ダンガンロンパ ~reality~ 空想で少女は何を見る   作:超高校級のネタ体質

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今回は前半ほのぼの、後半シリアス多めかも…


Chapter1 『イキノビル』 Part 2

舞園「苗木君…大丈夫でしょうか…。」

 

寄宿舎にある苗木の部屋の中、舞園さんはベッドの上に寝ている苗木君を不安そうに除きながら呟いた。

体育館で様々なことが遭ったものの、なんとか苗木のドット絵のある部屋までたどり着いた私と舞園さんは、部屋に入りベッドの上に苗木君を寝かした。

予想よりも体育館と部屋までの距離があった為、私は舞園さんが持ってきてくれたスーツケースの上に座って、少し休憩をしていた。

 

明石「きっと大丈夫ですよ。いくら暴走族の大和田さんも、一般人相手に本気で殴らないと思いますし。」

舞園「…それも、そうですね。」

 

確かにあの大和田君のパンチはかなりヤバそげだが、信じよう。この世界の予定調和と苗木君の丈夫さを。

それにしても、舞園さんはアイドルなだけあってとても綺麗だと思う。

顔やスタイルももちろん良いが、姿勢も良いし礼儀正しく、制服にも清潔感がある。いつも人に見られるからこそ、そこら辺も気にしているんだろう。

 

舞園「ふふっ、有難うございます。明石さんって人の事をよく見ているんですね。」

明石「そんな、癖みたいなものですよ。アメリカの学校では盗みとかが少なくないから、自然に人を観察するようになって…。」

舞園「え、明石さんって帰国子女だったんですか?!」

明石「いえ、帰国子女って言ってもまだたったの一年d…」

 

ってあれ?さっき私、口に出していってましたっけ?

 

明石「舞園さん、私いま、綺麗って口に出してましたっけ…?」

舞園「私、エスパーなんです。」

明石「はにゃ?」

舞園「冗談です。ただの勘ですよ。」

 

こ、ここここ怖っ!!!本気でエスパーかと思ったよ…。

 

舞園「ところで、明石さんはこの後どうするんですか?」

明石「え、あぁ…、私は他の皆さんと同じように、少し探索をして来ようと思います。この学園広そうなんで、どこに何があるか把握するつもりで。」

舞園「そうですか…、私はもう少し、苗木君の看病をしようと思います。」

明石「じゃあここからは別行動、ですね。苗木さんの看病、お願いします。」

 

舞園「はい、明石さんと話せて良かったです。また後で。」

 

可愛らしい笑顔をこちらに向けて舞園さんは手を降ってくれる。もちろんそれは営業スマイルというものだとは思うがやっぱり可愛い。

 

明石「ええ、また後で。See you later!(また後でお会いしましょう!)」

 

そう言って、私は部屋から出ていった。

実を言うと、学園の中を把握するという理由は半分嘘である。

私はこのゲームを何回も繰り返し、第三者視点とは言え、それなりにこの学園の地図を把握しているのだ。

部屋から出た本当の理由は一つ、あの白黒のクマに話したい事があったのだ。

私は苗木君の部屋を出た後、最初に私がいた教室の中へと入った。

 

明石「…誰も居ない、か。」

 

人が誰もいないかを確認した後、私は監視カメラに向かってあいつの名前を呼んだ。

 

明石「モノクマさん、見ているんでしょう?こっちに来てください。」

モノクマ「うぷぷ、呼ばれたから来てやったよ!」

 

…このクマ、本当に神出鬼没だな。

 

モノクマ「それで、何の用かな?えっと、明石玲香さんだっけ?」

明石「ええちょっと…、外の世界の真実(・・・・・・・)と、私の存在について。」

モノクマ「……へぇ?」

 

一瞬その動きが止まったが、モノクマはすぐさまニヤリと口角を上げて嘲笑う。

 

