今年も『ラブライブ!~ヒトツノコトバ~』をよろしくお願いします。
ってことでどうもこうのとりです。
バリバリ投稿するとか言っておいて思いっきり間空きました(笑)
今回から『ワンダーゾーン』回です。前半部分なので若干話の進め方が強引です。
それでは今回もよろしくお願いします。
オープンキャンパスが終わって数日が経った日だった。
いつも通り授業が終わった後、部活のため部室に向かっていた。だけど少し違うことがある。
穂乃果がいつもの数倍落ち着きがなくてうるさい。
なんか今日は「クルクル~」とか「ランラン~」みたいなこと言いながら回っている。
「こっとりちゃーん!海ー未ちゃーん!」
走ってことりと海未に近づいて二人に抱き着く
「すごいよ!ビックニュースだよ!」
なんだビックニュースって。ここじゃ言わないのか。
とりあえず部室行くか。
「オープンキャンパスの結果、廃校の決定はもう少し様子を見てからとなったそうです!」
「それって...!」
「見に来てくれた子達が、興味を持ってくれたってことだよね!」
「うん!」
「良かったな」
「でも、それだけじゃないんだよ~?」
まだあるのか。
「じゃじゃーん!部室が広くなりましたー!」
「「おお!」」
部室の窓の近くに今まで鍵が掛かっていて開かない扉があって、何があるのか知らなかったが、ここも部室にしてもらえたのか。雨の日の練習もこれで多少はできるようになったな。
「いや~、良かった良かった~!」
「安心してる場合じゃないわよ。生徒がたくさん入ってこない限り、廃校の可能性はまだあるんだから、頑張らないと」
謙虚だな。今は喜んでもいい時だと思うんだが。
「ぅぅ...っく...嬉しいです!まともなことを言ってくれる人がやっと入ってくれました!」
いや、だからって泣くなよ...。絢瀬先輩もものすごく驚いてるし。
「それじゃ凛達まともじゃ無いみたいだけどー...」
凛、お前はいつもアホことばっかしてるからまともじゃないよ。...それよりも俺もまともじゃ無いようないい方されてんだけど、μ'sでっていうことだよな。アイドル研究部の中の話じゃないよな。
「ほな練習始めよか」
「あ、ごめんなさい。...私ちょっと...今日はこれで」
そう言うと駆け足でことりは部室を出る。
「ごめん」
部室すぐの廊下ですれ違った真姫とにこに謝りながら行ってしまった。
「どうしたんだろう。ことりちゃん最近早く帰るよね」
「さぁな。オープンキャンパスが終わってからだよな。まぁ、何か溜まっていた用事でもあったんだろ」
そう。最近ことりは練習に参加せず帰ることが多い。「何か用事か」と聞いても曖昧な答え方をされる。もしかしたら何か隠してるのか。
「まぁいないならしょうがない。居る人だけで練習始めよう」
――――――――――――――――――――――――
「うわぁ~!50位!なにこれ!すごい!」
「夢見たいです!」
「まさかここまで上がるとはな」
スクールアイドルのサイトのランキングが一気に上がった。確かランキングに登録された時が999だったから950組のスクールアイドルはランキングで抜かしたことになるのか。
「20位にだいぶ近づきました!」
「凄いわね!」
「絵里先輩が加わったことで女性ファンも付いたみたいです」
「確かに...いし、足も長いし、美人だし、何より大人っぽい!さすが3年生!」
「やめてよ...」
まぁ絢瀬先輩なら男女でも人気を問わないだろうな。
「ね!隼君もそう思うでしょ!?」
「俺に振るなよ...まぁその通りだと思いますけどね」
「ちょっと...一文字君まで...」
ちょうど同じ3年生でもいい比較対象がいるわけだし。そう思っていると無意識に矢澤先輩の方を見ていたようで、矢澤先輩と目が合ってしまった。
「...何?」
「いえ、なんでも」
「ふんっ!」
子供かあんたは。まぁμ's入る前直接入ってなかったけどクソガキ扱いしてたし、子供か。
「でもおっちょこちょいなところもあるんよ?この前なんておもちゃのチョコレートを本物と思って食べそうになったり」
「の、希...!」
へぇ以外なところもあるんだな。まぁ、人は見かけによらないって言うしな。
「でも本当に綺麗!よし!ダイエットだ!」
「聞き飽きたにゃー...」
出会った最初の頃にも思ったがこいつらダイエットする必要あるのか。今の体型のままで十分だろ。男の俺にはその気持ちは理解できんだろうが。
そう考えてるときに少し遠くから声が聞こえた。
「おーい!穂乃果ー!」
「頑張ってねー!ファイトー!」
「μ's応援してるよー!」
ヒデコとフミコとミカが教室から応援をくれた
「ありがとー!」
「知り合い?」
「はい!ファーストライブの時から応援してくれてるんです!」
あの3人が居なかったら、きっと穂乃果とことりと海未はとっくに心が折れてスクールアイドルなんて辞めていたんだろうな。本当に感謝している。
