キャラ崩壊、独自設定含みます。
○○鎮守府、一四〇〇ーー
執務室ーー
満潮「………………」
本日、秘書艦任務に就く満潮は黙々と作業をこなしていた。
今、提督は第一艦隊(旗艦鳳翔で松風達の初出撃)に同行中で満潮とその姉妹達で執務室の留守をあずかっているのだ。
朝潮「この書類整理は終わり……あとは」キョロキョロ
荒潮「朝潮ちゃ〜ん、終わったならこっち手伝ってくれない?」
書類整理を終え、次の仕事を探している朝潮を提督の机の整理整頓を任された荒潮が呼んだ。
朝潮が荒潮の所へ行くと、荒潮が少し困ったように眉尻を下げていた。
朝潮「どうしたの? 何か壊したりしたの?」
荒潮「大潮ちゃんじゃないんだから、そんなことしないわよ」ニガワライ
(隠しカメラとか盗聴器は見た瞬間に壊すけど)
朝潮「それでは?」クビカシゲ
荒潮「これなんだけどね……」
荒潮はそう言うと机の上に大きなカゴに入った大量のキャンディを朝潮に見せる。
朝潮「司令官ってこんなに飴が好きだったかしら?」ウーン
荒潮「違うわよ、これ提督がみんなから貰ったホワイトデーの飴よ」
朝潮「えぇ!? 艦種ごとに一つというルールだったのに!?」
荒潮「飴一個くらい個人的にお返ししようと思った娘が贈ったのよ……ホワイトデーのお返しに飴をあげるのには意味があって、その意味は『あなたが好きです』って意味だから」
朝潮「あぁ、だから昨日、酒保で飴が無くなったのね!」
納得する朝潮の言葉に荒潮が頷きを返すと、朝潮は更に言葉を続けた。
朝潮「荒潮も司令官に飴を?」
荒潮「私はあげてないわ。こうなるの予想出来てたし、私は飴に頼らなくてもちゃんと面と向かって提督に好きって伝えてるもの♪」
朝潮「満潮は飴を司令官にあげたの?」
自然な流れで矛先が満潮へ向くと、満潮は思わずパンダのボールペンを走らせている手を止める。
満潮「は、はぁ? 私が? 司令官に? なんでわざわざそんなことしなきゃいけないのよ?」
朝潮「だって満潮は司令官のこと好きでしょう? ライクではなく、ラブとして」
朝潮の言葉に満潮は「うぐっ」と狼狽えた。色恋沙汰には無頓着な朝潮だが、妹達のこうしたことへの機微に敏いところを見ると流石はネームシップと思わざるを得ない。
荒潮「じゃ〜あ〜、満潮ちゃんは提督に面と向かって好きって言えるんだ〜♪」
満潮「〜〜……////」
荒潮「あれぇ〜? あれれれれぇ〜? 言えないのぉ〜? たった二文字なのにぃ〜?」ニヤニヤ
満潮「っさいわね!//// そもそも私はーー」
ガチャーー
満潮「司令官のことなんてこれっぽっちも好きなんかじゃないんだからぁぁぁぁ!////」
朝潮「…………満潮……」アワワ
満潮「?」
いつものテンプレ台詞に対し、朝潮が口をパクパクさせる。その隣にいる荒潮もやり過ぎた……というような表情を見せた。
何が起こっているのか分からない満潮に、荒潮が申し訳なさそうに後ろを見るように目配せすると、
提督「も、戻ったぞ……」ニガワライ
満潮「( ゚д゚)」
提督の姿があった。その後ろには鳳翔とその補佐として出撃していた大潮も一緒だ。二人共どうフォローしたら良いものか……と思案の表情を浮かべる中、提督は頭を掻きつつ机へ戻る。
荒潮「あ、あのね、提督。満潮ちゃんの言葉は気にしないで……本心からの言葉じゃないから」アセアセ
朝潮「そ、そうです! 満潮はいつも言葉がキツイですが、ちょっと素直じゃないところがあってですね!」ワタワタ
慌てて満潮のフォローをする朝潮と荒潮。すると提督は笑顔を見せた。
提督「気を遣わせて悪かった。あんなにもハッキリ言われたのは久々だったもので、私も驚いてしまったんだ。でも満潮が私のことを考えてくれていることはちゃんと理解しているからな」ニコッ
満潮「司令官……♡////」キュン
提督「それに満潮の他にも曙や霞にはよく注意されるからな」
そう言った提督は「あっはっは」と笑った。
満潮「わ、私! あの二人みたいにしょっちゅう怒ってないもん!」
朝潮「人のふり見て我がふり直せ」
大潮「ドングリの背比べ」
荒潮「五十歩百歩」
満潮「(///へ///)」ムゥー!
