DSフリードの非日常   作:ミスター超合金

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遂に始まりました。結果は解りきっていますが




進級試験とウロボロス
life.37 開戦


 魔王サーゼクスの死亡。その報せが届いた時、民衆や一部の貴族連中は『神の子を見張る者(グリゴリ)』の仕業だと騒いだ。エクスカリバーの件があるからだ。そうした意見は程なくして、堕天使勢力との開戦に変貌していった。

 上層部も面子を傷つけられたと主張。もうアジュカ達では止められず、半ば言い含められる形で承認した。遂に始まるのだ。

 

 

「『悪魔の駒(イーヴィル・ピース)』の増産準備が整い次第、我々は宣戦布告する!!」

 

 

「どんな敵だろうと、我々に勝てうる筈は無い!」

 

 

 腐敗した演説に熱狂的な歓声をあげる民衆。戦争で手柄を立てれば昇格を認める、という上層部の話を信じてしまったのだ。事実、四大魔王は手柄を立てた者達で構成されている。具体例が存在する以上は本当にあるのかもしれない。無知な彼等の協力を取り付けるにこれ程の餌は無かった。

 着々と手筈を進めていく冥界政府。空気中にフヨフヨと浮かんでいる細菌型魔獣によって、軍事機密が全て筒抜けである事を知らずに。

 

 

▼▼▼▼▼

 

 

 会議室にはアザゼルを代表に上層部やフリード、ミッテルトにイリナ。英雄派の面々。更にはモニター越しにミカエルや天照大神、オーディンが集まっていた。

 

 

「駒の増産、ねぇ……」

 

 

 苛立ちながらフリードは呟いた。どうやら悪魔は『悪魔の駒(イーヴィル・ピース)』を用いて、自軍の戦力増強を図るつもりだ。彼としては絶対に阻止しなければならない問題だった。悪魔世界(ディアボロス・サーガ)の焼き直しを防ぐ為にも。

 増産阻止の旨を話すと皆が一様に頷く。自分達の戦いに関係無い者達を巻き込みたくないのだ。

 

 

 フリードには一計があった。例によって奇襲だ。今までもリアスやライザー、ロキにサーゼクス等を打ち倒した実績がある。しかし今回は文字どおりスケールが違った。悪魔を余裕で潰せるだけの奇襲を仕掛けるつもりである。それには各神話の協力が必要だった。

 提案がある。そう言うと彼は脳裏で描いた作戦を口にした。

 

 

▼▼▼▼▼

 

 

「大変です、アジュカ様! 堕天使側が宣戦布告してきました!!」

 

 

「な、なんだと!?」

 

 

 絶句した。準備を整え始めた矢先とは、あまりにもタイミングが良すぎた。此方は殆ど兵力を集められていない。それに対して敵は天界や日本、北欧とも同盟を結んでいる。軍事同盟である以上は続けて宣戦布告してくるだろう。四勢力を相手に出来る筈は無かった。

 ある程度増産を終えてから、と予定していただけに余計に手痛い開戦となる。

 

 

 こうなれば今動かせるだけの軍をぶつけて、時間を稼ぐか。そう結論付けた直後に異変は起きた。窓の外が異様に明るい。肌に染みる輝きだ。遮光魔法を唱えてからアジュカは空を見て、次には驚愕した。

 さながら流星群の如く。光を結晶化させたような魔獣達が、冥界の地を目指して降り注いでいるのだから。

 

 


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