やはり俺が死後の世界で過ごすのは間違っている   作:璃羅

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1年半ぶりですね!
覚えていらっしゃいますでしょうか?

忘れた方は1話から見てくださいね(ダイマ)!



Day Game

 

野球大会当日

 

当日ってもチーム決めた翌日なんだけどな!何にも練習してないよ…。

あの後、やっぱ人数足りてないよ!ということになったのでユイにゃん(爆)の紹介のもと、NPC女子が「ユイにゃんさん(爆笑)のファンっていうか友達っていうか〜」(本人談)のもとやってきた。

 

へー。ここまでNPCに仲がいいやついるのは珍しいな。というか初めて見たまである。

 

ガルデモ?ガルデモは何というかファンとその有名人というスタンスで接しているために、個人としてNPCと仲がいいというのはいないように思う。それは戦線の全員に言えることではあるが。

 

神に復讐するとか行ってる奴らが神が創った(と思われる)人と仲良くするのは良くないのかね?ま、俺は人生で人と仲良くしたこととかないんですけどね…。

 

さて、そんなユイのファンだがぶっちゃけ戦力にはなりそうにない。ユイ自身もだが。人数不足で試合に出られないよりはマシなのか?

 

「先輩、先輩、いまなんか失礼なこと考えなかった?」

 

ピンクの髪が目の前をチラつく。言わなくてもわかるだろう。ユイである。あ、いっちゃった。

 

「失礼な。別にお前が戦力外ぽいな〜とかユイにゃん(笑)とか名乗ってるのアホみたいとかなんて思っても口に出すわけないだろう?」

「口に出てるわ!」

 

ブォン!

 

ヒョイ!

 

ドゴォ!

 

「ごほぁ!」

 

ユイから放たれたラ○ダーキックは予測はできていたので簡単に避けれた。そして、俺の後ろにいた日向に炸裂したのだった。

 

「なにしやがんだてめーー!!」

 

日向の絞め技がユイに決まっている。日向はいろんな技を知ってるなぁ(小並感)

 

「だって先輩が避けたから〜!ギブ!ギブだよ!ひなっち先輩〜!」

「さて、アホどもは放っておいてそろそろ作戦でも決めましょうか」

「だな」

「はい」

「さすがだ!ゆりっぺ!」

 

「ええ!いいのか⁉︎あっちでユイが女子がしちゃいけない顔とかしてるのは本当に無視でいいのか!」

 

どうやら仲村は音無のツッコミは無視していく方向らしい。

 

「さて、作戦だけど。ホームラン狙っていく感じでいきましょう!」

「雑だな!もうちょっと作戦はあるだろう!」

「あら日向くん。もういいの?いいじゃないこの作戦なにか穴でもある?」

「ありますから!むしろ穴しかありませんから!」

 

ユイをしばき倒した日向が帰ってきた。そういえば、日向は生前には野球部に所属していたらしい。口出しされた仲村は苛立ってるな。このままだと、日向に理不尽な暴力が訪れそうだ。

 

「待ってください。ゆりっぺさん。経験者の話を聞いた方がいいのでは?」

「遊佐さん…」

「浅はかなり…」

「椎名さん…」

 

椎名はセリフとかほぼほぼそれでいいの?それはともかく、遊佐の発言には賛成と言っておく。

 

「しょうがないわね…。今回は日向くんに指示は任せるわ。あなたの指揮を見せてちょうだい」

「任せろ!ゆりっぺ!」

「あなたの指示で負けたら罰ゲーム増えるから」

「はいぃぃぃーー⁉︎」

 

どんまい、日向。

 

「まあ、勝てばいい話だからな。勝ってやるよ!ちくしょう!あ、試合に行く前に聞きたいんだが、この中で経験者っているのか?」

「私はないわね」「私もです」「俺は記憶にないな」「ない!」「1人野球なら」「浅はかなり…」「ないです☆」

「ちょおっと待てぇーーい!」

 

ビックリした。急にそんな大声を出すんじゃないよ。なんなの?精神不安定なの?

