艦これ Short Story改《完結》   作:室賀小史郎

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海外艦メイン。

キャラ崩壊、他作ネタ、独自設定含みます。

いつもより少し長めです。


艦これSS改56話

 

 ○○鎮守府、一〇〇〇ーー

 

 工廠ーー

 

松風「よし、こんなものかな♪」

朝風「松風〜、魚雷発射管の整備終わった〜?」

松風「あぁ、今終えたよ、姉貴。そっちはどうだっーー」

 

提督「やぁ、松風」ニコッ

 

松風「たぁぁぁうぁぁぁぁ!?////」ボンッ

 

 提督がいたことに気がついた松風はとんでもない声をあげ、持っていたスパナを落とした。

 不運にもそれは松風のつま先に落下し、松風は二重の恥ずかしさでその場にうずくまってしまう。

 

松風(ぼ、僕としたことが、こんなことで取り乱すなんて……//// 司令官に変な子だって思われちゃう//// いや、いやいやいやいや!//// 司令官がどうこうとか関係ないよな、司令官のことは好意的に見てるけど、それだけうんそれだけなんだからな!////)

 

提督「だ、大丈夫か松風?」

朝風「あ〜大丈夫大丈夫〜。司令官の前ではおっちょこちょいだからあの子」

 

 心配する提督をよそに、朝風は何でもないと提督に伝えつつ、未だ百面相をしている松風の元へ。

 

朝風「ほ〜ら、松風。司令官が心配してるわよ?」

松風「僕はいつでも行けるぞ、司令官!////」ガバッ

朝風「どこに行けるのよ……とにかく終わったならスパナ貸して」ニガワライ

 

 朝風にそう言われ、松風はまた顔を真っ赤にして朝風にスパナを渡した。

 朝風がスパナを片付けに行ったあとで、松風はオズオズと提督の隣へ。

 

松風「し、司令官はなんで工廠にいるんだ?////」

提督「工廠から連絡があってな。ザラの改二への改造が終わったから、その出迎えにな」ニコッ

松風「そ、そうか……司令官は優しいんだな////」

提督「褒めるようなことじゃないさ」ナデナデ

松風「んんっ、でもやっぱり改造した時は一番に司令官に見てもらいたいって思う……だからきっとザラも喜ぶと思うんだ♡////」ホワワーン

 

 口では真面目なことを言っていても表情は蕩けている松風。

 すると改造室から工廠妖精達が現れる。

 

工廠妖精α「ふぃ〜、最高の出来だぜ〜」ホッコリ

工廠妖精β「自分の腕に惚れるぜ♪」ニシシ

工廠妖精γ「またいい仕事をしてしまった」フフリ

 

 みんな満足気な顔で汗を拭いており、見ているこっちも笑顔になる程だ。

 そしてその後ろから、

 

ザラ「ん〜、身体が軽い♪ これが改二なのね♪」

 

 本日の主役、ザラが登場した。

 

提督「おめでとう、ザラ。素敵になったな、これからもよろしく頼む」ナデナデ

ザラ「はい♪ 提督や艦隊の皆さんのためにこれからも頑張ります♪ 粘り強さも更にパワーアップですよ♪」フンスフンス

 

松風「へぇ、これが改二か……なんというか、オーラが違うな」シミジミ

ザラ「Grazie♪」ピース

 

 ザラが改二へとなったからか松風が感嘆の声をあげると、ザラは嬉しそうに返す。その表情はどことなく大人びて見えるが、改二前の幼い見た目もちゃんと残っている。

 服装面での変化は小さいが、細かい変化でセクシーさが増しており、スカートのスリットと胸元の一部がくり抜かれたようなコルセットが特徴的な制服となった。

 

工廠妖精α「こちらが改造後の性能値です」つ資料

提督「うむ、ありがとう」ウケトリ

 

 渡された資料内容はまさに改二の性能の良さを物語る内容だった。

 耐久+6、装甲+10、火力+12、雷装+8、回避+1、対空+18、搭載数+7、運+5(上限+14)と昼砲撃戦能力が強化される形。

 装備出来る艤装の種類も増え、熟練艦載機整備員の装備が可能となった他、主砲と合わせればその最大火力は117にも及び、小型の戦艦と言えるレベルだ。更に大型探照灯も装備可能ときている。また対空値も高くなり、その数値は摩耶改二に次ぐ数値を叩き出しているほどだ。

 その反面、重巡改二の中では夜戦火力が劣ってしまっているものの、改造内容は申し分ない。

 

