艦これ Short Story改《完結》   作:室賀小史郎

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発艦! の談。

キャラ崩壊、独自設定含みます。


艦これSS改126話

 

 ○○鎮守府、一五〇〇ーー

 

 中庭ーー

 

提督「すぅ〜……はぁ〜……」

瑞鶴「今日は風も波も穏やかでいい日和ね♪」

翔鶴「そうね、瑞鶴。少し気温は高いけど、日陰にいれば過ごしやすいわ♪」

 

 執務の休憩で中庭にやってきた提督と本日秘書艦の瑞鶴、そしてそのお手伝いの翔鶴。

提督はいつものように喫煙スペースのベンチで煙草を吸う中、翔鶴と瑞鶴はその提督の両サイドに座ってペットボトルのお茶を飲んでほのぼのとしている。

 

提督「……翔鶴、味方機が戻って来たぞ」

翔鶴「え?」

 

 唐突な提督の言葉に翔鶴は思わず小首を傾げた。するとすぐに提督の言葉の意味が分かった。

 

翔鶴「紙、飛行機?」

 

 翔鶴の膝の上に赤い色の折り紙で折られた紙飛行機がポテッと着地したから。

 

瑞鶴「綺麗に折られてるわね〜。誰が折ったのかしら?」

提督「その(あるじ)が迎えに来たみたいだぞ」クスッ

 

 提督がそう言って小さく笑う。翔鶴達はその視線の方に目を向けると、

 

雲龍「ごめんなさい。まさかそんなに飛ぶとは思わなかったの」

 

 雲龍がテクテクと歩いてきた。

 その後方からは雲龍の妹である天城と葛城、そして祥鳳と朧、漣、朝潮、大潮、霰と大人数がやってくる。

 

 みんなは提督や翔鶴達に挨拶をし、今みんなで紙飛行機で遊んでいることを説明した。

 

提督「紙飛行機か……私も子どもの頃は良く折って飛ばしていたな。それもわざわざ金や銀の折り紙で」アハハ

大潮「金や銀は勿体なくて使ってないです!」

霰「それで最後まで残っちゃうパターン……」ンチャ

瑞鶴「あ〜、でもそういうの分かるわ〜」ニガワライ

葛城「私もそんな感じになるかな〜」ニガワライ

 

 提督の思い出話から性格の話になり、互いにうんうんと頷き合う瑞鶴達。

 

翔鶴「みんなは駆逐艦の娘達と過ごしてたのね」フフフ

雲龍「えぇ、お昼寝してたらおでこに爆撃されて、ね」クスッ

天城「もう少し穏やかな物言いをしてください、雲龍姉様」ニガワライ

祥鳳「最初は私と遊んでいたんです。私が日向ぼっこをしていると、漣ちゃん達がやって来て『祥鳳さんは空母だから紙飛行機も得意なの?』って訊かれて、それで……」

朧「だって、ね〜?」

漣「紙でも飛行機だからね! 飛行機といえば空母だから気になった!」キリッ

朝潮「私もつい気になってしまって……////」

 

 朧、漣は平然と話す中、朝潮だけは微かに頬を赤く染めていた。朝潮からすれば恥ずかしかったのかもしれないが、みんなからすればなんとも可愛らしい疑問である。

 

提督「それで、一番飛ばせたのは雲龍だったという訳か?」

雲龍「えぇ、凄い?」

提督「あぁ、話を聞く限り、二十メートルは飛んだということになるだろう? 十分凄いじゃないか」ナデナデ

雲龍「そう……♡」エヘヘ

 

 提督に褒められて嬉しそうにする雲龍。そんな雲龍を周りのLOVE勢は羨まし気に眺めていた。

 

朧「そういえば、紙飛行機の飛距離にもギネス記録ってあるの?」

漣「そりゃあるっしょ〜。だってギネスだよ?」

 

 漣はそう言うとポケットから通信機(スマホ)を取り出し、そのことを検索。

 

