今回は甘々にしてみました!
というかR-18に引っかかりそうな勢いなんですけど······
少し心配です。
その日の夜、俺は七海ちゃんの家に初めてのお泊まりが決定した。
「そうと決まれば、お母さんに連絡しときんさい!」
「あ、じゃあ少し電話してきます。」
そう言って俺は廊下に出る。
母さんの番号を電話帳からダイヤルする。
2回コールがなった後、母さんが電話に出る。
「もしもし?律人?」
「うん。母さん。今日、七海ちゃん家に泊まりたいんだけどいいかな?」
自分でも少し緊張した声になってしまったのがわかる。
「あらあら、ついに律人も初夜なのね······」
母さんはやっとこの時が来たのかというようにあらぬことを言ってくる。
「初夜って! そんなんじゃないから!」
「うふふ、冗談よ。 そちらの親御さんは了承してくださってるの?」
俺は先ほどのやり取りを母さんに伝える。
「面白い親御さんね! 母さんも挨拶したいから少し代わってもらえる?」
「うん。 ちょっと待ってて。」
俺はリビングのドアを開け、ご両親を呼ぶ。
「すみません、母さんが挨拶したいみたいなので代わってもらえますか?」
すると、おばさんが小走りでやってくる。
「私が代わるわ!」
俺はおばさんに携帯を渡す。
「もしもし、代わりました! 七海の母です!」
俺はおばさんが電話をしている間に、晩御飯の用意を手伝うことにした。
キッチンに移動して、先に準備を始めていた七海ちゃんの隣に立つ。
「俺は何したらいいかな?」
「そうやね······じゃあ、玉ねぎとか人参とか、野菜切ってくれる?」
「おっけー。」
俺は手を洗って、手際よく野菜を切っていく。
「やっぱり律くん、包丁の使い方上手やね!」
「そうかな?」
「そうだよ! 彼氏の方が料理上手なんて根本的にダメな気がするよ······」
明らかに落ち込む七海ちゃんに俺はなんだかおかしくなり、クスリと笑いかけて、
「大丈夫だよ! 昼のオムライスは本当に美味しかったから。ほんとに今まで食べた中で一番!」
と、励ます。
実際ほんとに美味しかったし、お世辞とかではない。
そして、七海ちゃんの包丁捌きも高校一年生の女の子にしてはなかなかのものだと思う。
今の女の子は料理とかあんまりしないだろうし。
「うぅ、そんなに褒めてもなんもでらんよ?」
七海ちゃんは恥ずかしそうに下を向いて、調理を始める。
俺はそんな彼女を微笑ましく思いながら、野菜を切り出す。
「ほんとに新婚みたいじゃのォ。」
俺達のやり取りを見ていたおじさんがそう呟く。
「ちょっ、お父さん! 何言うとるんよ!」
「微笑ましい限りじゃな!」
「もうっ! それより、お父さんも手伝ってよ!」
「二人の邪魔になるけェやめとくわ。」
そう言ってテレビを見だすおじさん。
「ただ手伝いたくないだけなんよ! まったく、お父さんもお兄ちゃんも料理になると全然手伝わないんやから!」
七海ちゃんは怒りながら愚痴っていた。
廊下からはおばさんの楽しそうな話し声が聞こえてくるので、おそらく仲良くなっているらしい。
母さんもおばさんも人付き合いは得意そうだし、なにかと似ている部分があるから馬が合うのだろう。
野菜を切り終えた頃におばさんが俺の携帯を持ってこちらにやってくる。
「はい! 律人くん。お母さんにはしっかり話しておいたから泊まっていきんさい!」
「はい。お世話になります!」
「あら、手伝ってくれてたんやね? わざわざお客さんに手伝わせてしもォてごめんね?」
「いえ、夕食までご馳走になるんですし、当然です。」
「うふふ、やっぱりええ子やね。ウチの男は全然手伝わんからね!」
おばさんは微笑んでそう言った。
笑うと、目元が七海ちゃんによく似ている。
親子だから当たり前か······
そんな時、出かけていた成海さんが帰ってきた。
「ただいまー。 おぉ律! 今日は泊まるんじゃってな? 着替えは俺の貸してやるけェ遠慮せんでええぞ!」
「すみません、ありがとうございます!」
「ささっ、成海も帰ってきたんやし、そろそろ晩御飯にしましょう!」
俺達は切った野菜や肉などを食卓に並べ、焼肉を始める。
ジュー、という音をたてて肉の色が変わっていく。
野菜の香ばしい匂いと、肉の食欲をそそる匂いが空腹感を刺激する。
「たくさん食べんさいよ! 遠慮せんでええから!」
「ほら、律人くん! この肉焼けたど!」
「律。飲み物なんがええ? ビールか?」
神咲家の人達は本当に何から何まで気をつかってくれる。
田舎の人情ってやつなのかな?
