やはり俺が死後の世界で過ごすのは間違っている   作:璃羅

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ハイテンション・シンドローム

 

前回までのあらすじ

 

目を覚ましたら死後の世界だった⁉︎この世界に抗うために(頭がぶっ飛んだ)集団のSSSに加入した私。働きたくないのに順調?に過ごしてきたの。ついには野球大会(肉体労働)のすぐ後に次の作戦の準備だって⁉︎そんな社蓄まっしぐらの私はこれからどうなっちゃうの?

 

「比企谷さん。控えめに言って気持ち悪いです。あとゆりっぺさんに報告しておきますね」

 

「ストレート過ぎません?すいませんでした!」

 

 

ーー^ー

 

さて、今までのあらすじを少女漫画風に回想も終わったところで現在に戻ろう。1年半以上放置してたから覚えてないんだ。許してくれ。

 

「比企谷さん。手が止まってます」

「はいよ」

 

今は仲村もいなくなった作戦本部で遊佐と2人で作戦の打ち合わせをしていた。別にやましいことなんかないよ?ほんとだよ。

 

「というか、次のオペレーションの概要を見てるだけで頭が痛いんだが…」

「……」

 

遊佐からも沈んだ思いが伝わる。いや、本当にね。頭痛が痛いわ。なんなら、仲村の頭も疑うレベル。これはただの悪口ですね。

 

もう一度、仲村が渡してきた次のオペレーションの草案が書かれた紙を見る。ただのメモだけどな…。

 

『狂ったようにテンションを上げて騒ぐ

 ※この世界を楽しんでいるフリをする

 →不審に思った天使

  →神に報告しに行く    

   →追跡し、捕まえる      』

 

原文ママである。もうなんなの?アホなの?もしかしていつもこんな作戦の決め方してるのか?いやほんとこんの組織辞めたいですわ。

 

「…諦めてください、私はもう諦めました…」

「おおう、お前が死んだような目をするならよっぽどだな…。なら、やめたら良くね?というか、俺が辞めたいんだが」

 

いや、ほんと。よくこれで今までやれてきたな。まあ、仲村のカリスマ性があったからか。知能がアレでも戦線の中ではまだマシなほう…だよな?

 

「私だって、辞められるのなら辞めたいですが」

「え、なに?仲村に弱みでも握られてるのか?」

「あなたはゆりっぺさんをなんだと…。いえ、なんでもありません」

 

否定できないって悲しいね。

 

「それはともかく、恩がありますので」

「ほー」

「興味なさそうですね」

「まあ、興味がないといえばないな。言いたそうな顔でもなかったし、聞かない方がいいんだろ?なら、聞かない」

 

面倒ごとはごめんだ。という言葉は飲み込んだ。

 

「…ありがとうございます。ただ興味がないと面と向かって言われるのはそれはそれで腹が立ちますね」

「なにそれ理不尽」

 

ー^ーー

 

2日後

 

「比企谷さん、おはようございます。遅刻するのはダメですから行きましょう」

 

なぜ、またいる?鍵はかけてたよね?

 

「貴方がまた寝坊するかもとゆりっぺさんに言われてきたんです。遅刻すると罰ゲームが待っていますよ?」

 

もう、何も突っ込まない…。

 

ー^ーー

 

あれから、作戦のための準備も終え、今日からその実行日になる。そのための会議がこれからあるので、社蓄な俺は優雅に寝ていたところを遊佐に起こされ、引っ張られて既に本部にいた。

 

え?女子に起こされたんだからもっと喜べよ?ばっかお前、起き抜けに無表情がいるのはマジでビビるからな。

 

そんなわけで俺と遊佐と仲村は全員揃うのを待っているのだ。いや、暇だわ。あと眠い。

 

「お疲れかしら?比企谷くん?」

「そりゃ、ここんところ働かされてるんだから疲れるわ。本当だったら、もっとギリギリまで寝てたかったんだが」

「あら、時間に間に合うなら別に良かったのに。間に合うなら、ね」

 

ニヤリと笑いながら話しかけてくる仲村。美人がやると様になるな。

その含みは怖いです。

 

「はぁ?お前が遊佐に頼んだんだろ。遅刻しないように」

「え?」

「え?」

 

え、何その反応は?

