ダンガンロンパ ~reality~ 空想で少女は何を見る   作:超高校級のネタ体質

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鶏肉って無限の可能性を持っていますよね。


Chapter1 『イキノビル』 Part 4

 

まだここに来てから言ってはいなかったが、私はこう見えて料理ができる。

アメリカに留学している間、寮のスタッフが出してくれる食事を取っていたのだが、    流石に毎日洋食だと日本食が恋しくなるし、寮がだす食事だとメニューにも限りがある。

なので時々、キッチンを借りては日本食や寮が出さない食事やデザートを作って食べていたのだ。

因みに私の腕前は厨房のコックのお墨付きであるため、味も大丈夫だろう。

食堂にやってきた私はまず始めに道具の用意を始めようとするが…。

 

明石「…道具が、届かない。」

 

まさかのハプニングにみまわれていた。

なんで鍋とフライパンが高いところに吊らされてんだよ!背が低い子は取れないじゃん!

くっ、結局は身長が人生の苦難を決めるのか…!

そんなことを思いながら台に乗って必死に手を伸ばしていると、横から誰かの手が取ろうとしていた鍋を取ってくれた。手が伸びてきた方を見てみると…

 

舞園「はい、どうぞ。取りたかったのってこれですか?」

 

そこには、天使がいた。

…ああいや、違った。そこには、舞園さんがいた。

いけないいけない、ちょっと頭のネジが取れたのかな?

 

明石「ありがとうございます、舞園さん。ええと、探索ですか?」

舞園「はい、といってもここを見に来ただけですが…。明石さんは?」

明石「私はさっき一通り学園の中は見てきたので、皆に夕食でも作ってあげようと思いまして…。」

舞園「わぁ!明石さん、お料理も出来るんですね!」

明石「あんまり期待はしないで下さいよ?料理が出来るって言っても、簡単なものしか作れないので。」

舞園「それでも十分凄いと思いますよ!もしもよろしければお手伝いしますけど…。」

明石「じゃあ、ちょっとだけ手伝って下さい。あと集合の時間になったら苗木さんをよんできてくれませんか?」

 

料理15人分は少し…いや結構キツそうだけどまあ平気だろう。私は冷蔵庫から材料を取り出しながら舞園さんに頼んだ。

…超高校級のアイドルを助手に使って調理って緊張感半端ないね。

 

舞園「はい、分かりました。それはそうとこの厨房、野菜やお肉がたくさん置いてありますね。」

明石「私達を餓死させないため…ということでしょうかね?」

モノクマ「そのとおりでございます!」

舞園「きゃあ!」

 

私が大きな炊飯器に研いだ米に水を入れながら舞園さんとお喋りをしていると突然私達の間からモノクマが飛び出てきた。

何処から出てきてるのよ、この変態クマ!

 

モノクマ「ボクはね、オマエラに健全なコロシアイ生活を過ごしてほしいのですよ。食事が取れずに餓死だなんてもってのほか!だから、このように食材にはきちんと新鮮なものを大量に用意をしています!ああ、在庫については心配しないでいいよ、ボクが定期的に食材を補充しに来るから…」

明石「舞園さん、そこから調味料を出してもらえないでしょうか?」

舞園「あ、はい。」

モノクマ「って話は最後まで聞きなさい!」

 

だって内容がクズいんだもん☆

 

モノクマ「全くも~…、今といい廊下での会話といい、明石さんと話していると気が狂ってしょうがないよ。」

舞園「え、何か話したんですか?」

明石「全然記憶に無いですね…。あと、モノクマそこ邪魔なのでどいて下さい。」

モノクマ「嘘でしょ、もう忘れちゃったの?!しかも邪魔扱いしたよ!

