ラブライブ! 〜ヒトツノコトバ〜   作:こうのとり

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こんにちは。こうのとりです。
二週連続で投稿できました!初めて出来たので嬉しいです!
活動報告には23時に投稿と書きましたが、21時に変更します。
花陽と凛は登場すると言いましたが、ほぼ出ていないようなものです。すみません。

それではどうぞ。


6話 ライブやります!

 

 

 穂乃果たちがアイドル部の設立の申請書を出した次の日の朝。学院の生徒会室。絵里と希、4人の2年生が居た。

 

 そして、とある書類を出していた。昨日出した部活の設立の申請書とは違った書類。

 

「朝から何?」

「講堂の使用許可を頂きたいと思いまして。」

 

 講堂の使用許可を得るための書類を出していた。

 

「部活動に関係なく、生徒は自由に講堂を使用できると書いてありましたので。」

 

 昨日まで海未は部活として認められなければ講堂は使えないと思っていたが、隼が生徒手帳に生徒は許可を得れば講堂を使えると書いてあることを聞き今に至る。部室が無いのには変わりないが。

 

「新入生歓迎会の放課後やなー。」

「何をするつもり?」

「それは...」

 

 

 海未の口からは言えなかった。昨日の今日でアイドル部は認められないと言われてライブをするとは。

 

「ライブです。3人でスクールアイドルを結成したので、その初ライブを講堂でやることにしたんです。」

「(穂乃果!)」

「(ま、まだ出来るかは分からないよ?)」

「えぇー!やるよー!」

 

 ことりと海未はまだやるとは決まってないと思っているが、穂乃果は完全に講堂でライブをやる気でいる。

 

「待ってください。まだステージに立つとはーーー。」

「出来るの?そんな状態で。それに3人で結成したなら一文字君は関係ないんじゃないの?」

「えっ!?だ、大丈夫です!」

「俺はあくまで手伝いです。」

「新入生歓迎会は遊びではないのよ?」

 

 このまま行けばまた昨日のように認められないと言われるだけ。昨日と同じだ。そこで希が、

 

「4人は講堂の使用許可を取りに来たんやろ?部活でも無いのに、生徒会が内容まで、とやかく言う権利は無いはずや。」

「それは、」

 

 

 希が隼達に助け舟を出したことで絵里も返す言葉が無いらしい。

 

 

「「「「失礼しました。」」」」

 

 

 よって隼達はーーー、

 

 

「いっやったー!!!」

 

 穂乃果が嬉しそうに叫ぶということは、講堂の使用許可を得られたと言うことだ。

 

 

(東條先輩ありがとうございます。)

 

 

 隼は心の中でそう思った。

 何はともあれ隼達は講堂の使用許可を得られたのである。

 

 

 

 

 

 

 隼達が去った生徒会室では。

 

「何故あの子達の味方をするの?」

 

 絵里は少し希のことを睨みながら問う。希は生徒会室の窓を開けて答えた。

 

「何度やってもそうしろって言うんや。」

「?」

 

 希が何を言っているのか絵里には分からないようだ。

 

「カードが、」

「うわっ!」

 

 いきなり強風が吹き、生徒会室の机の上に置いてある希の私物のタロットカードが飛び、太陽のカードが正位置で壁に風によって張り付く。

 そして絵里が強風によって軽く呻いてる中希は、

 

 

「カードがうちにそう告げるんや!!!」

 

 

 2人しか居ない生徒会室に希の声が響いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 学院の大きな木がある中庭にて。

 

 

「ちゃんと話じゃ無いですか!アイドルのことは伏せておいて、借りるだけ借りておこうって。」

ふぁんでー?(なんでー?)

