艦これ Short Story改《完結》   作:室賀小史郎

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着任しました! の談。

キャラ崩壊、ネタ、独自設定含みます。


艦これSS改118話

 

 ○○鎮守府、〇九〇〇ーー

 

 鎮守府本館内、廊下ーー

 

龍驤「しっかしまぁ、よう来たな〜♪ ん〜?♪」

春日丸「はい、またお会い出来て嬉しいです」ニッコリ

 

速吸「神威さん、よろしくお願いしますね」ニコッ

神威「はい。こちらこそ、よろしくお願いしますね」フフフ

 

 本日も鎮守府には新たな艦娘が着任していた。

 

 春日丸級の軽空母、その一番艦、春日丸。

 龍驤とは短い期間ではあるが第四航空戦隊を組んでいた。少々おっとりしているが優しい雰囲気の艦娘である。後に大鷹(たいよう)と名を改めるが、今は春日丸で親しんでもらう。

 

 神威型補給艦の一番艦、神威。

 独特のアイヌ民族衣装に身を包み、凛とした出で立ちで心優しき艦娘。先に着任している給油艦の速吸と同じく、任務外は食堂で艦隊の健康管理を任命される予定だ。

 

 

 執務室、ドア前ーー

 

神威「うぅ〜、緊張しますぅ」ドキドキ

春日丸「は、はい……」ドキドキ

 

 提督と対面する直前、ドアの前で二人は緊張の色をより強くする。

 

龍驤「なはは、そんな緊張せんでもうちんとこの司令官は怖ないで♪」

速吸「はい、いつも笑顔が絶えない優しいお人ですよ♪」

 

 そんな二人を龍驤達は励ますが、そうだと分かっていても初の対面はどうしても緊張してしまう。

 

龍驤「春日丸は出だしから『トゥーッス!』って言えば、うちの司令官も面食らうで!」

春日丸「とぅ〜すですか?」コンワク

龍驤「せやで。何事もインパクトが大切や」ウンウン

 

速吸「じゃあ神威さんはアイヌ語で挨拶しちゃいましょう♪」

神威「えぇ!? む、無理です!」

速吸「え〜、いいと思うんだけどなぁ〜」

 

 そんな話をしていると、執務室のドアが開いた。ドアの前でこれだけ騒いでいれば開くのも当然である。

 

大鳳「ドアの前で話していては丸聞こえですよ?」ニガワライ

提督「無事に着任したのだな。ささ、入りなさい」ニコッ

 

 提督の笑顔で春日丸と神威はホッした反面、着任早々の失態に恥ずかしそうにしていた。

 ともあれ執務室に入った二人は提督の前に整列し、各自自己紹介を始める。

 

神威「給油艦、神威と申します。名前は北海道神威岬から頂いてます。出来る限り、頑張りますね!」ケイレイ

春日丸「とぅ〜、す……特設航空母艦、春日丸と申します。不束者ですが、務めを果したいと思います……あ、とぅ〜す」ケイレイ

 

 春日丸の挨拶で提督や大鳳は頭の上にはてなマークを盛大に生産するも、言った本人である春日丸は至って真面目な表情をしている。

 確かに龍驤は「トゥーッス!」と言ってみろと言った。でもこういうことではないのだ。

これには速吸や神威は勿論のことだが、龍驤も笑いを堪え切れず盛大に腹を抱えて笑った。

 

春日丸「あ、あの、私ったら何か粗相を?////」オロオロ

龍驤「なんやねん、あの『トゥーッス!』の使い方は……」クヒヒ

春日丸「今のご時世は「さー」ではなく「とぅす」をお使いになるのかと思いまして……もしかして違いました?////」

龍驤「もしかしても何も、お笑い芸人のネタやから元々関係ないで……」ヒィーヒィー

 

 春日丸に龍驤はお腹を押さえつつも説明すると、春日丸は顔を真っ赤にさせて提督に深々と頭を下げる。

 

春日丸「し、しし、失礼しました!//// お叱りは何なりとお受け致します!////」

龍驤(ん? 今何なりとって……?)