漣「うへ〜……六九.一四メートルだって、ぱねぇ」

朧「ぱねぇっていうか、えぐいね」ニガワライ

大潮「そんなに飛ばせることが出来るんですね〜」

霰「力加減とか風向きとか好条件が重なると出来るのかな?」

朝潮「そもそも折り方も工夫しないと出来ないんじゃない?」

 

 ギネス記録に圧倒される駆逐艦達。

 

瑞鶴「ギネスって何でも認定するのね」ニガワライ

祥鳳「それだけ記録を残される人がいるんですよ」フフッ

葛城「中にはどうしてそんな記録を認定したんだろってのありますよね」ニガワライ

天城「私が知っているのだと……『世界一早く足でサンドイッチを作れるギネス記録』ですね」クスッ

翔鶴「そんなのあるのね……普通に手で作ってほしいわ」ニガワライ

雲龍「手で作るとダークマターになるけど、足で作ると最高の一品が出来るのかしら?」

提督「そういう訳ではないと思うぞ」ニガワライ

 

 一方、提督達はギネス記録そのものに圧倒されていた。

 そんな話をしていると、漣が「ギネス記録を出した紙飛行機の折り方」というのを見つけ、この場にいる中で一番折り紙が得意な朝潮が代表で折ることになった。

 

漣「A4サイズの紙で作るんだって♪」

大潮「紙持ってきました♪」つ紙

朝潮「ありがとう……それで、折り方は?」

 

漣「まずは左上を頂点にして折り目を付けて、ヘラを使用してしっかりと折り込むって」

霰「はい、ヘラ」つヘラ

朝潮「左上を頂点に……」スッスッ

 

漣「んで一度戻して、今度は右上を頂点にして折り目をつける」

大潮「〜〜」ワクワク

朝潮「こうやって……それで?」

 

漣「左上から右下の折り目に沿って折り曲げる」

朝潮「…………」オリオリ

漣「んで、元に戻して逆側も同じように右上から左下への折り目に沿って折り曲げる」

朝潮「…………」ヨイショヨイショ

 

漣「次に折り目が交わる点を基準にして折り曲げて、更に中心にピッタリあうように左右を折り曲げる」

朝潮「漣さん、ちょっと写真見せて」

漣「ほい」つ通信機

朝潮「…………よし、大丈夫」

 

漣「紙飛行機っぽく半分に折り曲げて、先端に少しずらして翼部分を折り曲げる」

朝潮「それで逆サイドの翼も同じように折り曲げて……完成!」ペカー

 

 漣が読んだ通りに朝潮が折り上げると、それは非常にシンプルな紙飛行機になった。

 

瑞鶴「えぇ〜、これでいいの? 凄くシンプルだけど?」

提督「シンプルイズベストなのだろう。でもしっかりと折り込んでいるのがミソなのだろうな……あとは投げ手の投げ方次第といった感じか」

葛城「んじゃ、一番上手に飛ばせる雲龍姉が投げてみなよ♪」

雲龍「え、私?」

 

 雲龍は少し戸惑いの表情を見せる。しかし朝潮達駆逐艦のキラキラと輝く期待感あふれる瞳に押され、飛ばすことに。

 

雲龍「えいっ」ヒョイッ

 

 雲龍が紙飛行機を投げると、全員が『おぉ〜!』と声をあげた。

 何故なら先程よりも明らかに飛距離が伸びたからだ。

 

提督「軽く三十は飛んだな」

瑞鶴「凄いわね〜」ビックリ

翔鶴「えぇ、あんなに飛ぶなんて思わなかったわ」

 

 こうしてギネス記録を叩き出した折り方で折られた紙飛行機はみんなに感動を与え、朧達も真似してその紙飛行機を折ってみんなして飛ばして遊んだそうなーー。




今回は紙飛行機を題材にほのぼのとした回を書きました!
そして今日は祥鳳さん(この時はまだ剣崎)と翔鶴さんの進水日なので二人も登場させました♪
二人共おめでとう!

読んで頂き本当にありがとうございました☆

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