「でも、ここからが大変よ。上に行けば行くほど、ファンもたくさんいる」
真姫もなんだかんでμ'sのこと考えてるんだな。
「そうだよねぇ...20位か...」
「今から短期間で順位を上げようとするなら、何か思い切った手が必要ね...」
「簡単に考えれば、ライブとかですかね」
みんなが順位を上げる方法を考えてるとき、
「その前にしなきゃいけないことがあるんじゃない?」
何をだ。
――――――――――――――――――――――――
矢澤先輩の発言でやってきたのは秋葉原。
なぜか厚着でマスクとサングラスをつけて。
「あの~、すごく暑いんですが...」
「我慢しなさい!これがアイドルに生きる者の道よ!有名人なら有名人らしく街で紛れる格好ってものがあるの」
「でもこれは...」
「逆に目立っているかと...」
「あーもう!バカバカしい!」
そもそもこの時期にマスクは別にいいとして、ダッフルコートとマフラーはおかしいだろ。それに制服にサングラスってもう完全にただの変な人だぞ。
あと、
「なんで俺もこんなの着なきゃいけないんですか?」
「あんたも一応名目はマネージャーとしてネットに顔が載ってるんだからちゃんと注意しなさい」
「はぁ...」
いや、それでも街で声掛けられることなんてないだろ。もういい知らんこんなの脱いでしまえ。
「とにかく!例えプライベートであっても、常に人に見られてる事を意識する。トップアイドルを目指すなら当たり前よ!」
「はぁ...」
「穂乃果とりあえずコートとか脱げ。見てるこっちが暑くなってくる。」
「すごいにゃー!」
「ん?」
矢澤先輩のアホな解説を聞いていると遠くから凛の声が聞こえてきた。
「うぅわぁぁ~!」
凛の声がする方に行くと隣に花陽も居て、目を輝かせている。花陽と凛が見ていたものは、
「かよちん、これA-RISEの!」
A-RISEのポスターやコップ、ペン、ワッペン、ストラップ、リボンまで置かれている。どこで作られてんだこんなの。
「何ここ?」
「近くに住んでるのに知らないの?最近オープンしたスクールアイドルの専門ショップよ」
それ近くに住んでるのに知らない俺が異常みたいな言い方してますけど違いますからね。
「とは言えまだ秋葉に数件ある暗いだけでど」
秋葉限定でも数件ってことはここの他にもあるんだな。
「ねぇ見て見て~、この缶バッジの子可愛いよ~!まるでかよちん!そっくりだにゃ~!」
「て言うかそれ...」
「花陽ちゃんだよ!」
「えぇ~!!」
毎日見てるだろ花陽の顔。まぁまさか自分のグループの子が缶バッジになってるなんて普通思わないし、無理ないか。
「あ、これか。あったぞ花陽以外のみんなのグッズも」
「嘘ぉ!」
「ほら、ここにあるだろ」
花陽のがあれば他のみんなのもあると思ったら本当にあったんだな。いや、これ全部どこで作られてるんだ...。
他のみんなのグッズがあると聞いてみんな集まって人が多くなってきたからμ'sのグッズが置いてある隣の棚をなんとなく見て見たら、
「あれ、これって...」
「ことりちゃんだ...」
どうやら穂乃果も気づいたらしい。
「それに、このサインどっかで見た事ある様な...」
「すみません!」
店の外からここ最近で聞き慣れた声がした。
「あの、、ここに写真が...私の生写真があるって聞いて...あれはダメなんです!今すぐなくしてください!」
「ことりちゃん?」
「ひゃあぁ!?」
やっぱことりか。今この写真と同じ服着てるよな。それにこの写真に書かれてるサイン、部室においてあったよな。だからあの時ことりはあのサイン見てたのか。
「ことり...何してるんですか?」
海未の問いに答えられずしばらく固まっている。
「...コトリ?ホヮッツ?ドゥナタディスカー?」
そんな目を隠してしゃべり方変えたところで「ことり」って名前を出されて動揺してる時点でみんな気づいてるから。
「わぁ!外国人?」
訂正する。やっぱ気づいて居ないやつがいた。凛、お前絶対いつか詐欺に引っかかるだぞ。
「ことりちゃん、だよ―――、」
「チガイマァス!ソレデハ、ゴキゲンヨ~ウ...。ヨキニハカラエ、ミナノシュー......サラバっ!!」
「「あぁ!」」
逃げ出したことりを穂乃果と海未は追いかける。俺は追いかけない。暑いから。
あと、東條先輩も居ないな。先回りでもしてるのか。
まぁいい。
「え、隼先輩が持ってるのって...」
「さっきことりが言ってた生写真だ」
「え...隼先輩もしかして...」
「勘違いすんな凛。ことりに渡すためだ」
俺こいつにそんな奴だと思われてたのかよ...。
にしても写真一枚でかなりの値段すんだな。売る奴も売る奴だし、俺以外の目的でこれを買おうとする奴もする奴だな。
まぁ金なんてほとんど使ってないから、これくらい別に構わないけどな。
