六道の神殺し   作:リセット

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文字数が多くなり読みにくかったので分割しました。


13話 ~仙人~

「あなたどうしてここにいるの…」

 

 

 呆然としたエリカの呟き。もう会うこともないだろうと思っていた少年。神獣が二体いるのに、相も変わらぬ眠そうな顔。

 

 

「どうしているのかって言われたら、エリカを追って来たんだよ。それよりもボロボロじゃねえか、なんでそんなになってまで頑張ってるんだよ」

「ここで私が引いたら町が壊滅するからよ…それよりも神獣が複数いるのに出てくるなんて何を考えているの。今すぐ逃げなさい!」

 

 

 そう言って護堂を守るように立つエリカ。護堂の事は嫌いだが、さりとて危険に巻き込むつもりはない。それがゆえの行動だった。そんな彼女の横に護堂が歩いてきて隣に立つ。

 

 

「何をしてるの、いいから早く…」

「そんな状態のエリカを置いて逃げたら来た意味がなくなるから駄目だ」

「あいにく私はあなたに心配される筋合いはないの!」

 

 

 そんな彼女を見ながら護堂はため息を一つ。

 

 

(ルクレチアさんが心配するわけだ、本当に無茶する奴だな)

 

 

 そう心中で呟き、眠そうな顔に少しばかり呆れが混じる。

 

 

「何よその顔は、何か言いたいことがあるなら言葉ではっきり伝えたらどう」

「そうだな、じゃあ直接伝えよう。お前もう呪力が残ってないんだろ、それなのに戦おうなんてあほか。下がるんだ」

 

 

 護堂が投げた太刀に手をかざし、磁力で手元に引き寄せる。それを掴み取り神獣達に向ける。護堂の顔が僅かに眠そうな顔から変化する。それは彼があまり普段は見せないある感情の発露。静花や一郎ですら見たことのない表情。その表情にエリカが息を呑む。この少年が眠そうな顔以外出来るのに驚いたのだ。

 

 

「確かに呪力は空ね、けれどそれがどうかしたのかしら。今の私にはまだ闘志があるわ、なら戦えるという事よ!」

「…言ってもさがらないか、本当に無茶と言うか、意地っ張りと言うべきか。…なら共同戦線だ、あっちは二匹、こっちも二人。それなら文句無いだろう」

「あなたみたいな素人の手が増えた所で邪魔なだけよ、少し魔術を齧った程度でどうにかなる相手ではないの!」

 

 

 その言葉に護堂が少し首を傾げる。そして思い至った。カリアリで護堂は猪に不意打ちで手傷を与えたが、彼女が追いついたのは護堂が目を潰した後。その後も護堂は自分が神獣を瞬殺可能な実力を持ち合わせている事を彼女に伝えていない。エリカは護堂が話しかけると不機嫌になるので、必要な情報交換以外の会話があまり無かったのだ。そのせいでエリカは護堂の実力を見誤っていた。

 

 

「あー、なるほどね。まあ、その辺りは大丈夫だろ。後さ、急で悪いんだけど少し手を握るぞ」

「何をするつもりなのかしら?」

 

 

 エリカが訝しむように護堂を見る。護堂が何をするのか怪しんだのだ。けれども神獣達は今はいきなり現れた護堂を警戒して何もしてこないが、いずれは動き出す。その前に無理矢理にエリカの手を取る。

 

 

「ちょっと何を…」

「いいから、すぐに済む」

 

 

 護堂がエリカを見つめながらの返答。その顔に浮かんだ真面目な表情にエリカが珍しく気圧される。そしてすぐに護堂が何をしようとしたのかを理解した。尽きていたはずの彼女の呪力。空の筈の器。それが満たされる。護堂がエリカの性質に合わせて自らの呪力を練り、手を通して渡したのだ。ついでにエリカの傷も治す。

 

 

「護堂、あなたこんな事が出来たのね。けれどこんなに渡したらあなたの呪力がなくなるわよ」

「それなら問題ない、まだまだ余力はある」

 

