キャラ崩壊、ネタ含みます。
○○鎮守府、一五〇〇ーー
執務室ーー
瑞鳳「提督〜、頼まれた報告書のファイリング終わったよ〜♪」
提督「む、そうか。ありがとう、瑞鳳。助かったよ」ナデナデ
瑞鳳「えへへ〜、これくらいどうってことないよ〜♡」デレデレ
提督から頭を撫で撫でされて、瑞鳳はだらしなく顔を蕩けさせていた。
本日の秘書艦は祥鳳だが、瑞鳳は提督に会いたいからお手伝いという形で執務室に来ていた。
そして今は祥鳳が工廠に開発をしに行っているため、瑞鳳は存分に提督を独り占め状態である。
瑞鳳「提督〜♡ 次のお仕事はな〜に〜?♡」スリスリ
提督「今はこれと言ったことはないな。祥鳳が帰ってくるまでゆっくりするといい」ニコッ
瑞鳳「そっか〜……あ、なら提督の肩でも揉もうか?♡ 私、得意なんだよ♡」
提督「それならお言葉に甘えようかな」
提督はそう言うと制服の上着を脱いでワイシャツ姿になった。
対する瑞鳳はニヤニヤした表情で提督の無防備な背中を眺め、怪しい笑い声をグッと堪えて提督の肩に手を置いた。
提督「よろしく頼む」
瑞鳳「は〜い♡ うわぁ……結構凝ってるね〜。これは真剣にやらないといけないかも」グニグニ
(提督に触っちゃったぁぁぁ♡)←心の声
提督「机仕事が多いと自然と凝るのだろうな……んぐっ」
瑞鳳「あ、痛かった?」
(ななな、なに今の声!♡/////)キュンキュン
提督「いや、マッサージされると私は声が出てしまうんだ。痛かったら言うから、そのまま続けてくれ……んぁ」ビクッ
瑞鳳「わ、分かった〜////」
(いけないことしてるみたいぃぃぃぃ♡!////)キャー
提督「私は変わっていてね。足裏などは平気なんだが……っ、肩はどうも……んんっ、弱いみたいでな……くっ」ピクン
瑞鳳「あ、あ〜、あるよね〜、そういうの〜//// 提督だから言うけど……私も、内腿押されると変な声出ちゃうから////」
(提督の声で集中出来ないよぉぉぉ♡!////)
そんなこんなで提督の肩をマッサージする瑞鳳だったが、どちらが癒している側か分からない状況だった。
するとそこに執務室のドアをノックする者がいた。
提督は瑞鳳に「マッサージありがとう」と言って姿勢を正してから、ノックに対して「入りなさい」と声をかけると、ドアがゆっくりと開き、祥鳳が入ってきた。
祥鳳「只今戻りました……」ドヨーン
提督と瑞鳳は祥鳳の元気の無さに驚いた。
何故なら工廠へ向かう時はとても元気だっからだ。
そんな祥鳳に瑞鳳は「どうしたの?」と心配そうに声をかけるが、その顔はニヘニヘしていたので、祥鳳は小首を傾げていた。
提督「何かあったのか?」
提督はそう言って上着を着直すと、祥鳳は少し涙ぐみながら提督の膝にすがりついてきた。
祥鳳「提督〜、私って着物じゃないとおかしいのでしょうか!?」ウルウル
提督「どういうことだ?」コンワク
すると祥鳳は「工廠から帰ってる時のことなんですけど……」と言って、説明を始めた。
工廠からの帰り道ーー
祥鳳『ふぅ、後はこの報告書を提督にお渡しして……』
祥鳳が開発での報告書を受け取って執務室に戻っていると、向こうから名取と阿武隈達の遠征隊が工廠の方に歩いてきていた。
祥鳳『あら、お疲れ様』ニコッ
名取『あ、お疲れ様です』ペコリ
阿武隈『お疲れ様で〜す』ニコッ
祥鳳が挨拶すると名取と阿武隈は返してくれたが、
朧・曙・漣『…………』
潮『?』
随伴艦の朧達は祥鳳を不思議そうに見つめていた。潮に限っては三人の反応を不思議そうに見ていただけだが。
祥鳳『ん? どうしたの、みんな? 私の顔に何かついてる?』
三人の反応に祥鳳がそう訊ねると、
朧『祥鳳さんがコート着てる』
曙『明日は大寒波かしら?』
漣『風邪でも引いたの、祥鳳さん!?』