 

「なによ、急に大声出さないでよ。ビックリするじゃない」

「『ビックリするじゃない』じゃねぇーよ!なんなのお前ら!誰もやったことないのかよ!音無は記憶がないから仕方がないとしてもだ!あとなんか比企谷からは悲しい単語が聞こえたんですけどォ!なんだよ!1人野球って、野球は1人でやるもんじゃないですからーー!」

「なあ、日向」

「はぁ…はぁ…なんだよ、音無?」

「なんでお前は突っ込む時に『〜ですからー!』とか敬語になるんだ?」

「そんなことどうでもいいですからー!」

「ほら、また」

「癖だよ!この問答になんか意味あんのかよ⁉︎」

「いや、気になっただけだから」

「タイミング気をつけてくださいね⁉︎」

 

おお、日向が酸欠になりそうなくらいにまで陥っている。そんなに変か?1人野球。とか、考えていると横にいる遊佐が聞いてくる。

 

「あの、比企谷さん。1人野球とはどうやるんですか?」

「ああ、割と簡単だぞ?まずはバットとボール持って思いっきり打ち上げる。そこから、グローブに持ち替えてキャッチしに行くというやり方だ」

「なぜ、1人で?」

「そんなの、一緒にやる奴がいなかったからに決まってるだろ?」

 

なにを聞くかと思えば。ただ、俺が1人野球をしてるのを見て、『ヒキガエルが1人でボール遊びしてる〜w』とか教室で広めた安達くんは許さない。

 

思考に耽っていると、周りが静かになってる。なに?どしたの?あ、これはドン引きされてますね(悟り)。

 

「ま、まあ気を取り直して!打席とかは俺が決めるからな!」

 

日向が場を取り持つように声をあげる。どもるなよ…。どれだけ引かせたのかがなんとなくわかっちゃうだろうが。

 

「よっしゃー!(罰ゲームを受けないためにも)優勝するぞー!おー!」

 

「…おー!」

「フンッ!」

「浅はかなり…」

「お、おー?」

「よっしゃあ!蹴散らしてやりますよ!」

「私のために頑張りなさい!」

「…」

「…」

 

日向の声に応えたの音無とNPCさんだけとか、これは放送事故だろう…。声出してもない俺が言うのもなんだけどな。

 

「大丈夫か…?このチーム?」

 

音無よ。同意見だ。

 

————————————

 

試合は乱入するとはいえ、まだ俺たちのチームの出番はまだなので本来の任務に戻る。他のチームの状況を仲村に報告するというものだ。やだ、すぐ仕事に戻るとか社畜みたい…。

 

『さて、遊佐さん、比企谷くん、他のチームの様子はどうかしら?』

『竹山さんチームは今のところ順調に勝ち進んでいるようです』

 

持っていた無線機からのやりとりを流しつつ、俺が見るべきガルデモチームの様子を覗く。

 

「まあ、ガルデモは女子があんまりだが、ひさ子を含め男がリカバリーして生き残ってる感じだな」

『流石に彼女たちに優勝しなさいとは言わないわよ。その代わりに戦線の男どもには罰ゲームはあるけどね♩それとあなた、ナチュラルにひさ子さんを男子にカウントするのやめてあげなさいよ』

 

サーセン。

 

『まあ、みんな順調に勝ち進んでるみたいだし、まだ天使も出てきてないし、これは勝っちゃうんじゃない?ふふっ、ふふふ。あーはっはっは!』

『ゆりっぺさん。笑い方が悪役です』

 

見事なまでに悪役の笑い方だった。やってることとか考えると間違ってはないと思うけどな」

 

『それはどう言う意味かしら?』

 

氷点下の声が耳を震わす。仲村のテンションが急に低くなったな。なに?お前のテンションジェットコースターなの?

