偽者のキセキ   作:ツルギ剣

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63階層/結晶山 ゴーレム 前

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 【不死鳥旅団】一行と別れ、水晶満ちる山頂部へ。

 夕暮れの光が乱反射される、水晶の岩肌。見上げても地面を見ても、紫紺色の夜空が広がっていた、数え切れない程の星が煌き反射している。確かな硬質な感触はあるものの、何もない空の上を歩いているようで落ち着かなくなる。

 

「ほんと、キレイな場所よねぇ。現実じゃないみたい……」

 

 リズベットは嘆息しながら、周囲の景色にうっとりしている。

 そもそも仮想世界なんだから、当たり前だろ……。との夢壊す発言は、ぐっとこらえた。気持ちはわからなくもないけど、今は別のことで悩まされている、この幻想的な光景の奥に潜む敵意を……

 

「そろそろゴーレムの警戒域だ。注意して―――ッ!?」

 

 何かが、【索敵】網に引っかかった。

 

 すばやく臨戦態勢、剣を抜きはなち構えた。遅れて気づいた/一気に緊張させられていたリズベットに「その陰に隠れろ!」と指示した。

 不満の一つでもこぼすかと思いきや、素直に従ってくれた。

 

「ええと、ゴーレムの攻撃パターンは―――左右の拳と、タックルしながらのラッシュ、それと周囲に無数の氷柱を発生させることだって! 気をつけて」

 

 わかってる……。口早な助言に、親指を立てて/了解との合図で答えた。

 じっと前方に集中、捉えた影を明らかにしていく―――

 

 するとドスドス、ここまで揺れるほどの足音が鳴り響いてきた。さらに目を凝らし続けると、おぼろげだったゴーレムがハッキリと見えてきた。

 周囲の水晶と同じ材質の身体で、一見だけでは見分けは付けにくい。なれど、内側で駆動エネルギーを循環させているためか、反射しているだけの周囲の水晶とは違う/夕暮れの今だとよくわかる。オレンジと紫紺の中、ソレだけは白虹の光を帯びている。

 破壊をもたらす兵器なれど芸術品でもあろう矛盾した威容。人を模した直立型だが手足は短く太い、胴体と頭の境はみえずほうき頭のドラム缶のようになっている三等身。ので、可愛らしいと言えなくもないだろう、オレの背丈の3倍は無ければ。

 その姿を明らかにするやいなや、いきなり両の拳を振り上げた。そして思い切り、地面を―――叩いた。

 

 衝撃が、震え渡った。弾性などないはずの水晶の地面が、波打つ。

 その波を追いかけるように、幾十重もの鋭い氷柱が生えてきた。その場に立っているものを串刺しにするかのように、地面から隆起していく―――

 だが、出頭の動きから想定済み、対応の手段も心得ていた。

 こちらも、愛剣を両手で/逆手で掴みながら振り上げた。隠れた場所からリズベットがなにか叫んだのが聞こえるも、声まで捉えられない。……たぶん驚いているだけだろうから、無視だ。

 

「オオオオォォォー―――ッ!」

 

 雄叫び上げながら/氷柱がやってくる寸前、地面へ力の限り/深々と剣を―――突き通した。剣の鍔手前まで入り込む。

 一見すると無意味な行為、しかしコレでいい。―――ソードスキルが発動した。

 

 片手剣範囲攻撃【アースハウリング】―――。

 突き立てた場所から同じく、ゴーレムがやったのと同じような波紋が現れた。ソレが氷柱の波にぶつかると緩衝/空間を歪ませる。

 そして―――相殺した。

 発生させた衝撃波は、オレを貫くはずの氷柱達を生まれ出る前に相殺していった。周囲数メートル圏内は微震のみ、変わらず通常の水晶の地面のまま、無理矢理に均衡を保たせる。

 

