艦これ Short Story改《完結》   作:室賀小史郎

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駆逐艦メイン。

独自設定含みます。


艦これSS改108話

 

 ○○鎮守府、一二五〇ーー

 

 埠頭ーー

 

叢雲「みんないる〜?」

島風「いるよ〜」ノシ

松風「大丈夫だ」

初月「いつでもいけるぞ」

文月「大丈夫だよ〜♪」

曙「時間が勿体無いし、早く行きましょ」

叢雲「ん……じゃあ、警備任務行くわよ!」

全員『了解!』

 

 叢雲を旗艦とし、艦隊は鎮守府正面海域へと向かった。

 今は駆逐艦だけだが、もう既に天龍や龍田、夕張、アイオワ、ウォースパイトが向かっており、叢雲達のあとには鳳翔と龍驤も向かう予定だ。

 

 当鎮守府は『大ホッケ海北方』の攻略まであと一歩のところまできており、艦隊は意気揚々と出撃していったところ。

 

 そして鎮守府では毎度のことながら、手分けして警備任務を遂行している。

 これも出撃したみんなの帰る場所を守る任務。一見すると地味な任務だが、この任務を軽視している者はこの鎮守府に誰もいない。

 

 

 鎮守府正面海域ーー

 

天龍「お〜い」ノシ

龍田「みんな〜、こっちよ〜」ノシ

 

 合流場所には一足先に向かっていた天龍達が手を振っていた。

 ここからそれぞれ分かれて警備任務を開始するのだ。

 

 ここから天龍隊は東へ哨戒行動し、対する龍田隊は西へ、そして残る夕張隊は空母の護衛をしつつ、空母からの哨戒機で正面に対する哨戒行動をする。正面は範囲が広いので艦載機による哨戒行動が有効なのだ。

 

龍田「みんな〜、役割は決まった?」ニコッ

叢雲「ここに向かう途中で決めたわ。松風と文月が鳳翔さん達の護衛に就いて、私と島風、曙と初月でペアになってるわ」

 

天龍「んじゃ早速やるか、叢雲と島風はオレとアイオワに付いて来い」

島風「アイオワお姉ちゃんとだ♪」ヤッター!

アイオワ「よろしくね、my sister♪」ギュッ

叢雲「ハグなんてしてないで行くわよ〜」ニガワライ

 

龍田「私達も行きましょうか♪」

曙「了解。何もないだろうけど、慢心せずに行きましょ」

初月「任務には変わりないからな。気を引き締めて行こう」

ウォスパ「もう偵察機は放ったから、あとは私達が行動開始すればいいわ」ニコッ

 

 こうして各隊は自分達の担当する方面への哨戒に向かった。

 

文月「いってらっしゃ〜い♪」ノシ

松風「気をつけてな〜」ノシ

 

 二人が手を振ると各隊はそれに笑顔で敬礼して応える。

 そして夕張隊は空母組が来るのを待った。

 

松風「文ちゃん、ちょっと訊いていいかい?」

文月「なぁに?」

松風「ずっと気になってたんだけどさ、その手に持ってるデジカメはなんだい?」

 

 松風が指摘したように、文月は手にデジカメを握りしめていた。

 そんな松風の質問に対して、文月はニコニコするだけ。

 小首を傾げていると夕張が文月の代わりに答える。

 

夕張「撮影用よ、撮影用♪」

松風「撮影……?」

文月「えへへ〜、昨日ね、皐月ちゃん達から聞いたんだけど〜、ここの海域でイルカさんの群れを見たんだって〜♪」

松風「あ〜、それでイルカを撮影するのに持ってきたんだ?」

 

 松風の言葉に文月は「うん♪」と満面の笑みで頷いた。

 

夕張「提督も撮影する許可はくれたからね♪」

文月「見つけたら撮る〜♪」

松風「はは、見つかるといいな」クスッ

 

 そんな話をしていると、上空を味方機が悠然と飛んでやってくる。

 

