六道の神殺し   作:リセット

20 / 22
前回の告白螺旋丸は作者の都合が出すぎ唐突過ぎたのであのセリフは変更しております。また感想欄で誤字報告をしてくださるのは嬉しいのですが、誤字報告機能でしていただけるともっと嬉しいです。


17話 ~神殺し~

「……生きてるのか俺、……っうッ、動くだけで痛いな」

 

 

 自らの螺旋丸の余波をもろに喰らった護堂は少しの間意識を失っていたようだ。彼が目を覚ました場所はクレーターの縁辺り。どうやらそこまで飛ばされたようだと護堂も判断する。

 

 流石に自分の攻撃で死ぬ事はなかったが、相応の怪我を護堂は負った。螺旋丸を気合で押し込み、瞬間的にだが六道状態でも絶好調の時ぐらいにしか出せない力を弾き出した。そのせいで威力が強くなりすぎて、護堂も逃げられなかったのだ。

 

 そして限界を超えたせいで六道化も解除され、当分は仙人モードまでしかなれないだろう。しかし護堂の不死性は普段から発揮されているもの。全身に隈なくついていた傷もすぐに塞がっていく。体が修復されたところで立ち上がる。目を向けるのはクレーターの底。2m程度のサイズに縮んだ、いまだ健在のメルカルト。

 

 

「俺と一緒で神様は簡単に死なないんだな、びっくりしたよ」

 

 

 顔を顰めるだけでそれ以上のリアクションを返そうともしない。そんな無駄な事に割けるだけの余力が残されていないのだ。そんな神王に護堂も最後の一撃代わりに塵遁を使おうと呪力を練ろうとする。

 

 メルカルトといえども、これほど弱った状態で何かしらの術を使われたら防ぐことなど出来ない。だから最後の神力を使い稲妻になり、護堂の術が完成する前に接近する。六道化していない護堂の感知能力ではその速度に反応しきれない。腹に爪先がねじ込まれ、胃の中のものが逆流しそうになる。苦悶の表情を浮かべ背を曲げた護堂は抱え上げられ、勢いよく地面に落とされる。衝撃に肺の中の空気が全て吐き出された。

 

 そんな状態の護堂にメルカルトが馬乗りになる。今の雷化でメルカルトは神力を使い切った。そんな神が最後の武器とするのは勿論肉体だ。神の体は脆弱な地上の生き物とはわけが違う。ならばこそ、この戦いに勝つ為には接近戦こそが神の唯一の勝ち筋だ。撤退すればよいのではと考えるのは人の思考、まつろわぬ神を神たらしめるのはなによりも自我、すなわちプライドだ。ゆえに退かない。例え強大でも、いや敵が強いからこそ逃げない。神とはえてしてそんなものなのだ。

 

 殴る。突く。穿つ。肉を打つ湿った音が鳴る。護堂の顔面の骨に皹が入り、顔が痣だらけになっていく。歯が砕け折れ、口の中でチャリチャリと歯どうしがぶつかる音が響く。護堂も殴り殺されるつもりなどない。口の中の血を水遁で針状に変形。歯と共に勢い良く打ち出す。メルカルトが首を振り避ける。だがそれで体勢は崩れた。護堂が力任せに体の上から落とす。再びマウントを取られないように距離を離そうとするが、メルカルトもこの機会を逃せば敗北が決定する。絶対に離すまいと護堂にタックルを仕掛ける。そこにカウンター気味に蹴りを放つ。今度は避けれなかった。護堂の上段蹴りがメルカルトのこめかみにクリーンヒット。ぐらつく神王の体。

 

 

(第六景門・開! )

 

 

 護堂の皮膚が真赤に染まる。ここで一気に畳み掛ける気だ。護堂の拳に呪力が集中。高速の連打を繰り出す。摩擦熱により拳が焔に包まれる。本来は拳の衝撃波と炎弾で複数の敵を応撃するのに使うのが最も効率が良いのだが、今は直接叩き込んでいく。護堂の蹴りで脳震盪を起こしているメルカルトが対応する事など不可能、全身を滅多打ちにされていく。最初の一発が入ってから吹き飛ぶまでに何十、何百と積み重なる拳の豪雨、一撃一撃が大気を鳴らす爆裂拳。神の肉体とは言え打ち据えられる側から骨が砕け、熱により皮膚が爛れ焼け付く。

 

 

「ハッッ! 」

 

 

