今回は『センターは誰だ?』です。
それではどうぞ。
「あ、あのぉ...。」
「はい、笑ってー。」
「え!?...(ニコッ)」
「じゃあ!決めポーズ!」
「えぇ!?...うーんじゃあ、うー!ふっ!」
これが音ノ木坂学院に誕生したμ'sのリーダー。高坂穂乃果。その人だ。
「はいオッケー!」
矢澤先輩がμ'sに加入してから数日経った日の放課後。俺、穂乃果、ことり、海未、凛、東條先輩は学院の中庭に来ていた。のだが
「なんなんですかそのマイクと凛が持ってるカメラは。」
「じゃあ次は~。海未先輩ね!」
「え?な、なんなんですか!?ちょっと待って下さい!失礼ですよいきなり!」
「ごめんごめん。実は生徒会で部活動を紹介するビデオを制作する事になって、各部の取材しているところなん。」
「取材?」
「ね!?ね!?面白そうでしょ!?」
「凛、カメラで遊ぶな。」
部室で部活始まるの待ってたら凛と東條先輩がカメラとマイク持って「みんな中庭に来て」とか言い出すんだから驚くよな。
「最近スクールアイドルは流行ってるしμ'sにとして悪い話や無いと思うけど?」
「わ、私は嫌です!そんなカメラに映るなんて!」
「取材...。なんてアイドルな響き...。」
「穂乃果!」
「オッケーだよね?海未ちゃん!それ見た人がμ'sの事覚えてくれるし!」
「そうね。断る理由は無いかも!」
「取材させてくれたらお礼にカメラ貸してくれるって!」
「そしたらPVとか撮れるやろ?」
そういやカメラ無かったから1回もPVとか撮った事無かったな。必要なのであれば俺が買ってきたけど。
「他のみんなに行ってくるー!」
「待って~!」
「ちょっと穂乃果!」
はしゃぎやがって。授業の時もあんぐらい元気でいてくれればいいんだけど...いや流石にそれだったらうるさいわ。
とりあえず部室行くか。
―――――
『スクールアイドルとは言え学生である。プロの様に時間外に授業を受けたり早退が許される事は無い。よってこうなってしまうこともある。昼食をしっかり取ってから、再び熟睡。そして先生に発見されるという一日であった。』
「これがスクールアイドルとは言え、まだ若干16歳、高坂穂乃果のありのままの姿であ――、
「ありのまま過ぎるよ!て言うかいつの間に撮ったの?」
俺達が戻ってきた部室には視線的にはことりがビデオカメラで撮っていたのであろう動画を見ている。そこの動画に映されていたのは穂乃果の授業中や昼食の時のだらけている様子。そして最後には先生に見つかって椅子からひっくり返って俺の机にまで被害が及ぶ様子まで。
「上手く撮れてたよーことりせぇーんぱい!」
「ありがとう~。こっそり撮るのドキドキしちゃった!」
「えぇ!ことりちゃんが...!ヒドイよぉ!」
いや、方向とか視線的にことりの席からでしか無理だからことりが撮ったって事ぐらいわかるだろ。やっぱこいつアホだな。それでことりはことりで手を頬にあてて顔を赤らめている。ことりはまだ平気かも知れないけど、こいつら本当にダメかも。
海未はまともかな。
「さっすが海未ちゃん!」
なんて思った矢先だった。
真面目に弓道の練習をしているのかと思ったら、鏡をみながら笑顔の練習を始めた。スクールアイドルとしてそれはいいことなのだが、弓道の練習中にやる事じゃねーだろ。あと見られて恥ずかしがる位なら学校でやるな。
「あと、隼くんのも撮ったんだよ~。」
は?
「え!見たい!見たい!」
俺のを撮ったって。いつ撮ったんだ。意外とスパイの才能とかあるかもな。...。いや無いわ。
そしてことりが撮ったという俺の動画は、自分で言うのもなんだが、俺が真面目に授業を受ける姿と授業の準備をする姿。あとは昼食を食べたり教室を移動したりするものだったが、なんだろう。自分で言ってて悲しくなるけど
つまんねぇな。
「普通すぎ...。」
「いいことではありますが...。」
「見てて面白くないにゃー。」
「撮れ高0やね。」
「あはは...。」
散々言いやがって。自分でも言ったんだけど、こう言う事は他人から言われると腹立つな。
て言うか俺ってここまで無表情に
「よぉーし!こうなったらー。」
俺の様子が撮られてた動画がつまらなかったのか穂乃果は急に立ちあがってことりのかばんを開ける。
「ことりちゃんのプライバシーも...ん?なんだろうこれ。」
かばんの中身を見られたことりはとっさにかばんを閉じて自分の背中に隠す。
「ことりちゃんどうしたの?」
「ナンデモナイノヨ。」
「え、でもー、」
「ナンデモナイノヨナンデモ。」
いつも
ん?とろいことり...?