 

 護堂の言う通りだ。エリカにいくら渡しても護堂の呪力が尽きる事など無い。エリカを己の呪力で満たした護堂は今度こそ本気の敵意を神獣に向ける。それは一つの結果を生む。護堂の黒目が十字へと成ったのだ。流石に護堂もエリカを守りながら神獣を二体同時にするのは少し骨が折れる。なので楽をする為に仙人モードを発動する。六道仙人モードは使わない。神獣相手ならあれを使うまでもないからだ。仙人モードでも護堂の自らを自壊させる程の力、その一端くらいは使えるようになる。

 

 

「えっ…」

 

 

 エリカの驚きは当然だった。先ほどまで自分の実力を過信した少年が無謀にも横槍を入れに来たと思っていたのだ。それが覆された。横から見た護堂の目が形を変えたと思ったら、彼の体からエリカの数百倍以上の呪力が迸ったのだ。その苛烈な力に神獣達が身構える。目の前にいるのが哀れな人間などでは無い事にようやく気づいたのだ。けれどもその判断は少しばかり遅い。こうなる前に逃げるべきだった。既に護堂は神獣を敵とした。ならこの二匹に待つ未来は一つだけ。後は少しでも抵抗して長引かせるか、諦めて首を差し出すか。選べるのはそれだけだ。

 

 

「どっちも宙に浮いてる以上あそこまで行くしかないか。エリカは空中戦は出来るか?」

「…その言い方だと護堂はやれるのね。残念ながら宙を行く魔術は会得していないの」

 

 

 先ほどまでの刺々しさがエリカから消えている。そんな反応にやっと大人しくなったかと心中で呟く護堂。だがエリカは別に護堂に気を許したわけではない。その異常すぎる力の奔流に圧倒されたのだ。それがゆえの大人しさ。

 

 

「そうか、ならメインは俺がやる。まだあいつらに立ち向かうならほとんど出番がなくなるけど、別に構わないな?」

 

 

 素直にこくこくと頷くエリカ。彼女もようやく護堂のあの眠そうな顔が覇気の無さではなく、ある種の余裕から来ていたことに気づいたのだ。エリカの腰にすまんと言いながら護堂が手を回す。何をするのとエリカが文句を言う前に二人が空中を飛ぶ。護堂とエリカ、二人が初めて力を合わせた戦いが始まった。

 

 

 

 

 

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 エリカを連れた護堂は術を行使。途端神獣達の周囲に変化が起きた。先ほどから山羊の手によって降り注いでいた豪雨。それらが冷えて固まり、何十もの氷の板になり取り囲んだのだ。その板の一枚に護堂が降りる。

 

 

「これなら足場代わりになるだろ」

「こんな規模の術をやすやすと使うだなんて。それにこの呪力、もしかしてあなたカンピオーネなの?…護堂自身について後でたっぷりと教えてもらうわよ。…くるわ!」

 

 

 二人が氷の上に降り立つのに合わせ、様子見していた神獣が動いた。山羊が先ほどのように上空の雷雲から雷を解き放った。それは周囲に浮いた氷を砕き、エリカと護堂を襲う。しかし雷は届かない。護堂の体から青紫の何かが放出され、一つの形を取った。骸骨だ。人間の上半身部分だけを模した青紫色の骸骨が二人を覆ったのだ。須佐能乎の簡易発動。それが雷を防ぎ、二人を心臓を守るように外敵の脅威から保護する。お返しだと骸骨の手に呪力で構成された勾玉が現れる。数は三つ。それが呪力の糸で結ばれ数珠状に繋がれた。それを山羊に向けて投げつける。山羊に飛来し撃ち落さんと飛んだ勾玉だが、その横から竜巻が飛んできて阻まれる。鳳が山羊を助けたのだ。

 

 

「二匹もいると面倒くさいな」

 

 