 最後に腹に拳がめり込む。メルカルトの体が穴の中心まで飛んでいく。それでも動こうとするまつろわぬ神。あらぬ方向に曲がった腕と足で立ち上がろうとする。上げた顔に張り付いた鬼気迫る表情に僅かに護堂が気圧される。

 

 

「…………本当にすげえな、あれだけやってもまだ立ち上がるのか。……なるほどね、これがまつろわぬ神様か。だったら、これで最後だ! 」

(体持ってくれよ、第七驚門・開! )

 

 

 護堂の体から青い蒸気が膨れ漏れる。拍手を一つ打ち大気を圧縮。それを両手を使って正拳で打ち出す。護堂の仙人モードと驚門による桁違いの膂力から繰り出された正拳による大気砲が虎の形を取り、今度こそメルカルトを行動不能にするのだった。

 

 

 

 

 

 --------------------

 

 

 

 

 

 護堂が仙人モードを維持したまま、メルカルトに近づいていく。驚門まで使った影響で膝が僅かに笑っているが、拳で叩き震えを止める。神はまだ生きているが、もう立ち上がる事もしない。首を動かし護堂に目を向けてくる。

 

 

「このわしが人の子に敗れるか。ふん、このような結末になるとはな、つまらぬものだ」

「そんな状態になっても上から目線なのは少し尊敬するよ。神様は意地っ張りだな」

 

 

 勝敗は決した。神王は倒れ、護堂はまだ神獣程度なら軽く滅する余力を残している。もはや神が消えるまで少ししか、時間も無い。両者の間にあるのはどこかあっさりとした言葉の応酬。敗者と勝者のやり取りなどその程度だ。メルカルトと護堂の間に縁など存在していなかったのだから。だから両者に言葉をかけるのはどちらにも相応の繋がりのある彼だけだ。

 

 

「情けない姿じゃのメルカルト、とは言わぬよ。素晴らしい戦じゃったわ」

 

 

 風が渦巻き護堂の髪を僅かに揺らす。微風が止んだ時には護堂のすぐそばにウルスラグナが佇んでいた。軍神が掛けてくるのは称賛の言葉、少年は本気で今の戦いを褒め称えていた。

 

 

「ぬかせ軍神、貴様の言葉などどのような内容であろうと何の価値もないわ」

 

 

 ウルスラグナの言葉が気にいらないのか、つまらなさげに吐き捨てるメルカルト。護堂としてもこのタイミングでウルスラグナが参入してきた理由を問う。

 

 

「……てっきりメルカルトとの闘いに乱入してくると思ってたんだが、見てただけなんだな」

「うむ、メルカルトめは我の強敵と見定めていたものじゃと言うのに、横取りされたのは如何せん残念じゃがの。だからと言って一対一の争いに介入するほど無粋ではないつもりじゃ」

「じゃあ、あんたとメルカルトの戦いに横槍を入れた俺は、かなりつまらない男ってことだな」

 

 

 じゃのうと言って足元の石を蹴りながらクツクツと嗤うウルスラグナ。そのやり取りを見ながら息をゆっくり吸い、吐きだし呆れたため息をつくメルカルト。敗北した以上神王も言い訳などするつもりはない。とはいえ相打った軍神と自らを降した人の領域を逸脱した人間。死闘を繰り広げた者達が自らを無視して話込んでいるのはいささか不服だ。

 

 そして何よりも面白くないのは己が人に敗れた以上、あの儀式が行われる事だ。それに思い至っていないのか、草薙護堂とやらとウルスラグナは話をしている。ひょっとしてだが、この軍神物忘れが激しいのではと内心小馬鹿にする。けれども、それもすぐに消え去る。残るのは諦念のみ。

 

 

「全てを与え、育ませる魔女め。貴様が直接出向くとはな、うっとうしい女神が」

「ずいぶんなご挨拶ですね、メルカルト様。私は全ての神殺しの母、であるならば新たな息子の誕生を直接祝福するのは当然の理ですわ」

 

 

 甲高いソプラノであった。だと言うのに耳に響く事のない甘く可憐で不思議な声色。結局今回の騒動の原因9割方おまえのせいじゃねえかそのせいでこんなに服がボロボロだよどうしてくれんだ、じゃから関わるんなと言うたじゃろうにお主かなり愚か者じゃのうとやりとりしていたウルスラグナと護堂がその声と突如出現した気配に喧嘩するのを止め、声の主にふりかえる。

