艦これ Short Story改《完結》   作:室賀小史郎

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駆逐艦メイン。

キャラ崩壊、天使、他作ネタ、独自設定含みます。


艦これSS改112話

 

 ○○鎮守府、一五〇〇ーー

 

 執務室ーー

 

提督「………………」カリカリ

加賀「………………」テキパキ

 

 夜中から降り続く雨模様の今日。提督は艦隊運用はそこそこに、午後から艦隊へ休息の時間を与えた。

 現在実施されている大規模作戦の任務を達成後も、艦隊はその残存勢力の掃討に励んでくれていたので、提督はここいらで休息を与えようと決めたからだ。

 

 そんな中、提督は一人で書類を片付けようとしていたが、本日秘書艦任務に就いている加賀が手伝ってくれている。

 提督は加賀にも休むように言ったが加賀はそれを拒否。加賀としては提督の側にいる方が何よりも大切なことである上、提督に無理をさせまいという気持ちもあるからだ。

 

加賀「…………提督、ここに計算の間違いがあります」

提督「どれ……おぉ、これは失礼。今直そう」

 

 加賀の指摘に提督はそう言って(うさぎちゃんの)修正ペンで直し始めた。

 

加賀(あら可愛い……♡)キュン

  「…………」ジーッ

提督「? あぁ、これは卯月から貰ってな。使わないのも悪いから使っているんだ」

加賀「いいと思います♡」

  (ギャップ萌を感じるわ♡)

 

 提督とどこか和やかなムードになれた加賀。

 加賀はいつまでもこういう風に時が過ぎればいいのに……と内心思いながら、修正された書類を受け取り、秘書机へ戻った。

 

 トントントンーー

 

加賀「?」

 

 するとドアがノックされた。

 

提督「誰か来たようだ。入りなさい」

 

 提督がドアの向こうへ声をかけると、

 

卯月「出まして来ましてジャジャジャジャ〜ン♪ 卯月で〜す♪」

菊月「もっと普通に言えないのか、ったく……邪魔するぞ」ノシ

清霜「失礼しま〜す♪」

早霜「失礼します」ペコリ

 

 卯月達がそれぞれカゴを持って入室してきた。

 

提督「手荷物なんて持って、どうかしたのか?」

 

 提督の問いに卯月や清霜はニコニコしながら「どうもしないよ♪」と首を横に振る。

 

菊月「明石に頼まれてな。ちょっとしたバイトだ」

早霜「酒保のお菓子やなんかを訪問販売してるんです」ニコッ

 

加賀「訪問販売、ですか?」

卯月「そうだぴょん♪ 今日は雨でみんな酒保に行くのがおっくうになってるぴょん!」

清霜「だからそんな人のために訪問販売してるんだ〜♪」

菊月「報酬はお菓子の詰め放題だ」キラキラ

提督「なるほどな……もう寮や工廠の方は回ってきたのか?」

早霜「はい。司令官なら先ずは艦隊のみんなを優先すると思いましたので、心苦しいですが執務室を最後にしました」

提督「そうか。しかしそれでいい。私の考えを汲んでくれてありがとう」ニコッ

 

 早霜の答えに提督はそう言ったあとで、卯月達の頭を優しく撫でる。するとみんなは「えへへ♪」と嬉しそうに笑みをこぼした。

 

菊月「って……んんっ、と、とにかく、そういう訳で来たんだ////」←我に返る

清霜「余り物になっちゃったけど、見てみて♪」

提督「あぁ、いいぞ。加賀、という訳だから休憩にしよう」

加賀「了解しました」ニッコリ

 

 するとみんなはそれぞれ持っているカゴに掛けてある布を取ると、そこにはお菓子だけでなくカップ麺やラムネといった物も入っていた。

 

卯月「余り物には福があるぴょん♪」ニッシッシー

提督「確かにそうだな♪」ナデナデ

早霜「…………」ニガワライ

 

加賀「カップ麺も持って行ったのね」フムフム

清霜「武蔵さんとか買ったよ♪」

加賀「そう……というより、おやつにカップ麺を食べる人がいるというのも不思ーー」

 

 その時、加賀の脳裏にとある人物の顔が浮かんだ。

 

○○『おやつのカップ麺は至高ですね〜♪』ズルズル

 

 それは相方である例の赤であった。

 

加賀「ーー議という程でもないわね」ウンウン

菊月「なんだ、今の変な言い回しは?」

加賀「気にしないで。それよりサーターアンダギーにちんすこう、紅芋タルト、塩バニラタルト……随分と沖縄色の強いライナップね」

提督「今日は沖縄復帰記念日だから、それに因んでのことだろうな」

早霜「はい。この日のために明石さんが取り寄せていたみたいです」

加賀「だから訪問販売までしようと考えたのね……では、サーターアンダギーをください」

卯月「は〜い♪ 何個欲しいぴょん? 買い占めちゃうぴょん?」

加賀「三個でいいです」

卯月「ちぇ〜」

早霜(それでもソフトボールくらいの三個食べちゃうのね)サスガ

 

提督「なら残りのお菓子は全て私がもらおう」

清霜「えっ!? 司令官、そんなに食べちゃうの!?」

菊月「馬鹿者。司令官がいっぺんに食べるはずがないだろ…………ないよな?」

 

 つい不安になった菊月がそう訊き返すと、提督はしっかりと「ない」と返した。

 

提督「残りと言っても数はそうでもない。執務室で食べるおやつ用にするために買うんだ」

清霜「あ〜、そっか♪ じゃあ今カゴから出すね〜♪」

早霜「私はお会計しますね」ニコッ

 

卯月「加賀さんのは三百円だぴょん♪」

提督「ついでだから私が出そう」

加賀「え」

提督「本来はお休みなのに手伝ってくれているお礼だ。三百円では安過ぎるくらいだがな」

加賀「……そうですか、ご馳走様です」

提督「あぁ」ニッコリ

 

 提督の気遣いに加賀はクールに返すが、

 

加賀「♡////」エヘヘ

 

卯月「」ニヤニヤ

菊月「」ジトーッ

早霜「」フフフ

清霜「」ニコニコ

 

 卯月達にニヤけているところをしっかりと見られているのだった。

 

提督「確か訪問販売は執務室で終わりだったな?」

卯月「そうだぴょん♪」

提督「ならばここで卯月達も休憩するといい。このお菓子も会計が済んだら好きな物を食べていいぞ」ニコッ

卯月「やった〜♪ 司令官は出来る男だぴょ〜ん♪」ギューッ

清霜「司令官、ありがと〜♪」ギューッ

提督「はは、大袈裟だな」ナデナデ

 

菊月「……礼は言っておこう……感謝する////」

提督「あぁ」ニッコリ

 

早霜「司令官、お会計はこちらです」ニコッ

提督「ん、ではこれで頼む」つ諭吉

 

加賀「では私はお茶を淹れて参ります。卯月さん達にはーー」

卯月「うーちゃん、ラムネ〜♪」ピョンピョン

清霜「清霜はコーラ〜♪」ピョンピョン

菊月「私はお茶で大丈夫だ」ノシ

早霜「私もお茶で」ニッコリ

提督「だそうだ」

加賀「了解しました」フフフ

 

 こうして執務室では沖縄のお菓子でささやかなお茶会をし、卯月達は笑顔でお菓子を頬張るのだったーー。




今日は菊月ちゃんの進水日と清霜ちゃんの竣工日なので、二人を登場させた回にしました!

二人共おめでとう!

読んで頂き本当にありがとうございました♪

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