これが今年最後の投稿です(今日が大晦日ですしね)
やっぱり視点を隼だけに置くのは辞めます。
それでは今回もどうぞお付き合い下さい。
「まだ確定ではありませんが、この学校は廃校になるかも知れません。」
廃校
確かに理事長は言った。
つまりはこの学校が無くなる。すぐという訳では無いが、
(........。)
まぁ、確定では無いんだろう。隼はそう軽く考えていた。隼だけでは無い。その場にいる生徒誰もがそう考えていたはずだ。性格に言えば、急に言われたからそう思うのも仕方なかったと言った方が正しいだろう。
理事長からの話が終わると、他の先生からの連絡が伝えられ、朝礼が終わる。
隼が教室に戻ると色々な声が聞こえる。
「廃校になっちゃうのかな?」
「まぁ、人数は少ないし納得だけどね。」
「仕方ないのかな。」
「どうにかならないのかな。」
心配する者も居れば、仕方ないと納得する者もいる。
だったら隼は?
(ま、なろうがならないが、俺には関係ない事だろ。)
まさにその言葉が正しいだろう。それもそのはず。隼は別に学院に入りたくて入った訳では無く、入ることを勧められ、学力も十分にあるため入っただけだ。その証拠に入学式の日には「面倒だな」とも思っていた。つまりは隼は"廃校になってもいい"と思っている。
その日の授業は午前中だけだったので早く終わった。
隼がさぁ帰ろうとしている時に1人の少女が話しかけた。
「ねぇねぇ隼君。今日もどこか寄って行こうよ。」
と、穂乃果が隼に話しかけた。
しかし隼は、
「すまない。今日はバイトがあるんだ。だから今日は無理だ。」
運が悪く今日は隼はバイトがある日だ。
「そっかぁ。それなら仕方ないね。」
「悪いな。また明日。」
「また明日!隼君。」
「またね。隼くん。」
「また明日です。隼。」
そう言って教室を去る。
門を抜けて隼は家に向かう。バイトと言ってもまだ時間がある。時間になるまで家で自習でもしようと思っている。
少し時間が経つと家に着く。
「ただいま。」
家に入るとそう言う。
「おかえり。」
すぐにそう返ってくる。隼の母の彩が返す。
「ご飯出来てるから食べよ?」
「わかった。鞄置いてくる。」
鞄を置くために1度自分の部屋がある2階へ行く。
ついでにブレザーも脱ぐ。
そうすると1階に降りる。
リビングに入るとすでにテーブルに昼御飯が並んでいた。
「「いただきます。」」
隼が席に着くと、2人でそう言って昼ごはんを食べる。
食べている時に彩が隼に問う。
「そう言えばこの前いつもより帰るのが遅かった日、何してたの?」
そう言えばその事について何も言ってなかったな。その日は帰ってすぐに寝てしまったし、言い損ねていたな。
「同じクラスになった奴達と遊んだ。」
「あら〜。そいだったの。良かったわね〜。」
彩はとても嬉しそうにしている。
中学の時は誰とも遊んだと言うことを聞かなかったし、高校に入ってもそういうことは聞かなかったため、親として嬉しいのだろう。
「どんな子なの?」
「3人いて、俺のことを知っているらしい。俺は全く知らないけど。」
「ッ!!!!」
その言葉を聞いて彩は驚愕する。
「どうしたの、そんなに驚いて。」
「い、いや何でもないのよ。」
「名前はなんて言うの?」
「穂乃果と、ことりと、海未って言う3人だ。幼なじみで小さい頃から一緒にいるらしい。」
彩はなおさら驚いていた。彩は知っている。穂乃果とことりと海未のことも、何故3人が隼のことを知っているのかも。だが彩はまだ悩んでいた。その事について教えるべきか否か。
隼は知らない、
だがまだ教えるわけにはいかない。今の隼に過去の隼を伝えるのは酷すぎる。
「そうなの。良かったわね、仲良くしてくれる子がいてくれて。」
「ま、どうせすぐに関わらなくなっていくだろ。」
「そんなこと言わないの。仲良くしなさいね。」
会話をしながら食事を続けていると隼は食べ終わる。
