偽者のキセキ   作:ツルギ剣

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66階層/トルファス 悪意の種

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 急に襲い掛かってきた【ヤン】を捕えると、そのままゾンビ達の街から脱出した、誰一人も欠けることなく―――。

 

 

 

 街の外で待機していた救出隊と合流。

 

 中で何が起きたのか説明、街の外ではどうなっていたのかも。情報の共有、内と外の別視点を総合して何が起きたのか考察した。

 その結果、敵のイカレ具合を上方修正した。油断はしていなかったが、想像以上だったことを認めざるを得ない。

 思い返すだけでも戦慄させられるが、気合いを入れ直す。目を逸らすわけにはいかない、しかと見据えなければならない。……これから先も、こんな罠が仕掛けられているはずだ。

 

 そして話題が、次の目的地についてになった頃合い/ちょうど、死んだはずの男が目を覚ました。

 

 

 

 

 ◆   ◆   ◆

 

 

 

「―――ようやくお目覚めか、クソ野郎」

 

 寝起きの男は、最悪の目覚めとばかりにぼんやりとした顔つきながらも、周囲と自分の状態を把握した。

 その結論―――ため息、肩をすくめた。

 

 【麻痺】に陥らせながら、両手を後ろにきつく縛り上げている厳重さ。おまけに、首には《傀儡の首枷》をガッチリと嵌めさせてもいる。……これでいつでも/気に入らなければ【気絶】させられる、不快な目覚め付きで。思い通りに体を動かせてもやれる、まるで自分の体ではないかのように。

 逃がさないため/捕え続けるために必要な処置。しかし……レッド達と同じだ。理由はどうあれ本質は変わらない。そう思うと、自分に嫌気がさす、コレにしか至れなかった力不足に。

 だけど……仕方がない。今できるのはコレだけだ。

 自罰感は腹に留め冷徹を装うと、尋問を開始した。

 

「……いちおう確認するが、お前は【ヤン】じゃないな」

 

 どうかな……。口には出さず、オレを試すかのよう不気味に笑うのみ。

 予想はできる。直感は答えを出していたがいちおう、エイジ達に確認させると―――クロ/絶句していた。【ヤン】とは明らかに別人の振る舞いらしい。

 

「それじゃ、自己紹介してくれないか?」

 

 『ソレ』の返答は……無言の嘲笑。しかし目だけは、こちらの死角/弱みを探るよう、悪意を蠢かせていた。

 喋れないのかもしれない。との考えは浮かんできたが、こちらの言葉はちゃんと聞こえている。声では無いがちゃんと応答もして見せている。……ただ、おちょくっているだけだ。こちらの微かな不安を大きく膨らまそうとしている。

 なので、無言を貫こうとするソレに、今度はこちらが試すように告げた。

 

「……そうかい。

 それじゃ、勝手に呼ばせてもらうよ―――【ジョニー】」

 

 その名前に、救出隊の面々の方が驚きをあらわにした。

 『ソレ』自身は、無言を貫くのみだったが……無表情ではいられなかった。かすかに眉が動いたのが見えた、動揺させられた険しさがあわれてしまっていた。……ビンゴだ。

 沈黙こそ答えだとばかりに、続けて煽り文句をぶつけた。

 

「このあと、どういった三文芝居を用意してくれていたかは、知らない。が、ここで終わりみたいだな。お粗末なクソ脚本のせいでな。

 残念無念、はいサヨウナラ―――」

『おいおい、そんなわけないでしょうが』

 

 ……やっと口を開きやがった。

 ただ、声が奇妙だ。ジョニーの声に似ているも、少々こもって聞こえる、まるで電話越しに話しているかのよう。加えて、口の動きと声音が微妙にズレてる。口の形が決まってから声が出るのが通常、しかし、声に口が追随しているかのようだった。……上手く誤魔化しているのか、ただの錯覚か。

 視線でエイジ達に確認を求めると……正しかった。【ヤン】の声ではない。

 

