艦これ Short Story改《完結》   作:室賀小史郎

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妙高型重巡洋艦メイン。

キャラ崩壊、ガムシロップ少々含みます。


艦これSS改66話

 

 ○○鎮守府、一九〇〇ーー

 

 居酒屋『鳳翔』ーー

 

 本日の業務を終えた艦娘達。

 そして今日も呑兵衛艦は、仕事の疲れを鳳翔の美味しい料理と美味しいお酒で癒やすのだった。

 

隼鷹「ゴクゴク……かぁ〜っ! 仕事終わりの酒は格別だなぁ♪」

飛鷹「本当に美味しいわね〜♪」

那智「夜はまだ冷えるが、こういう時の熱燗は格別だ」グビッ

足柄「鳳翔さんのお料理も美味しいしね〜♪」

 

鳳翔「うふふ、ありがとうございます」ニッコリ

 

 飲みに来ている者達はいつも通りにお酒を飲んでいる。ただ少し違うのは、飛鷹が隼鷹へとやかく言わずに自分も楽しく飲んでいることだ。

 その理由は、

 

提督「やはり鳳翔の料理は美味しいな」モグモグ

 

 提督も同席しているから。

 

 本日は那智が秘書艦を務め、那智が提督に「一杯付き合え」と誘ったことから今に至るのだ。

 提督はお酒を量こそは飲めないがちゃんと自分のペース、適量を心得ているので、誘われれば二つ返事で同席する。

ただ仕事状況や先約がある時は理由を話して次ということで埋め合わせている。

 

隼鷹「提督〜♡ お酌して〜♡」

提督「男の酌でいいなら、いくらでもしてやるぞ」トクトク

隼鷹「おっとと……何言ってんだよ、提督だからお酌させてるってのに〜♡」スリスリ

提督「はは、それは光栄なことだな」ナデナデ

隼鷹「へへ〜♡」ゴクゴク

 

 提督の隣で飲む隼鷹は上機嫌に盃を仰る。

 そうしているとガラガラと戸が開き、妙高と羽黒が来店した。

 

鳳翔「いらっしゃいませ」ニコッ

 

妙高「お邪魔致します」ペコリ

羽黒「こんばんは♪」

 

足柄「二人共〜、こっちよ〜♪」ノシ

 

 足柄が二人に手を振ると、二人は笑顔で提督達の座るお座敷につく。

 提督の両サイドは隼鷹と足柄(じゃんけんで決まった)がいるため、妙高が足柄の隣に座り、羽黒が向かい側の那智隣に座る。

しかし、那智が気を利かせて羽黒と席を交代したので、羽黒は飛鷹と同じように提督と向かい合わせになることが出来た。

 

提督「妙高型姉妹勢揃いだな」アハハ

妙高「はい、足柄からお誘いが来ましたので」ニコッ

足柄「この写真と一緒に二人に連絡したのよ♪」

 

 そう言って足柄が自身の通信機(スマホ)の画面を提督に見せる。

 するとそこには先程足柄と肩寄せ合って撮った写真が映し出されており、その写真と共にメッセージを送ったのだと分かった。

 

妙高「提督、よろしければ羽黒とも写ってあげてくださいませんか? この娘ったら足柄と提督の写真が羨ましいみたいでーー」

羽黒「はわ〜、はわ〜!//// 妙高姉さん!////」

 

 妙高の暴露に羽黒は顔をゆでダコのように真っ赤にして、妙高の口を塞ぐ。

しかしもう時既に遅し、それを聞いた提督は「お安い御用だ」と言って笑顔を浮かべた。

 

羽黒「ほ、本当にいいんでしか?////」

提督「あぁ、勿論だとも。おいで」ニコッ

 

 若干言葉を噛む羽黒の問いに、提督は優しく手招きをする。すると羽黒はその提督の『おいで』という言葉と手招きに、まるで魔法にかかったかのようにフラフラと吸い寄せられていった。

 

飛鷹(あの『おいで』は誰だって行くわね♡////)

隼鷹(あたしが言われた訳じゃないのに、キュンときた♡////)

足柄(あんな風に呼ばれたら行くしかないわね♡////)

 

鳳翔(あの『おいで』は反則です♡////)

 

 羽黒だけでなく、他のLOVE勢も思わずティンと来てしまった様子。そんなLOVE勢を妙高も那智も笑顔で眺めた。

 

羽黒「お、お邪魔しましゅ♡////」エヘヘ

提督「どう撮ればいい?」

足柄「私と同じように撮ればいいじゃない♪」

提督「するとこうか?」グイッ

羽黒「へ?」

 

 羽黒は一瞬、何が起こったのが分からなかった。何故なら、大好きな提督に肩を抱き寄せてもらったからだ。

 提督の横顔が至近距離にあることから、かなり密着していることが分かり、羽黒は元々控えめな艦娘なのに更に縮こまってしまった。

それでもその瞳にはしっかりと提督を映し、自身の左肩はまるでそこに全神経が集中したかのような熱を感じる。

 