 

 海未が穂乃果を軽く叱っていた。穂乃果は昼休みになる前なのにパンをかじっていた。

 

「またパンですか?」

「うち和菓子屋だから、パンが珍しいの知ってるでしょ?」

「お昼前に...太りますよ?」

「そうだよねー...」

「そう言いつつもまだパンを食べるのか...」

 

 納得しておきながらパンを食べ続ける穂乃果。それを注意する海未と呆れる隼。と、そこへ。

 

「おーい。」

「掲示板見たよー?」

「スクールアイドル始めるんだって?」

「「えっ?」」

「海未ちゃんがやるなんて思わなかったー。隼君も何か関係してるの?」

 

 海未と隼が声を揃えて驚く。

 スクールアイドルを始めるとはまだ絵里と希や自分たちを除いては誰にも言ってないはずなのに、ヒデコとフミコとミカが知ってるのはおかしい。

 

「(掲示板に何か貼ったのですか?)」

「(俺も知らないぞ...)」

「うん!ライブのお知らせを!」

「(うぇえ!?)」「(は?)」

 

 

 

 

 

「勝手過ぎます!あと1ヶ月しか無いんですよ?まだ何一つ出来てもないのに見通しが甘すぎます。」

 

 先程まで居た中庭とは場所は変わって2年生の教室がある廊下。海未は怒っていた。と言うよりも半分は呆れていた。そして隼は完全に呆れていた。

 

「でもことりちゃんはいいって言ってたよ?」

「そもそも昨日部活の設立断られていつお知らせの紙貼ったんだよ...」

「講堂の使用許可を取りに行く前。」

「許可が降りなかったらどうしてたんだよ...まぁ、その所は心配なかったけど...」

 

 穂乃果とことりはなんとまだ講堂の使用許可も得て無いのに関わらず掲示板にライブのお知らせを貼っていたのだった。隼は尚更呆れてため息をついている。

 

 

 

 

「うーん...こうかなー...」

 

 教室に入るとことりがスケッチブックに何か描いていた。

 

「ことり?」

「うん!こんなもんかなー!見てー!ステージ衣装を考えてみたの!」

 

 

 ことりはスケッチブックにライブで使う衣装を考えて描いていたみたいだ。

 

「おぉー!可愛い!」

 

 スケッチブックに描かれていたのはピンク色の「これぞアイドル!」と言った感じの衣装が描かれていて

「本当?ここのカーブのラインが難しいんだけど、なんとか作って見ようかなって。」

「うん、うん、うん!」

「作れるのか?」

「うん!私昔から手先が器用なんだー。」

「えー!わすれちゃったのー!?隼君!!」

「だから俺は君達が言ってる隼とは違うって...。それとことり。家の家族がデザイナーで店を営んでいるから、言ってくれれば手伝ってくれるはずだ。」

「本当!?ありがとう!なんてお店?」

「SORAだ。ローマ字でSORA。神保町にある。」

 

 隼は茜が営んでいる店の名前を伝えた。茜の店は服を売っているだけではなく、特注で服をデザインして作ることもしている。手仕上げなどをすることは基本的にはして無いのだが、同居人の知り合いのお願いとあればやってくれるだろうと隼は思った。

 ことりが考えた衣装を作る方針で決まっている中海未は、

 

「こ、ことり?」

「海未ちゃんはどう?」

「え、えっと......」

「可愛いよね!?可愛いよね!?」

 

 どこか不満があるみたいでことりが描いた絵をじーっと見つめる。

 

 

「こ...ここの、スーっと伸びているものは何でしょうか?」

「脚よー。」

「素足にこの短いスカートってことでしょうか?」

「アイドルだもん。」

 

 

 どうやら海未は恥ずかしいらしくアイドルらしい短いスカートに素足は抵抗があるようだ。

 するとモジモジと動き出して自分の足を見ていた。

 

「大丈夫だよー!海未ちゃんそんなに脚太くないよ。」

「人のこと言えるのですか!」

 

 海未にそう言われた穂乃果はふむふむと言いながら自分の腰や脚を触って、

 

「よし!ダイエットだ!」

「2人とも大丈夫だと思うけど...」

「あー、他にも決めておかなきゃいけない事がたくさんあるよねー。サインでしょ?街を歩く時の変装の方法でしょ?」

「そんなの必要ありません(そんなの必要ない)。」

「それよりー、」

「「?」」

「グループの名前、決めてないしー...」

「「おぉ!」」

 

 

 なんとこれからアイドルを始めるというのにグループの名前すら決まっていなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 グループの名前は放課後図書室にでも行って決めようとなった。

 

 

