DSフリードの非日常   作:ミスター超合金

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どんどんシリアスになっていく




life.41 三人

「フリードさん!? 日本支部は壊滅したと……!」

 

 

「おい、支部長が帰還されたぞ!」

 

 

 本部に転がり込むと、驚いたように仲間達が駆け寄ってきた。安否を確認するように肩を叩かれる。一斉攻撃を受けて支部は焼け野原と化しておりメンバーは殆どが戦死。フリードも生死不明となっていた。誰もが諦めていたところへの生還だ。喜ばない筈が無い。

 暫くそうしていると騒ぎを聞き付けたのか、一人の老人が輪を裂いて現れた。威厳ある大柄な身体でひしとフリード達を抱き締める。

 

 

 ヴァスコ・ストラーダ。元デュランダルの使い手で、反悪魔組織『禍の団(カオス・ブリゲード)』の創設者だ。力強く包容すると眼に涙を浮かべた。

 

 

「よくぞ無事に帰って来てくれた……。フリード、それにミッテルトよ」

 

 

「ストラーダさん。心配をかけたな」

 

 

 照れ臭そうに言うとストラーダは何度も頷いた。そして直ぐに会議室に案内された。室内には支部長が他にも集まっていたが、一様に驚いた顔をしている。二人が席に着いたタイミングを見計らって彼は口を開いた。

 飛び入りとなるが、先ずは日本支部長の帰還が話に挙げられた。次いで先程まで議論されていた本題に移る。

 

 

「このままでは物量差で押し切られる。つまり、短期決戦を仕掛けるしか無い」

 

 

 埋め込んだ者を悪魔に作り替える最悪の兵器、『悪魔の駒(イーヴィル・ピース)』。それによって産み出された悪魔は実力こそ下級レベルだが徒党を組んで大量に群がる為対処が出来ない。また、修業次第で強くもなれる。

 捕らえられた味方は洗脳され、駒を埋められ悪魔になってしまう。地球上が彼等で埋め尽くされるのも時間の問題だ。それまでに勝利しなければならない。

 

 

 方法はある。冥界勢力は魔王を頂点としたピラミッド型の支配体制だという点。即ち、頭を失うと活動停止に追い込まれてしまうのだ。魔王さえ潰せば後は烏合の衆。指揮系統を失った雑魚など相手にならない。しかし勝機が見えるこの作戦にも穴はあった。

 魔王直属の配下、『三魔将』の存在だった。

 

 

「サーゼクス。アジュカ」

 

 

「そして、……イッセー」

 

 

 誰かが呟いた直後、ピシリと空気が凍る。最後の男だけは絶対に殺害しなければならないからだ。特にフリードの顔は憎悪に塗れていた。

 険悪となったムードを悟ってか、一時休憩を宣言したストラーダ。一同が部屋を出ていくと残ったのはフリード達だけとなった。

 

 

「休憩しないんスか?」

 

 

「いや、するさ。ただ昔を思い出してな」

 

 

▼▼▼▼▼

 

 

「イッセー様、お目覚め下さい」

 

 

 指令室に声が響いて、男は意識を覚醒させた。新型の『魔翔戦艦』があまりにも乗り心地が良いのでつい眠ってしまった。平謝りしてから前面のモニターを眺める。

 破壊し尽くされた『禍の団(カオス・ブリゲード)』の南米支部が見えた。部下達が敵を追い回している様子がひどく滑稽だ。

 

 

「手間を取らせやがって。まあ、性能テストが出来たから良いけどな。……朱乃、全艦に撤退命令だ! 一部を残して俺達は次に移動する!」

 

 

「了解です!」

 

 

 懐かしい夢を払拭させようと彼は声を張り上げた。何も間違って無い。そう思い込むかのように。

 

 


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