 本来は、周囲の敵に小ダメージと【崩し】/低確率で【転倒】させる剣技。平地で一対多で囲まれた時に使うと有効、大概足元がお留守になっていることが多いので効き目は抜群。応用として、効果範囲内の敵の剣技を強制キャンセルさせることができる。このゴーレムのような地面を利用した剣技なら、間違いなく無効化できる。

 さらに今回は、システム外スキルも併用。通常使用の均等な円状ではなく、前方へ扇状に広がるよう指向性を持たせていた。

 ゆえにか/ラッキーなことに、衝撃波の余波を食らったゴーレムは、足を滑らせ【転倒】させられていた。どスーンと頭から、すっ転んだ。

 

 機を逃さず、地面を蹴った。

 滑るように/飛ぶように一気に間合いを詰め、剣撃を叩き込んだ―――

 無防備な背中への一撃は、HPを3割ほど奪う。

 

 たて続けに攻撃、さらにHPをガリガリ削っていく。そして半分ほど奪いとると、ようやく起き上がってきた。

 もう一発、叩き込むことはできた。ちょうど剣技のリキャストも終わった頃合だった、いつもなら/この万全の体力なら勝負していただろう。だけど今は、背後にリズベットがいた、無理はできない。

 追撃のチャンスは反撃の備えへ、ゴーレムの死角へと回り込んだ。

 

 ギリギリ目の端で捉えていたのだろう。あるいは後頭部あたりに、別の感覚器官があったのか。

 人間族なら見えないはずなのに、即座に対応。振り向きざま、裏拳を叩き込んできた―――

 予想外の反応、でも大差ない。

 剣を裏拳の軌跡上へ置く、受けて立つ防御の構え。

 いくら格下の敵とは言え超重量級の相手。正面から受ければ吹き飛ばしと【崩し】は免れない、避けるのが無難だ。しかし今回やることは、受け止めるのではなく払い除けること―――

 

 裏拳が剣の腹にぶつかった。衝撃が腕に伝わる/全身が痺れる。ゴーレムの攻撃と自分の防御が混ざり一つに溶け合う―――直後、はね上げた。

 澄み切った鐘の音とともに、ゴーレムの拳が真上に跳ね飛ばされた。

 同時に【崩し】も入って腰が浮く、重心が定まらずフラフラとたたらを踏む。

 すかさず、空いた懐に滑り込み、強烈な一撃を叩き込んだ―――

 悲鳴か部品の軋みか、痛みを訴えるような叫び。HPバーも黄色に染まっていった。

 

 さらにもう一幕。痛みを怒りに変えたゴーレムは、拳を振り回してのラッシュを叩き込んでくる。

 しゃがんだりバックステップで回避、ローリングで股抜けもして回避回避―――。

 ゴーレムのヘイトを保たせながらの紙一重の攻防。いつもなら「鬼さんこちら」とばかりに煽りながら、間合いの外へ下がり続けるだけだった。今日はその手が使えない。右往左往と忙しく動き回らされる。……周囲が沼地か雪原でなくてよかった。

 疲れてしまったのか、ラッシュが鎮まる。

 その間隙を逃さず、踏み込んだ。無防備な腹にもう一撃叩き込む。

 

 

 

 幾度目かの攻防の末、ゴーレムのHPバーは赤く染まっていた。あと一発、二発は入れれば終わるだろう……。

 しかし、踏み込むことはできなかった。警戒を緩めず見据える。―――死の間際に、途轍もない置き土産を残すから。

 【旅団】達のように、高レベルプレイヤーとパーティーを組んでいたのなら、むしろ願ったりの状況だ。採掘やレベル上げにも最適だろう。しかし、今は違う。時間と手間をかけても手堅くいきたい。あの硬い防御にゴリ押ししたら、間違いなく発動してしまう。

 

 睨み合いながら、どうにかまた/じれて隙をみせないかと伺っていると―――予想外のことが起きた。【索敵】が警告する。

 何を思ってか突然、リズベットが隠れていた場所から出てきた。

 

「バカ!? まだ出てくんなッ!」

「な、何よ? もう終わりじゃない。さっさとカタをつければ―――」

「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■!!」

 

