キャラ崩壊、独自設定、ガムシロップ微量含みます。
○○鎮守府、一〇〇〇ーー
中庭ーー
提督「すぅ……はぁ……」
金剛「〜♡」デレデレ
本日は時間に余裕があるため、工廠へ行った帰りに一服をする提督。
そしてその隣には本日秘書艦である金剛が目をハートマークにして、そんな提督を眺めている。
今は比叡が訓練中、榛名と霧島は演習で他所の鎮守府へ出向いているため、金剛が提督を独り占め状態。
金剛もこんなチャンスは滅多に訪れないので、愛しの提督と腕を組んだり、用もなく呼んでみたりと二人きりの時間を満喫している。
「て〜とく〜♡」
「て〜とく〜♪」
「こんにちは〜♪」
そんな提督と金剛に声をかける者達がいた。
それはゴーヤ、呂、しおいの三名。髪の毛先から水が滴っているので、オリョクルを終えて埠頭から上がったところなのだろう。
提督「おぉ、三人共。お疲れ様……大事はないか?」
ろ「あったら連絡してますよ〜♪ だから問題ないですって♪」
ゴーヤ「中庭覗いたら、てーとくがいたから来ちゃった♡」エヘヘ
金剛「ワタシもいマスヨ?」ニコニコ
ゴーヤ「てーとくしか目に入ってなかったでち。ごめんあそばせ」ニコニコ
しおい「あはは……」コマリエガオ
お互い顔は笑っていても目は笑っていない金剛とゴーヤ。LOVE勢同士、やはり譲れないものがあるのだろうが、ここでおっ始めない辺りが流石である。
その一方で提督はハンカチで呂の顔を優しく拭いてあげているので、傍から見れば何とも温度差が激しい光景だ。
提督「よし、拭けたぞ。あとはちゃんと精密検査とシャワーを浴びるようにな」ナデナデ
ろ「は〜い♪ あ、ねぇねぇ、提督」クイクイ
提督「どうした?」
ろ「今日って何日だったっけ?」
提督「今日は四月十四日だ」
提督が呂の質問にちゃんと答えると、呂は「おぉ!」と言って手をポンッと叩く。
そんな呂にしおいが「日付けがどうかしたの?」と訊ねると、呂は「あのね……」と口を開いた。
ろ「今日はね〜、オレンジデーなの♪」
提督「あぁ、確かに今日はオレンジデーだな」
しおい「それって何の日? フルーツのオレンジの日なの?」
提督「オレンジデーはーー」
しおいの疑問に、提督は簡単に説明する。
『オレンジデー』
二月十四日の『バレンタインデー』で愛を告白し、三月十四日の『ホワイトデー』でその返礼をしたあとで、その二人の愛情を確かなものとする日とされており、オレンジまたはオレンジ色のプレゼントを持って相手を訪問する日のことである。
ろ「それとね、欧米だとオレンジが沢山生産されてるから、繁栄のシンボルになってて、花嫁さんがオレンジの花を飾る風習があるんだよ♪」
提督「確か欧米でオレンジは結婚と関係の深いものとなっているそうだな。前に読んだ小説でそのようなことが書かれていたよ」
ろ「そうだよ〜♪ 提督は誰かにオレンジのプレゼントするの〜?」
金・ゴ『』ピクン
呂の無邪気な質問にいち早く反応したのは金剛とゴーヤ。提督のことだからそんなことはないだろうと思う二人だが、それが数%でも自分の名を呼んではくれないかと、淡い期待をもってしまう乙女心なのだ。
提督「ははは、私にそのような相手はいないよ。仮にいたとしても馴染みがない風習だから、私の場合は忘れてしまって相手を怒らせるオチだろうな」
自虐的に返す提督にしおいと呂は「有り得そう」と笑うが、その隣の金剛とゴーヤは相手がいなくて嬉しいような、自分の名前が出てこなくて悲しいような……そんな複雑な表情を浮かべていた。
提督「ともあれ、今日がオレンジデーでも私には無縁だな」アハハ
しおい「オレンジデーって言われても分からなかったし、仕方ないね〜」クスクス
ろ「うぅ〜、なんかオレンジのお話してたらオレンジ食べたくなっちゃった〜」
ゴーヤ「ならシャワーを浴びたら酒保に買いにいく?」
しおい「無かったらオレンジジュースで何か作ろっか♪」
金剛「なら、ワタシにまっかせなサ〜イ♪」
金剛がそう言って胸をトンッと叩く。
金剛「ワタシがオレンジを使ったおやつを作ってあげマス♪」
しおい「え、いいんですか?」
ろ「いいの〜?」キラキラ
金剛「午後のティータイムのお茶請けを作る予定だったカラ、遠慮ナッシング♪」ウィンク
二人に金剛がそう返すと、二人は万歳して喜んだ。金剛は鎮守府でもトップクラスで料理上手なので安心なのだ。
ゴーヤ(ポイント稼ぐ気でちね。流石帰国子女の紅茶戦艦は抜かりないでち……)グヌヌ
対するゴーヤだけが複雑な心境だったが、
ゴーヤ「それじゃシャワー浴びたら執務室に行くでち♪」
と大人の対応でしおい達と共にドックへと向かうのだった。
金剛「ふふ……では準備して来マス♪」
提督「私も何か手伝うか?」
金剛「いえーー」ハッ!
提督は待っててほしいと伝えようとした金剛に電撃が走る。
大好きな提督にお手伝いさせるのは心苦しいが、今の好条件なら提督と二人きりで厨房に立てる上に自分が手取り足取り教えることが出来る……と。
金剛「是非とも手伝ってほしいネ〜♡」ギュッ
提督「心得た。足手まといにならないよう心掛けるよ」ニコッ
金剛「ハ〜イ♡ 了解ネ〜♡」
(足手まといになってくれることを期待してマース!♡)
こうして金剛は提督と腕を組んで戦艦寮の厨房へと向かうのだった。
戦艦寮、共同厨房ーー
金剛「準備はイイデス?」
提督「あぁ」コクリ
金剛「では先ず、薄力粉とベーキングパウダーを合わせて、ふるってくだサイ♪」
提督「こうか?」フリフリ
金剛「イエス♪ ではその間にワタシはこちらのマーマレードを滑らかにしておきマスネ♪」
金剛(テイトクと二人きりのクッキング♡ まるで新婚さんみたいデ〜ス♡)ニヨニヨ
それからも金剛は提督と楽しく料理し、もうルンルン気分でクッキングタイムを過ごすのだった。因みに金剛は何かと理由をつけては提督に引っ付いていた。
執務室ーー
そして料理を終えて執務室へ戻ると、ゴーヤ達がちゃんと執務室のソファーテーブルで待っていた。
金剛「オレンジマーマレードを使った金剛特製のパウンドケーキデス♪」
ゴーヤ「うわぁ〜……」キラキラ
しおい「美味しそ〜♪」キラキラ
ろ「(。✧Д✧)」
提督「焼き立てだから、火傷しないようにな」ニコッ
金剛「今アイスティーを淹れマス♪ 食べながら待っててくだサ〜イ♪」
こうして金剛と提督が共同で作ったオレンジマーマレードのパウンドケーキ。
ゴーヤや少し悔しそうにしながらもその味に舌鼓を鳴らし、しおいと呂はその美味しさに頬をほころばせるのだったーー。
今日はオレンジデーということで、それをネタにほのぼのなお話にしました♪
読んで頂き本当にありがとうございました!