鳳翔「あらあら」ニガワライ
姉妹達からの的確なツッコミに満潮はすっかりむくれてしまい、みんなから逃げるように提督の座る椅子の背もたれへ隠れてしまう。
提督「何にせよ、私にとってはみんな頼もしい存在だ。遠慮なく言ってくれるのだからな」ナデナデ
満潮「(*>ω<*)」スリスリ
朝潮(前よりかなり素直になってる!)
大潮(ミッチーがこんなに甘えるなんて!)
荒潮(結局ツンデレなのよね〜♪)
鳳翔(可愛いですね〜♪)
朝潮と大潮は驚きの表情を見せているが、鳳翔や荒潮は擦り寄っている満潮を微笑ましく眺めた。
すると満潮は鳳翔達の視線に気が付き、ハッとして急いで提督から離れる。
満潮「な、何撫でてんのよ!//// 気持ちいいからつい流しちゃったじゃない!////」
提督「おぉ、これはすまん。私の元へ来たから、私を頼ってくれたのかと思ってしまった」ナデナデ
満潮「は、はぁ?//// 背もたれに隠れただけだし!//// 司令官のことなんてこれっぽっちも頼ってないし!////」デレデレ
顔と言葉が一致しない満潮。実のところ、満潮がこの面々の中で一番頼りにしている……というよりは大好きなのが提督なのでつい自然に提督の元へ行ってしまったのだ。
荒潮「素直じゃないわね〜」クスクス
朝潮「表情はとても素直なんだけどね」ニガワライ
大潮「言葉はツンツン、態度はデレデレって感じですかね!」
鳳翔「乙女心は複雑ですからね」フフフ
満潮「い、いつまで撫でてるのよ〜♡//// ウザいったら〜♡////」グリグリ
提督「つい撫でてしまうんだ。もう少し撫でさせてくれ」ニコッ
満潮「どうして私こんな艦隊に配属させられたのかしら〜?♡////」ギューッ
提督「どうしてだろうな〜?」ナデナデ
こうして提督に散々撫でられた満潮がキラキラし、残りの仕事もバリバリこなしたのは言うまでもないーー。
おまけーー
大本営、香取型姉妹部屋ーー
香取「あの人からバレンタインデーのお返しが貰えるだなんて……////」
鹿島「お返しを貰えただけでこんなに幸せだなんて……////」
二人は提督からバレンタインデーのお返しにクッキーを貰い、恍惚な表情とポーズをしていた。
ちゃんとホワイトデー当日に届いたのだが、二人はまだ開封すらしていない。何故中身が分かっているのかというと、提督から手紙も貰っていてその中に中身についても書いてあったからだ。
香取「あの人の手作りクッキーって考えただけで鼻血が出そうだわ♡」ボタボタ
鹿島「ね、姉さん、出てる! 鼻血出ちゃってる!」
香取「あっと……失敬」フキフキ
鹿島「でもこれどうする? 開けるの勿体無いけど、食べないのも勿体無いし……」ウーン
香取「写真を撮って未来永劫遺しましょう」キリッ
鹿島「なるほど!」キラキラ
香取「でもまだ開封するのは勿体無いから、まだ開封せずに外見で幸せを噛み締めましょう!」
鹿島「うん! じゃないと、先輩に申し訳ないもんね!」
結局、開封したのはそれから三日後だったそうなーー。
おまけその二ーー
□□鎮守府、執務室ーー
□提督「ドゥフフフ……♡////」ホワワーン
吹雪「司令官、その不気味な笑い方やめてくださいよぉ〜」ニガワライ
白雪「怖いです……」
初雪「」コクコク
深雪「バレンタインのお返しが来て嬉しいのは分かるけどさ〜。それをわざわざ神棚に飾る必要はないと思うんだよな〜」
□提督「何言ってるの!? あのお方からのお手製なのよ! O☆TE☆SE☆I!」クワッ!!
□提督「開封したら写真に収めて、匂いで一週間。味わって一週間、残り香で二週間よ!」
吹雪「駄目になっちゃいますよ〜」ニガワライ
□提督「最悪冷凍保存するわ!」
白雪「それなら美味しいうちに食べた方がいいですよ?」
□提督「でも勿体無いじゃない!」
初雪「美味しかったからまた作ってほしいな。的なことを今度伝えればいい」
□提督「それよ! 初雪、明日お休みあげる!」
初雪「」コロンビア
深雪「んじゃ決まったなら神棚から下ろすぞ〜」
□提督「慎重に慎重によ!?」
深雪「分かったって」ニガワライ
□□鎮守府は今日も平和だったーー。
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今日は満潮ちゃんの進水日なので、満潮ちゃんメインのお話にしました!
おめでとう、満潮ちゃん!
そしてホワイトデーのおまけ的な感じに他の面々の様子も書きました♪
読んで頂き本当にありがとうございました!