キャラ崩壊、他作ネタ、独自設定含みます。
○○鎮守府、二一〇〇ーー
軽巡洋艦寮、球磨型姉妹部屋ーー
北上「んん〜……今日も頑張ったね〜」グデーン
多摩「にゃ〜……後はお布団で丸くなるだけにゃ〜」ダラーン
球磨型姉妹達は入浴を終え、部屋でまったりとした時間を過ごしていた。
大井「球磨姉さん、まだ髪が乾いてないんですからもっとしっかり座っててください」
そんな中、大井は甲斐甲斐しく球磨の髪をヘアブラシを使って丁寧に梳きながらドライヤーで乾かしてあげていた。
大井や他の姉妹は自分でちゃんと乾かすのだが、球磨は面倒くさがりなのもあるため、いつもこうして大井が面倒を見ているのだ。
北上「球磨っちは髪の長さも量も多いから大変だよね〜」
木曾「そんでずぼらだからな」ニガワライ
球磨「木曾〜、聞こえてるクマ〜」ギロッ
木曾「アッハイ……」
大井「球磨姉さん?」ニッコリ
球磨「アッハイ……」ピシッ
流石の球磨もこうした場合の大井には頭が上がらない。
多摩「大井は本当に甲斐甲斐しいにゃ〜。今朝もわざわざ七草粥作ってくれたし」ホホエマ
北上「そういう細かい気配りを出来るのが大井っちのいいとこっしょ〜♪」
木曾「ちょっと凝り性なとこはあるがな」ニガワライ
大井「木曾?」ニッコリ
木曾「ナ、ナンデモナイデス……」
大井「七草粥はおせち料理で疲れた胃を休めて、野菜が乏しい冬場に不足しがちな栄養素を補う効能があるのよ」モウ
木曾「元旦しかおせち料理食ってないーー」
大井「ん?」ギロリ
木曾「で、でも美味しかったよ、姉貴……」ガクブル
大井「なら良かったわ」ニッコリ
球磨「でも大井はもう少し手を抜いていいと思うクマ〜。料理はいいけど、お風呂上がる時の髪の水切りが細かいし、タオルで拭く時も細かいし……」
大井「髪は女の命ですからね。その命を蔑ろにしてはいけません」ペチッ
球磨「あだっ……分かったクマ〜」
それからも大井は球磨の髪を丁寧に乾かしてあげた。
北上が前に言ったように、球磨は髪の量が多い。大井が手入れをしないと必ずと言っていい程、朝には爆発しているので大井が毎回乾かすようになったのだ。
大井「後もう少しで終わりますからね〜♪」
球磨「了解だクマ〜」
球磨の髪がある程度乾いたら、大井は球磨の髪の毛を下に引っ張るようにしながら持ち、根元から毛先に向かってドライヤーを当てた。
そして最後の仕上げとして、乾き終えた頭頂部をロールブラシで上から当てて押さえながら温風を当て、最後に冷風を当ててしっかりボリュームダウンさせるのだった。
大井「はい、出来ました♪」ポフッ
球磨「クマ〜、ありがとクマ〜」ハフー
大井に球磨がお礼を言うと、大井は笑顔で「はい♪」と嬉しそうに返した。
木曾「そろそろ湯たんぽの用意するか……」
北上「ならアタシも手伝うよ〜」
大井「それなら私もーー」
球磨「大井はコタツでゆっくりするクマ〜」グイッ
多摩「今度は多摩達が大井を甘やかす番にゃ」ニコッ
球磨と多摩がそう言うと、二人は大井の両脇に移って球磨多摩サンドして大井に身を寄せた。
それを見た北上と木曾は微笑ましいと思いながら湯たんぽの用意に入るのだった。
球磨「お風呂入ったのにひんやりしてるクマ〜」ギューッ
多摩「多摩達が温め直してあげるのにゃ〜」ナデナデ
大井「もぉ〜////」
球磨「提督もそろそろ大井のこういう乙女なとこに気づいてほしいクマ〜。大井なら絶対にいいお嫁さんになれるクマ」
大井「お嫁さんって……////」ハゥ
多摩「一途に尽くして家事も得意なのににゃ〜。こんないい子そういないにゃ」