 ゴーレムの雄叫びが、リズベットの言い訳をかき消した。

 オレにでも誰に向けるでもなく、狼の遠吠えのような、この水晶の山そのものに向けての雄叫び。

 撒き散らされた轟音に反応してか、周囲の水晶が微震。淡く発光し色めき立つ。……傍に仲間がいた事に反応してか、ラストショットを繰り上げてきたのだ。

 

(まずいまずいまずい、まずい―――)

 

 間に合え―――。最速最短、ソードスキルを叩き込んだ。咆哮で無防備になっていた胸元へと、穿つ。

 

 深々と愛剣が突き刺さった。致命に至った手応え、HPバーもガくんと減少し、0になった。

 しかし、キャンセルはされなかった。

 周囲の水晶の共鳴は止むことなく、さらに高まりをみせていく。

 

「くそッ! 間に合わなかったか―――」

 

 舌打ちをつくも即座に、リズベットの元まで下がった。彼女を庇いながら、最大限の警戒を払う。

 貫いたゴーレムが、役目を果たしきったかのように倒れていく。ゆっくり背中から倒れ……砕けた。無理やりつなぎ止めていたであろう手足や関節部が、バラバラに地面へ四散した。ゴーレム特有の駆動の光も消えていく。

 周囲の水晶と代わり映えが無くなっていった直後、ソレが―――発動した。

 

 

 

 周囲の輝く水晶壁から、幾十体ものゴーレムが歩み出てきた。

 

 

 

 先ほど倒した【クリスタルゴーレム】と同じ。しかし……大群。しかも、逃げ場をなくすかのように囲むような形で、隆起している水晶壁から現れてきた。

 

「な……なん、なのよ、これはぁッ!?」

 

 恐慌一歩手前の悲鳴。こっちがぶん殴ってでも聞きたいことだったが、今は不問に処す。

 

 表れたゴーレム達は、機動シークエンスを終えたのか、目の部分やコアと思しき箇所に赤い光が灯った。そして、敵性個体であるだろうオレ達を捉えだした―――

 その無機質な視線にゴクリ、息を飲まされた。騒ぎ立てていたリズベットもヒィッと、引きつけのような悲鳴を上げる。

 すぐに攻撃されるかと身構えるも、睨み合い。代わりにジリジリと、囲みを強化していった、抜けられそうな陣形の穴が補修されていく。……とても嫌な展開だ。

 

「―――て、転移でにげよう!」

「無理だ。ココはもう【結晶無効化空間】だ。転移結晶じゃ逃げられない」

「け、結晶無効化ッ!?

 ……て、何よそれ! そんなことあるわけ―――」

「やめろッ! 使えば奴らの攻撃スイッチが入る。君もソードスキルが使えなくなるだろ」

 

 改造結晶を起動させようとするのをギリギリ、押し止めた。……危ない危ない。

 【結晶無効化空間】になってしまったことに気づかず、いつものように緊急離脱しようとすると、ゴーレム達に先制を取られてしまう。

 結晶アイテムの使用は、ソードスキルと併用できない。さらに発動失敗すると、効果が続いたであろう時間硬直を課せられてしまう。プレイヤーでも気づける者は少ない/ほぼ気にする必要のない現象。なのにゴーレム達は、そのシステムの隙を利用してくる/戦術に組み込んでいた。

 リズベットが「なんで止めるのよ!」と頑なに訴えてくるも、却下。説明してあげる暇もない、僅かながらの隙を探るのに精一杯だ。

 オレの緊張が伝わってくれたのか、渋々ながら保留してくれた。

 

「……どう、するのよ、こんな大群? アンタでも……無理でしょ?」

「一人ならいけないことは無いけど、君が傍にいるとちょっと……厳しい」

 

 ハッキリ言うと無理、だけど強がった。このピンチ下での弱気は、正しい判断であろうと勢いを殺す、起死回生の案も出てこずフン詰まりになるだけだ。……今は博打の時間だ。

 自己暗示の強気発言が幸をなしたのか、一つ閃きが湧いてきた。

 