 神獣を相手にしながらの護堂のぼやき。流石に二匹同時は護堂でも難しいのだろうか。そんなわけがない。護堂は仙人モードを使っている。この状態の護堂の最大火力なら今の妨害ごと山羊を滅する。だが護堂はすぐにこの獣どもを潰す気は無かった。護堂本人もなぜなのか分からないが、エリカがボロボロになっているのを見た時にほんの僅かにだが頭にきた。先ほどの護堂の表情、そこにあった感情。それは怒りだ。護堂は滅多に怒る事がない。彼は基本的に呑気で大らかな性格だ。偶然とはいえ自らに宿りし異能の力、これと向き合い過ごした経験と僅かとはいえ前世の記憶があったことでこのような性格が形成された。そんな護堂が珍しく怒りの感情を何かに持った。その感情がこの神獣たちをすぐには殺させない。さんざん甚振ってから潰す。そのような凶暴な作戦を無意識の内に立てたのだ。そう先の面倒との言葉は雷を当てようとした山羊をボロ雑巾に変えたいのに、それを邪魔する鳳が鬱陶しいと発言したに過ぎない。

 

 

「護堂でも流石に二体同時相手は辛い?」

「んー、それは無いけど。…仕方ない、先にあの鳥から叩くか」

「なら私は山羊の相手をするわ」

 

 

 エリカの発言に護堂が難色を示しそうになる。けれど止めた。なぜなら先ほど護堂自信が共同戦線と言ったのだ。それをいきなり止めたら、せっかく態度を軟化させたエリカがまた意地を張るかもしれないからだ。

 

 

(さっさと鳥を倒して合流すれば良いか)

 

 

 考えを纏め、エリカを残し護堂が鳳に飛び掛る。氷の板から飛び出した護堂は一気に鳳に接近。そんな護堂を地に落とさんと巨大な翼を広げ風を起こし、宙にいる護堂を狙い何度も叩きつける。並の人間なら飛ばされ自らを弾丸とし、地面に赤い染みを作るだろう疾風。それに対して護堂は自分も風を操りぶつけ相殺する。ついに鳳に近づいた護堂が顔目掛けて拳を叩き込む。鳳は逃げようとしたのだが、護堂が速過ぎたせいで避ける間もなく顔面を打ち据えられる。

 

 

クアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!

 

 

 絶叫。喉が破れんばかりの悲鳴を上げる。顔を振り護堂を追い払おうとするがその度に何度も顔を殴られる。一方的に護堂は殴り続ける。鳳もすぐに逃げようと体を動かすが、仙人状態の護堂の速力は鳳の速度を上回る。明らかに護堂優勢。だが護堂は何が気に入らないのか少し不満そうな顔になる。護堂が不満に思ったのは鳳は護堂より遅いが、それでも鳳が逃げようとするたびに先回りして動かなければならないのが気に入らなかった。その為護堂は鳳の機動力を先に削ぐことにする。鳳の背中に飛び移ったのだ。

 

 鳳の背に飛び乗った護堂は大太刀に呪力を集中。太刀を核に長大な風の刃を形成する。それを感じ取った鳳は宙で回転し護堂を振り落とそうとする。けれども落ちない。護堂が足に呪力を纏わせる事で張りついているのだ。

 

 護堂が風の刃を振るう。一振り、それで音もなく鳳の片翼が断たれた。羽が片方切り落とされた事で鳳が降下を始める。その鳳に護堂は背から離れる前に更に術を使う。落ちていった鳳は見た目には何も起こっていない。だが地面に衝突した瞬間にその大きさからは想像できないほどの音を轟かせる。護堂が鳳の肉体を重くしたのだ。その結果鳳は今の衝突で羽があっても、もう空を先ほどのように飛ぶだけの力を持っていかれたのかぐったりとしている。だが護堂はまだ攻撃の手を緩めない。

 

