やはり俺の仮想世界は間違っている。   作:なしゅう

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オリジナルクエストとかあります。本編では余り詳しくやらないです。
時間があったらおまけ(?)みたいので内容書くかもしれません


ボス攻略に向けて

あの後、βテスターに借りを作った俺は颯爽とその場から離れた。いや、何? ずっと残ってたら気持ち悪がられるでしょ? 俺なりの配慮だぞ。

 

明日に向けてさっさと部屋に戻って武器、ポーションの確認してから寝ようとしたらメールが届いた。

俺のフレンドは少ない。その中で俺にメールを送るやつといったら……。

キリトからのメールだった。

 

『連携確認するって、言ったよな。○時に○△に集合』

 

すみませんでした。

 

ーーーー

「なんだよ、大して時間かかんなかったじゃねぇか」

 

連携確認と言っても、各々の戦い方などを確認する程度だった。そのため30分ほどで終わった。

キリトは筋肉バカ、アスナは細剣速攻か、よし覚えた。

俺の戦い方は至ってシンプル。上げに上げまくった敏捷+隠蔽スキルを使って相手の背後を取り、首スパーン、だ。

キリトとアスナには嫌な戦い方だと顔をしかめられていたが俺には関係ない。

不意に、声をかけられた。

 

「エー坊じゃないカ。何してるんダ?」

「うぉっ!? ビックリさせんなよ変な声が出ちゃうだろ」

「ビックリさせた覚えはないゾ」

 

髭ペイントをしている、女性プレイヤー、前に自分のことをオネーサンって言っていたから多分、女性プレイヤー。

こいつはアルゴ、情報屋だ。

 

「ちょうどいいや、アルゴ。短剣クエストでオススメなのあるか?」

「今からやるのカ?」

「明日のボス戦に備えて少しでも戦力をあげときたいんだ」

 

そう言うと少しアルゴは考える素振りを見せた。

すぐに顔を上げ、俺に言う。

 

「それなら、とっておきのがあるヨ。エー坊にピッタリのガ」

「本当か? 頼む、教えてくれ」

「エー坊ならクエストフラグも立ってるはずだヨ。オレっちより敏捷高いよナ」

「ああ、多分高い」

 

敏捷値がクエストフラグ、更に俺のスピードが加速されるのか。頭痛が痛くなるぜ。

 

ーーーー

 

 

アルゴに教えて貰ったクエストは比較的簡単だった。

いや、俺の敏捷が高いから簡単だったのか? まあ勝てたからよしとする。

相手はめちゃくちゃ速いトカゲ型のソルジャーモンスターだ。

シュンシュン音を出しながら俺の周りを回っていた。シュロロロとか言っててぶっちゃけ煽られてるのかと思ってたぞ。

そんなソルジャーモンスターの二倍近くのスピードで後ろに回ってひたすら首を狩ってたがな。

 

「クエスト報酬は敏捷値+10、それとこの装備か」

 

序盤にしては美味すぎるクエストだったな。いや、普通はクエストフラグ立つために必要な敏捷値にこの時点では達せてないのか。

 

手に入れた緑にも紫にも見えるコートの詳細を確認する。

《コートオブファスト》

色は紫のようだ、緑にも見えるのはさっきまでリザードを狩ってたからか。

装備すると敏捷が+10%筋力値+2%される。

特殊スキルとして《瞬間瞬足》というのが使えるようになるらしい。

《瞬間瞬足》ってなんだよ……効果を読むと、5秒間現在の敏捷値が+50%される。その後10秒の間敏捷値が-50%される。

ほう……俺の敏捷が+50%もしたら即座に逃げられるじゃないか、素晴らしい。

5秒あれば俺の隠蔽スキルと組み合わせて視界から消えられるぞ。

 

なかなかの収穫だった。ホクホク顔で俺は宿に帰り、明日の備え眠りにつくのだった。

 


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