古明地こいしのフィロソフィアー   作:デシンク

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基本的にこいしちゃん視点です。


第1話

 どうも皆さん、古明地こいしです。今は地霊殿に住む妖怪(私、姉、ペット)で地上で行う宴会の準備中です。お姉ちゃんのペットのお空が異変を起こした罰として、地霊殿に住むものは博霊神社で行う宴会の準備をする必要があるの。お空は少し天然だから後先を考えて行動してほしいね。まぁ、それがお空のかわいいところなんだけど。

 でも私としては異変が起きていたときに地上で散歩をしていたわけだし、私は異変の準備をしなくていいんじゃね……………と考えたが、お姉ちゃんに

 

「器が小さいわね。そんなんだから友達ができないのよ。」と言われた。

 

「いや、私にはぬえちゃんがいるからぼっちじゃないし。」

 

「一人しか友達がいないなら、いないようなものよ。そういうわけで手伝いなさい。」

 

っていわれて手伝うことに。まぁお姉ちゃんの頼みだからいいんですけどね。

 

 ちなみに、私たちが住む地底と今宴会の準備が行われている地上では、妖怪同士がお互いに行ってはならないルールがあるが、この異変の影響でそのルールはなくなったらしい。まぁ私としては関係ないんだけどね。なぜかって?私はそのルールを作った人こと八雲紫さんに「あなたは誰にも認識されないから地上に行ってもいいわよ。」って言われていたから、そのルールがあったときから私は地上に行くことが出来た。私が誰からも認識されない理由は、私が「無意識を操る程度の能力」を持っていて、この能力は他人が私を見たときに私が意識されなくなる。意識されないということは、認識や記憶がされなくなる。というわけで私は見つからないというわけだ。

 地上に行くことができたおかげでお姉ちゃんと地上でのことを話し合ったりできるし、紫さんも地上での出来事や様子を地底がまったく知らないのは困るから、私が地上に行くことを許可されたと思う。

 

 

 

 

 宴会の準備が終わって、無事に宴会が始まったが非常にまずいことがおきた。私がボッチだ。お姉ちゃんは

レミリアさんに「貴方が最近有名な覚妖怪ね、色々と聞きたいことがあるからこっちにいらっしゃい。」と半分強引に連れて行かれて、私の唯一の友人であるぬえはそもそも宴会に来ていないし。あとペット同士で仲良くしているけど私はお姉ちゃんみたいに心を読むことが出来ないから、ペットのところに行ってもひまなだけだし。能力使ってないんだけどなー、………………………………ちくしょう。こうなったら、先に帰って寝ようかな。よし、そうしよう。さっさと帰「ねぇ。」って

首を声がした方向に向けると、紅い服とスカートを着ている黄色の髪の毛をしている女の子がいた。なんだろう、私の知識には無い人物だ。レミリアさんの2Pカラーみたいな感じ。でも、黒い羽を持つレミリアさんとは違って、この子は虹色の羽を持っている。

 

「貴方も暇でしょ、弾幕ごっこでもしましょう。」

 

「疲れているから、遠慮するね。」

 

「じゃあ、疲れが取れたら遊べるね。それまで話でもしましょう。貴方の名前は?」

 

「古明地こいし。疲れが取れるまでに1日かかるからまた今度にしようね、弾幕ごっこ。貴方の名前は?」

 

「フランドールだよ。フランでいいわ。じゃあ明日紅魔館に来てね。こいしは何の妖怪なの?」

 

「元覚妖怪。下の名前も教えてほしいんだけど。」

 

「スカーレットだよ。レミリアお姉さまがそこにいるでしょう、その妹だよ。元ってどういうこと?あと、今は何の種族なの?」

 

なるほど、この質問攻めをしてくるあたりレミリアさんにそっくりだ。家に帰るよりはフランと話していたほうが楽しそうだし、付き合うか。

 