 

『比企谷さん、声が漏れてました』

「まじで?」

『はい』

『で?なにが間違ってないのかしら?あとで聞かせてもらうからね…』

「…ウィッス」

 

ある意味で罰ゲームが確定した瞬間だった……。

 

—————————

 

「さあ、俺らの試合だ!やるぞ、お前ら!」

 

ついにチームSSSの初試合が始まる。他のチームと同様に乱入しております。審判がまた君たちか…と言ってたからウンザリしてるんだろな。毎度お騒がせしております。

 

「で、日向。ポジションは?」

「よくぞ聞いてくれた!まず1番でピッチャーは音無!」

「俺が?日向がやった方がいいんじゃないか?」

「いや!お前は出来そうな気がする!それと俺は2番でセカンドだ。お前が打たれてもカバーしてやるよ」

 

ウインクしながらそんなこと言ってるとやっぱりなぁ…。

 

「やっぱりコレじゃない」

 

仲村が手の甲を顔の横に持ってくる。ですよね!そう思ったの俺だけじゃないですよね!

 

「ちがいますからー!!」

「ま、そんなことはどうでもいいわ。ほかの人のポジションは?日向くん」

「俺にとってはどうでもよくないんですけど⁉︎…はあ。3番ショートは椎名っち。4番キャッチャーは野田だ」

「あさはかなり」

「おう」

 

妥当な感じだな。運動神経がいいやつを先にある出して点数を取るような戦法なのかもな。

 

「で、5番サードはゆりっぺ。6番ファーストはおまえ。7番センター比企谷、8番レフトに遊佐、9番ライトに君で行こうと思う」

 

といい、9番打者にNPCさんを指名する。これといって文句はないな。…1人以外。

 

「なんで私だけおまえなんだー!そこは名前で呼ぶべきだろうが!」

 

まーた始まったよ…。

 

〜30分後〜

 

「よっしゃあ!俺たちの勝利だな!」

 

俺たちは勝っていた!

 

「なんか雑に時間が飛ばされた気がするわ」

「あさはかなり…」

 

えー…説明必要?仕方ない。守り:椎名さんTUEEEEE! 攻め:野田が片手でホームラン、椎名がバットを片手にバランスを取りながらヒットからの気付いた時には既に三塁まで回っている←この時点でほぼ相手の気力が枯れており、コールドゲームとなった。

 

なにこのチーム曲芸団かよ…。ちなみに日向、音無は前述の2人で目立ちはしなかったが活躍。俺、仲村、遊佐は可もなく不可もなく。NPCさんは頑張ろうとしていた。ユイは…言外には言い表せないレベルだった。やる気だけはあるんだけどな…。

 

そんな試合もあり、現在は再び他チームの様子を陰から見ている。頑張るなぁ。お、野球場に近づく銀色の影が。ほんとに来るとは…

 

「仲村、天使が来た」

『ほんとに⁉︎了解した。比企谷くんはそのままその場で待機しつつ、監視を続行。状況をその都度報告して』

「ん、了解」

 

後ろにNPCの学生服着たやつもいるし、生徒会か?さらに後ろの人たちはユニフォームらしきもの着てるよな…。というか、今更だけど我々はなんで戦線の制服着たまま野球してんだろうな?まあ、今はいいか。

 

ドスを持った(なぜ今も持っているのか)藤巻が生徒会チームに喧嘩を売ってるようだ。噛ませ感がハンパないな。

 

「仲村、天使の周りは生徒会と多分、野球部かなんかだ」

『はあ⁈野球部なんて汚いじゃない!そんな連中連れてくるなんてズルよ!ズル!』

『…先にズルをしてるのはこちらのような気もしますが…』

 

しっ、遊佐それは胸にしまっておけ!俺も思ってたところだけど!

 

野球場に目を移せば、ガルデモチームはやはり女子が中心のチームということもあり、どんどんと点差は離されていっていき、こちらは1点も入れられずにゲームセットの声がグラウンドに響いた。

 

その後、竹山チームも生徒会チームに敗れ去り残すところは決勝でチームSSSだけとなった。決勝まで行ってたことにびっくり。

 

——————————

 

〜決勝〜

 

決勝戦を控え、俺たちはお互い整列する。この時点で火花が燃え上がっているようだ。主にこちら側からの一方通行だが。

 

「野球部を連れて来るなんてやってくれるじゃない」

「それはあなた達がルールを守らないから…」

 

