艦これ Short Story改《完結》   作:室賀小史郎

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意外と知らないこと。の談。

キャラ崩壊、他作ネタ、独自設定含みます。


艦これSS改29話

 

 ○○鎮守府、一〇〇〇ーー

 

 鎮守府倉庫ーー

 

 提督は鎮守府の倉庫へ川内と神通、そして二十一駆逐隊を伴って、明日の節分に必要な物を確認するためにやってきた。

 

提督「また今年も人手が増えたから、落花生もその分多く入荷したが……こう見ると多いな」

神通「そうですね……」

川内「でも全部なくなるんだよね〜、これ」

 

 最初に落花生の数を確認することにした。

 去年から大豆ではなく落花生を採用したが、どちらにしても数は物凄いので確認作業も大変である。

 

子日「ここにはネズミさんがいないから良かったよね。いたら多分食べられちゃってたもん」ニガワライ

若葉「ここの周りは野良猫が多いから自然と寄り付かなくなるのかもな」

初春「裏山にも天敵はいるじゃろうしのぅ」ニガワライ

初霜「勝手に食べちゃうようなことをしなければいいんですけどね〜」アハハ...

提督「私が着任した当初からいなかったからな……いたらいたで何か対策はするが、しなくて済むのはありがたい限りだ」

 

川内「提督って確か夏に着任したんだよね?」

提督「あぁ、それも暑い真夏にな」ニガワライ

川内「私はここに着任したの冬だったから、最初の夏の暑さにはちょっとびっくりしちゃったな〜」

神通「あの頃はまだ姉さんも昼型でしたからね〜。今はすっかり夜型に……」

 

 神通はそう言うと小さくため息を吐いた。

 すると川内は「非行少女みたいな感じに言わないでくれない?」と言ったが、神通は「そう言ってるんです」とバッサリ切り捨てる。

 

川内「うあ〜ん……神通が私をいじめる〜!」ヒシッ

提督「お〜、よしよし」ナデナデ

神通「そもそも提督が姉さんを甘やかすから、こうなってるんですよ!?」プンプン

提督「お、おぉ……しかし、ちゃんと日中もこうして起きてくれているのだからーー」

神通「私と那珂ちゃんが起こしてるからです!」ムゥ

二十一駆逐隊『…………』ニガワライ

 

 神通が「むぅ! むぅむぅ!」と提督に詰め寄ると、川内は変わらず神通から逃げるために提督の背中に引っ付いているので、二人に挟まれる形になってしまった。

 それを二十一駆逐隊のみんなは見つめることしか出来なかった。何故なら相手が相手なので下手に口出しすると矛先が自分達に向くからだ。

 すると、

 

那珂「那珂ちゃん登場〜☆」キャピッ

 

 本日秘書艦の那珂がやってきた。

 那珂は提督に頼まれて間宮達に明日の料理のことで確認を取りに行っていたのだ。

 そして川内を庇う提督と提督に詰め寄る神通を目撃した那珂は、

 

那珂「痴情のもつれ?」

 

 と素っ頓狂な発想を口走った。

 

神通「そそ、そんなのじゃないわ、那珂ちゃん!////」

 

 その言葉にいち早く反応した神通は顔を真っ赤にして那珂の元へ。

 

那珂「えぇ〜、川内お姉ちゃんと提督がいい雰囲気だったから詰め寄ってたって設定じゃないの〜?」ニシシ

神通「那珂ちゃん!////」

那珂「えへへ、ごめんなさ〜い♪」

 

 神通に謝る那珂だったが、舌をペロッと出してあまり反省の色は見えなかった。

 しかし神通は那珂の屈託のない笑みの前に怒る気も失せ、ニッコリと笑って「めっ」と言って那珂のおでこをペチッと叩くのだった。

 

川内「良かった〜……」フゥ

提督「いや、良かったと思う前に我々も反省しよう」ニガワライ

川内「あ〜い♪」

 

 それからは那珂も加えた全員で確認作業を進めていった。

 

 

 中庭、一一〇〇ーー

 

 確認作業を終えた提督達は中庭のベンチに座って小休憩を取っていた。

 

