キャラ崩壊、独自設定含みます。
○○鎮守府、一五〇〇ーー
駆逐艦寮、談話室ーー
松風「にらめっこしましょ〜♪」
藤波「笑うと負けよ〜♪」
朝風・山風『あっぷっぷ〜♪』
談話室でにらめっこをしている仲良し四人組。今日はそれぞれ時間が一緒に空いたため、みんなして酒保でおやつを買って食べるところなのだが、半端なのが出たのでにらめっこにてそのあまりを争っているところ。
因みに朝風と山風、松風と藤波はそれぞれ同時期に着任したので、型が違う中では一番の仲良しなのだ。
松風「…………」プクー
藤波「…………」プックー
朝風「…………」ジーッ
山風「…………ふふっ」
にらめっこで最初に脱落したのは山風。それに釣られるように藤波、松風と笑ってしまい、勝者は朝風となった。
朝風「あは、やったね♪」ピース
山風「ふふふ、おめでとう」クスクス
松風「いやぁ、負けた負けた♪」アハハ
藤波「一人が笑うと緊張感が無くなってつい釣られるよね〜」イッヒヒ
こうして朝風があまったクッキーの一枚を手にしたが、みんな悔しさより可笑しさで笑顔が溢れていた。
ーー
みんなしてお茶とおやつを食べつつ談笑していると、朝風が何か思い出したかのようにとある話題を出す。
朝風「そういえば、にらめっこで思い出したんだけど、春風から司令官はにらめっこが強いって聞いたのよ。みんな知ってた?」
藤波「肉体的にも精神的にも強いのに、遊びも強いって……うちの司令官って何者なのよって感じ♪」アハハ
朝風の話に藤波は愉快そうに笑って返すが、対する松風と山風は少々硬い笑みを浮かべていた。
朝風「? 二人してなんでそんな顔してるの?」
藤波「なんか心当たりある感じ?」
藤波の問いに山風はコクコクと頷くと、いつものようにゆっくりとその理由を話し始める。
山風「えっと、ね……提督がにらめっこ強いんじゃなくて、あたし達が弱くなっちゃう、って感じ、なの////」
藤波「山風達が弱くなる?」
理由を聞いた藤波は小首を傾げるが、一方の朝風は「あ〜」と何やら納得したような声をあげた。
藤波「朝風は今の説明で分かったの?」
朝風「まぁね〜……」ニガワライ
朝風が藤波にそう言うと、藤波はつい二人の顔を見比べてしまう。
そんな藤波に山風は「な、な〜に?////」とほのかに頬を桜色にさせ、松風は悟られないようにそっぽを向くもそれが答えになっている……が、藤波はイマイチ理解出来なかった。
すると朝風は「じゃあ答え見にいこ♪」と持ち前の行動力を発揮し、急遽提督の元へ向かうことにした。
山風はともかく松風は嫌がったが提督に会いたい気持ちが上回り、朝風にあっさりと連行されるのだった。
執務室ーー
朝風「かくかくしかじか、でやってきたのよ♪」
提督「ふむ、まるまるうまうまということか……」
提督に執務室までやってきた経緯を朝風が説明すると、提督はなるほど……と言うように頷く。
一緒に理由を聞いていた神通は何故かコクコクと深く頷いた。
朝風「てな訳で、早速松風や山風とにらめっこしてほしいんだけど、お願い出来るかしら?」
提督「あぁ、いいとも。強いかどうかは微妙なところだがな」ニガワライ
こうして提督とにらめっこすることになった松風と山風だったが、
提督「…………」
松風「…………////」ニヨニヨ
山風「…………////」ニヘヘヘ
開始前から勝負は決していた。
提督「その……私が強いという問題なのか? 二人は既に笑っているのだが……」
朝風「そうね……ごめん、司令官」ニガワライ
提督「まさか私はそこまで変な顔、なのか?」マッサオ