と驚きの反応だった。
祥鳳『え……確かにコート着てるけど、みんなが思ってるようなことはないわよ?』
朧『だって祥鳳さんだよ!?』
祥鳳『どういうこと!?』
曙『いつも肩を出してたのに!』
祥鳳『出撃の時だけでしょう!?』
漣『寒い時は道中着羽織ってたのに!』
祥鳳『汚れちゃったからクリーニングに出してるだけよ!?』
潮『あ、あの、どうしたらいいんでしょう?』オロオロ
名取『ど、どうしようね?』ニガワライ
阿武隈『確かに祥鳳さんっていつでも着物姿で、洋服着てる印象が無いから、朧ちゃん達の反応も少しは分かるかも……』ニガワライ
祥鳳『鳳翔さんや赤城さん達だってコート着てる時あるでしょう!?』
朧『そうだけど、祥鳳さんのコート姿ってあんまり想像してなかったから……』
曙『暖かそうな格好が新鮮なのよね』
漣『洋服姿の祥鳳さんってのはね〜』
祥鳳『……うぅ〜……』
ーーーーーー
ーーーー
ーー
祥鳳「ーーてなことがありまして……」クスン
提督「そ、そうなのか……」ナデナデ
提督は祥鳳の話を聞いて、苦笑いを浮かべつつ嘆く祥鳳の頭を優しく撫でた。
瑞鳳「まぁ〜、みんな祥鳳=着物ってなってるから、そういう反応されても仕方ないんじゃない?」ニガワライ
祥鳳「でも着物じゃないからって明日は大寒波とか風邪引いたとか言われるとショックじゃない!?」
瑞鳳「それは〜、まぁ〜……ショックかな〜」メソラシ
祥鳳「私だってお洋服持ってるのに〜」メソメソ
瑞鳳「お〜、よしよし」ナデナデ
落ち込んでいる祥鳳に瑞鳳はどう声をかけていいのか分からず、提督に『どうしよう?』と目配せした。
すると提督は「ふむ……」と少し思案してから、祥鳳に声をかける。
提督「祥鳳、私は今の祥鳳も素敵だと思うぞ?」
祥鳳「え……////」ドキッ
提督「確かに普段から祥鳳は着物姿で、それはそれでとても似合っている。だから皆、何ら違和感なくいたのだろう」
祥鳳「そんな……////」ドキドキ
提督「そして、今日はコートという洋服姿だった訳だが、それはその姿の祥鳳を否定しているのではなく、新しい魅力に驚いていたのではないかな?」
祥鳳「新しい魅力……////」キュン
提督「そうだ。だから気にするとこなく、好きな服を着たらいい。勿論任務中は制服を着てもらわなくてはいけないがな」ナデナデ
祥鳳「提督……♡////」キュンキュン
すると祥鳳は立ち上がった。
そんな祥鳳の様子を提督と瑞鳳が見ていると、
祥鳳「今の私はありですか?♡////」
と言ってその場でクルリと回って見せた。
提督「あぁ、素敵だ」ニコッ
瑞鳳「似合ってるよ♪」
祥鳳に二人は笑顔でそう言うと、祥鳳は「やった〜♡」と嬉しそうに、そして幸せそうに笑顔を振り撒いた。
その後、名取達が報告にやってきて、祥鳳からの話を瑞鳳がみんなにすると、みんなは提督が言ったように祥鳳の新しい魅力に驚いての言葉だったと明かし、その言葉で祥鳳はまた喜んだそうなーー。
今日は祥鳳さんが航空母艦へ改造完成となった竣工日なので、祥鳳さんをメインにほのぼの回を書きました!
「ワシントン海軍軍縮条約」と「ロンドン海軍軍縮会議」によって各国は空母の保有数を制限され、当時の日本は計画段階の「蒼龍」「飛龍」までしか空母は建造出来ませんでした。
そこで日本は、その条約に抵触しないレベルで空母っぽい艤装をさせた艦を建造しておき、いざ空母が必要になった時に備え、空母に改装出来るようにしておくという計画を立て、その候補の一隻となったのが、当時、高速給油艦の「剣埼」でした。
それから潜水母艦となり、それを経て空母・祥鳳となった経緯があります。
ということを踏まえて、此度も読んで頂き本当にありがとうございました☆