『……ちょっと調子乗りすぎでしょ、ビーター様。()()()()()捕らえただけで、いい気にならないでよ♪』

 

 ゲームはまだまだ始まったばかりだよん♪ ―――。ジョニーからの煽り文句/正真正銘の奴だ。くわえて死者への冒涜、救出隊/Kobの面々が怒気をあらわにした。

 気持ちはわかるが、爆発されると面倒なことになる。そのための交渉役だ。なのですぐ、轡をたぐった。

 

「喋れるのならさっさと喋れ。前にも言ったはずだったよな? お前の遊びはウンザリするだけだって」

『仕方ないでしょ、君とボクだけじゃないんだから。他の皆さんにもちゃぁんと伝わるように、手順を踏まないとね♪』

 

 そう言うと、お茶目……だと思われる表情を向けてきた、イタズラは冗談だったと甘えてくる子供のように。

 Kobの面々はさらに怒りたけるも……堪えてくれた。

 

 十二分に身勝手に振舞うと、今度は司会者にように/道化師のように、大げさに賞賛/宣言してきた。

 

『おめでとうございます、救出隊の皆さん♪ あの第一の関門を、()()()()()()()()の犠牲だけで終わらせられるなんて!』

 

 思わせぶりな不穏なセリフ、拘束されてなかったら大げさにジェスチャーも加えたであろうほど。

 ハッタリか悪ふざけか、それとも……。何かあるのだろう。

 わからないが、ジョニーの一手だ。乗ってはいけない/乗ってやるものか、一緒に破滅してやれるほどオレの懐はデカくない。……本当にコイツには、ウンザリさせられる。

 

「……それで、『第二の関門』とやらはどこにあるんだ?」

『焦らない焦らない♪ ボクが答えを言っちゃったら、つまらなくなるでしょ?』

「ヒントぐらいでも……とでも期待してるのか?

 あいかわらず往生際が悪いな。お前が()()()()()()()()()()()から、聞いてやってるんだろうが」

 

 気絶していた間、【ヤン】の体からすでに情報は抜き出していた。死んだ直前と直後のできごと。あたりは付けている。……死体は多くを語ってくれる。

 これは尋問ですらない。ただの確認、よしんば追加情報を漏らすのではないかとの余剰。もしくは百億万に一つ、奴が抱くかもしれない罪悪感と改心だ。手間の悪さはセンスの悪さ/ダサいは格下の証明、共犯者たちから見下されないためには話すしかない。……主導権はこちらがずっと握っていた。

 何より、拉致の主犯もジョニーだと判明した今、アスナたちの救出はオレ達だけの仕事ではなくなった。攻略組全体の事業になった。もうがむしゃらに突っ走る必要はない。オレ達はここで止まって、後続を待つだけでいい/報告するだけでクエスト達成だ。

 

 ジョニーもソレを察したらしく、少し眉をひそめるも……まぁいいか♪ 『コレ』を捕まえたボーナスもあるし。

 

『コレのお腹の中に、《フラッグ》が入ってるんだ。その先に行けばわかるよ』

 

 瞬間、軽口も返せなかった、顔をしかめる。

 やられた、そう来たかのかよ……。すみずみまで調べたつもりだったが、甘かった。腹の中までは調べていない。本来の/ただのプレイヤー相手ならありえない隠し場所、盲点だった。

 

「…………吐き出せ」

『無理だよん♪ 生きてたのなら、お腹殴って無理やりひねり出せるけど、死んでるんじゃ、帝王切開するしかないね』

 

 もちろん、そんなことすれば壊れるけど……。ニヤリ、口の端を歪めた、死体だとは到底思えないほどの憎たらしさ。攻略組にとって、死体は生者よりも繊細だ。

 死体操作―――。腕の傷口からも想像はできたけど/時間経過でも治る気配すらなかった、まさか本当だったとは……。おぞましい技術だ。レッド達の気など知りたくもないが、もっと知りたくなくなった、できれば近寄りたくもないほど。

