艦これ Short Story改《完結》   作:室賀小史郎

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まだまだ新入りには負けないさ。の談。

キャラ崩壊、独自設定、ガムシロップ二つほど含みます。


艦これSS改121話

 

 ○○鎮守府、一六〇〇ーー

 

 執務室ーー

 

提督「ん……分かった。直ちにそちらへ向かう」

 

 工廠からの通信を終えると、提督は透かさず立ち上がる。

 

武蔵「お、もうそんな時間か……」フム

 

 本日秘書艦である武蔵がそう言って壁掛け時計に目をやると、手伝いにきている大和が書類整理している手を休めて「行ってらっしゃいませ♡」と提督に声をかけた。

 

提督「あぁ、少し留守にするよ。何なら二人も一緒に行くか?」

武蔵「せっかくの誘いだが、今回は遠慮しよう。な、姉さん?」チラッ

大和「えぇ、やはり今回ばかりは遠慮します。先ず初めは提督にお披露目したいでしょうから」ニッコリ

 

 大和がそう言うと、武蔵は「ということだ♪」と提督へ笑みを向ける。

 すると提督は「ん、分かった」と笑顔で返し、執務室をあとにした。

 

 工廠に何の用事があるのかというと、今日は長門が改二への改造をしているからだ。

 先程の電話はその改造が終わるという報せであり、提督がそれを出迎えに行くところ。

 

 今回は大規模作戦後に改造許可が下ったが、長門の改造に必要な資源は驚異の数字であることに加え、改装設計図も必要となった……が普段からどんな時でも資材や設計図をある程度貯めている提督にとって、それは二つ返事だった。

 

 

 工廠、改造室ーー

 

工廠妖精α「お待たせしました!」ケイレイ

工廠妖精β「超いい仕事したぜぇ♪」マンゾク

工廠妖精γ「またいい仕事をしてしまった……」フフリ

 

提督「おぉ……」

 

長門「……どうだ、提督? 新しくなった長門の姿は?」ニッコリ

 

 改二への改造を果たした長門は見違えた。

 先ず目を引くのは新たに追加された黒のロングコート。裾や縫い目に山吹色のラインが入っていて、長門がかつて連合艦隊の象徴として君臨していた頃を思い起こさせるような……威風堂々とはまさにこのことだった。

 腕も親指と人指し指以外のすべてを腕貫で覆い、スカート丈も少しだけ長くなった。更にはストッキングのデザインの変更に伴い、太ももを覆う長さも伸びている。

 

 制服だけでなく艤装にも大きな変化がある。

 それは更に強大化し、砲台基部が艦体型に変更されたこと。そして上部砲塔が三連装砲になり、下部砲塔基部に機銃座が複数備わっている。

 

提督「うむ……風格が増し、本当に見違えた。素敵になったじゃないか、長門」ニッコリ

長門「そ、そうか?♡ 提督にそう言われると、胸が熱くなるな……♡////」

  (やったやった!♡ 提督に素敵って言ってもらえた〜!♡)

 

 提督に褒めてもらえた長門は表情も心も嬉しさを爆発させていた。何しろ心から慕う提督からの言葉なのだから、そうなるのも当然である。

 

長門「提督……その、もっと私を見てほしい……♡////」モジモジ

提督「あぁ、せっかくだからな。改二になったばかりの姿を堪能させてもらうよ」ニコッ

長門「〜♡」←恍惚ポーズ

 

工廠妖精β「くっそ甘い雰囲気だな……

工廠妖精γ「見つめ合って二人だけの世界だぁねぇ

工廠妖精α「長門さん、めっちゃお目々ハートでっせ

 

 工廠妖精達が小声でつぶやく中、長門は提督に存分に新しくなった自分を披露するのだった。

 

 

 そして時は過ぎ、二一〇〇ーー

 

 提督は長門と共に鎮守府本館の屋上にて、改二実装祝いとして二人だけでの酒盛りをしていた。

 

提督「本当におめでとう、長門」トクトク

長門「おっとと……ははは、ありがとう、提督♡」ニコニコ

 

 今宵は新月であるが月の代わりに無数の星星が夜空を彩っていて、その元でのしっとりとした落ち着いた雰囲気はとてもロマンチック。

 

 その頃、戦艦寮の一室では、

 

陸奥「長門ったら、あんなに嬉しそうにしちゃって♪」フフフ

武蔵「恋する少女そのものだな」ククク

大和「長門の裏切り者〜!」グヌヌ

伊勢「いいな〜」ユビクワエ

金剛「近過ぎマス! ワタシもあれくらい接近したいデス!」ガルル

榛名「でもお似合いですよね……」ムゥ

ビスマルク「………………」ビールカンベコベコ

イタリア「私もあんな風に提督とワイン飲みたいわ〜」

ローマ「」コクコクコクコク

ウォスパ「私はウィスキーを飲みたいわね」ムムム

ガングート「私ならウォッカだな」ジーッ

 

