キャラ崩壊、他作ネタ、含みます。
○○鎮守府、一〇〇〇ーー
防波堤ーー
グラーフ「よっ、と……ふむ、防波堤でも結構釣れるものだな」
アクィラ「えぇ〜、グラーフまた釣れたの〜!」
サラトガ「引きがいいわね〜」ムゥ
マックス「凄いわね」
レーベ「いいなぁ〜」
リベ「リベも早く何か釣りた〜い!」
提督「ははは、待つのも釣りの内だぞ」
天龍「そうそう。焦らずゆっくり待てよ♪」
龍田「その内食いつくからね〜♪」クスッ
本日は珍しく仕事がない提督は艦隊運用を演習のみとし、空いている者達と穏やかに釣りを楽しんでいた。
日は出ていても寒いのでみんな防寒対策はバッチリだが、本日秘書艦任務の予定だったリベッチオは提督の防寒マントに潜り込み提督の胸元から顔を出している。
リベッチオは寒がりなので提督のマントに潜り込んだのがきっかけだ。
提督も最初は驚いたが、リベッチオの体温で自分も温かいのと父性が湧き、こうして一緒に釣りをすることにした。
リベ「おっきいの釣ってお昼御飯にするんだ〜♪」
提督「あぁ、大きいのを釣ろう」ナデナデ
リベ「うん♪」スリスリ
マックス(パパに抱っこされたい……)
グラーフ(なんて羨m……んんっ、微笑ましいんだ)
天龍(まるで親子だな〜)
龍田(微笑ましいわ〜)
LOVE勢のグラーフと『提督はパパ倶楽部』に所属しているマックスは提督に甘えるリベッチオを羨ましそうに見つめていた。
すると、
「皆さ〜ん♪」
「私達も入れて〜♪」
複数の声が聞こえてきた。
声のした方を見ると、そこにはザラが釣り竿、ポーラがクーラーボックスをそれぞれ持って手を振っていた。
提督達はザラ達に「どうぞ〜♪」と返事をするとザラとポーラは提督側の方を陣取った。
ザラ「わぁ、妙に提督のお腹ら辺が大きいと思ったらリベちゃんがいたんだね!」
リベ「えへへ〜♪ ビックリした〜?」
ザラ「うん、ビックリしちゃった♪」
ポーラ「カンガルーさんみたいだね〜♪」
リベ「〜♪」ニコニコ
リベ「ポーラさんは釣り竿持ってないけどやらないの?」
ポーラ「うん、私は見物に来ただけだから♪」
ザラ「ならそのクーラーボックスの中に入ってるワインはいらないわよね?」ニコニコ
ポーラ「あ、あはは〜……これはワインじゃなくて葡萄の香りがするジュースで……」
ザラ「ポーラ?」ニッコニコ
ポーラ「ん〜! ん〜ん〜!」プルプル
ザラの絶対零度の笑顔を前にしても、今日のポーラは何故か聞き分けなく涙ぐみながら首を横に振っている。
提督「今日はほぼ休みみたいなものだからな。嗜む程度なら飲んだっていいじゃないか」ニガワライ
ポーラ「(>Д<;)」コクコク
ザラ「でも……」
天龍「提督の前で粗相はしねぇだろうしいいんじゃね?」
龍田「もししたらどうなるか分かってるものね〜♪」
ポーラ「(-ω-。)」コクコクコクコク
ザラ「一本だけよ? 全部飲んじゃダメだからね?」
全員が『そのクーラーボックスに何本入っているのだ?』と思ったのは秘密である。
ポーラ「は〜い♪ ザラ姉様、大好き〜♪」ギューッ
ザラ「調子いいんだから」クスクス
それからザラは釣りを始め、ポーラは「皆さんも飲みますか〜?♪」とこの場にいるみんなに声をかけた。
グラーフ「一杯頂こう」
天龍「オレにも一杯くれ」ノシ
アクィラ「白があるなら一杯くださいな♪」
サラトガ「赤くださいな♪」
龍田「私も赤ならください♪」
ポーラ「どっちもありますよ〜♪」エヘヘ
提督「どちらも持ってきているとは、流石だな」フフフ
ザラ「お恥ずかしいです////」
リベ「でもポーラさんらしいね〜♪」
