艦これ Short Story改《完結》   作:室賀小史郎

67 / 130
あの日への序章。の談。

少し真面目なシーン、キャラ崩壊含みます。


艦これSS改67話

 

 ○○鎮守府、一五〇〇ーー

 

 執務室ーー

 

提督「今日は千客万来だな」フフフ

霧島「そうですね」クスッ

 

 本日、執務室には多くの艦娘が訪れていた。

 提督は今日の秘書艦が霧島なので、金剛、比叡、榛名が来るのは予想していたが、それ以上が執務室に押し寄せていた。

 

大和「提督のお顔が見たくて来ちゃいました♡」デレデレ

天城「わ、私もひと目お会いしたくて……♡////」ポッポッ

葛城「私は天城姉の付き添いよ♪」

雲龍「私も付き添いよ♡(提督に会う口実)」

鳳翔「つい来てしまいました♡」ニコッ

龍鳳「私もです♡」ニコニコ

利根「吾輩も……その、気になってな……♡//// け、決して寂しかったからとか、そういうのではないからな!////」

筑摩(本心出てしまってます、姉さん……)ニガワライ←利根に付いてきてと頼まれた

 

提督「今日は仕事も滞りなく進んでいる。気にしなくていい」ニコッ

 

LOVE勢『は〜い♡』

 

 どうしてこんなにも多くの艦娘達が執務室へ訪れているのかというと、今日はあの呉軍港空襲があった日だからだ。

 

 あの日の空襲で被害を受けた艦艇は以下の通り

 

 戦艦

 榛名:小破

 日向:小破

 大和:軽微

 

 航空母艦

 天城:小破

 葛城:軽微

 鳳翔:軽微

 海鷹:軽微

 龍鳳:小破

 

(この日、呉軍港空襲以外で川崎重工で建造中の生駒も小破している)

 

 巡洋艦

 利根:小破

 大淀:中破

 

 潜水艦

 呂67:小破

 伊400:小破

 

 呉軍港空襲は一九四五年の三月十九日を始めとし、七月二十四日、同月二十八日に渡って行われたアメリカ海軍を中心とした連合国軍空母機動部隊、航空隊、及び、沖縄伊江島のアメリカ陸軍航空軍による呉軍港、瀬戸内海西部への空襲作戦。

 

 今日の朝はその最初の空襲作戦が行われた日ということで、提督は埠頭で当時被害を受けた者達、後に被害を受けた者達、そしてその姉妹達や戦友達と黙祷を捧げた。

 呉軍港空襲は七月の空襲が甚大な被害を与えられているため有名だが、提督はこの日の空襲も忘れることなく心に留めている。

 

 この日の空襲は七月に比べれば被害は少ない。しかし、傷付つき、亡くなった英霊の人々や近隣住民の人々がいることを忘れてはいけない。

 

 そのような日なので、みんなは提督の元へやってきたのだ。提督はそれが分かっているので、みんなを笑顔で迎えている。

 するとドアがノックされた。提督は「入りなさい」と声をかけると、ガチャッと開かれたドアから大淀と伊勢型姉妹、武蔵が入ってくる。

 

大淀「失礼します。新たな書類が追加されましたので、お届けに参りました」ニコッ

伊勢「演習の報告書持ってきたわよ♡」←提督に会えて喜んでる

日向「付き添いその一だ」ノシ

武蔵「その二だ♡」←提督に会えるから付いてきた

 

提督「おぉ、ありがとう。報告書は私が預かろう」ニコッ

霧島「新たな書類は一先ずこちらで預かります♪」

 

 手際よく書類、報告書を確認する提督と霧島。LOVE勢は提督の仕事姿に恍惚な表情を浮かべ、LOVE勢でない葛城だけは霧島の手際に感心し、これなら仕事が早く終わるはずだ……と思った。

 

武蔵「姉さん、提督の仕事の邪魔はしてないだろうな?」ホッペツンツン

大和「してません〜。大和が提督のお邪魔をするはずがありません〜」プイッ

 