朝風「あら、ザラさん改造終わったの?」

ザラ「朝風ちゃん、えぇ、この通りよ♪」

朝風「わぁ〜、素敵〜♪ ポーラさんが妬んじゃうんじゃない?」クスクス

ザラ「あはは、そうだといいんだけどね〜……」ニガワライ

朝・松『?』クビカシゲ

ザラ「どうせお祝いにかこつけてワインを飲もうという魂胆が朝から丸見えだったからね〜。これザラ姉様のために開けるボトルなの〜、ウフフって抱きしめてたし、こっちのボトルも開けちゃう〜とか日本酒の瓶持って言ってたし……ザラ改二後の初めてのお仕事はポーラにお説教かもしれないわ……」ブツブツ

 

 ハイライトさんを不在にしてぶつくさとつぶやくザラ。そんなザラを見て、朝風も松風も苦笑いしか返せなかった。

 

提督「そうネガティブに捉えてはいけないぞ? ポーラはポーラなりの礼を尽くそうとしているのだからな」ナデナデ

ザラ「提督……」

提督「寧ろ、お酒無しのポーラを想像出来るか?」

ザラ「…………出来ません」ニガワライ

提督「だろう? 大丈夫、ザラのめでたい日に泥酔なんてしないさ」ニコッ

ザラ「はい♪」ニッコリ

 

提督「では、皆にその晴れ姿を見せに行くとしようか」

ザラ「はい♪ 新しいザラを皆さんにお見せしちゃいます♪」

 

朝風「それじゃ、私達は部屋に戻りましょ♪」

松風「あぁ、そうだな♪ 神風姉貴達も待ってるだろうし」フフ

 

提督「二人によろしくな。また会おう」ニコッ

ザラ「Ci vediamo(またね)♪」ノシ

朝風「は〜い♪」ノシ

松風「ま、またな////」ノシ

 

 こうして提督はザラと一緒にポーラの待つ重巡洋艦寮へと向かうのだった。

 

 

 重巡洋艦寮、ザラ・ポーラ・プリンツ部屋ーー

 

 意気揚々と部屋に戻ったザラ。しかしそこで何とも言えない光景を目の当たりにした。

 

ポーラ「ザラ姉様〜、due(改二)への改造おめでと〜♪」

プリンツ「あはは……」ニガワライ

 

 そこには妹のポーラが既にワインボトルを三本も開けているからだ。

 

イタリア「テイスティングするって言ってそのまま……」ニガワライ

ローマ「止めたんだけど、遅かったわ」クッ

アクィラ「水を飲むが如くで……」アハハ...

リベ「気がついたら三本開けちゃってた〜」ニガワライ

 

ザラ「ポォォォォラァァァァ!!!!」←修羅化

 

 ザラはキレた。改二になったからか、その怒り方もパワーアップしており、まるでなんたらゲリオンの初号機暴走並の修羅と化している。

 

ポーラ「ひぃぃぃ! ザラ姉様、待ってぇぇぇぇ!」ガクブル

プリンツ「これ元々空いてるボトルなの!」

アクィラ「ちょっとした悪戯心からなの!」

 

ザラ「悪戯……?」ゴゴゴゴゴ

ポーラ「(´;д;`)」コクコクコクコクコク

 

 ザラはポーラの息のニオイを嗅ぎ、お酒のニオイがしないことを確認すると禍々しい修羅のオーラが消えた。

 

ザラ「は〜、良かった♪ もぉ、ポーラったらこんな悪戯しちゃダメじゃない♪」ナデナデ

ポーラ「ご、ごめんなさい……」ブルブル

 

イタリア「それはそれとして♪」

ローマ「私達から改二へのお祝いよ」ニコッ

リベ「喜んでくれると嬉しいなぁ〜♪」エヘヘ

 

 二人はそう言って部屋の冷蔵庫から大きなティラミスを持ってきた。ココアパウダーの上には粉糖で『♡Auguri(おめでとう)♡』とデコレーションされている。

 

ポーラ「ざ、ザラ姉様のためにみんなで作ったお……ブランデーじゃなくて、ホワイトワインを使った特製ティラミスだお……」

 

 まだ怖さが抜け切ってないポーラは少々噛みながらもザラにおめでとうという気持ちを伝えた。

 するとザラは感動のあまり号泣。ポーラやみんなに何度も何度もありがとうと伝え、ポーラやプリンツが優しく寄り添った。

 

 それからは提督も加えたちょっとパーティが開かれ、ザラはみんなに感謝して最高の時を過ごしたーー。




今回はザラさんの改二おめでとう回にしました♪
改造レベル88というのを見て、思わず「ふぁっ!?」リアルに叫んだのは内緒。←

読んで頂き本当にありがとうございました♪

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