やはり俺が死後の世界で過ごすのは間違っている   作:璃羅

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クリスマスですねー。
せっかくなので番外編でも書こうと思いだったのが昨日の夕方。
出来たのが、1時というね。

書いてるのが楽しくてだいぶ長くなりました。
番外編の時空なので本編には一切関係ないですよ?岩沢とユイがいます。

誤字脱字が多少あると思いますが、お広い気持ちで見てください。
リア充は挟まれろ!


番外編
番外編その1 彼らの過ごすクリスマス


番外編

 

「あーっ!寒っ!」

 

この世界に来てかなりたった。ここに来るまで色々あったな…。(遠い目)え?何があったかって?ここは番外編なので言いません。番外編ってなんだ?

 

そんなわけで(どんな訳だ)、今はこの死後の世界はとても寒い。まるで冬のようだ!この世界にも一応、四季というものは存在しているので、春夏秋冬はかならずやってくるらしい。で、今は冬な。

暦的には12月らしい。教室にカレンダーが貼ってあった。

 

そして今日は、リア充どもが騒ぎ立てるXデー。そう、Christmasである。…チッ。

 

クリスマスという忌み日の所為で俺はいつもなら見ているだけでわりと面白い監視の仕事が、リア充共をただ遠くから見ている妬む非リア充のような気持ちになっている。

 

というか、なんでChristmasなのに仕事があるんですかねぇ?日差しがあるとは言え、寒いんですが…。

 

「我慢してください。私も寒いので」

 

そう。諜報班である遊佐も共に現在仕事を遂行中。考えてることを読まれることについてはもう慣れた。

 

「つってもな…。なんでこの寒い中屋上で戦線の連中を見なきゃならん」

 

一部を見たら腹たつぞ。絶対に。だってハート撒き散らしてるんだもん。何度撃ちたいと思ったことか。銃は持ってないけど。

 

「それはとても同意ですが、こなさいと後でゆりっぺさんにどやされますよ」

「それさえなきゃな…」

 

仲村からの仕事を一度すっぽかしたことがあるんだが、そのあとの形相が直視できないレベルで怖かった。マジで命の危機を感じてしまった…。そんなことがあってからは、頼まれた仕事はしっかりこなしている。だって、怖いし。命の危機と比べたら仕事くらいねぇ?

 

「今日は寒いですし、はやく終わらせましょう」

「おう。で、誰から確認してみる?」

「めんど…うざ…日向さんからにしましょう」

「おい。心の声が口から言葉が漏れてるぞ。あと、同意だがせめてフォローくらいしてやれよ」

「いえ、特にフォローの必要は感じないので。特にあのバカップルには」

 

いやー、すごい同意だわ。むしろ見ないで仕事終わって報告したいレベル。あいつら日に日にレベル上がってんだぞ?目に入れるのが嫌になるわ。だが、仕事なので諦める。やだ!私、社畜性能高すぎ⁉︎

 

「では、始めましょうか…」

「…おう」

 

テンションが著しく低下するなかで、俺たちは持っているインカムの波長を合わせ始めた。あ、これ戦線の幹部メンバーについてる盗聴器ね。

 

——ザザッ

 

お、聞こえて来た、聞こえてきた。さーて、何やってるのかな〜?少しの間、聞き耳を…。

 

———音声のみでお楽しみください——

 

「ひなっち先輩!」

「お、どうした?ユイ?」

「呼んでみただけです!」

「えぇー?何だよー?言ってみろよー!」

「何でもないですって!」

「そうか?なら良いんだが…。さって、音無のところにでも行こっかな〜」

「えっ」

「なんだよ?特に用事ないんだろ?」

「え、えぇっと…」

「んんー?なんかあるのか?んん?」

「ぇっと、今日ってクリスマスじゃないですか?だから、ひなっち先輩と…(ゴニョゴニョ)」

「ええー?なんて言ったー?聞こえないなー?」

「だ、だからひなっち先輩と!」

「俺と?」

「ぃ、一緒に過ごしたいな、って」

「グハッ」

「え?ひなっち先輩⁈大丈夫⁉︎」

「全く可愛いな〜!ユイは!音無のところになんて行かねーよ。俺もお前と過ごそうと決めてたんだ」

「!ひなっち先輩!」

「ユイ!」

 

——音声のみでお送りしました——

 

以上、日向さんとガルデモのもう1人のボーカル、ことユイさんでしたー。パチパチ!

 

なんなの?あいつら。◯ねよ。あ、この世界じゃ死ねませんでしたね!見ててスゲーイラっとした。思わず持ってた缶コーヒーを潰すぐらいには。最後なんて抱き合ってましたよ?日向の部屋にユイが来ている時点で一緒に過ごす気満々じゃねぇか!三文芝居してんじゃねぇぞ!俺の目が急速に腐っていくのを自覚できるわ。

 

さて、遊佐はと。

 

「का मी मी काम आहे नखरा आहे…シネ」

 

なんかすっごい言葉になってる⁉︎全然わからないけど、呪詛っぽいものを言ってるのはわかるや!あと、ハイライト仕事して!