「リズベット。転移結晶一つ、貰ってもいい?」

「きゅ、急に何よ! てか、使えないんでしょ?」

「いいから出しといてくれ」

 

 早く早く―――。急かすと、不満タラタラながら言うことを聞いてくれた。

 急いでメニューを展開すると、転移結晶を取り出した。青い八角柱の水晶を握り締める。

 

「オレが合図したら、ソレを真上に思いっきり―――投げてくれ」

「な、投げる!? 使うんじゃなくて?」

 

 正気の沙汰じゃないわ……。最もな意見だが、今は最もふさわしくない。

 

「あいつら【クリスタルゴーレム】にとって、結晶アイテムは……同胞らしいんだ。小さくて自分じゃ動けないから、赤ん坊みたいなものだな」

「あ、赤ん坊? ……コレが?」

「オレ達の手にソレが握られている状況は、言ってみれば『人質を取られている』。追い詰められた凶悪な誘拐犯が、赤ん坊を盾にしているように映ってるんだ」

 

 だからこそ、パーティースキルにより【結晶無効化空間】を展開している/結晶の使用は奴らを怒らせるのかもしれない。……みせしめで断末魔も上げさせている、かのように見られているのかもしれない。

 リズベットは、疑り深そうな/「アンタ頭大丈夫?」との視線を向けてきた。モンスター達とプレイヤーとの概念違いについて、詳しく説明してやる暇はないので省略。「ほれ、見てみろ」と周りの様子に目を向けさせて、強引に納得させた、動揺して/怒りを滾らせているゴーレム達の姿が見えるはずだと。……微妙すぎる反応なので気づけないだろうが、切り替えてもらうしかない。

 

「使わずに放り投げれば、奴らの注意が逸れる。そこを突いて……逃げる」

 

 舞い降りてくれたアイデアの概要/リズベットを無事に逃がせる方法。……この世界に爆裂魔法が存在していたら、もっとスマートな解決法があったのだが。

 説明してもリズベットは、半信半疑だった。オロオロと迷っている、今手に持っている転移結晶の誘惑に駆られていた。オレの世迷言なんか信じず使えばいい、いつもそうしてきた/コレが最善だ/ソレ以外にない、【結晶無効化空間】なんてあるわけない……と。

 オレはソードスキルを使わないといけない。彼女にやってもらうしかない。刹那の/繊細な/ミスの許されない職人技なのだ。タイミングを見誤ると檻にぶつかるだけ、包囲から抜け出せずそして―――最悪な悲劇が待っている。

 なので、後はただ……オレへの信頼だけだ。

 

 怯え切っているリズベットへ真っ直ぐ、相対した。

 

「信じてくれ、リズ。必ず君を守る」

 

 ジぃッと挑むように、彼女だけを見据えて宣言した。

 周りのゴーレム達の様子がすごく気になるが、今は彼女の信頼を得るのが大事だ。ちゃんと真っ直ぐ真正面から、向き合わなければ伝わらない。

 オレの誠実さが伝わってくれたのか、震えは止まった。だがボソリ、呟くように―――

 

「―――も、もう一回……言って」

「……へ?」

「もう一回き、き……聞きたいのッ!」

 

 顔を真っ赤にしながら、要求された。

 想像の斜めを上をいく返答に、ポカーンとしてしまった。何を言われたのか、頭が一瞬空白になった。

 

 再び思考が戻ってきた直後、何か言おうとした寸前、

 

 

 

「「「■■■■■■■■■■■■■■■■■■!!」」」

 

 

 

 ゴーレム達の咆哮が、現実に引き戻してきた。

 

 包囲陣形の配置は完了していた。

 あとはただ、網を狭めていくだけの作業。ゆっくりとしかし確実に、絞め殺していく/近づいてくる。全員で発生させた氷柱が檻の中を埋め尽くす間合いまで―――……

 待っていた瞬間だ。

 