というかいつの間にか着々と調理が始められてる!?」

 

いやだってボウル取るのに邪魔だったし、喋りっぱなしじゃあ皆すぐに来ちゃうし。

あ、この包丁切れ味がいいな。

 

モノクマ「ショボーン…、ボクはそろそろ疲れてきたよ…。」

明石「そう落ち込まないで下さいよ、モノクマ。」

モノクマ「元凶の明石さんに慰められたよ!せめてまな板から目を離してから言って!!」

明石「ほら、そういう時は上を見上げて下さい。そしたら見えますよ……貴方の真上に居る血まみれの女性が。」

モノクマ「まさかのホラー!?」

舞園「明石さんったら何を言っているんですか。居るのは女性だけでなく、首のない中年男性でしょう?」

モノクマ「舞園さんも乗っからないで?!というかボクの上には何人居るの?!」

明石「そんなの誰も居るわけないじゃないですか。もしかして

どこか壊れました?」

モノクマ「君が言い出したんじゃん!!…はあ、とにかく伝えるべきことは伝えたからボクはもう行くよ…。」

明石「次に来る時は牛乳とアンパン持ってきて下さいね。」

モノクマ「邪魔扱いの次はまさかのパシリ!?トホホ…。」

 

材料を切る片手間にモノクマを軽くあしらっていると、モノクマは肩を落としながら帰っていった。

 

舞園「行っちゃいましたね…。」

明石「あともうちょっと心を折っときたかったんですがしょうがない…。ところで舞園さん、このレストラン以外の場所は見に行きましたか?一応ここにはしばらく滞在しそうだし、一通り把握しといたほうがいいですよ。」

舞園「うーん…、それもそうですね。私、ちょっと他の場所を見に行きますね!それと明石さん、

一緒にお話できてとても楽しかったです。それじゃあ失礼しますね!」

 

舞園さんはそんな言葉ときれいな笑顔を残して厨房から去っていった。

……楽しかった、か。

 

明石「…これは本気で、コロシアイを止めないといけないなぁ。」

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

明石「…こんなものかな。」

 

一番大きな机の上に全員分の白米と味噌汁を出して私は自分の近くにおいていたスーツケースの上に乗った。

流石に量があったので時間がかかったが、なんとか7時までに夕飯が出来た。

因みに今回のメニューは日本食の定番であろうお味噌汁、白米とともに、

鶏の唐揚げ、鶏の照り焼き、それとマッシュポテトサラダを作った。

え、何故肉料理が2品あるのかって?私がお肉好きなんだもん。

特に鶏肉は肉料理界でも大御所的な存在だと思う。

人間がよく食すだろう豚肉、牛肉と比べて見ると、鶏肉は低カロリーかつヘルシーで女性に多大な人気を持つ。

アメリカでは主に牛肉が食事に出されるため、正直鶏肉が恋しかったのだ。

なんか説明してたらだんだんお腹が減ってきた。くッ、皆はまだ来ないのか!

あんまり遅いと全部食べちゃうぞ!

 

苗木「あ、明石さん!それにその料理は…。」

 

私がいい加減つまみ食いを行おうか考えていると、部屋で気絶していた苗木君が舞園さんとともに食堂にやってきた。

 

明石「苗木さんじゃないですか。大和田さんに殴られた怪我はもう大丈夫ですか?」

苗木「アハハ…、もう痛みはないから大丈夫だと思うよ。そう言えば明石さんがボクを運んでくれたんだよね?重くなかった?」

 

苗木君の様子を見ても、怪我はもう大丈夫なようだ。

流石ゲーム世界。治りが早い。

 

明石「全然。苗木さん、ちゃんと食事を取ってますか?高校生だったらたくさん食事をとっておくべきですよ。」

苗木「ぜ、善処するよ…。」

舞園「机においてある料理は、私が出ていったあと全部作ったんですか?」

明石「あ、はい。量が多かったので少し疲れましたが…。」

苗木「え、この料理全部明石さんが作ったの?!」

明石「そうですが、それが何か?」

苗木「いや、ちょっとびっくりしたから…。」

 

ほほう。

 