 

「……」

「いや、私は別にたの…(遊佐さんが自分から起こしに行ったの?あの遊佐さんが?いい傾向なのかしら?そこんところどうなのかしらね。まあ、そういう事なら今回は乗ってあげましょうか)」

「おい?急に黙ってなんだよ。いじめか?」

「なんでそんな直ぐにイジメになるのよ…。ちょっと考え事よ。…で、遊佐さんには頼んだわ。別に遅刻して罰ゲームでも良かったんだけど、今回のオペレーションは全員参加だからね。欠けが出るのは嫌なのよ」

「遅刻した罰ゲームで1日再起不能になるのをさらっと言うな」

「死んだ方がマシと言われているほどですしね」

 

本当に何されるわけ?死よりも恐ろしい罰ゲームてなんだよ…。久しぶりに遊佐が喋ったな。

 

「ま、そんなわけで今日のオペレーションは貴方達も参加だから、結果を楽しみにしてるわね?」

 

この作戦行けると思う?

 

無理です。

 

ですよね〜。遊佐とアイコンタクトして2人ため息をつくのだった。あ、幸せが逃げていく…。

 

ー^ーー

 

 

幹部メンバーが全員が校長室に揃った。陽動班の岩沢と何故かゆいにゃん(爆)もいるな。

 

「なんでユイがいるんだ?別にお前、ガルデモのリーダーってわけでもないだろ」

「いやいや、ひなっち先輩!私はひさ子先輩に『岩沢は作戦内容だいぶうる覚えで帰ってくるからお前、一緒に行ってこい』って言われたので来ました!」

 

無駄にクオリティ高いな。そのモノマネ

 

「ふーん、で、どうなんだゆりっぺ?」

「信じてねぇのかい!可愛い後輩の言葉くらい信じろやぁぁぁ!」

「お前の何処が可愛いんだよ!俺の目の前にそんな後輩いません〜!このちんちくり…グボァ!」

 

「やはりいい蹴りだな」「あさはかなり…」「アホだろ…」「日向君が飛んだ!」「oh!nice kick!」

 

「コントはもういいわ。ユイに関しては私が許可したから問題なし。では、そろそろ今回のミーティングを始めるわ!」

 

日向を放置しながらも周囲が暗くなった。誰も気にしてないって、日向ぇ…。

 

「今回のオペレーション名は『ハイテンション・シンドローム』」

「「「「……」」」」」

「あれ⁉︎誰も何も言わないのかよ!」

 

音無が突っ込んだ。

 

「いや、このオペレーションは初めてだよ」

「ああ、どんなオペレーションか、気になるものだな」

 

そんな緊張な面持ちでいる必要はないな。いや、ほんとに。なんなら、俺はもう帰りたい。

 

「では、オペレーションについて説明するわ。心して聞くように。あと、日向くん起こしてくれないかしら」

 

あ、まだ伸びたまんまだったな。

 

ー^ー

 

仲村から今回の作戦内容を聞いた戦線の面々はえぇ…みたいな顔をしていた。言わずもがな、俺と遊佐も2日ほど前にしていた顔である。

 

「さて、作戦内容は理解したかしら?オペレーション開始はヒトマルマルマルからよ。あ、失敗したら全員一週間食事抜きだから。はい、かいさーん!」

「ちょちょ!いま大事なこと、サラッと言いましたよねぇ!」

 

この部屋にいる全員が仲村の一言にギョッとしたところに日向が立ち向かう。いいぞ!逝け!