グゥの音も出ませんわ。

そのまま挨拶を終え、ベンチへとグローブを取りに戻る。先攻はこちらからだ。

 

〜side Hinata〜

 

俺たちの試合は結果から言うとかなりギリギリの勝負になっている。野田、椎名っち、音無、比企谷と俺でなんとか打線で持ちこたえることが出来ている。野田と椎名っちは何だかんだ創立メンバーだし、ポテンシャルが高いから心配はしていなかった。音無もギルド降下作戦の際に生き残ったわけだし、運も実力も備えてるんだろう。野球に関しては感だったけどな。

 

驚いたのが比企谷だ。最初は1人野球てなに?と思ったものの、意外にも攻守ともに活躍している。ただ、自分の守備範囲から外れたものはほぼ動きもしない。それが気になって聞いてみると、

 

「え、だって疲れるじゃん」

 

とか言った。そのあと遊佐に抓られていたけど、アイツら仲良いよな。同じ情報班だからとうぜんかもしれないが。

 

で、さっき挙げなかった奴らだがゆりっぺと遊佐は相手が男子野球部ということもあり、力で押し込まれてしまっている。女子っぽいところもあったのかと安心したもんだ。ゆりっぺからスゲー睨まれたけどな!

 

そして、ユイとNPC女子は予想通りすぎて特に語ることはない。ユイはいちいち突っかかってくるのでシバいているが。相手チームのやつらはその弱点を狙ってきている。とか考えていると、疲れてきたのだろう音無が打たれてしまっていた。

 

まずい!そっちはNPC女子が!

 

流石に椎名っちでもショートからライトには間に合わない。くっ、ダメか…!

と、よくよくみると攻守交代するまで華奢だった女子が柔道服を着たごつい男に変わってるではありませんか!

 

「松下五段⁉︎いつのまに!」

 

突如現れた巨漢の男、松下五段に打たれた球はバウンドすることなく、グローブに収まったのだった。

 

「…一体いつのまに?」

「ああ、うどんの食券が余ってたからあげたんだ」

「もらった分は働いて返そう」

 

俺の疑問に音無が答えてくれた。やっぱりお前は最高だぜ!音無ぃ!

音無と肩を組むと何故か視線を感じる…。周りを見ると比企谷、遊佐、ゆりっぺがなんとも言えない目でこちらを見てきていた。なんだよ?俺と音無の中の良さに嫉妬してるのか?(笑)

 

「やっぱり日向くんてこれなんじゃない?」

「ですね」

「だよなぁ…」

 

なんか話してるが、俺の耳には届かなかった…。

さーて!この調子で勝ちを狙って行きますかぁ!

 

〜20分後〜

 

やばいな。

あれから松下五段がNPCと交替したものの状況はかなり悪い。そりゃそうだ。音無の疲労がかなり溜まってしまっている。

 

そして、現在は5回裏(最終回)のスコアは5-3のツーアウト満塁となっている。

 

まるで、あの時みたいだな…。

 

…まあ、そのことは今はいい。試合に集中しなければ、負けたらゆりっぺの恐ろしい罰ゲームが待っている。

 

キィン!

 

音無が投げたボールが相手によって打ち上げられ、俺の方へと飛んでくる。ただのフライで、グローブを上に構えるだけでこの試合は終わる。しかし、しかしだ。この状況まるで…あの時のようで…。

 

こいつをとったら、最高に気持ちがいいだろうなぁ…。

 

「日向ぁーーーー!!」

 

俺を呼ぶ声がどこか遠くに聞こえた———。

 

side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜side Hachiman〜

 

結果からいうと、負けました☆

そして、現在は罰としてうさぎ跳びをさせられています☆死にてぇ…。あ、死後の世界だから死ねないんでしたね!テヘペロ☆というか、ただの罰になっちゃってるよ…。

 

ユイと日向は暫く許さない。最後のフライは元野球少年だった日向からしたら簡単にもほどがある球だった。

 