「ごちそうさま。食器台所に置いておくから。」
「ありがとう。」
食事を終え、食器を片付けると隼は部屋に戻る。
部屋に戻ると隼は制服から出掛ける時の服に着替える。すぐに出掛ける訳では無いが、出かける時になったらすぐに出かけられるように。
ちなみにだか、隼や彩の着る服は全て茜が作り、選んだもの。そのため服のセンスはかなりいい。
着替えたら勉強机に座る。隼は毎日の予習と復習は忘れず行っている。その上学校の休み時間には大体勉強している。それは隼が成績が学年1位であることにこだわりがあるからという訳では無く、学校にいる時にやることが無いためやっている。だがそれだけで学年1位を取れるほど音ノ木坂学院は甘くは無い。やはり隼は元々頭がいいのだろう。
時間は大体3時半ぐらいだろうか、勉強を続けていたらそんな時間になっていた。バイトの時間は4時からのためぼちぼちとバイトに行く準備をする。
机の上に出していた勉強道具をまとめ、学校に行く鞄とは別の鞄にバイトで使う道具などを入れ、家を出る。
「行ってきます。」
「行ってらっしゃい。」
隼のバイト先は学院からも家からもそう遠くないスーパー。はなまるストア。そこで隼は品出しをしている。バイトとなれば必ず人と関わることになるが品出しになれば人と関わる機会は少ない。そう思って高校に入学してからずっとお世話になっている。
「おはようございます。」
バイト先に入るとそう挨拶をする。朝でもないのになぜおはようございますなのか疑問に思うものもいると思うがそういう決まりなのである。
バイトをするためのエプロンを着て、バイトのタイムカードを押し、朝礼をする。
朝礼が終わるとそれぞれ作業に取り掛かる。
隼は品物が入っているダンボールが置かれた台をもって品置き場に出る。
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黙々と作業をしていると9時になった。丁度作業も終わり、バイトも終わる。
裏側に行きタイムカードを押し、来ていたエプロンを脱ぎ、「お疲れ様でした。」と言いスーパーを出る。
「ただいま。」
「「おかえり。」」
帰宅すると2人から声が返ってくる。どうやら茜はもう帰宅しているようだ。
「ご飯出来てるよ。私達はもう食べたから。」
「わかった。ありがとう。」
鞄を自室に置き、リビングにあるテーブルにつく。
「いただきます。」
黙々と食べているためわりとすぐに食べ終わる。
「ごちそうさま。」
食器を片付け、自室から服をとり風呂に入る。
風呂に入りながら廃校のことについて考えていた。
(そう言えばお母さんにも茜さんにも言ってなかったな。)
隼がまだ彩と茜に廃校の可能性があることを伝えていないためまだ2人はその事を知らない。
(2人とも知ったらなんて言うかな。)
隼は別に廃校のことについては特に興味は無いが2人はどうなのだろう。母校が無くなってしまうのはやはり悲しいのだろうか、それとも自分と同じように特になにも思っていないのか。
そんなことを考えながらのぼせる前に風呂を出る。
(2人にはまだ伝えなくていいか。)
風呂から出て服を着て部屋に戻る前に洗面所で歯を磨く。それらの事が終わるとリビングに向かい、
「おやすみ。」
と一言挨拶をする。
自室に戻って時計を確認すると10時半ぐらいだった。明日の学校の準備をして。布団に入る。
(どうなるのかな.......どうすればいいのか.......。)
どうすれば........。
いかがでしたか?
3年生と1年生を出すと言ったな。あれは嘘だ()
本当にすみません。本当は出す気でいたんですけど年末に急いで書いたので出せませんでした。そして今回は短めになってしまいました。重ねてすみません。
次では必ず出します。
そして、今年もありがとうございました。
来年もどうぞ「ラブライブ!〜ヒトツノコトバ〜」をよろしくおねがいします。