 

 龍驤のことはさておき、春日丸に提督は優しい笑みを浮かべた。

 

提督「気にしなくていい。寧ろ楽しませてもらったよ」アハハ

春日丸「はぅ……そんなに笑わないでください////」ポッポッ

 

 春日丸の言葉に提督は一言謝ってから、今度は二人に提督から自己紹介を始める。

 

提督「私がここの提督だ。二人が早くここに馴染めるよう、出来る限りサポートする。何かあれば私や仲間に気兼ねなく尋ねるといい」ニコッ

神威「はい、よろしくお願いします♪」

春日丸「よろしくお願い致しますぅ////」

 

 二人がそう返すと、提督が「とぅすと付け加えるべきだったかな?」と冗談を言った。

 

春日丸「そんなに私をいじめて楽しいですか、提督?////」ムゥ

提督「ははは、少しでも気が紛れるかと思ってね。重ね重ね申し訳ない」ニッコリ

春日丸「もぅ……////」

   (そんな笑顔で言われたら怒れないじゃないですか……ずるい人////)

 

神威「あ、そうだ! 提督、私お土産持ってきたんです!」

 

 春日丸が提督に早くも陥落させられる中、神威はそう言って肩から下げているバスケットから何や大きな包を取り出した。

 

神威「北海道名物、熊の木彫りと私の名前の由来であります、神威岬がある積丹郡の名産品、積丹サブレと積丹まんじゅう、そして丹水です♪」

 

 提督の机にドドンと置かれた品々に、提督は勿論、他の面々も「おぉ〜」と声をあげる。

 そして神威はその反応が嬉しかったのか、どこか得意気に一つひとつ説明していく。

 

神威「普通は鮭を咥えている熊の木彫りでしょうけど、それはもう古いんです! 今はその逆! 鮭が熊に噛み付いているという逆襲のシャケなんです!」キラキラ

 

 その木彫りは本当に鮭が熊の首ら辺に噛み付いているもので、なかなか斬新な木彫りだった。更に提督としてはその『逆襲のシャケ』というフレーズも妙に気に入った様子で、うんうんと頷いている。

 

神威「積丹サブレはサクサクとしたクッキーの中に細かく刻んだワカメを練り込んであって、積丹まんじゅうはもちもちした皮の中に甘さ控えめの餡を包んだ黒砂糖のおまんじゅうなんですよ♪」

速吸(どっちも間宮さん達が再現出来そう……)

 

神威「最後に丹水(たんすい)ですが、こちらの方が甘口純米吟醸酒で片方が辛口純米酒です! 積丹岳の伏流水を利用し、水にこだわって造った一品なんです!」キラキラ

龍驤(呑兵衛艦が目の色変えるで……)

 

提督「このような代物をありがとう。大切に味わおう」ニコッ

 

 提督の言葉に神威は「はい!」と嬉しそうに返事をする。

 

提督「では早速今この場にいる面々で味わおうか。お酒もおちょこ一杯ならいいだろう」

龍驤「よっしゃ〜、さっすが司令官や!」

速吸「わ〜い♪ 早速お皿とおちょこの用意します♪」

大鳳「みんなには内緒、ですね♡」ウフフ

 

 三人がそう言って喜び、準備をする中、まだその場の空気に馴染めていない春日丸と神威は本当にいいのか……とオロオロとしてしまう。

 

提督「これくらいは大丈夫だ。私が提案しているんだからな……だから二人も一緒に味わおう」ニコッ

神威「はい、お心遣いありがとうございます♪」

春日丸「ありがとうございます……ご相伴させて頂きます」ニッコリ

 

 こうして春日丸達は提督やかつての仲間達と小さな小さな宴を過ごし、そのあとで龍驤達と鎮守府内を見て回った。

 最初は緊張していた春日丸達だったが、執務室をあとにする時の二人はここの艦娘達と同じような笑みを浮かべることが出来ていたーー。




新着任艦第二弾は春日丸さんと神威さんです!
春日丸さんはどうしても天然っぽさを出したくて、あのようにしました。ご了承お願い致します。

因みに神威さんの持ってきた逆襲のシャケですが、本当にあるんですよ。
どんな作品名で売られてるかは定かではありませんが、北海道土産でこんなん貰った。と友達に写メを見せてもらった記憶がありますw

ということで、此度も読んで頂き本当にありがとうございました!

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