「ありがとうございます。飲み物はお茶で大丈夫です。」
成海さんの発言を受け流し、おじさんによそってもらった肉を食べる。
カルビの肉汁が口いっぱいに広がり、タレの甘辛さが肉の旨みをさらに引き立てる。
「すごく美味しいです!」
「良かったわ!」
キッチンの方から七海ちゃんの声が聞こえてくる。
「律くん! ご飯食べるよね?」
「あ、じゃあ、頂いていいですか?」
遠慮がちにおばさんに尋ねる。
「もちろんええよ! 遠慮せんでええって言ォるんやから!」
「ありがとうございます! じゃあお願いしようかな!」
すると、七海ちゃんはもうすでに炊きたてのご飯をよそって持ってきてくれる。
自家製なだけあって、この辺りの白米はものすごく美味しいし、ツヤもあり、白く輝いている。噛みしめるほどに米本来の甘味を感じる。
────夕食を充分に堪能したあと、俺は成海さんの着替えを受け取り、お風呂に入らせてもらっていた。
流石に、一番風呂は図々しいからと遠慮したのだが、おじさんとおばさんがお客さんに残り湯に浸からせる訳にはいかないということで、お言葉に甘えてこうして風呂に入らせてもらっている。
ぽちゃん。ぽちゃん。と、天井からの水滴が水面に落ちる。
俺は、なるべく身体を動かさないようにして、水滴による同心円を眺めていた。
「今日は、色々お世話になりっぱなしだな。」
おじさんもおばさんも優しく、何かと世話を焼いてくれる。
成海さんも俺が気を遣わないようにさりげなくフォローを入れてくれるし、こんな環境で育った七海ちゃんはあんな風にいい子になるよな。と再認識した。
俺は父親の顔をもうあんまり覚えていない。
印象に残っているのは、申し訳なさそうに俯く横顔と、後ろでまとめられた長い金髪と蒼目だけ。
顔の細部の特徴まではほとんど記憶から消えかかっている。
高校一年になった今ならなんとなく分かる。
離婚の原因は父親の浮気だ。
そのせいで母さんは苦労したんだ。
自分の中にふつふつと顔をのぞかせる憎悪の感情を抑え込み、俺は湯船からでた。
────風呂から上がり、居間に顔を出す。おじさんはテレビを見ながらビールを飲んでおり、おばさんはテーブルを拭きあげたりしていた。
「上がりました! お風呂ありがとうございます!」
「ええんよ! 湯加減はどうやった?」
「いい湯でした!」
おばさんは良かったと微笑んで成海さんにお風呂に入るようにと二階に呼びかける。
「律人くん。」
おじさんが俺に向かって手招きをしていた。
俺はおじさんの向かい側に腰をおろした。
「少しだけ聞きたいことがあったんじゃ。ええかな?」
おじさんはニヤニヤしながらそう問いかける。
おじさんは既に顔を赤くしており、ほろ酔い気味だった。
これは七海ちゃんとの事を聞かれそうだな······
「大丈夫ですよ。」
そう答えた俺に、すかさず質問をなげかけてくる。
「七海のどこを気に入ったんじゃ?」
七海ちゃんのいい所か······
結構無難な質問だな。
俺は七海ちゃんの好きなところを思い浮かべる。
色々な七海ちゃんを見てきて、その度に俺は心に甘い感情が広がるのを感じてきた。
「······たくさんありますよ。気遣いが出来るところとか、優しい所とか、少しだけ抜けてる所とか······何が好きかなんて、明確には分からないですけど、俺は七海ちゃんの全部が好きなんだと思います。付き合うまでに色々ありましたけど、何より七海ちゃんの笑顔を一番近くで見ていたいと思いました。」
