ギルドに救援に行くわ!」

 

ぞろぞろと歩き出す戦線メンバー。こうして、戦線によるギルド攻略が始まったのだった…。

 

俺は生き残れるのか!続く!続くったら続く!

 

帰りたいよぉ…。

 

 




今年最後の投稿でした。

来年もよろしくお願いします。

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