 既に動くだけの気力もない鳳、その周囲の地面が隆起し大きな手をいくつも形作る。その手が鳳を絶対に動けないよう拘束していく。拘束された鳳の前が更に隆起、そこから巨大な人影が飛び出た。大仏だ。木で出来た大仏が飛び出してきたのだ。大仏が鳳に圧し掛かる。マウントボジションだ。そんな態勢を取ったらする事など一つだ。大仏が鳳の顔面を殴りつける。更にもう一発。何度も何度も殴りつける。鳳は嫌々をするように体を捩ろうとするが、片翼がなく岩の手に捕まっている今抵抗すら出来ない。大仏が最後の一撃と言わんばかりに振りかぶり拳を打ち下ろす。鳳の顔面が砕ける。それを最後に全身をびくりと痙攣させ鳳が沈黙した。鳳が動かなくなったので護堂も術を解き、岩の手と大仏が地面に帰る。

 

 

「よし、まずは一匹」

 

 

 そう呟き今度はエリカと交戦している山羊に飛んでいく。エリカは氷の板を蹴り付け山羊の回りを飛び回り、雷が当たらないように上手く応戦していた。

 

 

「おお、すげえ。俺も負けてられねえな!」

 

 

 護堂が手に呪力を集中。螺旋丸が作られる。その螺旋丸に護堂がもう片方の手を添え、風の性質を与えると同時に形を球体から変化させる。螺旋丸を中心にその周りを手裏剣の形状を取ったのだ。風遁・螺旋手裏剣だ。それをエリカに当たらないように軌道を考え、山羊目掛けて投げつける。エリカに集中していた山羊は自らに迫る脅威に気づくまもなく、大きな角を螺旋手裏剣に切り落とされた。

 

 角を折られた山羊は自らに攻撃した存在、すなわち護堂の方を見る。山羊に目に映るのは異様な敵意を放つ護堂。山羊は鳳がいないことを不思議に思った。エリカに夢中で何があったのか気づいていないのだ。ちらりと下を見やる。エリカも山羊の攻撃が止まったので飛び回るのを止め、同じように山羊の視線を追う。両者が見たのは頭が砕かれ、片翼のない血みどろになった鳳。それを行ったであろう護堂の方に目をやる。山羊の目に知性以外の何かが宿る。それは恐怖。先ほどまで同じ神から生まれ協力しあっていた鳳が無残な姿にされた。鳳をあんな姿にしたものが敵意を向けてくることに恐怖を覚えたのだ。すぐにその場から離れようとするが、それを護堂が見逃すわけがない。

 

 護堂が地面に指を向ける。地面からまた何かが飛び出してきた。今度は木製の龍だ。それが空に駆け上がり、逃げようとした山羊に蛇のように絡み付き動けなくしてしまう。全身を暴れさせ、雷を放ち振りほどこうともがくが、暴れれば暴れるほどきつく締めあげられる。山羊の体を動けないほどに締め上げた木龍が山羊の首に噛みつく。なんと首筋から木龍が呪力を吸い始めたではないか。呪力を吸われた山羊が木乃伊のように干からび、しわくちゃになった後吐き捨てられた。吐き捨てた場所はもはや死体同然の鳳の上。二体の神獣が重なり合う。

 

 一方的な光景、もはやこれは戦闘ではない。虐殺、そんな単語しか連想されない。そんな光景にエリカが恐ろしいものでも見るかのように護堂に視線を向ける。その視線を受けた護堂が少しばかり悲しい気持ちになる。

 

 

(…なんで俺は今悲しいと思ったんだ?)