あの笑顔をそばで見ていたかったんだろう。
あの、困ったように眉を下げて笑う仕草も、照れた時の紅い笑顔も、キスした後の妖艶な笑顔も、幸せそうに目を細めて笑う彼女を、俺は一番近くで見たいと思った。他の人に向けて欲しくないと思ったんだ。
おじさんは満足そうに頷いた。
「律人くんがええ子で本当に良かったわ。若い子はルックスだけで判断する子が多いってイメージじゃったからのォ。実際、ワシもそうじゃったけど、娘の付き合う相手にはちゃんと、中身を見て欲しかったんじゃ。」
「七海ちゃんはすごくいい子です。七海ちゃんの性格はこんな幸せな家庭が育んでくれたんだと思います。」
おじさんは照れたように頭をかいて、
「律人くんは大人を喜ばせるのが上手いんじゃな。ありがとう。律人くんになら七海を任せられると思ォたのに間違いはなかったみたいじゃ。」
おじさんはそう言ってグラスのビールを飲み干す。
「おーい、親父、風呂空いたど。」
風呂上がりの成海さんがこちらに向かってそう言った。
「なんじゃ、律もここにおったんか。」
「はい、おじさんと少し話してました。」
「未来の義理の息子と語らっとったんじゃ! ワシは風呂は最後でええから先に七海を入れてええぞ。」
「んじゃ、七海呼んでくるか。律、上いこうぜ! 俺も未来の義弟と語り明かさんといかんからのォ!」
やっぱり似たもの同士だ······
俺は言われるがままに成海さんについていく。
────七海ちゃんがお風呂に入るために階下におり、戻るまでの間、成海さんの部屋にお邪魔することになった。
成海さんの部屋はまぁまぁ整頓されているが、そこらにバイク雑誌や、脱ぎ捨てた服などが落ちていた。
部屋にはホワイトムスクの甘い香りが広がっており、なんだか男らしい部屋だ。
「まぁ座れや。」
俺は成海さんに促され、近くの座椅子に腰をおろした。
「それにしても、ほんとに良かったわ。律が七海と付き合う気になってくれて。」
成海さんは心底安心したようにそう呟く。
「バーベキューに行ったときのお前は少し切羽詰まっとって心配じゃったんや。」
あの時の俺は青大の為に七海ちゃんから身を引くことを選んでいたんだ。
「あの後、青大に言われたんです。もう俺に遠慮するなって、素直になっていいんだって、きっと、青大も辛かったはずなのに心からのその言葉に救われました。」
「そして、その後じいちゃんと最後に話した時······その時は七海ちゃんと喧嘩してたんです。俺が自分に自信が持てなくて、好きになる資格がないと思っていたら、じいちゃんに幸せにするのに必要なのは覚悟だと教えられたんです。」
まぁ言葉自体は美奈子さんの受け売りだったけど。
それでも、じいちゃんはそう伝えたかったんだと思う。
「俺は、いろんな人に支えられて七海ちゃんと付き合えました。」
成海さんは俺の話に相槌をうちながら、聞いてくれた。
「ほォか······いろんな葛藤があったんじゃろうけど、それでも七海と付き合うことを決意してくれて俺は嬉しいぞ。あいつは最初にお前に会ったときからずーっとお前に片想いしとったんじゃ。」
最初に会った時って······
俺達が初めて会ったのは確か、中学に上がってからだよな······?