 メルカルトの傍らに一人の少女が立っていた。淡い桃色の髪をツインテールに結び、顔に微笑を張りつけた女の子だ。容姿は一言でいえば整い過ぎている。あまりにも精工に形作られたお人形と紹介されても信じてしまいそうな容貌、非人間的な細工物。何よりもおかしいのは中学生ぐらいにしか見えないのに彼女からは女性らしさを感じる事だ。胸の膨らみも小さく、背丈も護堂の胸辺りまで。それでも女だと意識してしまいそうになるのは彼女が女神だからに他ならない。護堂もこのタイミングで顕れた女神の正体を推察し、名を口にする。

 

 

「えっと、あなたは……パンドラさんですか? 」

「ええ、そうよゴドー。あなたとメルカルト様の大戦を不死の領域から観戦させてもらったわ。色んな子を見てきたけど、純粋に強さだけで打ち勝ったのはあなたが初めてよ、やったわね! 後ゴドーが私を呼ぶときはパンドラさんなんて他人行儀に呼ばずに、お母さんかママでいいわよ! 」

 

 

 妙にハイテンションな女神にこんな神様もいるんだなあと、メルカルトやウルスラグナとは全く違う在りかたに多少戸惑う護堂。戸惑っているうちに事態は進んでいく。

 

 

「さあ皆様、この子に祝福と憎悪を与えて頂戴! 7人目の神殺しーーーー最も若く人類史において最大の怪物に、神殺しになる事が決定付けられていた超越者に聖なる言霊を捧げて頂戴!! 」

「草薙護堂よ、わしを弑逆した以上負けることは許さん。何よりもそこな軍神に決して敗北するな! 」

「では我も祝福の言葉を贈ろうとするかの、……お主は輝かしい勝利をその手に掴み取った。我らの新たな敵よ、お主の次なる敵は我よ。汝は強い、ゆえにお主の傷が癒えた暁には我は挑戦者として挑もうではないか! 」

 

 

 メルカルトは勝者としての義務を果たせと言う。ウルスラグナは護堂こそが求める強敵に他ならないと嬉しそうに笑う。そしてパンドラは

 

 

「あれ?あれれ?どうして?だって、こんな、ありえないわ。どうしてゴドーにメルカルト様の神力が流れ込んでいないの! 」

 

 

 妙に焦っていた。その反応に二柱と一人がん?と首を傾げる。確かにパンドラの言葉通り、神殺し生誕の暗黒祭が行われているなら、メルカルトから護堂に神力が流れ込みカンピオーネに生まれ変われさせるはずなのにそれが一切起きないのだ。

 

 

「あのー、パンドラさん。確か人が神を殺すと権能を奪う事が出来るんですよね。でもメルカルトに力が残っていないなら、俺に権能が宿らないのは普通なのでは? 」

「ううん、それはありえないの。メルカルト様の神核が欠けていたりしたならまだしも、ゴドーと戦った時には完全な状態だったのだから。事実簒奪の円環は回っているのにどうして……」

 

 

 ありえない事態に困惑気味な女神。この後の出来事は語るまでもない。この時点からでは未来の事になるが祐理に護堂が語ったように、護堂の内包する呪力が巨大過ぎたせいで神殺し転生の儀式を無効化してしまっていたのだ。その真実にウルスラグナがいの一番にたどり着き、笑いのツボに入ったのか腹を抱えた。メルカルトは忌まわしい魔女があたふたしている光景に満足げな表情を浮かべ、ほどなくして消えた。パンドラも護堂に例え神殺しになれなくても、あなたは私の息子よ!などと誤魔化しながら不死の領域に帰ってしまった。

 

 

「先ほども述べたがメルカルトは我の探し求めた強者じゃった。それをお主が奪った以上、我は主に神罰を降さねばならん」

「だったら今すぐやってみるか?俺はまだまだ余力を残しているぞ」

 

 

 パンドラもいなくなり、元遺跡に残った護堂とウルスラグナがお互いに敵意を放つ。六道にはなれなくともいまだ護堂は仙人モード、勝つのは無理でも死に物狂いで抗い逃げに徹すればなんとかなるぐらいには力も残っている。

 

 

「安心せい、今のお主とやりあうつもりはないわ」

「……そりゃまた、なんでだ? 」

「うむ、良くぞ聞いた。実の所のう、我は敗北とやらを知ってみたいのじゃ。あまたの戦場で数々の勝利を拾ってきたが、そのせいで負けた事がなくての。じゃから一度くらいはそんな経験をしてみたいのよ。そんな折にこの島で眠っていた神王と戦えたのは僥倖じゃった。メルカルトとの決着をつける事が出来たかったのは残念ではあるが、あやつに勝利したお主なら我と相手として不足はない。じゃが今は明らかに消耗しておる。ゆえに我は主の体力が戻るまで戦わぬつもりじゃ! 」