――――――――――――――――――――――――
逃げたことりを捕まえたのは先回りしていた東條先輩だった。
それで集められたのがメイド喫茶。そこでことりから言われたのが、
「こ、ことり先輩が、このアキバで伝説のメイド。ミナリンスキーさんだったんですか!?」
「...そうです...」
まぁ俺はさっきの店で気づいていたが、やっぱり本人の口から言われるとやっぱ衝撃的だよな。
「酷いよことりちゃん!そういうことなら教えてよ!」
「うぅ...」
「言ってくれれば遊びに来てジュースとかご馳走になったのに!」
「そこぉ!?」
こいつ前の矢澤先輩にポテト食われて解散しろって言われた時も「ポテト返して」とか言ったんだっけ。こいつ食に関しての執着が強すぎる...。
「じゃあこの写真は?」
「店内のイベントで歌わされて...撮影禁止だったのに...」
「そういうことだったのか。ほらことり、これ」
「あ...これって...」
「もうこれでさっきの店にお前の写真は無い」
「ありがとう...!」
まぁバイトで写真撮られてそれを売られてるってそれ普通に恐怖だよな。
「でもなぜここで働いているのですか?」
「ちょうど4人で、μ'sを始めたころ...」
学校の帰りに秋葉を歩いていた時声をかけられたらしい。それで断り切れずに働いて、今に至るらしい。まぁことりのことだからメイド服が可愛いかったからそのまま働いてるとかって感じだろ。
「自分を変えたいなって思って...私穂乃果ちゃんや海未ちゃんや隼くんみたいに何もないから...」
え...。
「何もない?」
「穂乃果ちゃんみたいにみんなを引っ張っていく事もできないし、海未ちゃんみたいに、しっかりもしてない...隼くんみたいに誰かを助けてあげることもできない...」
こいつギャグで言ってるのか?
「そんな事ないよ!歌もダンスも、ことりちゃん上手だよ!」
「衣装だって、ことりが作ってくれているじゃないですか」
「少なくとも、2年の中では1番まともね」
おい真姫遠回しに俺らがまともじゃ無いみたいな言い方するな。...まぁ、俺はまともじゃないか...。
「ううん、私はただ、3人に着いて行ってるだけだよ...」
そう言ったことりの表情は暗いままだった
――――――――――――――――――――――――
気が付いたら周りも暗くなり始めたから今日は解散ということになった。
ことりはまだバイトがあるから残るが。
「またねー!」
「あっ、この事は、お母さんには内緒だから!学校では、しーっ!!」
「うん、分かった!!」
変える方向などの関係でいつも下校の時一緒にいることりに代わって絢瀬先輩も居る。なんだかんだで穂乃果と海未、ことりといるのが普通になってきたな。
「でも意外だな~、ことりちゃんがそんなこと悩んでたなんて...」
「意外とみんなそうなのかもしれないわね」
「え?」
「自分のことを優れているなんて思ってる人間はほとんどいないってこと。だから努力するのよみんな」
「そっか...」
「確かにそうかもしれません」
「そうやって少しずつ成長して、成長した周りの人を見てまた頑張って、ライバルみたいな関係なのかもね、友達って」
ライバルか...。
「絵里先輩に、μ'sに入ってもらって本当に良かったです!」
「な、何よ急に...。明日から練習メニュー軽くしてとか言わないでよー?」
にしても絢瀬先輩も丸くなったな。もうただの優しい先輩じゃないか。
「それじゃまた明日」
「「また明日です!」」「また明日」
「ねえ、海未ちゃんも私を見てもっと頑張らなきゃーって思った事ある?」
「数えきれないほどに」
「ええ!?海未ちゃん何をやっても私より上手じゃない!私のどこでそう思うの!?」
「悔しいから秘密にしておきます」
「ええ~!じゃあ隼君は?」
「あるぞ。お前に何か一つでも負けたら一生の恥だと思ったりとかな」
「何それ~!!」
――――――――――――――――――――――――
「えりち...」
穂乃果たちと別れた絵里はまっすぐ家に帰らず希がいる神田明神に来ていた。
そして希を連れて秋葉の街を歩く。
「どうしたん?また戻ってきて」
「ちょっと思いついたことがあって」
「...?」
「さっき街を歩いて思ったの、次々新しいものを取り入れて毎日めまぐるしく変わっていく。この町はどんなものでも受け入れてくれる。一番ふさわしい場所なのかなって。私たちのステージに」
ことりってメイド服着ながら走って汗かかないのかなって思いながらこの回見てた気がします。
やっぱり高性能なパソコンっていいですね!スラスラ書けます。
次回ともしかしたらもう一回やって『ワンダーゾーン』回終わりです。
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