 

 そんなジョニーの横暴さに、ついに堪忍袋の緒が切れたのだろう。

 進み出てきたエイジは、オレが止める間もなく、

 

「―――お前らは、絶対に許さん。必ず見つけ出して、報いを受けさせる!」

 

 臓腑からの怒りをぶつけた。おそらくは、Kobの面々の総意も込めた。

 ぶつけられたジョニーは―――ニンマリ、ただ嗤うのみ。そして、「頑張って、応援してるよ」……。無言の煽りを返した。

 憤怒が明確な殺意へと変わった。

 

 胸の内でため息をこぼした、ため息で一杯だったので。

 胸糞悪いが……仕方がない。この期に及んで嘘はないだろう。くまなく身体検査をしたので、腹の中というのにも信ぴょう性がある。

 今は少しでも時間が惜しい……。速攻の直通で行きたい。《フラッグ》は魅力的だ。

 

 いいぜ、やってやるよ帝王切開―――。不愉快な役回りは、オレがやるべきだろう。……オレは彼らの/誰の仲間でもない、ビーターだ。

 いつも通り。もはや決心するもなし、職務のような惰性のままに汚れ役を引き受けた。

 そしてそのまま、手を伸ばしかけると―――寸前

 

「―――キリト殿、()()()でござる」

 

 蜻蛉から忠告がなった。手を止める。

 

 水を差されたが、できた空白。止まっていた思考が回る―――

 奴はこうなることを、予測していたはず。オレ達に囚われてしまうことも、どうしようも抜け出せない結末を、全てがご破算になる最悪を。しかし、それでは終われない、まだまだ続けたい/続けさせたい、用意した終着まで引きずり込むまでは。

 ならば、いったいどうすべきなのか―――

 

 思考が推理を紡いでいく中……ふと、異音が耳に伝わった。続いて、ジョニーの顔が視界に映って……舌打ち?

 そこにはチラと、険を浮かべた残滓・舌打ちの残像があった。思わず隠しきれなかったのだろう、見抜いた蜻蛉への険悪感/焦りがにじみ出ていた。

 そして、「あと少しだったのに!」―――ギリリ、奥歯を噛み締めもした。

 

 瞬間、全身に電撃が走った。

 ようやく気づけた、なんて遅い。ヤバイやばい、やばい―――

 直後、降ってきた直感のまま/生存本能のまま、叫んだ。

 

「離れろッ!!」

 

 皆に叫びながら、後ろに飛び退いた。

 反応できたのは……嗅ぎ取っていた蜻蛉のみ。他のメンバーは、オレの突然の奇行に驚くのみ、訝しりの硬直時間(リキャストタイム)。……もう、間に合わない。

 

 そして―――ガチンッ。

 離れているはずなのに、鼓膜が直接叩かれたかのように、聞こえてきた。ジョニーの口元から何かが噛み合わされた音、噛み合わされてはならないナニカが……押された。

 

(だめだ、間に合わない―――)

 

 飛び退きながら、着ていた外套を盾にした。

 

 

 

 直後、ジョニーから/【ヤン】の体から、爆発が起こった。

 

 

 

 目がくらむような閃光/鼓膜を破るような爆音とともに、強烈な爆裂が放たれる。囲んでいた皆を吹き飛ばすほどの強範囲攻撃。

 自爆―――。

 奥歯に仕込んでいたであろうスイッチを機に、自らの体を爆散させた。

 

 爆風に押されるまま/飛び散ってきた何かの圧迫を外套越しに感じさせられながら、後ろへと叩き押されていった。

 ゴロゴロごろごろと、転がされる。地面にもみくちゃになる―――……。

 

 

 

 ―――……ようやく止まると、顔を上げた。

 同時に急いで、確認した。

 

「みんな、無事か!?」

 

 叫びながら、瞠目させられた。

 