「投げろ、リズベット!」

 

 ギリギリを見計らって、叫んだ。……もう信頼どうこう言っている場合じゃなくなった。

 幸いなことにリズベットは、こんちくしょうとばかりに投げてくれた―――

 

 空高く舞い上がる転移結晶……。

 ゴーレム達の目は、全てそこに向いた。舞い上がるソレを目で追い、釘付けになる。

 

(今だ―――)

 

 瞬時に腰を落とし、ソードスキルの構え。ついでに無造作ながら、リズベットを脇に抱えると―――跳んだ。

 地面を思い切り踏み込み、ゴーレム包囲網の間隙へと発射した。

 

 一気に手前まで飛び込めた。

 ゴーレム達は注意が逸れていたので、対応が一手遅れた。再びターゲットマーカーを付け直す。

 その間隙/ほぼ同時にもう一歩、跳んだ。

 

 脇を抜けた。

 傍の両側のゴーレムは目で追ってくるも、まだ攻撃できず/マーカーの設置が不安定。させてやることなくそのまま、走り抜けた。囲みから抜け出る―――

 しかし、別の個体は違った。

 遠距離の間合いであったため、注意が戻るとすぐさま行動。出会い頭にぶつけられたように、各々が地面を―――叩いた。

 

 衝撃波とともに、氷柱が追いかけてきた。

 必死で走るも振り切れない。リズベットを抱えているので速度が足りない。このままでは二人とも串刺しにされる、足止めされてまた囲みに戻されてしまう……。

 なので―――飛んだ。

 前ではなく上空へ、氷柱が届かない高さまでジャンプした。

 

 人ひとり抱えてだったが、ギリギリ。氷柱の穂先は足の裏手前あたりで止まった。

 

「あ……危な―――」

「いのは、これから―――だッ!」

 

 しばしの無重力状態の刹那、思い切りリズベットを―――放り投げた。

 ここからさらに【体術】の【月歩】/空中二段ジャンプを使えば、伸びた氷柱に突き刺さることはないだろう。しかしソレだと、高すぎるので着地時に硬直時間を課せられてしまう。リズベットの体重分も含めると高所ダメージもある。ゴーレムたちに追いつかれるだけだ。

 なので、投げた、彼女だけ戦域から外れてもらうために。

 ついでに/その勢いを使って、オレも足下の氷柱群から逸らした。串刺しにされることはない。ただし―――ゴーレムの檻の中に戻ることで。

 

 真逆の方向へ放物線を描くオレ達。……リズベットは頭から着地してしまったものの、戦域外まで飛ばすことができたのは見えた。

 

 ゴーレム達は、近くで着地したオレにターゲットを向け直した。組しやすさよりも距離を優先する、そこだけは大多数のモンスター達と変わらない。

 このまま戦えばオレにだけ注意を向けてくれる、狙った状況だ。コレなら何とかなる。しかし―――

 

「バカぁ! 何してんのよッ!?」

 

 リズベットの絶叫に、ゴーレムの数体が反応してしまった。

 

 すぐに攻撃すれば、もう彼女に見向きしないだろう。だけど、確実とも全員でもない、タイマンとは違い包囲網の中では舐めてもかかれない。

 なので、ちょうど落下していたリズベットの転移結晶を拾うと―――発動させた。

 

 結晶は煌めくもしかし、効果は発揮せず。瞬く間に輝きも消えた/発動失敗。

 そして、全てのゴーレム達のヘイトが一気に高まった。敵意の視線が降り注いでくる。……これでもう、彼女を襲うことはなくなった。

 愕然としているリズベットに、気軽な調子で伝えた。

 

「今度こそ、絶対に隠れてろ! 手出しなんか一切すんなよぉッ!」

 

 次は流石に、フォローしきれないからな……。リズベットからの罵倒の代わりに、ゴーレム達が拳を叩き込んできた。

 

 

 

 

 

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 長々とご視聴、ありがとうございました。

 感想・批評・誤字脱字のしてき、お待ちしております。

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