川内「提督はお茶だったよね?」つお茶

提督「む、ありがとう」ウケトリ

神通「はい、那珂ちゃんの分」つホットココア

那珂「ありがと〜♪」エヘヘ

川内「んで、初春もお茶で……子日はコーラね♪」

初春「かたじけない」ニコッ

子日「ありがとうございま〜す♪」

神通「若葉さんが栄養ドリンク、初霜さんはホットのお茶で良かったかしら?」

若葉「大丈夫だ、問題ない」キリッ

初霜「ありがとうございます」ペコリ

 

 川内と神通が明石酒保で飲み物を買ってきて提督と那珂に手渡すと、自分達もベンチに腰掛けた。

 そしてみんなしてお金を出してくれた提督にお礼を言ってから、それぞれ飲み物を口に含む。

 すると子日がふとした疑問を口にした。

 

子日「明日ってどんなお料理が食べれるの〜?」

那珂「明日の献立は〜、こんにゃくのピリ辛味噌煮と〜、けんちん汁と〜、恵方巻きと〜、イワシの塩焼きにお蕎麦〜♪」

提督「それと炒り豆と落花生だな」フフ

初春「去年は手巻き寿司じゃったが、今年は節分料理なのじゃなぁ」フムフム

子日「すっごく楽しみ〜♪」

若葉「けんちん汁……」キラキラ

初霜「若葉、よだれ……」フキフキ

 

 嬉しそうにしている子日や若葉に、みんなはホッコリとしながら二人の笑顔を見つめた。

 そして子日はまた口を開く。

 

子日「でも、恵方巻きとかお豆を食べるのは分かるけど、どうしてその料理が節分料理なの?」

 

 その言葉に若葉と初霜も首を傾げた。

 対する理由が分かっている提督達は、子日達に一つ一つ説明を始める。

 

神通「こんにゃくを食べる風習は四国地方で始まったと言われているの。こんにゃくには胃を綺麗にする効果があることから身を清める意味として節分に限らず、大掃除の後や冬至にも食すのよ♪」

 

子日「じゃあ、けんちんは?」

川内「けんちん汁を食べるのは関東地方の一部の風習だけど、節分だからけんちん汁、というよりは冬の行事のお供として、暖かい汁物って感じでけんちん汁が選ばれてるって話だよ。けんちん汁は元々が精進料理だからそういことも関わってのかも」

 

若葉「では蕎麦は何故だ?」

那珂「節分は立春の前日で、昔の日本は立春が一年の始まりだったの♪ それで昔は節分が大晦日でその大晦日には年越し蕎麦を食べるでしょ? 節分に蕎麦を食べるのもそれと同じ意味合いがあるんだよ♪」

 

初霜「イワシはどうしてですか?」

提督「イワシを食べるようになったのは厄除けの意味合いが強い。昔は邪気を鬼に見立て、それはイワシの臭いを嫌うとされ、柊鰯が出来た。そしてイワシは焼く時に他の魚と比べ煙が多く、その煙には米食い虫を追い払う効果があった。そういうことからイワシも食べるようになったそうだ」

神通「因みに、山口県では節分の日にクジラのお肉を食べる風習があるのよ」ニコッ

那珂「あ、那珂ちゃん知ってる♪ 大きい物を食べると縁起がいいからだよね♪」

初春「大きなクジラにあやかり、『志を大きく』、『心を広く』という思いも込められておるのぅ。日本の伝統文化じゃ」ウンウン

 

子日「へぇ〜、それぞれちゃんと理由があるんだね!」

若葉「日本とは本当に奥深い文化の国だな。この国に生まれて良かった」ウンウン

初霜「明日の節分は去年よりももっと楽しんで出来ますね♪」

提督「他のみんなも明日に向けて打ち合わせしているからな。しっかり楽しんで、豆を撒き、福を呼び込もう」ニコッ

 

 提督がそう言うと、子日達は元気に返事をした。

 それから提督と那珂は執務室に戻り、川内達は食堂や酒保へお手伝いをしにそれぞれ向かうのだったーー。




明日は節分ということで、準備回というか豆知識回的な感じにしました!

読んで頂き本当にありがとうございました☆

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