「つまり喧嘩するなら六道仙人モードの俺とやりたいって事か。バトルマニアめ」

 

 

 神の澄んだ瞳と人間の十字目が交差する。もはや護堂とウルスラグナとの戦闘は避けれない。最もメルカルトを滅ぼすと決めた時点でこうなる可能性は十分に考慮していた。それでも避けれるなら避けたかったが、ここまでウルスラグナの興味を惹いた時点でそれは不可能だ。これで軍神と護堂の縁は確実な物になった。にらみ合いも十数秒で終わり、互いに目を逸らす。ウルスラグナが風と成り、この場から立ち去っていく。本当に護堂の体力や呪力が戻るのを待つつもりなのだろう。感知能力でウルスラグナが遠くまで離れたのを確認した護堂は、この場所に小さな呪力が近づいて来るのを知覚する。その存在に対して僅かな微笑を取ったかと思うと、いつもの眠そうな顔つきになった護堂はゆっくりと目を閉じて、その場に倒れ伏すのであった。

 

 

 

 

 

 --------------------

 

 

 

 

 

 護堂が捉えた小さな呪力。その正体はエリカだ。混乱から覚めたエリカは遺跡を目指そうとしたのだが、メルカルトが倒れるまで残っていた嵐の影響で物理的に近づけなかったのだ。嵐も収まり障害が無くなった今エリカを妨げる物はない。全速力で最後に巨大な呪力が感じ取れた場所を目指す。

 

 足の筋繊維が断裂仕掛けるほどに力を籠めて前に体を蹴りだす。そのおかげか常人なら一時間はかかる道のりを五分程度で走破する。到達したのは巨大なクレーター、そのクレーターの中心部辺りに人が横になっている。ウルスラグナが立ち去った直後に倒れた護堂だ。

 

 

「護堂! 」

 

 

 エリカが駆け寄る。まさか死んだのかと心配になったからだ。けれどもその心配は無用であった。護堂はただぐっすりと寝ているだけなのだから。ウルスラグナがいる間は気を張っていたので自覚していなかったが、体力お化けの護堂も六道化が解除されるまで維持したのは久しぶりな上、消耗の激しい景門からの驚門を使う連続技を使用したことで一気に疲労が溜まったのだ。傍まで寄ったことで、エリカも護堂が眠りこけているだけなのに気づき安堵の息を漏らす。

 

 

「あなた本当は、これだけの被害を出せるだけの力を隠していたのね。とんでもない人ね! 」

 

 

 護堂とメルカルトの戦いによって森は跡形もなくなり、遺跡も護堂の初撃でこの世から消し飛んだ。この場に残留する呪力だけでも、エリカが一生かけても生み出せない。桁が文字通り違う者たちの戦の規模など想像も出来ない。

 

 

「それにあなたが生き残っている以上、神を殺めたのね。…………まさかカンピオーネの誕生に居合わせてしまうなんて、思いもしなかったわ……」

 

 

 護堂の側により屈みこみながら、震える声で呟く。今はこんこんと眠り、エリカに至近で顔を覗かれても反応すらしない新たな王。こんな無防備な姿を晒している少年が、先ほどまで神と死闘を繰り広げたとは到底誰も信じないだろう。

 

 その姿を見て、エリカは少しばかり逡巡した後護堂の頭を持ち上げ、自分の膝の上に乗せる。流石にこれ以上カンピオーネを硬い地面の上で寝かすのも悪いと思ったからだ。それに護堂は今日のMVP、神を斃した最大の功労者だ。これぐらいの褒美や見返りの一つくらいはあっても良いだろう。

 

 

「それにしても、一体どうして護堂はメルカルト様と戦ったのかしら? 確かにあれだけの凄い力を隠し持っていたのなら、勝算は十分にあったんでしょうけれど」

 

 

 眠っているあなたに聞いても答えれないのに何を聞いているのかしらねと、護堂が神殺しに挑んだ理由そのものがおかしそうに笑う。

 

 エリカは一つ考える。この少年はどんな魔王になるのだろうと。カンピオーネになる前から人知を超えた領域に踏み込んでいた別格の怪物。神話の中の住人を殺せる護堂。ヴォバン侯爵のような暴君になるだろうか、それともスミスのような正義よりの神殺しだろうか。なんとなくだが今までとたいして変わらないように思えるのだ。膝の上で何が嬉しいのか、眠りながらも目尻の下がったにやけ面を見ていたらそうとしか考えられない。