 そして放課後。

 

 

 図書室で穂乃果、ことり、海未の3人で試行錯誤した結果どれも空回りして結局決まらなかった。

 ちなみに隼は「今日はバイトがあると言って帰った。」

 

 

「そうだ!」

 

 頭を抱えていた穂乃果が何か閃いた。

 

 

 

 

「これでよし!」

 

 ライブのお知らせの紙に「同時にグループの名前募集」と書いて紙の前に投票箱の様なものを置いた。

 

「丸投げですか......」

 

 海未は呆れていた。

 

「こっちの方がみんな興味持ってくれそうだし。」

「そうかもね。」

「よぉし!次は歌と踊りの練習だー!」

 

 グループの名前については保留にして、歌と踊りの練習に入ることにした。そのためにまず練習するための場所を探す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「で....」

「ここしかないようですね...」

「日陰もないし、雨が降ったら使えないけど、贅沢は言ってられないよねー。」

 

 色々学院内を見て回ったが、校庭や体育館、講堂は他の部活が使っていて、空き教室を借りに職員室にも行ったが、結局どこも使える場所は無かった。

 その結果使える場所は辛うじて屋上だけ。

 

「でもここなら音も気にしなくて済みそうだね。よぉし!」

 

 穂乃果が気合を入れている。

 

「まずは歌の練習から。」

「「はい!」」

 

 

 .......................................

 

 

 音が何も聞こえない。

 

「ぁ、曲は...?.」

「私は知りませんが...?」

「私も知らない...」

 

 

 3人しか居ない屋上から聞こえるのは烏の鳴き声だけだった。

 

 

 

 曲も無いなら振り付けも無理だろうということになって今日は解散することになり、海未は弓道部に行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 掲示板の前。

 

 

 眼鏡を掛けた若草色のショートカットの髪をした1年生、小泉花陽は掲示板に貼られているライブのお知らせの紙をキラキラとした目で見ていた。生粋のアイドル好きである。もちろんスクールアイドルも好きである。いままでスクールアイドルが居なかった自分の通う学校にスクールアイドルが誕生する。それはアイドル好きの花陽には楽しみで仕方なかった。

 

 

「アイドル...」

 

 花陽が呟いたその時に、

 

「かーよちん。」

 

 オレンジ色のショートボブの髪をした1年生であり、花陽の幼なじみであり、親友の星空凛が花陽を呼んだ

 

「ぁ!凛ちゃん!」

「どうしたの?」

「え?あ...うーうん。何でも、無い...」

「ふぅん?さ、帰ろー!」

「うん......」

 

 言えなかった。花陽がアイドル好きであることは知っていてもライブのお知らせの紙を見ていたとは。そんな所に黒髪のツインテールで髪を赤のリボンで留めている、制服のリボンの色からして3年生の矢澤にこがやって来た。

 するとお知らせの紙の前に立っていた花陽に無愛想に、やや起こった表情をして、

 

「なに?これ。」

「さ、さぁ...」

 

 怒り気味の顔で無愛想に話しかけられて下手なことを言ったら何をされるかわからない。花陽は自分の勘で判断し、何事もなくその場をやり過ごした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 夕方。

 

「あら、いらっしゃい。」

「こんばんわ。穂乃果は?」

 

 海未は穂乃果の家である老舗の和菓子屋「穂むら」に来ていた。入口を開けるとお団子をつまみ食いしてた佳穂がいた。たまたま見たのが海未だったからよかったが、他の客だったらそれなりに大変なことになっていただろう。

 

「上に居るわよ。そうだ!お団子食べる?」

「いえ、結構です。ダイエットしないといけないので。」

 

 さり気なく共犯にしようとしている佳穂の誘いを海未は断る。しかし家に上がって穂乃果の部屋に行くと、

 

「「練習お疲れ様ー。」」

 

 先程店で佳穂がしていたことと全く同じように団子を食べていた。

 

「お団子食べるー?」

「今、お茶入れるねー。」

 

 ことりが海未のために湯呑みにお茶を入れる。

 

 海未は弓道の荷物を部屋の隅に置き、目を細めながら.