鳳翔「お待たせしました、皆さん。鳳翔、只今合流致しました」ニコッ

龍驤「待たせたな〜♪ うちも合流やで〜♪」ノシ

 

 無事に鳳翔達も合流したことで夕張隊も本来の任務を開始する。ただ文月はイルカの群れも探すという任務も遂行するのだった。

 

 

 その頃、天龍隊ーー

 

島風「異常な〜し♪」

アイオワ「こっちも異常無いわ♪」

 

 島風とアイオワは手を繋いで仲良くそう報告するが、

 

叢雲「あんたらね〜……少しは離れてやりなさいよ。哨戒の意味がないでしょ」ニガワライ

 

 叢雲は二人に苦言を呈した。何しろは二人は哨戒中でもハグをしたりされたりでとても落ち着きがないから。

それでも二人のフォローをちゃんとしているのが叢雲である。

 

天龍「まぁ敵も潜伏してなさそうだし、いいんじゃねぇの? アイオワなんてオレらよりもでっけえソナーや電探積んでんだし」

叢雲「それはそうだけど……」ムムム

 

 普段から真面目……この場合は不器用と言ってもいいだろう。二人のように任務を進めることは出来ない叢雲にとって、二人の任務に対する態度はつい気になってしまうのだ。

 

島風「叢雲もアイオワお姉ちゃんにぎゅうってされたいの?」

叢雲「え」

アイオワ「Oh,really? 気付かなかったわ♪」ムギューッ

叢雲「ちょ、ちょっと……////」

アイオワ「ハグはいいわよ♪」

島風「気持ちいいよね〜♪」

叢雲「気持ちいいとかじゃなくて!////」

天龍「お〜い、そろそろ次のとこへ行くぞ〜」

叢雲「なら早く止めさせなさいよ!?////」

 

 そう叫ぶ叢雲だが、アイオワが離れると少し寂しい気持ちになったのは秘密。

 

 

 同じ頃、龍田隊ーー

 

曙「龍田さ〜ん、異常無かったわよ」

初月「僕のところも問題無かった」ニコッ

龍田「は〜い♪ ウォースパイトさんの方はどうですか?」

ウォスパ「これといった異常は無いわ。あるとしたら、曙の下かしら」フフ

 

曙「は? いったい何gーー」

 

 いったい何があるのよ……と言おうとした矢先。

 海面から大きな物体が浮かび、高らかに海水が噴き上がった。

 

曙「はぁ!?」ビクッ

 

ウォスパ「Whaleよ♪」ニコッ

初月「鯨か、でも小さいなぁ……」オォー

 

曙「小さいなぁ……じゃないわよ! というか、出て来そうならそう言いなさいよ! ずぶ濡れになっちゃったじゃない!」

ウォスパ「Sorry……ごめんなさい。まさか息継ぎするとは思わなかったの」ニガワライ

 

 ウォースパイトは曙に謝りながら持ってきたハンカチで曙の顔を拭くが、

 

龍田「あ」

 

 今度は更に大きな鯨が海水を噴き出した。それにより今度はウォースパイトも水をかぶってしまう。

 

初月「親子だったみたいだな」ニガワライ

龍田「ある意味で凄い光景ね〜」クスクス

 

曙「ぐぬぬぬ〜!」ワナワナ

ウォスパ「動物に怒っても仕方ないわ」ニガワライ

曙「分かってる……分かってるけど〜……」プルプル

 

初月「ほら、提督の写真を見て落ち着け」つ写真

龍田「リラックスリラックス〜♪」

曙「落ち着けるか〜!////」ウガー!

ウォスパ(でもちゃんと見てるのよね〜)クスクス

 

 こうして警備任務ではあるがみんなそれぞれ任務を全うし、最後は艦隊の凱旋を迎えることが出来た。

 

 因みに文月はバッチリとイルカの群れの写真を撮ることが出来、二重の喜びに満たされたとかーー。




今日は叢雲ちゃんと島風ちゃんの竣工日なので、二人を登場させたほのぼのな回にしました!
二人共おめでとう!

読んで頂き本当にありがとうございました♪

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