モノクマ「そんな事、どこで知ったの?まだ外の事については手がかりを置いてなかったつもりだったんだけど。」

明石「どうせ、その答えもなんとなく目星がついているんでしょ?聞いても無駄だと思うけど。」

モノクマ「いやいや、結構予想外なことが多くてまだ推測の域にしかないんだよね。だからその答え合わせ代わりに、さ☆」

明石「それなら確信に至るまで聞かない方が面白いと思うけど?推理ゲームは攻略本で答えを先に見ちゃうと萎えるもんだし。」

モノクマ「それはそれで、絶望的で良いじゃないかな~?それにしても、ボクの前では敬語は外すんだね。」

明石「死んだお婆ちゃんに、超絶美少女が操っている半分白黒のクマには敬う言葉を使うなって遺言を残されているんだよ。私はこう見えて、お婆ちゃんっ子なんで。」

モノクマ「ありゃりゃ!何とも細かい遺言だね~!誰のことを指しているんだろう!」

 

一見ふざけて見えるだろうが、相手は世界を壊した女である、気はあまり抜けない。

 

モノクマ「ところで、いいの?そんな大事な情報をボクに伝えちゃってさ。」

明石「こんな監視カメラがある中で、プライバシーの糞もないでしょ?それに、これを話しとかないと、私の目的は果たせないし。」

モノクマ「へぇぇぇ?その目的ってなぁに?」

 

ここからが、本題である。

 

明石「まず前提条件として、私は全てを知っている。皆のプロフィールから、この学園で起きた事件の真相まで全てね。」

モノクマ「うわぁ~、凄いね!明石さんってもしかして超高校級のストーカーか何か?」

 

……ちょっと野次が腹立つが無視しよう。

 

明石「だけど私は別に、この情報を皆に暴露する気はない。まぁ、誰かが私に聞いてきた時は別だけど。」

モノクマ「それでそれで?」

明石「先程、前提条件で私が全て知っていると言ったよね。その中には黒幕さん、アンタの性癖も入っている。」

モノクマ「そ、そんな!ボクの性癖まで知っているだなんて、明石さんってばかなりの変態?!」

「それを踏まえてさぁ…。もしも、

 

 

 

数年かけて考えたであろうこのコロシアイ学園に、飛び入り参加してきた私がことごとくアンタの作戦を見抜いて皆のコロシアイを防止しつつ、誰も死なないままこの学園の真相に皆を導いてアンタを完膚なきまでに負かしたとしたら、

 

 

 

 

 

 

アンタにとって、それってかなり絶望的じゃなぁい?」

モノクマ「…………。」

 

勿論出来るか出来ないかなんて分かんない、と言うより出来ない可能性の方が高いだろう。

だけど、私は断言する。なんとなく、出来ると思ったから。

なんとなく、この悪魔相手に勝てるだろうと踏んだから。

 

モノクマ「うぷぷぷ、ぶっひゃっひゃっひゃっ!良いねぇそれ、さいっこうに絶望的だよ!!中々良いこと思いつくじゃんか!」

 

私の言ったことがお気に召したのか、モノクマは本当に嬉しそうに大笑いを上げる。

それより笑い方がキモいな、モノクマ。

 

明石「取り敢えず、それを伝えたかっただけだから。私はちょっとのんびりこの学園を歩くつもりだから、もう帰ってもいいよ。」

モノクマ「うぷぷぷぷ、それじゃあ戻らせてもらおうかなぁ。いやぁ、本当に楽しみだよ!」

一応目的も果たせたので、モノクマにはもう用はない。さっさと帰ってもらうことにする

モノクマ「あ、ところで一つ質問してもいいかい?」

明石「なに?」

モノクマ「オマエってさ

 

 

 

 

 

 

 

 

結局何者なの?」

 

……………………。

そんなもの、決まっている。

 

明石「明石玲香、15歳。世界で最も適当な女の子だよ。」

 

そう言って、私は教室をあとにするのだった…。

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

???「うぷぷぷぷ…。良いねぇ、なかなか面白い奴じゃんか、あの明石玲香っていう奴!」

???「突然の乱入者に一時はどうなるかと思いましたが、どうやら予定通りに進めるようですね。」

???「この私様の計画を潰そうだなんて、愚民にしては素晴らしく絶望的なことを思いつくのじゃ!」

???「明石ちゃんが、本当にアタシ達の計画を壊してくれるのも絶望的だしぃ、」

???「このオレ様に敗れてアイツが死んだとしても、それはそれで絶望的だしなぁ!」

???「………それにしても、アイツってば何で

 

 

 

 

 

あんな空洞みたいな目で、人の事を見ているんだろう?」

???「……まあ、アタシにはどうでもいい事だけどッ!」


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