他ネタ、ネタ、独自設定、ガムシロップ一つほど含みます。
○○鎮守府、一五〇〇ーー
戦艦寮、談話室ーー
日向「アイハブ瑞雲♪ アイハブ瑞雲♪ Oh……瑞雲万歳♪」
アイオワ「あはは♪ 最高〜♪」
ウォスパ「これは……面白いわね」クスクス
ビスマルク「何回見ても笑うわね」ウフフ
日向は海外艦の者達の前に立ち、両手に瑞雲を持って、ある曲に合わせて歌っている。本家とは大分違う上に日向の表情もポーカーフェイスなので、傍から見るとかなりシュールな絵だ。
しかも本家の振り付けとは違い、最後は両手の瑞雲を高らかに持ち上げるため、パッと見は新手の宗教に見えてしまう。
伊勢「……何してるのよ……」アタマカカエ
提督「楽しそうで何よりではないか」フフ
そんな中、提督と伊勢が談話室のドア付近でその光景を見ていた。
提督はうんうんと笑っているが、伊勢としては妹が謎の行動をしているためか、自身のこめかみら辺を押さえている。
日向「? あぁ、提督に伊勢、見ていたのか。どうだ、これで瑞雲の素晴らしさを皆に伝えることが出来ると思ってやっていみたんだが」キラキラ
伊勢「はいはい、いいと思うわよ……」ニガワライ
提督「素晴らしさが伝わるといいな」ニコッ
日向の輝く瞳を前に伊勢はそう言わざるおえなかったが、提督はいつも通りの笑みを日向に返すと、日向は「まぁ、そうなるな」といつも通りの反応を見せた。
アイオワ「Oh, アドミラル♪ Hello♪」ギューッ
提督「お〜、こんにちは、アイオワ」ギュッ
日向のネタ瑞雲ダンスに気分が高揚していたアイオワは、提督にハグをする。普段はしないように心掛けているのだが、気分がいい時はついこうしてハグしてしまうのだ。提督も最初こそは驚いたが、今では慣れたのでちゃんと普通に挨拶を返し、抱きしめ返している。
アイオワ「ン〜、アドミラルがハグに応えてくれるようになって嬉しいわ♪ 抱きしめ甲斐があるもの♪」ムギューッ
提督「はは、そうなのkーー」
ウォスパ「アドミラル〜、私ともハグしない?」ニコニコ
ビスマルク「アトミラール、私にだってしてもいいのよ、ハグ。ドイツにだってハグ文化はあるんだから」ニコニコ
提督の言葉を遮るようにビスマルクやウォースパイトが提督にハグを要求。
どちらも思わず背筋がゾッとするくらいのニッコニコな笑みで両手を広げているため、提督は二人に言われるがままアイオワと同じように二人とハグを交わす。
提督「こんにちは、ビスマルク」ギュッ
ビスマルク「Guten tag♡」スリスリ
提督にハグされたビスマルクはまるで子犬のように提督の胸板へ頬擦りしている。ほんの数秒でハグは終わったが、ビスマルクがキラキラしていたのは言うまでもない。
ウォスパ「次は私♡」カモン
提督「こんにちは、ウォースパイト」ギュッ
ウォスパ「ん……ぁ♡ Hello, アドミラル♡」ホッペチュッ
伊・ビ『 ゚ ゚ ( Д )』
ウォスパ「ほら、アドミラルからもして♡」
LOVE勢二人が驚きで声が出ない中、ウォースパイトはそう言って提督に自身の頬を差し出す。
しかし、
伊勢「それはやり過ぎじゃないかしら?」ニコニコ
ビスマルク「そもそもイギリスはハグ自体あまりしないお国柄よね?」ニコニコ
二人がウォースパイトの両肩をそれぞれ掴んで提督から引き離したので、提督から頬へキスされることはなかった。
ウォスパ「あら、イギリスでもハグやキスは家族や親しい友人との間ならするのよ?」ニッコリ
ビスマルク「アトミラールは上官よ」ニッコリ
伊勢「そもそも此処は日本だから」ニッコリ
絶対零度の笑みで火花を散らす三名。
そんな三人は置いといて、と言わんばかりに日向とアイオワが提督に声をかけた。
日向「それで戦艦寮へどんな用なんだ?」
アイオワ「今日、伊勢は秘書艦じゃないわよね?」
提督「あぁ、実は先程伊勢から共同厨房の換気扇の調子が悪いと報を受けてな。これからその修理で、私はその立会だ」
日向とアイオワの質問に提督がそう答えると、提督の肩から二人の妖精さんがちょこんと顔を覗かせた。
要は共同厨房へ向かう途中で日向のあのダンスに出くわした次第だったのだ。
妖精1「修理するです」キリッ
妖精2「話を聞く限りでは大規模な修理は必要ないと見ました」ニコニコ
伊勢「日向がおやつにホットケーキ食べたいって言ったじゃない? それで作ろうと思ったんだけど、換気扇からちょっと変な音がするから提督に相談しに行ったの」
睨み合って笑い合っていた伊勢がそう言うと日向は「なるほどな……」と頷いた。
その隣で話を聞いていたアイオワは「ホットケーキ……」とつぶやき、指を咥える。
どうやら伊勢が作る予定のホットケーキが食べたいようだ。
ウォスパ「いいわね、ホットケーキ♪ 私も食べたいわ♪」
ビスマルク「ホットケーキ……作ってくれてもいいのよ?////」ソワソワ
いつしか残りの二人もホットケーキの魔力に引き寄せられたようで、伊勢は苦笑い浮かべた。
それでも「換気扇が直ったらみんなにご馳走するわよ」と伊勢が言うと、ビスマルク達は揃って笑顔の花を咲かせるのだった。
共同厨房ーー
提督「どうだ?」
妖精1「ネジがちょっと緩んでるだけですね」
妖精2「これならすぐに終わりますよ」
伊勢「良かった♪」
日向「そうだな。もし長引くなら他の寮で焼くしかないからな」
伊勢「どんだけホットケーキ食べたいのよ……」ニガワライ
日向「それだけ食べたいんだ」キリッ
伊勢「はいはい」クスッ
(こういう時もいい笑顔よね)
妹のちょっと可愛らしいところを見て、伊勢はそう思いつつホットケーキの生地を追加で作りはじめていた。
ビスマルク達に加え、提督や妖精さん達、そして本日秘書艦の龍驤にもご馳走するからだ。
ウォスパ「生地なら私も手伝うわ♪」
伊勢「ありがと♪ 少しダマが残るくらいでいいからね……何回もかき混ぜちゃうとふっくらしないから」ニコッ
ビスマルク「なら私は龍驤呼んでくるわ♪」
伊勢「うん、お願い♪」
日向「なら私も共に行こう。龍驤にも先程の瑞雲ダンスを披露したいからな」フフフ
提督「私達までご馳走してもらってすまない。ありがとう、伊勢」ニコッ
伊勢「ううん、私が提督にも食べてもらいたいって思っただけだから♡」エヘヘ
妖精1「メイプルシロップは要らねぇな」フフリ
妖精2「むせるくらい甘ぇからな」フフッ
換気扇も無事に直ると、伊勢は提督達のためにふっくらホットケーキを焼いた。
提督が笑顔で自分が焼いたホットケーキを食べるところを伊勢はニヨニヨしながら見ていたそうなーー。
今回は甘めなほのぼの回的な感じにしました!
読んで頂き本当にありがとうございました☆