「一目惚れしてしもォたらしいんじゃ。」
そんなの初耳だった。七海ちゃんにそういうことを聞いてみたこともなかったから。
ちょうど七海ちゃんが風呂から上がったみたいで、階下からかすかに声が聞こえる。
「詳しくは本人から聞いてみるのもええかもしれんのォ。今日は七海んとこで寝るように準備しとるから。」
「えっ!? 流石に同じ部屋で寝るのは······」
「なに言ォるんじゃ、付き合っとるんじゃからええが。それに、そんなすぐに手出すような男じゃないて分かっとるから律には安心して任せられるんじゃ。」
「七海ちゃんや、おばさん達は合意してるんですか?」
「七海は照れとったけどな、母ちゃん達は俺が説得したらOKじゃったわ。」
成海さんはウインクしてそう答える。
だから、さっきおじさんが俺を試すようなこと質問してきたんだな。
腑に落ちたはいいもののいきなり同じ部屋で寝るということに緊張してくる。
ほんとにいいのか······
「さっ、はよいけや。七海が待っとるけェ。」
成海さんは四角い袋を俺に手渡す。
これって······もしかして
「なっ成海さん!?」
「もしもの時用じゃ! 頼んだぞ!」
成海さんは拳を作って親指を人差し指と中指の間から出す形を作り、そう言った。
俺は成海さんから追い出されるように部屋を出される。
四角い袋を手に持たされたまま。
「まじでどうするんだよ······」
俺は軽く溜息をつき、七海ちゃんの部屋をノックした。
中から少し緊張した声ではーいという声が聞こえる。
────部屋に入ったはいいものの、俺はさっき成海さんに渡されたものが気になり、七海ちゃんは七海ちゃんで、一緒に寝るということに緊張しているようで、なかなか話が続かない。
時刻は11時を回っていた。
「そろそろ寝よっか······」
七海ちゃんはそう言って、ベッドの横に敷布団を敷いてくれた。
俺は緊張したまま布団に入る。
「電気消すね。」
七海ちゃんの部屋は淡い常夜灯だけで照らされる。
部屋には七海ちゃんのにおいが広がっていて、それだけでさらに俺は緊張する。
何か話さなきゃと思い、俺は今日のお礼をいう。
「七海ちゃん。今日はありがとう。色々お世話になったよ。」
「ええんよ。お母さんもお父さんもお兄ちゃんも変な人ばっかりで疲れたでしょ?ごめんね。」
「ううん。みんな明るい人たちですごく楽しかったよ。」
「それなら良かった······」
そこで、俺は成海さんに言われたことを聞いてみることにした。
「突然だけどさ、七海ちゃんはいつから俺のこと見てくれていたの?」
七海ちゃんは少し口ごもって答える。
「······お兄ちゃんからなにか聞いた?」
「少しだけ······」
七海ちゃんはそっかと言って、観念したように話し出した。
「初めて会った時のこと覚えとらんよね? 律くんはお兄ちゃん達と野球しよったから······私、その時お母さんとたまに見てたんよ。」
気付かなかった。妹さんがいるっていうのは聞いていたけど、ちゃんと知り合ったのは中学になってからだと思っていたから。
「変な話なんやけど、その時に、私はこの人の事を好きになるって思ったんよ。それから中学にあがって、律くんと話すようになって、さらに好きになったの。でも、勇気が出なくて······だから私の精一杯の勇気で名前で呼んでもらうことから始めたんよ。」
「初めて名前で呼んでもらった時はすごく嬉しかった。それからどんどん律くんのこと好きになって、いつも律くんのこと考えるようになっていったんよ。」
「それからはもう一生懸命やったなぁ、色んな事があって、悲しかったり、嬉しかったりしたけど、今は律くんと付き合えてほんとに嬉しい。」
最初は緊張した声で話していた七海ちゃんだったけど、段々声色が優しくなり、幸せなんだということがにじみ出て感じられた。
「俺も、たくさん傷つけたり、好きになる資格がないとか思ったりしたけど、やっぱり七海ちゃんと一緒にいたいと思った。七海ちゃんの一番近くで色んな七海ちゃんを見ていきたいんだ······俺、七海ちゃんの唯一の存在になれるかな?」
「もう律くんの代わりなんてどこにもおらんよ······ねぇ律くん。」
────こっち来て?