大井「褒め過ぎですよぅ////」ァゥァゥ
球磨と多摩の言葉に大井は顔を真っ赤にさせていた。身内びいきと思われがちだが、球磨も多摩も本当に大井のことを応援しているので自然とこうなってしまうのだ。
勿論大井だけでなく、北上にしても木曾にしても二人からすれば自慢の妹である。
北上「大井っちは先ず暴走癖とフリーズ癖を直さないとね〜」ニシシ
木曾「後は鼻血癖、よだれ癖な」ニガワライ
簡易キッチンの所で話を聞いていた二人にまで指摘された大井は「……努力はします////」と弱々しく返すことしか出来なかった。
球磨「そうだクマ! せっかくフィギュアを手に入れたんだから寝る前にグヘグヘするんじゃなくて、ちゃんと会話する練習をするクマ!」
大井「グヘグヘなんてしてませんよ!////」
抗議する大井だが、北上や木曾からも『グヘってる』と言われた。
多摩「それはいい考えにゃ、丁度音声も流れるしにゃ♪ 頑張るにゃ、大井♪」ニコッ
大井「え……今からですか?////」
球磨「どうせ球磨達しかいないんだから恥ずかしがることないクマ」ニコッ
北上「そ〜そ〜、いつもの妄想を口に出す簡単なお仕事だよ〜」ニヤニヤ
大井「き、北上さんまで……////」
大井はふと木曾の方に視線を移し、助けて光線を送った。
木曾「な、なぁ、大井姉貴も困ってるんだし、それぐらいにーー」
球磨「おい、私の名前を言ってみろ」ギロリ
言葉を遮った球磨は眼光鋭く、更には語尾も無くなり威圧感がドッと木曾へ浴びせられた。
その球磨の迫力に木曾は思わず「ぴぃっ!?」と素っ頓狂な声をあげた。
そんな木曾に構うことなく球磨は木曾の元へ一歩、また一歩とジリジリ近寄っていく。
木曾「く、球磨姉貴だよよよぉぉぉぉ!!」
迫力に耐え、かなり震えた声で木曾が答えると、球磨のオーラはいつものふんわりオーラに変わり、球磨は「なら分かるクマね?」とニッコリ笑顔で釘を刺した。
木曾「こ、怖かったよぉ〜」グスッ エグエグ
(ごめん、大井姉貴!!)
北上「お〜、よちよち。もう大丈夫でちゅよ〜」ナデナデ
(末っ子の宿命だね〜)
球磨「さぁ、大井、心置きなく練習するクマ」ニッコリ
多摩「いつものオーイファンタジーを解き放つにゃ」∑d
大井「えぇ〜……////」
もうこうなったら誰にも止められない。そう実感している大井は決心してフィギュアの側まで行った。
球磨(頑張るクマ!)
多摩(大井は出来る子にゃ!)
北上(フィギュアでも正座するんだ……なんかウケるw)
木曾(大井姉貴……)
大井「すぅ〜……はぁ〜……////」
深呼吸した後、ボイス再生スイッチをポチッとした。
提督『おはよう。いい朝だな』
大井「おおお、おはおは、おはようござりんすすすす////」
提督『早く起きなさい。今日も一緒に頑張ろう』
大井「はははいいい、いまいま起きましゅしゅ!//// 頑張りでごんすすす!////」
球磨「ごめん大井……もう見てられないクマ」カタポンッ
多摩「もっともっと時間が必要にゃ」ナデナデ
大井「はひ……////」ウゥー
北上「んじゃ、取り敢えず湯たんぽ出来たし寝よっか♪」
木曾「大井姉貴、その……俺らはずっと応援してっから……」ニコリ
大井「えぇ……////」
その日の夜、大井は眠れず、提督のおやすみボイスは朝まで流れた。
因みに球磨達は寝る際にアイマスクと耳栓を常備しているため快眠だったーー。
姉妹のほのぼの回にしました!
続編でも大井さんの壊れっぷりにはご了承を。
読んで頂き本当にありがとうございました!