そこにまたこの前の様なビリッと電気が流れたような衝撃が俺の頭に走る。
(『ヤーイ!鳥ノ癖ニ飛ベナクテトロイコトリー!』『ウゥ...。』『コトリチャンヲ悪ク言ナー!』)
なんなんだよ最近、こんなの昔は全くなかったのに最近になって起こる一体なんなんだよ...!
だけど今回のは前回と比べたら物凄く短かったし、前みたいに景色が見えたりすることも無く、ただ声が聞こえただけ。だけど気になるのが『コトリ』って言うのと『コトリチャン』って言うのだ。これってもしかして今俺の目の前にいる南ことりのことなのか...?なんなんだよ本当...!
話を戻すがさっきの動画の事だが中庭で話してた取材の為の動画だったらしい。取材の動画が完成したら各部に見てもらうらしい。
でもそれってさっきの動画で作るとしたらってのを考えて、それを生徒会長なんかが見たりしたら、
『困ります。あなたのせいで音ノ木坂が怠け者の集団に見られてるのよ。』
なんてなりそうだな。
って言うのは穂乃果達は話してたらしい。
そんな事を話してたら息を切らしながら扉を開けた矢澤先輩が来た。
「取材が来るって本当...!」
「もう来てますよ。ホラ!」
取材が来てると分かった矢澤先輩はわざとらしくモデルがショーの時にやっている歩き方をしていつもの様なキャラで好きな食べ物を言おうとしたら。
「ごめん。そういうの要らないわ。」
「うん...。」
バッサリと切った東條先輩。それに頷くことり。何気にこの部屋いる人たち矢澤先輩に冷たいな。
「部活動の生徒達の素顔に迫るって感じにしたいんだってぇー!」
あぁ、そういうテーマだったから授業の様子とか撮ってたのね。
てか凛敬語外れてね?上級生だぞ。直接は言ってないけどクソガキとか言ってた俺も俺だけど。
「素顔...。あぁおっけおっけー!そっちのパターンねー...。ちょーっと待ってねー。」
どっちのパターンだよ心の中で突っ込んだのは俺だけじゃ無いはず。
そして矢澤先輩は髪を結っているリボンを2つとも外し何も髪に結んでない状態になった。
んで始まったよまたいつものキャラでの喋り方素顔って言う意味分かってのかよ。他の人たちみんなどっか行ったし。終わった時に誰も居ないの可哀そうだから残っとくか。
「っていないし!」
「みんなどっか行きましたよ。」
「あんたはまだ居たのね...。」
「喋り終わった時に誰も居ないってのも可哀そうだったので。」
「同情するな!」
て言うか矢澤先輩ガキみたいなツインテールにしないでいつも髪下ろしてれば小さくてもガキには見られないのに。
―――――
あの後は1年生の取材の動画を撮ったり練習風景の動画を撮ったりした。あれだけ撮って使えそうなのは練習風景の動画だけ。あれ撮って無かったら本当に怠け者の集団に思われてたぞ。
それで練習が終わった後穂乃果と凛と東條先輩と俺は、μ'sの
穂乃果のお母さんが話をしたいと言われて化粧をすると言いだした。
「っていうか化粧してもしなくてもおんなじd――、ブゴッ!!」
此の親にして此の子ありって感じだな。それよりも穂乃果...、お前も女なんだからそう言うこと言っちゃいけないことぐらいわかるだろ...。でもお母さんもお母さんでティッシュ投げるのはやめてあげて下さい。仮にもこいつアイドルなんで。せめて投げるなら腹とかに。
「じゃあ先に妹紹介するね。雪穂ーいるー?」
雪穂と言う妹の部屋の襖を穂乃果が開けると必死にベルトを一穴閉めようとしている赤毛の少女が居た。
て言うか穂乃果、返事帰って来てから開けろ。俺今のところ完全に見てはいけない瞬間だったじゃねぇか。
て言うかさっきの雪穂って子、なんか引っ掛かるんだよな。やっぱ記憶が無いって結構もどかしいな。今までは特に何とも感じなかったんだけど。穂乃果達と出会ってからだな。
「すみません。2人ともあんな感じなんで。」
「お父さんは?」
「さっき厨房行ったら――、
『......』
「って...。」
無言で手を振っていた。どうやら穂乃果のお父さんは無口らしいな。
「そう...。ここはみんな集まったりするの?」
「うん!ことり先輩と海未先輩はいつも来てるみたいだよ!おやつも出るし!」
「あはは...。和菓子ばっかりだけど...。」
凛が穂乃果の家に来るのはおやつが目的かい。
「ふうん...。これで歌詞を考えたりするんやね。」
「うん。海未ちゃんが!」
「え?」