提督がそう言いつつショックを隠し切れずにいると、神通や松風、山風から全力で否定された。
それはそれで別の驚きが提督にはあったが、否定された提督はちょっと嬉しそうだった。
用事も済んだとこで、朝風達は提督と神通のせっかくの休憩時間を邪魔しては悪いと思い、急ぎ足でその場をあとにした。
提督「私がにらめっこが強いか……不思議な噂もあるものだな」フフ
神通「そ、そうですね……」ニガワライ
(私も提督とのにらめっこは勝負にならないです……////)
朝風達を見送りながら提督はそう言って笑うが、神通は他人事には思えずに笑って誤魔化すのだった。
談話室ーー
藤波「なるほどなるほど〜……LOVE勢だから司令官とにらめっこすると、つい顔が緩んじゃうってワケね」
談話室に戻ってきた朝風達。そして戻るやいなや藤波がそう言うと、朝風が「そそ♪」と笑顔を浮かべる。
朝風「まぁ、にらめっこってお互いに見つめ合うから、LOVE勢からしたら……ね〜?」チラッ
山風「だ、だってぇ〜……お顔近くて、ついにやけちゃうんだもん♡////」ポッポッ
松風「ぼ、僕は別に……////」
朝風「あんたが司令官のことを大好きなのはバレバレよ。そろそろ私達の前でくらいは素直になれば? あ、それともほら、あれ……『提督に素直になれないの会』にでも入る?」
藤波「あ〜、そういやそんな会あるね〜。今の松風には丁度いいんじゃない?」ニヤニヤ
松風「だ、だから僕は司令官のことなんて!////」
好きじゃない……そう言おうとした松風だが、本心がそれを止めさせた。
それによりみんなからは生温かい眼差しが容赦なく降り注がれ、松風は羞恥に耐えられずに隣に座る山風の背中に顔を隠す。
すると山風が松風の頭をそっと撫でた。
山風「恥ずかしがることない、よ? 提督は素敵な人だから、好きになるの、分かる」ヨシヨシ
松風「…………山風」
山風「私も最初は素直じゃなかったから、分かる……。でも、提督だから素直になれた。松風も提督が好きなら、その気持ちを隠さない方が、いいと思う」ニコッ
松風「…………」
LOVE勢の先輩たる山風の言葉で松風は気付いた。自分の気持ちに素直になる大切さが……。
朝風「ま、ライバルは多いんだし、これから頑張ってね〜♪ 春風と平等に応援はするから♪」ニシシ
藤波「藤波も同期のよしみで応援するよ〜♪ 夕雲姉も応援するけど、そこは許してね♪」テヘッ
松風「なんか複雑だけど、一応お礼は言おう……ありがと////」
山風「ライバルだけど、仲良くしようね?」ニッコリ
松風「あぁ、勿論さ」ニカッ
そう言って二人は力強い握手を交わすが、
藤波「少女漫画とかだと、山風みたいなこと言って虎視眈々と狙うキャラいるよね〜」ニヤニヤ
と藤波がちゃちゃを入れる。
山風「そ、そんなことしない!////」
朝風「そうよ! 山風は天使なんだから、そんな悪魔みたいなことしないわよ!」
藤波「あはは、分かってるって♪ ごめんごめん♪」
松風「そういう悪い冗談は言うもんじゃないよ?」クスッ
その後も四人は雑談に花を咲かせ、ほのぼのとした時間を過ごすのだったーー。
今日は藤波ちゃんの進水日なので、藤波ちゃんを登場させたほのぼの回にしました♪
因みに提督が鬼ごっこをLOVE勢とすると、わざと捕まる娘(提督に触れられたいから)と提督に追いかけられたいからニヤニヤしながら逃げる娘と分かれますw
誰がどのタイプかは読者様方のご想像に委ねます♪
という訳で藤波ちゃん、進水日おめでとう!
読んで頂き本当にありがとうございました!