 先ほどいたところには、巨大な爆発痕。半径10メートルはあるだろうクレーターが、現出していた。

 救出隊の面々は、その外円まで吹き飛ばされていた。各々ウンウンと、うめき声をあげながら倒されている。

 ただし……無事だ。

 見た目は煤けたりしてひどいが、HPへのダメージは軽傷。動けなかったり返事もおろそかなのは、軽い脳震盪でも起こしているだけだろう。どれだけレベルを上げても/装備を整えても食らう、システム的に保護されるのはHPと身体の耐久値のみ、どんな爆発現象でも油断できない理由だ。

 

 ホッと、いちおう安堵。とりあえず犠牲者はいなかった……。

 しかし、すぐに疑念。本当にそうなのか?

 これでは自爆損だ、ただの嫌がらせにしかならない。瀕死でもない相手にそんなことをすれば、こんな結末は目に見えているはず。くわえて、ここにいる全員は攻略組だ。対個人用の接触自爆ですら耐え切ってみせるのに、対複数への範囲自爆などでは……。

 

「くそッ! 最後にやってくれた―――て、うぉッ!?」

 

 救出隊の一人が、自分の有様を見て驚いていた。体に付着した『モノ』に。

 【ヤン】だった体の一部が、コベリついている様に……。

 彼だけではなく、大なり小なり皆同じ。オレも、外套にべっとりと、表現したくないナニカがついていた。

 

 吐き気を催すような光景だ。

 おそらく現実世界だったら、当たり前の悲惨さだろう。ずっと晒されていたら、胃の中のものを吐き出さずにはおられなかっただろう。

 しかし、その悪夢はつかの間だった。

 飛び散ったモノは、すぐさま消えていった。耐久値が0になり、存在を保てなくなったのだろう。ココではシステムが、すぐに/自動的に洗浄してくれる。……頼もしすぎる掃除屋だ。

 無理やり漂白された自爆現場。残るは爆発痕のクレーターのみ。

 

 異常の重ねがけに、不快感と倫理観は置いてけぼりだ。

 なので、不満は全て棚上げにした。

 汚れてしまった外套はそのまま、特別枠/未鑑定品用のストレージへと投げ込んだ。気にせず着れる勇気も、捨ててしまう大胆さもないので。……コレ、着れなくなったら絶望しそうだ。

 

「敵ながらあっぱれな最後、と言ってやりたいが……。虚仮威しにしかならなかったでござるな」

「そうだな。……そうであればいいんだが」

 

 本当にそう願う……。これ以上のサプライズはいらない。腸が煮えくり返りすぎて、盲腸になりそうだ。

 

 

 

 自爆のグランドゼロへ―――。

 

 ……いちおう、約束通りだった。

 腹に収まっていたであろう《フラッグ》は、そこにあった。あんな爆発があったというのに、損傷もない。しかし……見慣れぬもの/布切れらしきものが巻かれていた。

 

 警戒して視認、【鑑定】と【索敵】で罠の有無を。なんともなかったが、それでもおそるおそるも、手に取って確認した。

 本当に《フラッグ》だ……。コレに罠はない。何かが仕掛けられてるわけでもない。

 嫌な予感がしながらも、布切れを解いた。

 そこにも、罠はなかったが……もっと最悪なものが刻まれていた。

 

“救出隊の皆さまへ―――

 これより先、死なないようにご注意を。死神は、アナタ方の魂を守ってはくれないでしょう”

 

 警告文。何かを仄めかしているような……。

 意味を考察していると、救出隊の面々も集まってきた。そして覗き込んでは、顔をしかめて困惑を浮かべる。

 

「『死ぬな』て……お前に言われんでもそうするさ」

「死神? 魂を守る? ……なんのことだ?」

「これは……どういうことですか?」

 

 いや、オレに聞かれても……。オレはレッド達の専門家なわけではない。そんなのになりたくもないし、縁を切りたくてたまらない。

 ただふと、思い浮かんでしまった。

 奴の自爆の意味、誰も殺せないはずなのに実行した。嫌がらせ以外の意図とは……

 