羽黒「〜♡////」プシューッ

提督「大丈夫か、羽黒? 顔が真っ赤のようだが……?」ノゾキコミ

羽黒「ひゃう!?♡////」ビクン

 

 羽黒は思わず変な声をあげてしまった。何しろ提督が至近距離で、それも自身の肩を抱いて顔を覗き込んでいるのだから。

傍から見れば二人は今からキスする二、三秒前の光景に見える。

 

羽黒「司令官さん……♡////」ドキドキ

提督「羽黒……」

羽黒「司令官さん♡////」ドックンドックン

提督「羽黒……」

 

 見つめ合い、互いを呼び合う二人。羽黒は提督の胸元をギュッと握りしめ、そっと瞼を閉zーー

 

隼・足『はいはいはいはい、離れて離れて〜』

 

 しかし透かさず隼鷹と足柄が割って入った。提督と羽黒の温度差は激しかったものの、やはりあのままだとよろしくないので止めに入った次第だ。

 

隼鷹「ほら、撮ってやるからこっち向け」

足柄「撮り直しなんてしないように連写してあげるからこっち向きなさい」

 

羽黒「は、はひ////」

提督「こうか?」

 

 二人に催促され、提督と羽黒は隼鷹達の方を向く。しかし提督の手はちゃんと羽黒の肩を抱いており、羽黒も恥ずかしそうにしながらも幸せそうな笑みを浮かべている。

 そんな羽黒を見て、隼鷹も足柄も思わず嫉妬の炎を燃やしてしまう。

 

妙高「足柄ったら……」ニガワライ

那智「飛鷹はあの二人みたいに嫉妬しないのだな」

飛鷹「まぁ、あれくらいはね」ピクピク

 

 飛鷹は平静を装っていても、ドス黒いオーラが出ていた。那智はそれを見てみぬ振りをし、またおちょこを空ける。

 

鳳翔「熱燗の追加、お待たせしました♪」

飛鷹「ありがとうございます♪」

隼鷹「お、あざ〜っす♪」

那智「おぉ、ありがたい」ニコッ

足柄「ありがとうございま〜す♪」

 

鳳翔「妙高さん達は如何致します?」

妙高「私は冷でください。羽黒には何かフルーツ系のジュースを」ニコッ

鳳翔「畏まりました♪ すぐにご用意しますね♪」

 

 鳳翔がタイミングよく間に入ってくれたお陰で、みんなの炎は爆炎にならずに済んだ。

 羽黒も提督とツーショット写真を撮ることに成功し、その後は和やかに時を過ごすのだったーー。




 おまけーー

 寮までの帰り道、二二〇〇過ぎーー

妙高「すみません、提督」
那智「すまない。こうなるとは思わなんだ」
羽黒「司令官さんの前なら深酒はしないと思ったんですけど……」

足柄「(//˘ω˘//)」スヤァ
提督「はは、これくらいどうってことないさ」

 酔い潰れてしまった足柄を提督はおんぶして、寮まで送っていた。因みに飛鷹達はまだお店で飲んでいる。

提督「こんなにも幸せそうに寝ているんだ。起こすのも可哀想というものだろう?」フフ

 提督がそう言うと、おんぶされている足柄は「うにゃ〜♡」と可愛らしい寝言をつぶやきつつ、提督の背中に頬擦りして手にもギュッと力を入れる。

那智「こうしてれば飢えた狼もただの犬っころだな」フフ
妙高「この娘は元々狼なんて似合わないけどね。優しくて気立ても良くて……」ニコッ
羽黒「足柄姉さんは可愛いですもんね♪」
提督「普段は美人。酔えば愛らしい、か……変な男に捕まらないようにしなくてはな」

 提督の真面目な返しに妙高達は思わず苦笑い浮かべた。それでも提督がそういう性格のはみんな知っているので、妙高と那智は足柄と羽黒を陰ながら応援するのだったーー。

 ーーーーーー

今回は呑兵衛艦でも重巡洋艦の呑兵衛艦をメインにちょっとした甘いお話にしました♪

そして今日は神戸大空襲(1945年)があった日です。
アメリカ軍のB29爆撃機309機が神戸市およびその周辺地域へ戦略爆撃や無差別攻撃を行い、特に兵庫区や林田区など西神戸に大きな被害を出し、死者2598名を出しました。
更に東神戸および阪神間の町村が同年6月5日の爆撃で崩壊させられています。

更にはこの日、本土とは別でアメリカ軍が離島である硫黄島全島を占領。日本軍23000人のうち捕虜になった210人を除く全員が戦死しました。

この日に亡くなった多くの民間の方々、そしてこの日までに亡くなってしまった多くの英霊の方々に心からお祈りします。

そのような日にこうしたお話を投稿したことにつきましては、ご了承お願い致します。

読んで頂き本当にありがとうございました!

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