レーベ「確かにね」アハハ
マックス「ワイン=ポーラって感じだしね」クスッ
ザラ「////」カァー
ザラがどんなに顔を赤くしても、ポーラは全く気にせずにワインを望むみんなへワインを注いで回った。しかもちゃんとクーラーボックスの中には小さなサイズのワイングラスが幾つも入っていたので、みんなはそのワイングラスでワインを飲みつつ、優雅に釣りを楽しんだ。
ポーラ「わぁ〜、グラーフさんのボックスはお魚いっぱいだね〜」
グラーフ「食いつきが良くてな♪」
アクィラ「さっきからグラーフばっかりなのよね〜」
サラトガ「な〜んか不公平なのよね〜」
ポーラ「餌が悪いんじゃないの〜?」
グラーフ「みんな同じ餌なんだがな〜」
天龍「こればっかりは魚の気分次第だからな」ニガワライ
龍田「焦らず待ってれば釣れるわよ〜♪」
その直後、提督と天龍の釣り竿の浮きが同時に沈んだ。
天龍「よっしゃあ♪」
龍田「天龍ちゃん、ファイト〜♪」
天龍は透かさず立ち上がり、竿を立ててリールを巻いていった。
提督「これは重いがどうかな?」グググッ
提督は延べ竿だがリベと一緒に竿を立て、自分の体を使ってカバーリングをしつつ一気に勝負をかけた。
提督「リベ、せーのでいくぞ?」
リベ「分かった!」ググッ
提督「せー、の!」
リベ「えぇい!」グイッ
提督とリベが協力して釣りを上げると、ザパァッという音と共に大物のメジナが掛かっていた。
ザラ「おっきい〜!」
リベ「やったやった〜♪」キャッキャ
龍田「天龍ちゃんの方も釣れたわよ〜♪」ノシ
天龍「大物のアイナメだぜ♪」ニッ
それぞれの大きさはメジナが三七cmでアイナメが三〇cmという成果だった。
ポーラ「どっちも大きいね〜」ツンツン
提督「アイナメは大物だと五〇cmとかだが、防波堤でこの大きさはなかなかだ」
リベ「嬉しい〜♪」
天龍「なんかこれだけで満足って感じだな」フフン
龍田「良かったわね〜」フフフ
グラーフ「私は釣れていても小物が多いから羨ましいな」フフ
アクィラ「釣れてないアクィラ達はもっと惨めなんだけど〜」ムムム
サラトガ「何か……もうこの際バケツでもいいから何か釣り上げたい!」
マックス「頑張ってね」クスクス
レーベ「バケツなんて海の底にあるのかな〜?」ニガワライ
ポーラ「あはは、二人共頑張っtーー」
カプッ!
ポーラ「カプ?」
ポーラは親指に何やら変な感触がしたので確認すると、天龍が釣り上げたアイナメがポーラの親指に噛み付いていた。
ポーラ「ありゃりゃ……これ、お魚君。それはポーラの親指だぞ〜」ペチッ
ポーラは相変わらずのトーンで魚にツッコミを入れているが、
ザラ「ポーラ! 大丈夫!? 痛くない!? 血出てない!?」
ザラは血相を変えてポーラの元へ駆け寄った。
ポーラ「痛くない痛くない。大丈夫だよ、ザラ姉様〜」ニガワライ
ザラ「毒とかあったらどうするの! とにかく早く見せて!」
天龍「アイナメなら大丈夫だぞ」ニガワライ
ポーラ「もぉ、ザラ姉様は心配性なんだから」クスクス
ザラは急いでアイナメの口からポーラの親指を引き抜くと、
ザラ「大変! 指が短いよ!」
提督「落ち着きなさい、ザラ。親指は元々短い」
ザラ「あ……////」ボンッ
提督のツッコミで我に返ったザラはみるみる顔を赤く染めた。
そんなザラを見てみんなは可笑しそうに笑い、ザラは恥ずかし過ぎて提督の背中に顔を埋めて羞恥から逃げるのだった。
その日からポーラは酔うと「親指が短くなっちゃった〜!♪」と口走るようになったそうなーー。
今回は海外艦メインのほのぼの回にしました!
読んで頂き本当にありがとうございました☆