 戦艦のLOVE勢達が扶桑姉妹の部屋に集結していた。それも双眼鏡持参で。

 今月の扶桑姉妹の部屋は提督の私室が見える部屋ではないが、たまたま……そう、今回たまたま提督と長門が二人きりの酒盛り風景が見えてしまう位置だったのだ。

 

山城「提督は長門に取られるし、みんなは押し寄せて来るし……ムカつくわ」ケッ

 

 部屋主である山城はそう言ってとても不機嫌そう。それでも前のように「不幸だわ」と言わないだけ、かなりの進歩である。

 

扶桑「まあまあ、山城。そう言わないの。というか、山城は見なくていいの?」

山城「見たくないです……提督が姉様や私以外の人と二人きりのところなんて……」チラッチラッ

 

 扶桑の質問に山城は口ではそう返しているが、目は落ち着きなく窓の方を確認している。

 そんな乙女な妹を姉の扶桑は『山城はまだまだ素直じゃないわね……』と心の中でつぶやいて、小さく笑みを浮かべて茶をすするのだった。

 

 そして提督と長門は、

 

提督「潮風が酒で火照った体に丁度いいな」

長門「あぁ……凝った物ではなく、こうした小さなことが最高の贅沢なのかもしれないな♡」ウットリ

 

 みんなに見られているとも知らず、互いに酒を酌み交わしていた。

 長門は提督のペースに合わせて飲んでいるので、いつもより酒の量は少ない。でも最愛の提督がすぐそばにいる……手を伸ばせば届くところにいる。これだけで長門は気分良く酔えていた。

 正確には提督に酔っているのもしれない。

 

長門「私は提督に出会えて幸せだ……感謝している♡ 私の提督になってくれてありがとう♡」

提督「ははは、不思議なお礼だな。長門が私の元へ来てくれたというのに」クスクス

長門「なんとでも言え♡ 私は常々そう思っているんだからな♡」

 

 そう言うと長門はコテンと提督の肩に自身の頭を預けた。今は勤務外なのでいつも頭に装着しているアンテナを外している+お酒の席ということで出来た体勢だ。

 

提督「そうか……ならば、私もありがとうと言葉を送ろう。長門」ナデナデ

長門「ふふふ、ありがたく貰っておこう……か♡」スリスリ

 

 こうして提督と長門は日付けが変わるその時まで、誰にも邪魔されずに酒盛りを続けるのだったーー。




 おまけーー

 今日の一八〇〇頃ーー

 戦艦寮、長門型姉妹部屋ーー

長門「私はどうしたらいい、陸奥」シンケン
陸奥「何が?」
長門「提督に私の我が儘で二人きりで酒を飲みたいと……そう願ってしまったんだ」
陸奥「? それの何が問題なの? 提督嫌がってたりしたの?」
長門「いや、そんなことはない。寧ろ笑顔で快諾してくれたさ」
陸奥「ん〜? 別に酔った勢いで長門が提督を襲わなきゃいいんじゃないの?」
長門「それは流石にしないさ……酔った勢い、それも合意無しではしたくないしな」ウンウン
陸奥(何度か夜這いしに行ったくせによく言うわ)ニガワライ
長門「それに出来れば、求められたいしな……////」モジモジ

陸奥「あっそ。で、結局何が問題なの?」
長門「提督と二人きりの時、私は己のよだれや鼻血を制御出来る自信が無いんだ!」ドドン
陸奥「あ〜……そういう」ニガワライ
  (何でそんなドヤ顔なのよ……)
長門「提督の前で粗相なんて出来ん。何か良い方法はないか?」
陸奥「ん〜……無いわね」キッパリ
長門「orz」ガックリ

陸奥「心配しなくても、姉さんなら本当に提督といい雰囲気になれば、ああはならないわよ♪」
長門「そうだろうか……」
陸奥「えぇ♪ だって姉さんは提督の前では乙女乙女しちゃってそんなの死んでもしないように脳が制御するもの♪」
長門「ん、ん〜?」クビカシゲ
陸奥「普段通りにしてればいいってこと♪ 大和だとちょ〜っと心配だけど、姉さんなら大丈夫よ♪」
長門「何だか腑に落ちんが、まぁいいだろう! 女は度胸! 提督と二人きりで過ごしてくるぞ!」キラキラ
陸奥「えぇ、楽しんでね♪」
  (姉さんは思い込みが激しいから、こういう風に勢い付けた方が効果あるよのね)フフフ

 このアドバイス(?)で長門はちゃんと提督と良い雰囲気を堪能出来たとさーー。

 ーーーーーー

長門さんの改二実装が来ましたので、そのことと少しお砂糖を加えたお話にしました♪
長門さん、改二の姿は本当にオッパイの付いたイケメンですね!
資材がぶっ飛びますが、して損はありませんね!

ということで、読んで頂き本当にありがとうございました!

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