七海ちゃんの声は暗闇を伝って俺に届く。
俺は言われるがままに起き上がり、七海ちゃんと同じベッドに入る。
エアコンがきいている為、蒸し暑さは感じられない。
同じベッドに横になると、七海ちゃんの香りはさらに増して感じられる。
俺達は向き合って見つめあったまま横になる。
常夜灯だけの暗闇にも目が慣れてきて、七海ちゃんの顔がよく見える。
紅潮していて、優しく俺を見つめる。
俺は七海ちゃんの手を握った。
七海ちゃんも、優しく握り返してきて、俺に微笑む。
「律くんの手、大きくてすごく指が長い······」
七海ちゃんは俺の手をとり、自分の頬にあてる。
俺は優しく七海ちゃんの頬に触れる。
「この指先が私に触れるのも好き······」
七海ちゃんの頬は熱く、柔らかい。
「私を見つめる優しい蒼い瞳も、好き。」
七海ちゃんも俺の頬に触れてくる。
「律くんの全部が······好き。」
俺はたまらなくなり、七海ちゃんの唇を奪う。
「んっ···」
少しだけ触れるだけのキスをして、離れようとした。
「やだ······」
七海ちゃんはそう言って、俺の首に腕をまわしてさらに口付けを交わす。
触れるだけのキスから、唇をついばむようなキスに変わる。
リップ音が響き、気持ちが高揚してくる。
俺は、七海ちゃんの唇の間に舌を入れた。
「んんっ!」
一瞬ぴくりと彼女の身体が反応する。
彼女は俺の首にまわす腕の力を強め、必死に応えてくれる。
卑猥な水音が暗闇を伝う。
唇を離し、白銀の糸がすっと後をひく。
「律くん······」
今までに聞いたことがないような切なげな声に俺は理性がとびそうになる。
紅潮した頬、とろんとした瞳、口から漏れる荒い吐息、どちらのものとも分からない水で濡れた唇。
「七海······好きだよ。」
初めて名前だけで呼ぶ。
彼女はそれに応えるように再び口付けをしてくる。
彼女の口付けが私も好きだと答えるように。
今度は七海ちゃんから舌を入れてくる。
頭が溶けそうになるほどの感覚をはじめて味わう。
俺はそのまま彼女に覆い被さる。
「七海······」
「律くん······」
二度目のキスの後、彼女がベッドの上に何かが落ちていることに気づいた。
「なんだろ······あっ。」
俺も目を凝らして見てみる。
四角い袋に何ミリという表示がある。
「あっ! ちがっ! これは成海さんが!」
彼女は紅潮した顔で俺に呟く。
「律くんになら、何されてもええよ······」
普通の健全な高校生ならこの愛らしい彼女がそんなことを言ったら理性なんて吹っ飛んで爆発しそうだ。
俺ももちろん例外ではないが······
それでも俺は自分に歯止めをきかせる。
「まだ······はやいよ。大事にしたいんだ······七海ちゃんのこと。」
彼女の額に軽く唇を落とす。
そう言うと、七海ちゃんは再び俺の首に腕をまわす。
「嬉しいな······でも、せっかく呼び捨てにしてくれたんやから、今くらいは七海って呼んでよ。」
「七海······」
俺は彼女を強く抱きしめる。
「律くん······もっと強く······抱きしめて、離さないで」
そして、もう一度熱い口付けを交わす······
俺達はその夜、抱き合ったまま眠りについた。
次の日、起きてきた神咲家の面々にどこまで進んだかを詳しく聞かれたのは言うまでもない。
閲覧ありがとうございます!
いかがでしたでしょうか?
初めてのお泊まり。みなさんの納得のいく結果になっていると嬉しいです!
次回もお楽しみに!