「元っていうのはそのまんまだよ。私が昔は覚妖怪だったけど、今は違うって言うこと。今は…………無意識妖怪かな?」

 

「種族って変えられたんだ、知らなかったわ。」

 

「いや、普通は変えられないと思うよ。ただ、私は覚妖怪の一番の特徴である心を読む程度の能力を捨てたときに、無意識を操る能力ってのを手に入れたんだ。だから私は覚妖怪の見た目や血とかを持っているけど、心を読む程度の能力を私が持っていない以上、私は覚妖怪とは程遠い存在だってことだよ。」

 

「能力って捨てられるの!?」

 

「うーん、普通は無理だと思うよ。私の場合、覚妖怪が心を読むのに必要なサードアイ……これね。私はこのサードアイを無理やり閉ざしたときに、たまたま能力が変わったんだよね。普通は能力を変えたり、捨てたりすることは出来ないと思うよ。」

 

そう言って、私は自分の胸元にあるサードアイを指差す。

サードアイが閉じちゃってお姉ちゃんには迷惑をかけたけど、この瞳は死ぬまで開きたくない。心を読んで嫌われるのなんて嫌だし、何より汚いことを考えている心を読みたくない。

 

「そっか、つまり自分の能力は捨てられないってことね。」

 

「うん。」

 

「そっか、残念だわ。」

 

「残念?」

 

「ええ、私も捨てたい能力を持っているの。ありとあらゆるものを破壊する程度の能力っていうんだけど、この能力のせいで精神が不安定だったの。そのせいで、495年間地下にいたわ。まぁ今は精神も安定して大丈夫だけど。でも、こんな能力何の役にも立てないし捨てたいわ。周りに迷惑をかけるばっかりだしね。」

 

「……誰だって自分の捨てたい部分を持っているだろうし、その捨てたい部分のせいで大変な思いをしていると思う。でもその捨てたい部分を背負って生きているから強くなれると思うし、フランが地下にいたときの辛さはこれからの幸せになると思うよ。まぁ、自分の能力から逃げた私が言うなって話だけど。」

 

「…………ありがとう。でも、そんな恥ずかしいことをよく言えるね。」

 

「そう?そこまで恥ずかしくないと思うけど。」

 

それから、私とフランは色々なことについて話し合った。能力のこと、お互いの姉のこと、好きな食べ物………………

私の2人目の友達はフランになった。

 

 

 

 

お姉ちゃんもレミリアさんから解放され、宴会も終わったし、そろそろ帰るころだな。

 

「じゃあフラン、また明日紅魔館で。」

 

「外で弾幕ごっこをやるから、日が沈んだら来てね。」

 

「わかった。」

 

「こいしー、そろそろ帰るわよー。」

 

「お姉ちゃんに呼ばれたし、もう行くね。じゃあまた明日。」

 

「じゃあね、また明日!」

 

そういって、フランと別れた。そしたらお姉ちゃんが

 

「ほらね、友達ができたでしょう。」

 

「そうだね。お姉ちゃんはレミリアさんに質問攻めされていたけど、大変じゃなかった?」

 

「私としては、レミリアと仲良くなって、話もしたりして楽しかったわよ。」

 

「へぇ、レミリアさんと仲良くなったんだね。…………あのひきこもりのお姉ちゃんに友達ができるとは。」

 

「失礼な、……ひきこもりは事実だけど。あと明日は紅魔館に行ってレミリアとお茶会をするから、早く帰って寝るわよ。普段家にしかいないせいで、移動するだけで疲れるわ。」

 

「お姉ちゃんも明日紅魔館に行くんだ。一緒に行こうよ。」

 

「こいしも紅魔館に行くのね、フランドールさんとお茶会?」

 

「いや、弾幕ごっこ。」

 

「あんたはお茶会なんてするような性格じゃないか。」

 

「まぁね。」

 

私とお姉ちゃんは明日に向けて地霊殿に帰った。

 

 

 


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