 

「なによ?」

「なによ?じゃないですからー!なんで罰ゲームがあるんだよ!あと、一週間とか修行かよ!」

「だって、こうでもしないと貴方達真面目にやらないじゃない。だから、よ」

 

うーん、暴君。

 

「さて、質問はもうないわね?では、解散!」

 

正に鶴の一声と言ったところか。その一言を皮切りにゾロゾロとメンバーは出て行った。どう考えても失敗するとしか思えないんだよなぁ…。

 

「じゃ、遊佐さん、比企谷くん、いつも通りに宜しくね」

「…はい」

「…へい」

 

さーて、仕事するかー(遠い目)

 

「…比企谷さん、いつも以上に目が腐っていってます…」

 

言われなくても自覚してるわ…

 

———————————

〜作戦レポート〜

 

 結論として、今回の『オペレーション・ハイテンションシンドローム』は失敗に終わった。

むしろ、どこに成功する可能性があったのか聞きたい。一部男達による雑巾掛けリレー(全校舎)に始まり、ガルデモのライブ、食い溜めを狙った大食い、通信班による実況&解説etc。それをハイテンションでやってたというのだから、側から見ると、いや、どこからみても狂気でしかなかった。そして始まるNPCを含めた運動会。これ書いてて何が書きたいのかわからなくなるな。

 だが、狂気の甲斐あってか、仲村が予想をしていたように天使は動き出した(この時点で既に夜)。戦線メンバー全員で後を追いかけると、天使は重厚感たっぷりのでかい扉の中に消えていく。数々の犠牲のもと禁断の扉の先に入った私達の見たものとは…!

 

「何を書いているのですか?」

「いや、報告書を書こうと思ったんだが、1週間前の記憶とかほぼほぼ無くてな。とりあえず、書けるところまでは書いたんだが…」

 

途中でやる気が失せてしまった。

 

「誰の得にもならない作戦でしたね…」

「いや、ほんとにな」

 

2人で小さくため息をつく。

とはいえ、天使というか立華の趣味がガーデニングということがわかった。だからなんだという話でもあるのだが。

 

そう、立華が入っていった扉の先にあったのはまさかの農園だった。そこで野菜などを育てていたのであった。そして、そこに来た理由は「水をやり忘れていたわ」というね…。立華ってかなりマイペースだね…。

 

そこから始まってしまった仲村による戦線メンバーへの断食宣言。

そして、1週間の断食がようやく終わったばかりだというのに、仲村から報告書書いといてー、と投げやりに仕事を振られた俺ガイタ。そして俺は社畜よろしく降ってきた仕事をやっていたのだ。

 

「お疲れ様〜。どう?報告書は書き終わったかしら?」

 

一息つき終わると見計ったタイミングのように仲村が作戦本部へとやってきた。

 

「これが報告書?」

「あっ…」

「…………ふーん」

 

やっべ。割とふざけてたものが手に渡ったんですけど…べーわ。マジベーわ…。何語だよこれ…。

 

「所々面白い書き方するわね。比企谷くん?」

「い、いや、そりぇは遊びて書いたというか、ふざけてたというかでふね…」

「……ま、今回はいいわ。さて、次の作戦でも考えますか〜!」

 

俺の報告書を一読し、椅子に座った仲村が体を伸ばす。発育いいんですね…。おっと、ナニモミテナイデスヨ。

 

「そういえば、そろそろテスト期間かしら?」

「そうですね。来週から始まります」

「え、なに?テストとかもあるのか?」

「そりゃあ、あるわよ。遠出するイベント以外は大体あるわ。この学校。…そうか、テストか…」

 

ああ〜なんか閃いたって顔をしておりますよ。めんどうだなぁ。

 

「そんなに顔に出さなくてもいいじゃない。今回は比企谷くんたちはお休みで実働部隊だけにするつもりだから安心していいわよ」

「マジで?それは助かるな」

「…まあ、正体を掴んでる比企谷くんからしたら嫌なことだとは思うしね」

「?なんか言ったか?」

「いえ、何でもないわ」

 

いやまぁ、難聴系主人公ではないから聞こえてるんですけどね。

「正体を掴んでる俺からしたら」?

この時、おれはこの言葉の意味を察しつつも、見て見ぬ振りをしたのだった…。後悔すると分かっていても…。

 

 

 

「作戦に参加しないからと言って通常の業務はあるからしっかり働くのよ」

「うわーい。社畜だーい」

 

 

 

 

 





そこら辺に私のやる気落ちてませんでした…?

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