 

「お、おい。遊佐?」

「はっ。私はいったい何を…?」

「大丈夫か?」

「すみません。比企谷さん。私としたことが、あの砂糖しかない空気によってしまったようです」

「しゃーない。あれはもう末期の病気レベルだ。死んでも治らん」

「私達はもう死んでるんですが…」

「ま、もう日向達は良いとして、次行こうぜ、次」

「そうですね。これ以上見てたらどうにかなりそうです」

 

んじゃ、次の人〜?

 

——音声のみでお楽しみください——

 

「この世界にクリスマスなんて物が来るなんて!」

「もう何回も経験してるだろう?私達は、それこそ数えるのが面倒なくらいに」

「そんなこと言ってるからひさ子先輩は男より男らしいって言われんですよ!行き遅れますよ?」

「ああん?モッぺん言ってみろぉ!関根ぇーーー!」

「しおりんが地雷を踏んだー!」

「す、すみませんでしたー!なので、ほら、ギブ!」

「チッ。そういうお前らはどうなんだよ。お前らにもそういう話は聞かないぞ?」

「ほ、ほら私達は遠慮してるっていうか〜」

「この前NPCが『誰だっけ?』とか言ってたけどな」

「おのれ〜!言ってはならんことを!さらっと言ったな!」

「まあまあ、しおりん。落ち着いて」

「落ち着いてられるかー!これでも気にしてるのんだぞぉう!」

「…そうだったのか。悪かったな」

「そこで謝るなよぉーーー!余計に虚しくなるだけだろぉーーーー!!」

「まあまあ、しおりん」

「みゆきちは、『まあまあ』しか言えんのかー!」

「まあまあ、まあまあ」

「…腹減ったな」

「そろそろ飯食いに行くか!」

「「はーい」」

 

ー食堂ー

 

——ガヤガヤ

 

「さて、食べるか!」

「いっただっき「あの!」…?」

「ちょっとお話が…!」

「えっと…誰?」

「2-Bの——と言います。入江さんにお話が!」

「え?私ですか?」

「みゆきちに春が来たぁーーー!」

「関根うっさい。で、ここで話せること?」

「いえ、ちょっと来てもらいたい場所が…「おい」?誰ですかあなた?突然」

「あ、比企谷さん」

「およ?ハチさんどうしたの?」

「ちょっとお前に話がある」

「え?なんですか?こっちは話し中「ん?」だからはな「ん?」話ち「ん?」は「ん?」……わかりました」

「おう、サンキュー。じゃ、ちょっとこっちの方へ」

「一体なんなんだ?比企谷の奴は」

「ああー、あれはねえ?」

「そうだなぁ?」

「?どうしたんですか?ひさ子さんもしおりんもこっち見て?」

「「いや、別に」」

「うっす」

「あ、お帰りなさい。比企谷さん。あれ?もう1人の方は?」

「なんか『大した用じゃなかったです』って言って帰ったぞ」

「「うわぁ」」

「おい、なんだよその目は」

「「いいえ、別に」」

「んじゃ、そろそろ仕事に戻るわ」

「はい!比企谷さん!お仕事頑張って下さいね」

「!おう!じゃあな」

「ふふっ。あ、そういえば比企谷さんはなんでここに来たのかな?」

「みゆきち〜!君はこのまま育っておくれ!」

「ええっ?どうしたの?しおりん!」

「で、岩沢は何してるんだ?」

「うどんの曲を思いついたから書いてた」

「岩沢さん。やっぱりあなたは…」

「「「音楽キチだ…」」」

 

——音声のみでお送りしました——

 

「ただいまー」

 

ふぅ。一仕事したあとの入江の笑顔は最高だな!日向達によってくさらされた目が一気に浄化されるぜ!入江パワーは強いな(確信)。さて、遊佐にまかせきりにしてしまったからな。しっかりこの後もこなしていこう。

 

と、遊佐から反応がないな?

 

「————————————」

 

なんか人間には出せそうにない音を出している、だと⁉︎いったい遊佐のSAN値に何があったんだ!

 

「あ、あの、遊佐さん?」

「———————なんでしょう?」

 

ヒェッ!地の底から這い出たような声をしていらっしゃる!あと、ハイライトが!怖い!美人のハイライトがないとスッゲー怖い!あと怖い!

 

「——————仕事をほっておいてまで何しに行ってたんですか?あなたの声が拾えたのですが」

「いや、ちょっと虫が付きそうだったから、はたいてきただけだ」

「———————————そうですか」

 

さらに重圧が強くなった!そろそろハイライトさん仕事してくれませんか!せっかくの美人な顔が台無しです」

 

「ッ!比企谷さんは、ひどいです」

 

突然元に戻った…?