しかし、しかしだ。何故かその場で復讐を試みた奴がいた。それがユイである。どことなくボッーと球を見上げていた日向にユイがドロップキックを入れたのだ。それはもう綺麗に土手っ腹に入った。そんな状態で球を取れるわけもなく、ゲームセット。今に至るわけだ。

 

「比企谷さん。くだらないこと考えてないでしっかり罰ゲームを終わらせてください。帰れないじゃないですか」

「い…いや…遊佐は…ないんだし…帰っ…ていいぞ…」

 

野球やった後でチームSSSの男はうさぎ跳びで校庭10周とかキツイわ。終わりましたが。脳内でくだらない事考えてないと現実しか見えないんですけど…。ちなみに野田と音無はもう終わっていた。野田は帰り、音無は日向を待っている。なぜか遊佐もいる。尚、日向は戦犯なので30周になっている。

 

「いえ、私たちはまだやることがあるので」

「今達って言った?え、まだ何か働かせられるの?」

 

マジで?クタクタなんですけど…。

 

「ゆりっぺさんが呼んでいます。作戦本部へ行きますよ」

「へいへい…」

 

罰ゲーム(ゲームではない)を終えた俺はグラウンドから離れ、遊佐と2人で校長室へ向かう。オレンジが染め上げる渡り廊下を遊佐の三歩後ろで歩く。ストーカーに間違われないよね?

 

「正直、意外でした…」

「あん?」

「比企谷さんが運動出来ることが」

 

そんなに引きこもりっぽいですかね?

 

「失礼な。目が腐ってること以外基本俺は高スペックだぞ」

「目が台無しにしてますね」

「ぬぅ…」

 

時に正論は人を傷つけると思います。

遊佐はいまも前を歩き、会話をしているが後ろを振り向かない。俺もそのまま会話を続ける。不思議な距離感だった。

 

「でも、今日の比企谷さんは頑張ってましたね」

「そりゃ、罰ゲームなんてものがあるならやるしかないだろう」

「くすっ。日向さん達があの負け方をしなければ、罰はなかったでしょうね」

「それは同感だ。あの2人は暫く許さん」

「…お役に立てずに申し訳ありません」

「?なんの話だ?」

「打てもできなかったことです」

 

なんの話だと、考えるまでもなかった。最後の試合で遊佐は球を打ててはいない。

ああ、なんだ。そんなことを気にしていたのか?

 

「別に気にする必要なんかないだろ。向き不向きとかあるし、そもそも相手は野球部だったんだろ?なら、野球をやったこともない奴が打てなくても仕方ない。むしろ、椎名とかどうなってるんだよって話だ」

 

びっくり人間ショーだったよね。

 

「そう、ですか?」

「ああ、むしろお前レベルで謝罪するならユイは土下座しなけりゃいけないレベルだろ」

 

あいつ、全部の試合通して一回も打ててないぞ。

 

「そう、ですね」

「そうだろ」

「…ありがとうございます」

「なにが?」

「いえ、何でもないです。さ、着きましたね」

 

なんやかんやで本部へとたどり着く。先に入った遊佐に続き、俺も中へ入る。そこには案の定、仲村が待っていた。待ってなかったらイジメですけどね。

 

「お待たせしました。ゆりっぺさん」

「ありがとう遊佐さん。2人とも今日はお疲れ様。いい働きをしてくれたわ」

 

そう思うなら一刻も早く帰らせて欲しい。疲れてるんですけど…。主に罰のせいで。

 

「さて、あなた達2人だけを呼んだのは他でもない、次のオペレーションの下準備をして欲しいの」

「え、やだ」

「するのよ」

「ウっス」

「…比企谷さん」

 

仕方ないでしょう!圧力が凄いんだよ。しかし、俺弱すぎね…?

 

「じゃあ、詳しくはここに書いてあるからよろしくね!」

 

いい笑顔でとんでもなく面倒なことを振って仲村は帰っていった…。俺の手の中には仲村から渡された資料が…。一縷の希望を求めて遊佐へと視線を向ける。遊佐は、

 

「諦めましょう…」

 

首を振るのだった…。

 





すみません…いろんな意味で

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