 

 高揚感に任せ、護堂の頭を撫でながら思考を纏めていく。護堂が起きたら聞きたい事は山ほどある。どんな質問をしてやろうかしらと、意地悪な顔をするエリカ。

 

 

「だから早く起きなさい。私は鈍くさくて遅い人を待つのは苦手なのよ。待たせたりしたら承知しないんだから」

 

 

 六道の王は初恋の人の膝で死闘の疲れを癒すため眠り続ける。空は黒から青に染まり、長かった夜も明けようとしている。しかしながら、彼の戦いはまだ始まったばかり。権能は手に入らなかったが、護堂が神を殺せるのは事実。であるならば、彼の闘争は終わらない。この世にはきっかけさえあればまつろわぬ神が出現する。彼らが振り撒く災厄の被害者の中には、もしかしたら護堂の知人や友人が含まれるかもしれない。その可能性があり、なおかつ護堂にはそれを事前に防げるのが証明された。であるならば神が顕れたなら今回のように護堂は首を突っ込んで行き、最終的には神を滅ぼすだろう。この後にはウルスラグナとの闘いも迫っている。しかし今は休んでもいいだろう。後頭部に感じる柔らかさに眠りながらも、護堂は満足げな寝息を漏らすのであった。

 

 

 

 

 

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 これで二人の出会いの物語は終了だ。この後に待っているのは護堂と軍神の決戦の物語。次はこれを語ろうと思うのだが残念、時間のようだ。何の時間かって?忘れちゃいけない、このお話は密事を詳細に語るわけにもいかないから、その代わりとしての物語だ。つまり護堂とエリカの求め合いもようやく終わったと言う事だ。なので私としても少々残念だが、この辺りでしばしお別れだ。私の語りは拙く、枝葉末節を省いたものだから少々皆様を混乱させてしまったかもしれない。唯一つ言えるのは、今現在の護堂とエリカには確かな絆があること、これだけは間違いない。なので今度は現在に時間を戻し、今の二人の話をしよう。

 

 私は次の回想までしばし休息を取るとしよう。ではまた会う日までさようなら。

 




<輪墓>
最大使用可能時間1分。再使用には影の数×1時間必要。1体使えば一時間、最大数
である4体なら4時間必須。

<護堂の形態による強さの差>
通常護堂:NARUTO原作58巻付近の仙人ナルト。仙人護堂:輪廻マダラor仙人柱間。
六道護堂:六道マダラや青年ナルト・サスケ。


これで原作3巻の内容は終了。

ウルスラグナ戦及びドニ戦は11巻の内容なので当分先の話となります。幕間を二つ書いてから三章の予定。ようするにやっと恵那回です。

ここからは今回7000字強と短かったのでおまけ。もしもNARUTOの能力が完全な状態で残っていた場合のメルカルト戦をちょっとだけ書きました。






 大気を引き裂いた稲妻は真直ぐ護堂に向かう。しかしながらそれが当たることはない。
避けたわけでも、防いだわけでもない。護堂の体を稲妻がすり抜けたのだ。その結果に
眼を向くメルカルト。今のが見間違いではないかを確かめるために、続けざまに雷を解き放つがすべて護堂の体を通り抜けていく。

 その結果をつまらなさそうに見る護堂。こうなるのが分かっていたとでも言いたげな顔を神王に取る。もういいやとばかりに多重影分身を発動、護堂の数が千人ほどまで増殖する。しかしここで終わりではない。護堂たち全員が完全体須佐能乎を発動し、須佐能乎の軍団が攻撃態勢を整えていく。ものの10秒で世界を数回滅ぼしてもお釣りがでる、最強の軍隊が地上に舞い降りた。

 そんな光景にメルカルトが棍棒を下す。ただ察したのだ、これはどうしようもない事に。諦め闘いを放棄した神王が須佐能乎達の放った尾獣玉螺旋手裏剣の雨に飲まれて消えるまで五秒となかったのだった。





<完全版六道護堂の倒し方>
①求道玉と須佐能乎を破壊できる攻撃が使えること。
②無限イザナギを攻略できる概念系能力を有する。
③すり抜けを無効化できる攻撃手段が必須。
④六道の消耗制限もないので、無期限に打たれるインドラの矢や真・尾獣玉螺旋手裏剣を防げる事。

 とこんな糞ゲーと化し裏ボス性能になる。


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。