 

「貴女達。ダイエットは....」

「「あぁぁ!!!」」

 

 完全に朝言ったこととは真反対のことをしていた。

 

「はぁ...努力しようと言う気は無いようですね...」

 

 また海未は呆れていた。

 

「それで、曲の方はどうなりました?」

「うん!1年生にすっごく歌の上手い子が居るの。ピアノも上手で、きっと作曲も出来るんじゃないかなーって。明日聞いてみようと思うんだ。」

「もし、作曲をして貰えるなら、作詞は何とかなるよねってさっき話してたの。」

「なんとか、ですか?」

「うん!?ね?」

「うん!」

 

 穂乃果とことりしかわからない秘密の会話が広げられ、2人は机越しではあるが海未に迫った。

 

「海未ちゃんさー、中学の時ポエムとか書いたことあったよねー?」

「読ませて貰ったこともあるよねー?」

 

 穂乃果とことりは満面の笑みで海未に言う。中学時代の黒歴史を掘り返された海未は少しずつ後ろに下がり、

 

「逃げた!」

 

 逃げ出した。

 

 

 

 が、

 

「やめてください!帰ります!」「海未ちゃーん」「いいからー。」「良くありません。」

 

 

 穂乃果に捕まって連れ戻された。

 

 

「お断りします。」

「えぇ!?なんで!?なんで!?」

「ぅあぁん...」

「絶対イヤです!中学の時だって本当は思い出したくないくらい恥ずかしいんですよ?」

「アイドルの恥は掻き捨てって言うじゃない。」

「言いません!」

「でも、私は衣装作るので精一杯だし...」

「穂乃果がいるじゃないですか!言い出したのは貴女何ですよ!?」

「いやー...私はー...」

 

 穂乃果の文章力は小学生の時に「おまんじゅう。うぐいすだんご。もう飽きた!」とか言ってしまうレベルである。ハッキリ言って穂乃果には無理だ。

 

「無理だと思わない?」

「なら隼は?」

「お手伝い頼んだじゃったのに作詞までしてなんて言えないよー。ここにも居ないんだし...」

「お願い!海未ちゃんしか居ないの!」

「私達も手伝うから!せめたなにか元になるようなものだけでも!」

 

 穂乃果とことりは必死に海未を説得している。海未はことりの方を見るとことりは制服の胸の所に手を握り目を涙目にしながら、

 

「海未ちゃん....おねがい!」

「!!!...もう...ずるいですよ...ことり...」

「やったぁ!そう言ってくれると思ったんだー!」

「但し、ライブまでの練習メニューは私が作ります。」

「「練習メニュー?」」

 

 海未に言われ、A-RISEが踊っている動画を穂乃果、ことり、海未は確認する。楽しく踊っているだけにしか見えないがずっと動きっぱなし。かなりの体力が必要とのこと。海未は穂乃果に腕立て伏せをするように言う。そしてそのまま笑顔でやれと言い、それをやった穂乃果は、

 

 ドタンッ!!

 

 

「痛ーーーい!!!」

 

 腕立ての態勢が頭から崩れ床に顔が思いっきりぶつかる。かなり痛そう。

 

「弓道部で鍛えてる私はともかく、穂乃果とことりは楽しく歌えるだけの体力をつかなければなりません。」

「そっか。アイドルって大変なんだね。」

「はい。ですからーーー。」

 

 

 

 

 

 

 

 バイトが終わり家に帰宅した隼。携帯を確認すると穂乃果からメールが届いていた。

 ちなみに穂乃果とことりと海未とは昨日生徒会に申請の書類を出した帰り、連絡先を交換した。彩と茜とバイト先の連絡先しか登録されていなかった隼の携帯が一気に3人も増えたことに隼も驚いていた。中学の時はもう1人いたのだが。

 メールの内容は

 

『明日朝体育着で神田明神に来てね。』

 

 

 




いかがでしたか?
今回は2話の前半の部分を書きました。
隼が中学の時連絡先に登録されていた人は誰?
それは隼の過去をやる時に言います。


あらたにお気に入りをしてくれた
そらなり様
ありがとうございます!

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それではまた次回!

隼の口数が増えてる気がする...

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