日向「この面々はあの日の面々か……」

天城「はい……なので提督のお側にいたくて////」ポッ

伊勢「こういう日は提督の側にいたいわよね〜♪ 分かるわ〜♪」

LOVE勢『♡////』デヘヘ

 

 するとそこへドアがガチャっと開き、 

 

金剛「へーイ、皆サーン! ワタシのスペシャルなティーでお茶会にシマショ〜♪」

比叡「金剛お姉さまの特別なスコーンも沢山焼いてきました〜♪」

榛名「お茶に致しましょう」ニッコリ

 

 みんなのためにお茶会の用意をしに行っていた金剛達が戻ってきた。

 

提督「あぁ、ありがとう。霧島、一服入れるとしよう」ニコッ

霧島「了解です♪」

 

 提督の言葉に霧島は笑顔で頷き、見ていた書類をトントンとまとめる。

 金剛は提督と霧島がソファーテーブルに着く前にお茶会の準備をすすめた。

 提督と霧島がソファーに腰掛けると、金剛はまず最初に提督の元へ紅茶を持っていき、その次に霧島、そして既にソファーに座る大和達にそれぞれ紅茶を淹れる。

その一方で比叡と榛名は熱々のスコーンが山盛りになった器をテーブルの中央に乗せ、みんなに取皿とフォークを配った。

 

 みんなに紅茶や取皿が行き渡るのを確認し、金剛達に感謝の言葉を述べてから大人数でのお茶会が始まる。

 

雲龍「このソファーテーブルって普段はそう思わないけど、こうして見ると大人数で座れるのね」

提督「家具妖精さんがオススメしてくれた物だからな」

葛城「流石は家具妖精さんね」アハハ

 

日向「すまないな、私達までご馳走になってしまって」

比叡「気にしないで♪ 大和さんもいるし、多めに焼いてきたから♪」

武蔵「気を遣ってもらってすまない」ペコッ

大和「そうされると大和が悪いみたいに見えるんだけど……」ムゥ

伊勢「あはは、むくれないむくれない♪」カタポンポン

 

大淀「この紅茶美味しいです……」

鳳翔「えぇ、本当に美味しい」

龍鳳「香りも良くて、流石は金剛さんですね」シミジミ

金剛「今日は大切な日なので、特別な茶葉を使いマシタ♪ 気に入ってもらえて嬉しいデス♪」ニッコリ

 

利根「スコーンとやらも美味じゃのぅ」モッモッ

榛名「クロテッドクリームもありますけど、ジャムやメイプルシロップもご用意してますよ♪」

筑摩「王道のクロテッドクリームが紅茶に合いますね」ホッコリ

天城「これでもかって塗って食べるのが英国式なんですよね」クスッ

 

 みんな金剛が心を込めた紅茶やスコーンに顔をほころばせる。

 

 提督はみんなのそんな笑顔を見て、あの時とは違い、穏やかな時間を過ごしている今を心から尊んだ。

 どんなに時を刻んでも、あの日から始まった悪夢を忘れてはいけない……しかしだからといって、今過ごしている時間を暗く過ごしても、あの時は取り戻せない。

 みんながあの日を思い、それでいて笑顔を絶やさないでいること……提督はそのことがすごく嬉しくて、思わず優しい笑みを浮かべてみんなの顔を一人ひとり見渡した。

 そんな提督の笑顔にLOVE勢が胸を貫かれたのは言うまでもなく、鎮守府は今日もいつもと変わらない日々を送るのだったーー。




今日はあの呉軍港空襲があった日。
そして九州沖航空戦で、アメリカ海軍の空母『フランクリン』を日本海軍の爆撃機が大破させた日。

更に呉軍港への空襲、九州沖の航空戦とは別に名古屋大空襲があった日です。
B29爆撃機290機が名古屋市街を無差別爆撃。
15万人が被災し、死亡者826人を出しました。
この日に亡くなった多くの人々、そして英霊の方々に心からお祈りします。

本編中の情報はWikipediaより得ました。

読んで頂き本当にありがとうございました!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。