 

 

 自分の感情に疑問を持つ護堂。護堂自身はまだこの時点で自分の中の感情に気づいていない。それがゆえの疑問。とはいえこの感情に対して護堂が答えを出すのはもう少し先の話だ。

 

 二匹とももはや動く事も叶わない。これで神獣と護堂の戦いは決した。余りにもあっけない結末。だが護堂はまだ戦い足りない。彼の怒りが収まらないのだ。普段抱かない感情が護堂の戦意をいまだに維持させる。その怒りを武器に護堂が天に手を向ける。彼の手に紫電が纏わりつく。それだけではない、彼の手が向けられた空に変化が起きる。山羊が呼び込んだ積乱雲、その中から何かが顔を出す。雷の龍が雲から顔を出したのだ。その龍の視線の先にあるのは重なり合った神獣たち。積乱雲に干渉した護堂が放つのは麒麟。抵抗する力すら残っていない神獣たちに仙人モードで使える中でも高火力に位置する術を使うつもりなのだ。

 

 東京ドームを焦土にする程の火力。死に体の神獣への追撃に使うには過ぎた代物だ。それを躊躇いもなく護堂が使おうとした時に雲が散り散りになった。雲が吹き飛んだ原因は先ほどまで元気に動いていた鳳が起こしたのによく似た竜巻。竜巻が雲を吹き飛ばし降下して来たのだ。雲が散ったことで護堂の麒麟も消える。その竜巻が狙うのは二匹の神獣。

 

 

「神獣が出るところには少年が必ず目撃される。…やっぱり来たか! 」

 

 

 護堂の視線の先で竜巻に変化が起きる。轟轟と言う唸りが緩やかになり徐々に竜巻の勢いがなくなっていく。その中から一本の巨大な黄金の剣が姿を顕現する。黄金の輝きが動きもしない神獣たちを貫いた。貫かれた神獣が光の粒子になり、剣に吸収される。神獣を刺し貫き吸収した黄金剣が解けて、また竜巻に変化し空に浮かび上がりどこかに飛んでいく。それをただ見送る護堂。神獣が死んだ時点で彼が戦う理由はなくなっている。そして今の竜巻、その正体は護堂が数時間とは言え一緒に遊んだ少年。それを攻撃する気は彼にはなかった。

 

 

 

 

 

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 これで護堂とエリカの出会いの話ようやく前半の終了だ。この後エリカは護堂に多くを尋ねる。彼女が一番聞きたかったのは護堂がカンピオーネなのかどうかだ。けれどもこの時点では護堂は神を殺したことなど一度もない。護堂は逆に尋ねた、カンピオーネとは何なのかを。それで護堂もこの世界には神を殺せる人間がいるのを知る事になる。それを聞いた護堂は自らの力は権能ではなく、エリカに最初に話したように六道仙術である事を教えた。エリカは信じられないと反応したが、護堂が嘘をつく理由が一つもない。それを理由に彼女も無理矢理に納得することにした。

 

 だが護堂はこの時点で一つ嘘を吐いた。自らの力が先ほど見せた仙人モードの出力程度だと話したのだ。なぜ彼がそんな虚言を弄したのか。それはエリカが僅かに垣間見せた怯えの目。それが護堂に真実を話すのを躊躇わせた。仙人モードの力ですらエリカは護堂に恐怖の感情を少しだが向けたのだ。それですら全開ではなく、真の全力、すなわち六道仙人モードに対してエリカがどんな反応をするか。それを考えた護堂は話す気になれなかったのだ。

 

 嘘をついた護堂は真実を話さなかった代わりにルクレチアから聞いた神の名をエリカに伝えた。またこの時にルクレチアからエリカを頼まれた事も彼女に話した。護堂はエリカが怒るかと思っていたのだが、案外大人しくその言葉を聞き入れた。彼女も自分一人ではあの場で死んでいたのは自覚している。そしてエリカは護堂が自分よりも優れているのはその目で見て確かめた。協力者として見れば護堂は破格の力の持ち主だ。ゆえに護堂の協力を断る理由もなく別れたはずの二人は共に行動することになる。

 

 エリカの中では護堂はまだ力を持っているだけの存在。そんな彼女の意識が変わるのは、まつろわぬ神に出会い己の誇りが砕けた後。護堂の決断とその想いを知った時だ。その辺りの話は次に語るとしよう。ではしばしの休息を


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