 

「話しかけるために振り向いたらいきなりいなくなってたら驚くじゃないですか…。成仏してしまったのかと思ってしまいました…」

 

ああ、そうか。俺がこの世界から消えてしまったのかと思ったのか……。これは、俺が悪いな。

遊佐の頭に手をポンと置く。

 

「すまなかった。突然居なくなられたら嫌だよな。その辺のこと考えて居なかった。すまない」

 

そう。これは、生きている時俺がやられたことでもある。隠れんぼを友達としたはずなのにいつの間にか、みんなは帰っていた。その時の心細さを経験させてしまったようだ。

 

「…次はないですよ?」

「ああ、気をつける」

「なら、いいです。許します」

 

許してもらえたようだ。遊佐の頭から手を離す。よくよく考えたら泣き止ますとはいえ、大胆な手に出てしまったな。

 

「では、気を取り直して次に行きましょう」

「おう。で、次は?」

「はい。次で最後ですね。音無さんです」

 

音無ねぇ。あいつもあいつで、立華と仲がとても良いらしい。らしいってのはあれですよ?通りすがりの話とか聞いてるわけじゃないよ?ホント、ホント。

 

「では、聞いてみましょう」

「急に乗り気になったな」

 

——音声のみでお楽しみください——

 

「結弦?」

「ん?なんだかなで?ケーキを食べてるなんて珍しいな」

「このケーキはクリスマス限定だそうよ。あーん」

「と、突然どうしたんだ?」

「世のカップルは食べさせあいをすると聞いて」

「誰情報だ⁉︎その話は⁉︎」

「えっと、ガルデモの二代目の人とオレンジ色の髪した子が、この間、話していたの」

「ユイと関根か」

「そう。で、その2人がカップルなら食べさせあいは必須みたいなことを言っていたの。だから、あーん」

「待てって!そんないきなり…」

「結弦は、嫌?」

「嫌、じゃない」

「なら良かったわ、改めて、あーん」

「あ、あーん。……⁉︎辛っ!なんだこれ辛い!み、水!」

「美味しそうに食べてもらえて嬉しいわ」

「か、かなで?このケーキって?」

「麻婆ケーキよ。『リア充はこれ食って爆発しろ』と書いてあったのだけどどういう意味だったのかしら?」

「そ、それは特に気にしなくていいぞ」

「美味しかったかしら?」

「あ、ああ。美味かったよ」

「そう。それは良かったわ」

 

——音声のみでお送りしました——

 

あー、平和だ。天使ちゃんマジ天使。甘すぎず、ほのかな甘さがまだ助かる。音無はざまぁ。

 

「ゎ……にも……がんば…ば」

 

今日の遊佐って調子悪いのかね?今はなんかボソボソ言ってる。

 

「おーい?遊佐さーん?」

「あ、…お疲れ様です。比企谷さん。今日の任務はこれで終了です。レポートは私が出しておきますね」

「助かるわ。じゃ、「あ、あの」ん?どうした?」

「もう直ぐ夕食の時間なのでご一緒しませんか?」

 

もうそんな時間か。なんだかんだ長い時間仕事してたな、

 

「ああ、いいぞ。この後の予定もないしな」

「それは何時もなのでは…?」

 

ち、ちがわい!時々予定が、入る日もあるんだぞ!少ないが。

 

「では、行きましょう」

「おう」

 

遊佐の後ろを歩き、食堂へ向かう。

 

今日は冷えたし、あったかいものでも食べるとしよう。やっぱ、あったかいならラーメンだろ!味噌ラーメンの食券をポケット中から探す。お、あったあった。ラッキー。

 

遊佐とともに食券を出し、料理を待つ。

 

「遊佐は何にしたんだ?」

「屋外にいて冷えたので、温かいものを」

「はい、お待ちー」

 

料理が出来たようなので、トレーを取る。ん?なんか乗ってんな。

 

「あの、これ頼んでないですよね?」

「今日はChristmasだろう?だから、ケーキのおまけさ。種類は色々あるから他の人から貰うなりすれば違いが楽しめるよ!」

 

おまけとは。だが、このおばちゃんは勘違いしている。誰もが貰えると思ったら大間違いだ!そのへんのこと考えてほしいよね!プンプン!キモいな。

 

「では、この席にしましょう」

「おう」

 

遊佐と向かいの席に着く。遊佐はうどんにしたようだ。確かにあったまるな。その後、特に会話はなく、2人で黙々とたべる。おまけのケーキを食べようとしたところで遊佐が声をかけてくる。

 

「あ、あの比企谷さん」

「ん?どした?」

 

遊佐は落ち着かない様子でこちらと自分のケーキを見比べている?

 

 

「あ、あーん」

 

 

少女はほんの少し赤く染まった顔でこちらへケーキを向けてきた——————

 




遊佐と入江は可愛い!
メリクリー!

これからも思い立ったら番外編書いていきます

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