「歌詞は大体海未先輩が考えるんだ!」
「じゃあ、新しいステップを考えたりするのは、」
「それはいつもことりちゃんが。」
「じゃあ、μ'sのページのプロフィール書いたりしてるのは、」
「それは俺が。」
「じゃあ、あなたは何してるの?」
確かにこいついつも練習とかして以外特に何もしてないよな。振り付けのここをこうした方がいいとか言うのは言うけど、それは全員言うことだし。
なんもしてねぇな。
「ウチ、前から思ってたんやけど、穂乃果ちゃんってどうしてμ'sのリーダーなん?」
「...。」
「いやそこで答えられないのかよ。」
そういやこいつリーダーだったな。でもこいつがリーダーなのって自分がスクールアイドル始めるって言ったってのと、他にやる人が居なかったっていう理由だよな。それってもはやリーダーなのか。
明日全員でリーダーについて考える必要があるな。
―――――
取材が来た翌日の放課後、授業を終えた俺達はアイドル研究部に集まって居た。
ちなみに穂乃果は今日も昨日のように寝て食って寝て先生に見つかるという事をしていた。懲りないな。どうやってこいつ進級できたんだ...。不思議だ。
ずっと話し合ってるんだが中々決まらない。リーダーが決まらないとなると次の曲でのセンターが決まらないので決めないというわけにはいかない。
海未をリーダーにするのがいいと思ったんだけど、恥ずかしがって出来ない。ことりはあんまリーダーって感じじゃ無いし、1年がリーダーってのもな。そして穂乃果は昨日の取材ではっきりわかったから無しだ。
適任なのが誰も居ないな...。矢澤先輩?論外だな。
で、結局部室で話してるだけだと決まらないから。移動するとのこと。
―――――
「じゃあ、歌とダンスで決着をつけようじゃない!」
歌とダンスで決着を付けると言った。カラオケに来たのは歌の決着を付けるためか。て言うか何で俺まで。どうせ歌わないから帰りたいんだけど。
一番歌とダンスが上手い奴がセンター、すなわちリーダーと言うことになる。
まぁみんな頑張ってやってくれ。俺は寝るから。
「あんたら緊張感無さ過ぎー!そして一文字!寝るな!」
「えぇ...。どうせ俺は歌わないから寝ても問題ないでしょ...。」
「歌わなくても聞いてなさい!」
うわぁ面倒くさ。寝たらもっと面倒な事になりそうだし、しょうがねーか、寝るのは後でにしよ。
―――――
そして全員が歌い終わった。
俺以外の歌った7人は全員90点超えだった。なかでも真姫は98点とプロ顔負けの点数。いつかプロの歌手としてのスカウトでも来るんじゃ無いのか。
花陽も花陽で96点とかなりの高得点。レッスンしてるからすごい点数だな。
「ねぇねぇ!隼君も歌おうよ!」
「は?いや、俺はいいよ。そろそろ時間来るし、ダンスの勝負するとこ行こうぜ。」
「えぇ...。残念...。」
カラオケ何て来たことないし、歌う気も無いから俺は歌わない。第一俺はμ'sのメンバーじゃないからこの勝負に参加する必要は無い。
―――――
「次はダンス!今度は歌の時みたいに甘くないわよ!」
今度はダンスの勝負をするためにゲーセンに来た。あ、て言うか何ダンスの勝負するのはアポカリ(アポカリプスモードエキストラ)でやんの。この勝負俺が参加したら一番になれる自信なんだけど。
「ことりちゃんもうちょっと右!」
「えーい!」
「「取れたー!」」
「だから緊張感持てって言ってるでしょう!」
なんと穂乃果とことりと凛はダンスの勝負そっちのけてUFOキャッチャーをやっていた。
「せめて勝負には参加してやれ。」
「えぇ...。分かったよー...。」
渋々凛がやり始める。
すごいな凛は初めてやる上に初見ですごいプレイしてぞ。俺が始めてやった時はもっと出来なかったのに。
「「すごーい!」」
「おぉ中々やるなぁ。」
「なんか出来ちゃったー!」
「あはは!」
「え...。」
なんと凛が出したのは最高スコアの1つ下のランクAA。すげぇな。すげぇよ。
―――――
「面白かったね。」
ダンスの勝負は凛が一番だったその次にランクAの矢澤先輩、穂乃果、海未が続いた。ことりと真姫はランクBで、ダンスに関しては少し苦手らしく、花陽は元々運動が苦手な事も比例してランクCだった。
なんかやってるの見てるとやりたくなってきたな。
よし俺もやるか。
「?隼君どうしたのブレザー脱いで。」
「どうしたって、やるんだよ。」
「誰が?」