「もしかして……()()()()でか!?」

 

 それでもう、()()してしまった……。最悪な予想。外れて欲しいが否定しきれない、異常な現状が肯定させてくる。

 

 陰鬱になった。ただの憶測だから口にすることでもない/したくもない。

 しかし……言わざるを得ないだろう。

 確証はないが可能性は高い。心構えだけは、今からしておくに越したことはない。それだけでも未来は/悲惨は回避できる。

 口を開きかけると―――思わぬ割り込み。

 

「ぼ、僕たちも、ヤンみたいになる……のか?」

 

 青ざめ/震えながらのデネブが、オレと同じ結論に至っていた。

 その怖れに皆、困惑/驚愕するも……すぐ同じように、戦慄。

 理解した/してしまった。すでに/もう/たったのアレだけで、致命的な病にかかってしまったと、少なくとも疑いは濃厚に。

 

 沈鬱な空気、押し黙らされた。……無理もないだろう。

 だが、そんな気分に浸っても意味はない。慰めよりも解決策だ。

 

「……少なくとも、生きている間は何もないだろうさ」

「だが! そんな保証はどこにも―――」

 

 ないだろうが―――。最後は声に出せず、己の内を引っ掻き回された。

 自分でも信じたくない苦悶、毒づきながら顔をそらした。

 

「本当に()()()()()のかは、わからない。もしもそうだったとしても、オレ達のやることは変わらない」

 

 アスナの救出―――。その過程に、ジョニーの抹殺が追加された。

 いや……元々そうだった。奴はここのフロアボスなのだから。順序が正されただけだ。

 

「……僕たちは、死ぬこともできない、てことか」

「もともと、そのつもりはないでござるがな。このゲームをクリアするまでは」

 

 もちろん、その後もでござるが……。強気でもハッタリでもない、単なる事実として。これまでそうだったように、これからもそうするだけだと、思い出させた。

 オレ達の大目的、ゲームクリアだ。そして生きて、現実世界に帰還することだ。……こんなところで野垂れ死ぬつもりなど、毛頭ない。

 

「行こう、時間が惜しい。……これ以上無理な奴は抜けてくれていいぞ」

 

 煽り文句だが、真実も含めた。

 ここは分水嶺、おそらく最後の休息地だ。ここを逃せば、もうレッド達との対決だろう。……殺すか殺されるかの修羅場になる。

 心が挫けてしまった者から、殺される。そして、奴らの手駒にされる。文字通りの操り人形。残った者たちは、吐き気をこらえながらも止めを刺さないとならない。すると、さらに心挫ける者が生まれる、悪循環……。ここで抜けてくれた方がありがたい。

 

 言いたいことは伝わったはずだが……効果なし。

 むしろ、戦意が高まった/眼光が引き締められていた。「ソレがどうした?」と、頼もしいまでのタフさを湛えながら。……誰も降りてはくれなかった。

 複雑な気分だ。自分で焚きつけておきながら申し訳ないとも思う。もしも誰かが殺されたとしても、責任などとりようもないのに……なんて身勝手だ。

 

 皆の決断に、どんな顔をすればいいのか迷ったが―――ニヤリ、不敵に笑いかけていた。おそらくは梟悪な、まさしく『ビーター』らしいタフガイoftheタフガイ。……オレ自身の意思は、追いかけるだけで必死だ。

 でもたぶん、コレが扇動した者の務めだろう。……そうあってくれることを、切に願うのみ。

 

 

 

 改めて意志を一つにすると、各々《転移結晶》を取り出し―――唱えた。

 次なる目的地を。

 

「転移、【ウルムチ】」

 

 直後、全身が光に包まれた。転移特有の空間の歪みと光波が、幾柱も立ち上る。

 そして視界から、砂漠とトルファスの光景が消えると―――目的地へと転移していった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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長々とご視聴、ありがとうございました。

感想・批評・誤字脱字のしてき、お待ちしております。

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