明石「それはつまり、皆の第一印象がガサツでバイオレンスな私がこんな風に料理を作れるとは思わなかった…と。そうですかそれはそれは…。」

苗木「いや、本当にビックリしただけだから!本当に!だからお皿1組を片付けるのは止めて!」

明石「冗談ですよ。ちゃんと分かってますから。」

苗木「そう言いながらもお皿を片付ける手を止めないのは何で?!」

明石「それはね、苗木さんの焦る姿が見たいからですよ。」

苗木「どんな理由?!」

明石「いいですか、苗木さん。苗木さんが焦る姿を見せるっていうのは、小動物がおもちゃで遊んでいる姿と同じくらい可愛げがあるんですよ。」

苗木「そんな可愛げいらないよ!!というかボクって小動物と同等なの?!」

舞園「そんなことないですよ!苗木君は小動物より可愛いですよ!」

苗木「舞園さん、それフォローになってないよ!」

 

取り敢えず苗木君の可愛い姿を見て満足した私は片付けようとした皿を元の場所に戻してあげる。ああ、可愛かった。

 

舞園「それにしても、みんな遅いですね。」

明石「そろそろ来てもおかしくないはずなんですけどね。じゃあ苗木君でもう少し遊んでますか。」

苗木「止めてよ、明石さん!ボクで遊ぼうとするの!」

 

と話し合っていた矢先だった。

タイミングよく食堂のドアは開け放たれ…

 

石丸「苗木君、舞園君、明石さん、君達が一番乗りだったか!」

苗木「あ、石丸クン。」

石丸「残念だ…僕が最初だったと思ったのだが…。まだ、気合が足りぬという事か…!」

明石「いえ、私は結構前からここにいたのでカウントしない方が…。」

石丸「だが諦めんぞ!次こそは必ず勝ってみせる、正義はかならず勝つのだッ!」

 

…ダメだ、聞こえてない。

ボケである私にとって空気を読まない石丸君は天敵みたいなもんなんだよねー…。

 

大神「遅れて済まなかった。我々も探索を終えてきたぞ。」

朝日奈「わぁ!大神ちゃん、机の上に美味しそうな鶏の唐揚げがいっぱい置いてあるよ!」

セレス「和食ですか…。まあたまにはいいかもしれませんね。」

 

それから間もなくして石丸君に続くように他の皆も食堂に次々とやってきた。

数分立つ頃にはほぼ全員が集まっていた。

因みに大和田君はきちんと殴ったことを苗木君に謝ってたよ!

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

石丸「よし、全員集まったようだな!では早速、会議を始めようと思う!!お互い、調査の成果を披露しあい、情報を共有化しようではないか!一刻も早くここから脱出するためにッ!」

江ノ島「あ、ちょっと待って…!」

石丸「何かね!?」

江ノ島「えーっと、なんてったっけ?あの銀髪の彼女…。」

明石「……霧切さんのことですか?」

江ノ島「あ、そうそう、霧切響子…。いないんだけど…。」

石丸「何だとッ!?」

 

たしかに食堂を見渡してみると、霧切さんの姿はいなかった。

というか私的には、一生懸命唐揚げと鶏の照り焼きを自分の取り皿に取っていっては口に入れ頬張っている葉隠君と朝日奈ちゃんの方が気になるんだけど…。

 

明石「あの…、私学園内を一周回っていたんですが霧切さんの姿は見てないんですけど…、誰か霧切さんを見た人はいますか?」

 

しかし、皆首を横に振るばかりだ…。

原作通りだと、恐らく学園内の探索をしているんだろう。詳しい場所と方法は分からないが…。

良い成果を持ってくることを願うばかりだ。

 

石丸「おのれ、霧切くんめ…、初日から遅刻とは…!遅刻をしているにも関わらず遅刻の旨を伝えないとは、遅刻者としての根性がなっておらんぞ…。」

明石「遅刻に根性も何もあるんでしょうかね?」

石丸「だが、何事も時間厳守だ。仕方あるまい。

これより第一回希望ヶ峰学園定例報告会の開催を宣言する!」

 




一回ここで切ります。

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