「俺が。」
「「「「「「「えぇぇ!!!」」」」」」」
いやそんな驚く事じゃないだろ。おれだってゲーセン来て音ゲーぐらいはするって。
隼が選んだ曲はこのゲームの中で一番レベルの数字の高い物で難易度もゲームの中では3番目に入る曲。
それをみたμ'sの7人は、
「「「「「「「(す、すごい...。)」」」」」」」
そして曲が終わった。スコアは
AAA
「あ、鳥取れた。」
この曲鳥取れたの一回だけだったから地味に嬉しいな。ちなみに鳥ってのはこの作者の事ではなくスコアのAAA(トリプルエー)の『トリ』の部分の事。あ、メタい発言はダメか。
「隼君にダンスで負けた...。毎日練習してるのに...。」
「いや、ダンスとダンスゲームは違うからな。」
「どうしてそんなに上手なの?」
「中学の時によくやっててな。ずっとやってたらこうなった。それよりどうするんだ。差が付かないならリーダーが決まらないぞ。」
「なら...。」
―――――
「歌とダンスで決着が付かなかった以上、最後はオーラで決めるわ!」
具体的にオーラと言っても測れる物ではないので、チラシをそれぞれ同じ枚数持って配って一番早く配り終わった奴が強い敵な感じで勝負するらしい。
それぞれのやり方で配っていく。中でもやり方に驚いたのは矢澤先輩。いつものにっこにっこにーをやって語尾ににこって付けて配ってた。大体の人が受け取らなかったが何人かは圧倒されたのかそれとも普通に可愛かったのか受け取っていた。ども何人も連続で受け取らなかった時には男の人の腕を掴んで受け取れと言わんばかりに拘束していた。脅迫罪になるぞ。いやならないか。
―――――
「ありがとうございました!」
一番最初に無くなったのはことりだった。何と言うか渡してる人のほとんどがことりのチラシを受け取っていた。あと謎の慣れている感じ。穂乃果が店番とかで慣れているとか言うのとは違った。なんだろうな。
「おかしい!時代が変わったの!」
「ま、そういう日もあるんじゃないんですか。」
このままだと矢澤先輩のメンタルがズタボロなので一応声を掛けとく。このままもう練習来ないとかいじめみたいなことには流石になってほしくないからな。
―――――
結局総合的にも見ても誰がずば抜けてリーダーにふさわしいという奴は居なかった。
んで結局勝負する前の状況に逆戻り。
あぁまたリーダー決まらないんだなって思ってたら。
「じゃあいいんじゃないかな。無くても。」
なんて穂乃果が言いだした。
「「「「「「えぇ!?」」」」」」
そりゃ驚くよな。
「うん。リーダー無しでも全然平気だと思うよ。みんなそれで練習してきて、歌も歌ってきたんだし。」
まぁ一応穂乃果リーダーとしてやってきてリーダーなんて無いようなもんだったもんな。
「それで私考えたんだ!みんなで歌うってどうかな?」
「みんな?」
「家でアイドルの動画とか見ながら思ったんだ。なんかね、みんなで順番に歌えたら素敵だなって。そんな曲作れないかなって。」
こんなこと言えるなんて、リーダーなんて決めなくても決まってたんだな。
「不本意だけど。」
「何にも捕らわれないで一番やりたい事、一番面白そうな物に怯まずに真っ直ぐに向かっていく。それは穂乃果にしか無いものかもしれません。」
「そうだな...。もうリーダーは決まったな。」
「じゃあ、始めよう!」
色々あったけど、リーダーは、穂乃果に決まった。
こうして出来た新曲が
『これからのSomeday』
そしてこの曲を発表して間もなく、何やら突然、大変な事が起こるらしい。
"毎週金曜日更新"とは。
言っておきがら全然更新出来てませんね。
アニメ準拠にはするんですけど本当にその通り進めるのも二次創作の意味無いと思ったので、中々書けてませんでした。もっと文章力鍛えます。
ところでアニメで出てきたあの音ゲーって現実世界で言うとダンレボですかね。ちなみに私は音ゲーを一応やってますけど、鳥を取れるほど出来ません。
次回は『エリーチカ』回です。
誤字脱字などありましたら報告よろしくお願いします。
Twitterにて執筆状況などのツイートをしています。
https://twitter.com/sin_tori0120
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次回もよろしくおねがいします
夏休みが明日で終わってしまう......。